【朝礼ネタ】名言・格言シリーズ①─「人間関係」について

[最終更新日]2019/11/06

お役立ち情報
8
朝礼ネタ 偉人の名言シリーズテーマ 「人間関係」

人間関係は誰もが何らかの悩みを抱えている、永遠のテーマとも言えるものです。

古今東西、多くの学者や文化人が人間関係について思考を重ね、さまざまな金言・格言を生み出しています。見方を変えれば、それだけ答えのないテーマとも言えるのです。

そこで、今回は朝礼スピーチでこうした格言を取り上げ、人間関係についてさまざまな観点から考えていただくきっかけを提供するためのスピーチ例をご紹介します。朝礼スピーチのネタを探している方は、ぜひ参考にしてください。



Index

目次

朝礼のネタ:「他人への苛立ちや不快感」は、同族嫌悪から来ている?

「他人に対して感じる苛立ちや不快感は 自分がどんな人間なのかを教えてくれる」                    ― ユング

世の中には本当にいろいろな人がいます。初対面のときから他人のような気がしない人もいれば、どうしても「合わない」と感じる人もいるものです。

つい他人に対して苛立ってしまったり、ふとした言動に不快感を抱いてしまったりする経験は、誰にでもあることでしょう。今日は、こうした他人への苛立ちや不快感がなぜ生じるのかについて、考えたことをお話しします。

スイスの心理学者で、精神医学者でもあったユングは、こんな格言を残しています。
「他人に対して感じる苛立ちや不快感は、自分がどんな人間なのかを教えてくれる」

さらっと聞いただけだと、なぜ他人に対してのマイナスの感情と自分を知ることが関係するのか、よく分からないかもしれません。ここに深く関係している心理の1つに「同族嫌悪」と呼ばれるものがあるようです。

人は誰しも、自分の中に好きな部分とそうでない部分を持っています。「自分のこんなところが嫌い」と感じた経験は、おそらく皆さん持っているのではないでしょうか。常日頃、何となく抱いているそのような負の感情を、私たちはたいてい見て見ぬふりをしたり、いつの間にか忘れてしまったりしています。

ところが、ふとした瞬間に「自分自身の嫌いな部分」を他人が見せることがあります。何気ないひと言や行動だったとしても、自分自身の嫌いな部分と重なっていると妙にクローズアップされてしまい、苛立ちや不快感を覚えてしまうらしいのです。

このように、他人に対して抱く苛立ちや不快感は、自分自身の負の部分を映し出す鏡のようなものです。誰かに対して苛立ちを感じたときは、「ああ、これは自分自身の嫌いな部分が投影されているのだな」と思って振り返ってみると、また違った見方ができるかもしれませんね。



ユングの名言・格言を紹介する前に知っておきたい、「心理学者ユングってどんな人?」

ユング (1875.7.26-1961.6.6)スイスの精神科医・心理学者。 人間の深層心理を研究、 「ユング心理学」 創始者。

参照:wikipedia

夢による精神分析で有名なフロイトと親交を重ねたものの、のちに主張の違いが発端となって訣別し、独自の分析心理学を確立した心理学者・精神医学者です。現代においても精神分析の分野でしばしば用いられる「コンプレックス」の概念や、性格を「内向型」「外向型」の2類型に分ける考え方を提唱したことで知られています。

現在、心理学や精神医学に基づいた療法においては、患者とセラピストが対等な立場で話し合いながら患者の多層的で複雑な精神世界への理解を深めていくスタイルが一般的になっていますが、こうした分析方法を提唱したのもユングです。

現代の心理学や精神医学の基礎を築き、後世にも大きな影響を与える功績を残した人物と言えるでしょう。

朝礼のネタ:「人づきあいがうまい人」とは、どんな人?

「人づきあいがうまいというのは 人を許せるということだ」              ― ロバート・フロスト

皆さんはこれまでに、「人づきあいがうまい人が羨ましい」と感じたことはありませんか?

私はよくそのように思います。誰とでもすぐに打ち解けられて、分け隔てなく付き合える人は素晴らしいと感じるのです。でも、それを無意識のうちに実践し続けていくのは並大抵のことではありません。

今日は、人づきあいのうまい人とはどんな人なのか、また、そうなるにはどんなことを意識していけばいいのかを考えてみたいと思います。

アメリカの詩人ロバート・フロストは、「人づきあいがうまいというのは、人を許せるということだ」という言葉を残しています。

私はこの言葉を初めて聞いたとき、「なんだ、人の失敗や失言を許せればいいのか」と非常に安直に捉えてしまった記憶があります。

ところが、「人を許す」というのは、何も失敗や失言に限ったことではないようです。自分とは違った考え方やものの感じ方をする人は、世の中にいくらでもいます。

私はよく、表面上は「たしかにそうですね」「そういう考え方もあるのですね」などと取り繕うことがありますが、本心では「いや、自分の考えのほうが本質的なはずだ」とか「この人はよく分かっていないのだろう」などと鼻持ちならないことを考えていたりします。

表面的に馴れ合っている状態は、相手を受け入れて認めることとは違います。自分は自分の考えがあってもいいのですが、自分とは違うという点で否定したり、認めなかったりするようでは、いつまで経っても自分自身の考えが発展しないままです。

相手を許し、受け入れ、認めるということ——。決して簡単なことではありませんが、フロストの言葉をときどき思い出しながら、心がけていきたいと思っています。



フロストの名言・格言を紹介する前に知っておきたい、「詩人・ロバート・フロストってどんな人?」

ロバート・フロスト (1874.3.26-1963.1.29)アメリカ合衆国の詩人。 作品は社会的かつ哲学的で 大衆人気も高かった。 ピューリッツァー賞を4度受賞。

参照:wikipedia

ロバート・フロストは心理学者ではなく詩人です。しかし、その作品は農村生活を題材としながらも、社会的なテーマや哲学的なテーマを取り上げたものが多く見られるのが特徴です。

世の中に対する皮肉や諦念を交えながらも本質を突いた言葉を数多く残しており、世の中の多くの人が抱えている心の問題を言い当てるような一面があります。

フロストは、次のような名言も残しています。
「目隠しした馬のように範囲の限定された目的は、必ずその持ち主の視野を狭くする」

視野を広く持ち、開かれた視野で物事を捉えることが、自身をより深くしり、自省する上で非常に重要であることを伝えていると言えるでしょう。

朝礼のネタ:自らも知らぬ間に、相手を「コントロール」してしまう人は…。

「自分の心を支配できぬ者に限って とかく隣人の意志を支配したがるものだ」                  ― ゲーテ

「物事がもっと自分の思い通りに進めばいいのに——」こんなふうに感じたことは、誰にでもあるはずです。

世の中には思い通りにいかないことが多く、不満を抱く原因になる一方で、より理想に近づいていこうとする原動力になることもあります。ですので、思い通りにいかないと感じることは必ずしも悪いことではありません。

ただし、この感情を人間関係に持ち込んでしまうと、また別の複雑な問題が生じてしまいます。

ドイツの詩人ゲーテは、「自分の心を支配できぬ者に限って、とかく隣人の意志を支配したがるものだ」と述べています。この言葉、個人的にはとても心に刺さり、本当にその通りだと感じています。

たとえば、誰かに対して「どうして気が利かないのだろう?」と不満を抱いたとします。

不満を感じるということは、「本当はこうして欲しかった」という理想像があったはずなのです。

では、もう少し踏み込んで「なぜそうして欲しかったのか」「自分が逆の立場だったら確実に気づけたのか」と考えてみたとします。

すると案外、自分が抱いた不満は恣意的なもので、その場で瞬間的に感じたものでしかなかった、ということに気づくことがあるのです。本当はどうあるべきだったのか、自分でも論理的に説明できるわけではなく、その時々の感情に振り回されているわけです。

人が自分の思い通りに行動して欲しいと感じることは、他人をコントロールしたいという考えに他なりません。

しかし、実はコントロールを失っていたのは自分自身の感情のほうなのかもしれません。これから、もし「思い通りにならない」と感じたら、「思い通りになっていないのは自分の感情では?」と自分自身に忠告していきたいと感じました。



ゲーテの名言・格言を紹介する前に知っておきたい、「そもそもゲーテってどんな人?」

ゲーテ (1749.8.28-1832.3.22)ドイツの詩人、小説家、政治家。 代表作は 『若きウェルテルの悩み』 『ファウスト』など。

参照:wikipedia

ゲーテは、詩人・小説家・自然科学者・政治家・法律家と、多方面にわたって活躍したドイツの偉人です。小説『若きウェルテルの悩み』や、シューベルトが曲を書いた「魔王」の詩、長編戯曲『ファウスト』など、世界的に知られる作品を数多く残しています。

上で紹介した格言では、ときには自分自身に対して懐疑的になることの重要性を説いている一方で、ゲーテは次の格言も残しています。

「自分を信頼しはじめたその瞬間に、どう生きたらいいのかがわかる」

ゲーテは決して、自分自身の心を支配し、完全にコントロールすべきだと考えていたわけではなさそうです。法学を学ばせ立身出世の道を歩ませたかった父親の意向に背き、文学の道へと邁進したゲーテの生き方が、この言葉に表れているのかもしれません。

朝礼のネタ:ときには、人づきあいにおいての「無神経さ」「鈍感力」も大切になる

「世の中に、無神経ほど 強いものはない」        ― 勝海舟

皆さんは、人づきあいの中で相手にどう思われるかが気になってしまったり、変に気を遣って疲れたりした経験はありませんか?人づきあいにはシビアな面もありますが、かと言って人がどう思うかを気にしてばかりいるのも良くありません。

かつて『鈍感力』という本が流行った時期がありましたが、最近では「スルースキル」といった言葉をSNSなどで見かけることがあります。このように、人づきあいにおいてある程度は鈍感になったほうがいい、という考え方は、どうやら昔からあるようです。

幕末の武士、勝海舟は次のように述べています。
「世の中に、無神経ほど強いものはない」

激動の幕末にあって、今までの習慣や常識にとらわれていたのでは、江戸城の無血開城のような偉業を成し遂げることはできなかったでしょう。先の勝海舟の言葉は、決して無神経そのものを手放しで賛美しているわけではありません。気を遣いすぎて自分らしい生き方ができなくなるもの良くない、と言っているのだと思います。

今、時代は大きく動いています。10年前までは常識と思われていたことが、今後は当たり前ではなくなることもあるはずです。人の考え方もいっそう細分化され、理想とする生き方や暮らし方は人それぞれになっていくでしょう。

自分にとっての幸福や理想を実現していくにあたって、「人にどう思われるだろう?」という感覚が足かせになることもあるかもしれません。少々おかしな言い方ですが、積極的な無神経、意図的な鈍感力を発揮することが、人づきあいにおいて役立つこともあるのかもしれません。



勝海舟の名言・格言を紹介する前に知っておきたい、「勝海舟ってどんな人?」

勝海舟 (1823.3.12-1899.1.19)江戸時代末期から 明治時代初期の武士、政治家。 山岡鉄舟、高橋泥舟とともに 「幕末の三舟」 と呼ばれる。

参照:wikipedia

幕末から明治へと向かう激動の時代を駆け抜けた勝海舟は、日本史においてもよく知られる人物の1人です。
スピーチ例の中でも触れている江戸城無血開城では、新政府側の西郷隆盛との和平交渉を行い、暴力ではなく話し合いによる解決へと導いています。

また、長崎で航海術を学び、のちにアメリカへと渡って海軍に関する知識を学びました。この経験が、のちに日本海軍の発展へと大きく貢献することになります。

こうした豪胆な勝海舟の生き方を象徴する、次の格言があります。
「やるだけのことはやって、後のことは心の中でそっと心配しておれば良いではないか」

偉業を成し遂げた人物である一方で、誰しもが共感できそうな心の機微に関する金言を残しているのが、勝海舟の人気の理由と言えそうです。

朝礼スピーチで「人間関係に関する名言・格言」をネタにするとき知っておきたいこと

人間関係を円滑にするための心がけや配慮といったものには、決まった形の正解やセオリーが存在しません。それだけ世の中にはさまざまなタイプの人がおり、職場においても人間関係を良好に保つことは仕事を進める上での重要な要素の1つとなっています。

そのため、朝礼スピーチで人間関係を良い形で取り上げれば、印象に残るスピーチになる可能性があります。一方で、シビアなテーマであるからこそ気をつけておきたいポイントがあることも知っておきましょう。



名言・格言を紹介する際は、その名言・格言に込められた思いと、発した人についてしっかり調査する!

取り上げる人物の経歴を調べる 業績や後世の評価について知る 異論や批判があるかどうか調べる 当時の時代背景や歴史的出来事を知る 格言が生まれた経緯や状況を調べる

この記事で紹介した格言は、いずれもかなり有名な人物によるものばかりです。おそらくスピーチを聞いている人の中には、「その人物のことならよく知っている」「その言葉は以前聞いたことがある」といったように、一定以上の知識を持っている人もいるはずです。

名言・格言を引き合いに出すことは、スピーチの説得力を補強する意味において有効な役割を果たします。ただし、その言葉を述べた人物の経歴や業績、格言に込められた思いをしっかりと理解しておかないと、かえって理解が浅いと思われてしまい、説得力に欠けたスピーチになってしまう恐れもあります。

次のことについて、スピーチ前に調査を済ませておきましょう。

  • 取り上げる人物の経歴を調べる
  • 業績や後世の評価について知る
  • 異論や批判があるかどうかを調べる
  • 当時の時代背景や歴史的な出来事を理解する
  • 格言が生まれた経緯や状況を調査する

こうした調査を行っておくことによって、格言に対して的外れな感想を述べてしまう恐れがなくなり、自信をもってスピーチにのぞむことができるようになります。



「人間関係」テーマの朝礼スピーチは、「聴き手がポジティブに受けとめること」をイメージする!

人間関係に関する話題はシビアな一面も兼ね備えています。伝わり方によっては、かえって気分を害する人もいるかもしれませんので、どのように受け取られるのかを十分に考慮した上で話題を選ぶようにしましょう。

もちろん、特定の誰かを批判する意味を込めて格言を選ぶような行為はNGです。たとえば、ふだんは上司に直接言いづらいことを格言に込めて伝える、といった意図をもってスピーチを組み立ててしまうと、自分で思っていた以上に悪い伝わり方をしてしまい、「あのスピーチは実に嫌味だった」などと思われてしまいかねません。

スピーチを行った結果、職場でのコミュニケーションが促され、以前よりも雰囲気が良くなったり人間関係が良好になるきっかけとなったりするのが理想です。

この点は、スピーチをする人自身のキャラクターや同僚との距離感によっても伝わり方を工夫する必要があるでしょう。ときにはユーモアを交えて伝えたり、自分自身の反省を込めて話したりといったエッセンスを加えることで、好感度の高いスピーチになるはずです。



合わせて読みたい

まとめ)人間関係を取り上げるときは「自分も現在進行形」で伝えよう

人間関係に関する話題に「正解」はありません。偉人による格言だからと言って、どんな場面においても万能なわけではないのです。

「偉人が言っているのだから間違いない」と述べているような受け取り方をされてしまうと、スピーチ全体に対して高圧的で横柄な印象を持つ人もいないとは限りません。

朝礼スピーチで人間関係を取り上げる場合は、自分自身も解決策を摸索していることや、格言を知ってためになった経験といったように、「自分自身も現在進行形で実践しようと思っている」といったスタンスで伝えるといいでしょう。