私の管理職体験談:部下のミスから、社長に30分間「激詰め」された日。

[最終更新日]2023/10/17

体験談
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私の管理職体験談:部下のミスから、社長に30分間「激詰め」された日。

鳥取市に住む、独身男性です。今年で40歳になりました。

いずれは結婚したいと思っていますが、「独り者の気楽さ」をもう少し味わっていたいという気持ちもあります。

休日はいつも好きな映画を観たり、読みたい本があった時に読んだりして過ごしています。

また、1人で過ごすのが好きなので、まとまった時間を取れる時は1人で温泉旅行に行ったりしています。
そうやって休みの日に普段の疲れを取るようにしたりリフレッシュしたりしています。

それから、「寝ること」が好きですね。

本当に疲れてるとき、気持ちが落ち込んでいるときは、とにかく寝るようにしています。
しっかり寝ると、元気になりますよね。そして元気でいれば、面倒なことや大変なことがあっても、大抵はなんとかなります。──少なくとも、「なんとかなるだろう」と前向きに考えられるようになる。

だから、たまに1日中昏々と眠り続けることもあります。





けんさん(男性 40歳)
職業
不動産業
職種
企画
年収
約450万円
従業員規模
30人(うち部下5人)
地域
鳥取県

Index

目次

不動産営業を目指して、転職。

入社して半年くらいは苦労しました

私は元々、不動産業界とは別のところで営業の仕事をしていました。
ですが、その業界が「どうも自分に向いていない」と感じていて、それで不動産業界に転職したのです。

そのタイミングで、宅建(宅地建物取引士)の資格も取りました。





「営業の仕事はこれまでもやっていたし、すぐ慣れるだろう」と思っていましたが、やっぱり最初は大変でしたね。

なまじ営業経験があるゆえに、「普通はこういうものだ」というような固定観念があって、それが邪魔することもありました。

とにかく、不動産会社に入社して半年くらいは苦労しました。唯一良かったなと思うのは、宅建の資格を先に取っておいたことですね。

多くの場合、仕事を助けてくれるのは、自分自身の「経験」と「知識」でしょう。
経験がなければ、知識に頼らざるを得ない。そういう意味で、その業界それぞれの資格を取得しておくのは、(特に実務経験のない人がその分野に参入する際に)大いに役立つのでは、と思います。





管理職とは、「責任のある仕事」?

上司から管理職を推薦されて

今から5年前に、上司から管理職を推薦されました。

上司

「これまでやってきた経験を活かして、もっと責任のある仕事をやって欲しい」

と言われて。
推薦されたのは嬉しかったですが、「責任のある仕事」という言葉にはやっぱり、重みとプレッシャーを感じました。

私の勤務する会社は従業員30名ほどの小さなところでしたし、上司も社長もけっこう厳しい人たちでしたから。私の他にも管理職の人が2名いましたが、どちらもベテランの人で私よりも仕事のできるタイプでした。

ただ、管理職の就任後に2人の部下から「頑張ってくださいね」と言ってくれて、それはかなり嬉しかったです。不安な気持ちは変わらずありましたが、「とりあえず、やってみよう」という前向きな気持ちになることができました。



部下の、ホカホカに暖まった「ミス」。

部下のミス

どんな仕事も、慣れてしまえばなんとかなるものです。

管理職になってから振られるようになった新しい業務も半年ほど経つと大分慣れてきて。
1年後には、何のストレスもなく日々の業務をこなせるようになりました。

そんなとき、一人の部下が青白い顔をして私のところにやってきたのです。

部下

「すみません、この書類の内容に不備がありました」

その書類とは今年度の事業計画に関わる内容で、不備があるとなると策定した予算を再度見直す必要がありました。そしてその予算立ては、2か月間かけて管理職と役員陣が固めていき、先月末にようやく完成したものだったのです。

「なんで、もっと早く言ってくれなかったの?」

そう訊いたのは、この報告があと1週間早ければ、何とか挽回のしようがあったからでした。
また、部下の業務内容からして、書類の不備はすぐに気付けるはずでした。

部下はその問いには答えてくれず、ただ「本当に申し訳ありません」の一点張りでした。恐らく、少し前に間違いに気づき、お咎めを恐れて報告をいたずらに遅らせてしまったのでしょう。

すぐに、私は社長にこのことを報告することにしました。

社長に時間を取ってもらうやり取り、そして会議室に向かうまで、大変憂鬱な気持ちでした。
ふと、(部下もきっと、こんな気持ちだったのかもしれないな)と、そんなことも考えていました。

案の定、社長からはかつてないほどの怒りをぶつけられました。

社長の激詰めは、30分くらい続きました。
それくらい大きなミスでしたから、怒られるのはしょうがないと思いながらも、ふと

(ああ、これはきっと、降格されるだろうな。…もう、どうでもいいや)

と、やけくそな気分になってしまって笑。 そしてなぜかそう思ったとたん、塞がっていた気分が変にハイになって、「今はどう行動するのが最善かを考えよう」という気持ちになったのです。

社長にはまず誠心誠意をもって謝罪を重ねました。
社長が少し落ち着きを戻してきたとき、リカバリプランと関係各所への連絡、および修正作業全体の進行を私が行うことを提案しました。

社長の方もだんだんと怒りが収まってきたようで、私の提案をうんうんと聴きながら、「いや、そこはこうしたほうが良い」「そうだな、そこはそれで行こう」といった感じで考えをまとめて行ってくれて、更には「2人で話していてもしょうがないな。関係者を呼んでしっかり対策を立てよう」と言って緊急会議を開くことになりました。

会議が終わったのは、夜の10時でした。
たいへん疲れましたが、なんとか今回のミスのリカバリーはできそうだということが見えてきました。

最後に社長は、

社長

「●●くん(私のことです)のことは責めないでやってほしい。これは、きちんと確認できなかった私のミスだ」

と、言ってくれました。

そしてこのとき、私は「今回のそもそものミスをしたのは部下である」ことをちゃんと説明できていなかったことに、はじめて気づきました。



当時のことを振り返って、今思うことは。

部下からの信頼度が高まった

当時のことは、今でもよく思い出します。

大きなミスを上司に報告する際の、あのなんとも言えない緊張感。きっと、程度の差こそあれ、長く働いていれば誰しもが経験することでしょう。──ホントウに、嫌ですよね、あれ笑。

それから、ミスが起きたときの管理職としての「責任の取り方」についても、考えるきっかけになりました。

ミスを犯した部下は、どうやら私がミスを庇って非難の矢面になってくれたと思ったようです(結果的には確かにそうなったのですが)。

それで私に対して信頼度が高まったようで、以前よりも積極的に業務報告をしてくれるようになりました。





管理職としての、「責任」の扱い方

これからも管理職ライフを充実させていきたい

私が考える管理職で一番大切なものは、「いざという時に、自分が責任を取る覚悟があるか」ということです。
その覚悟がなければ、きっと管理職はやらない方が良いのかもしれません。

「責任」というと、やや重たい印象を受けてしまうかもしれませんが、私の責任の定義はいたってシンプルです。それは、「どう進めるかを諦めずに考え続けること」、そして「最後まで見届けること」。

どれだけ努力するかとか、進退をかける(「責任を取って辞職します」等の行為)とかは、責任とはまた別の行為でしょう。私は、そう思います。

管理職をやっていて嬉しいことは、部下が活き活きと仕事をしてくれていることですね。活き活きとしてくれるとこっちも元気を貰えますし、たいていそういう時の仕事のパフォーマンスは高まります。

今でも、たまに厄介なことやトラブルがあって、大変になることもあります。
でもそういう時こそ、管理職としての働きかけが発揮されるべきなのでしょう。

疲れたら、とにかく家に帰って、そして休日にたくさん寝ること。
息抜きは、温泉。

そして仕事では私も活き活きと活動して、これからも管理職ライフを充実させていきたいです。