【朝礼ネタ】ビジネスで役立つ心理学

[最終更新日]2019/10/16

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朝礼ネタ。Maneger Life。ビジネスの場で使える心理学

皆さんは日々のビジネスシーンの中でこんなことを感じたことはありませんか?

「部下との関係はとてもシビアだ」
「ちょっとした一言にも気を配らなくては…」

たしかに、ビジネス上で関わる同僚や取引先の担当者は、もともと見ず知らずの他人です。

ふだんどんな暮らし方をしていて、プライベートではどんな人なのか、実はよく知らないことのほうが多いことでしょう。それだけに、仕事上のコミュニケーションが難しく、複雑だと感じてしまう場面は少なくないはずです。

しかし、見方を変えるとこんな受け止め方もできるのです。

「ビジネスは、心理学の宝庫だ」

この記事では、ビジネスで役立つ心理学をいくつかご紹介していきます。朝礼ネタに使えるテーマもあるはずですので、ぜひ参考にしてください。



Index

目次

急いでいる方は気になるネタを押してください。

その促し方は、逆に相手のやる気を下げてしまう?「アンダーマイニング効果」

ふいのひと言で、相手のやる気を削いでしまう。アンダーマイニング効果とは

今日は、ふとした声がけ1つで相手のやる気を下げてしまうことがある、というお話をしたいと思います。

皆さんは、子どもころ勉強は好きでしたか?勉強が大好きでいつも勉強してばかりいた、という人、手をあげて見てください。——いませんね(笑)。

私も、小中学生の頃は根っからの勉強嫌いで、親に叱られながら机に向かうのがとても苦痛でした。

あるとき、小学生だった私に、母親がこんなことを言いました。「ひと月の間、宿題を忘れずにやって行ったら、マンガを買ってあげる」——当時の私は小遣いもそう多くなかったので、マンガを毎月買ってもらえるなら絶対に頑張ろう!と張り切ったものです。

それから2〜3ヶ月ほどの間、私はたしかに宿題をしっかりとやるようになりました。何しろマンガがかかっていますからね。

数カ月後、学年が上がったのをきっかけに、小遣いを増やしてもらえることになりました。

高学年になったということで、今までの倍ぐらいの額になったのを覚えています。こうなると、マンガ本を1冊買うぐらいなら、小遣いで事足りてしまいます。

母親は相変わらず「宿題はやったの?マンガ、買ってあげないよ」と言いますが、もう怖くはありません。

自分の小遣いで買えるのですから。こうして、再び宿題をやったりやらなかったり、不真面目な態度に戻ってしまいました。

こうなってしまった原因として、私にとって宿題をやる理由が「マンガを買ってもらうため」だけだったことがあります。

それだけが動機だったので、自分でマンガを買えるようになればもう宿題を真面目にやる理由がなくなってしまいます。

このように、報酬と引き換えに何かをやってもらう、という外的要因による動機づけは、結果的に「報酬がなければやらない」という方向にやる気を削いでしまう可能性があるのです。

「評価される仕事だから頑張ってもらいたい」といったニュアンスのことを、皆さんは後輩や部下に言ったことはないでしょうか?私もそのような発言をした記憶があるのですが、これは相手に「外的な報酬のために努力する」という動機づけを与えてしまうことになりかねないのです。

意欲を向上させるためには、「自分がやりたいからやる」といった内的な動機づけが必要になるそうです。ふとした声がけ1つで、「報酬と引き換え」に仕事を任せることがないよう、今後も気をつけていきたいと思います。

朝礼スピーチのコツ)聞き手全員に共通認識がある用語を使う

朝礼スピーチは部署内だけで行われることもあれば、複数の部署の人が集まる場で行われることもあるでしょう。

部署や職種が異なる人がいる場でのスピーチでは、専門用語や業界用語を使って話すと他部署・他職種の人に伝わらない可能性があります。

すると、すんなり理解できる人と理解しがたい人との間に壁が生まれてしまいます。これでは、理解できなかった人が置いてけぼりにされたような疎外感を感じる原因になりやすいのです。

聞き手全員に共通認識があることが明らかな用語を使うことを心がけ、自分が属する部署や職種で通用している用語はより一般的な言葉に置き換えて話すなど、用語の使い方にも配慮の行き届いたスピーチを意識するようにしましょう。

変革に向けての、その一歩がなかなか踏み出せない…「コンフォートゾーン」

一歩踏み出さねば。

ご存知の方も多いことと思いますが、私は大の甘いもの好きです。

最近、体重が増加傾向にあるので、できれば食べすぎないようにしなくてはいけないのですが、ついつい食後などに甘いものが欲しくなってしまいます。

皆さんの中にも、そんな誘惑に駆られている人がいるかもしれません。

私のふだんの行動のうち、夜中に甘いものが食べたくなる原因となっているのが帰り道に立ち寄るコンビニです。

自宅の最寄り駅のすぐそばにコンビニあるのですが、帰り道につい立ち寄ってチョコレートやシュークリームを買ってしまうのです。

どうしても食べたいと思って買っているときもありますが、たいていは「なんとなく」「習慣的に」買っています。常に甘いものが手の届く範囲にあることが、私にとって心地いいのでしょうね。

このように、自分にとって心地よく、快適な状態を心理学で「コンフォートゾーン」と呼ぶそうです。ストレスがなく、好きなものや得意なことに囲まれている状態のことです。

しかし、「甘いものを控える」とか「体重を減らす」という目標を実現するには、このコンフォートゾーンから一歩出る必要があります。

このとき大切になるポイントとして、「明確な目標」「小さな成功体験」「失敗への寛容な態度」があるそうです。

私の場合、「何ヶ月後までに何キロ痩せる」といった目標や「今日はコンビニに寄らずにまっすぐ帰った」といったちょっとした成功体験が必要になるのですね。
あと、つい我慢できずに甘いものを買ってしまったときにも、自分を過剰に責めない、といったことでしょうか。

ふだんの仕事でも、慣れたやり方や考え方から一歩踏み出して別の方法を試すのは勇気が要ることですが、コンフォートゾーンとそこから抜け出すポイントを意識していきたいと思っています。

朝礼スピーチのコツ)自慢話のように聞こえないかチェックする

ビジネスで役立つ心理学をテーマにスピーチを組み立てる場合、「〇〇によって△△が達成できた・解消された」といった結果の部分も伝えることで説得力が増す効果が得られます。

同時に、その効果が明確であればあるほど、個人的な「自慢話」のように聞こえかねないことも頭の片隅に置いておくようにしましょう。「なんだ、ただの自慢話か」と思われてしまったが最後、スピーチの内容が入ってこなくなってしまうからです。

自分の体験談を伝える際、はじめは笑いを誘うような失敗談から始めたり、自分自身も本で読んだことを実践しただけであることを伝えたりと、聞き手と同じ目線で話を進めるのがコツです。

こうすることで話し手に対する親近感や共感が生まれやすくなり、スピーチの内容が受け入れやすくなるというメリットもあります。

ふと口から出た、相手への言葉…それは「ピグマリオン効果」と「ゴーレム効果」のどっち?

ピグマリオン効果。ゴーレム効果。

皆さんには、こんな経験がありませんか?「良かれと思って誰かを褒めたり、評価する意味で言葉をかけたりしたにも関わらず、かえって相手のやる気を削いでしまった…。」今日は、恥ずかしながら私が過去に経験したことのある失敗についてお話ししたいと思います。

20代の頃、私が初めてチームリーダーになったときのことです。採用チームでしたので、会社説明会を定期的に開催し、その運営に携わっていました。

ある後輩が、説明会前に必ず会場のテーブルをすべて丁寧に拭き、入り口のドア周辺や窓ガラスに至るまで、会場設営時にピカピカに磨き上げていました。

私が指示をしたわけではなく、自発的にやってくれていたのです。

「彼はキレイ好きなんだなぁ」ぐらいに捉えていた私は、特にその行為に対しては褒めたりお礼を言ったりしたことはありませんでした。

その後、ありがたいことに説明会参加者数が増え、会場も大規模な場所を借りるようになっていきました。

それでも彼は、参加者が着席するすべてのテーブルを開始前に拭き上げ、きれいにしてくれていました。しかし、事前にテーブルにセッティングしておく資料が増えるに従って、「前もってテーブルを拭いておく」ための時間が取れなくなっているのも事実でした。

そこで、私は「…くん、貸し会場のテーブルはそう汚れていないことが多いし、テーブルを毎回拭かなくてもいいんだよ」と、気遣うつもりで言ったのです。

その日を境に、彼は「評価されない仕事は率先してやらない」という姿勢に変わったように思います。自発的に取っていた行動が「期待されていない」と感じてしまったのかもしれません。

このように、期待されることで意欲が増し、逆に期待されないことで意欲が減退してしまうことを、それぞれピグマリオン効果・ゴーレム効果と言うそうです。

もちろん、私はずっとあとになってこの言葉を知ったのですが、せめてあのとき、「毎回きれいにテーブルを拭いてくれてありがとう」という感謝の気持ちを伝えるべきだったと、とても反省しています。

相手の意欲を削いでしまいかねないゴーレム効果は、相手に対するねぎらいや関心度の低さに原因があるのかもしれません。相手の立場に立って言葉を選ばなくてはいけないと、痛感した出来事でした。

朝礼スピーチのコツ)断定的な表現は避け、マイルドな言い回しを心がける

スピーチにおいて嫌われる話し方・信頼を得られない話し方にはいくつかのパターンがありますが、そのうちの1つが「断定的な表現」でしょう。

たとえば、「〇〇の解決策は△△です」と言い切ってしまうと、まるでそれ以外の解決策などないように聞こえてしまいます。

このようなニュアンスは、極端で偏った印象を聞き手に与えることから、スピーチ全体が信頼性に欠け、好感を持てないものであるかのように感じられてしまうのです。

心理学においても、法則や理論として有名なものであったとしても、「〇〇の法則です」というより、「〇〇の法則と言うそうです」と表現することで、自分自身も聞いた情報をもとに話しているのですよ、というニュアンスが伝わり、聞き手と同じ目線で話していることが伝わりやすくなります。

人は、無意識に他人の「自分と似ているところ」を探し出す──「類似性の法則」

似てる。

皆さんは、初対面の人と話すときや仲良くなりたいと感じる人と話しているとき、意識していることはありますか?

先日読んだ本の中で、多くの人が無意識に実践している、ある法則について知り「なるほど」と思いましたので、今日はその法則について紹介しようと思います。

まず、皆さんはどんな人と仲良くなりたいと思いますか?

気が合うとか、話が合いそうとか、そういった感覚があると、「この人とはうまくやっていけそうだ」と感じますよね。

では、話が合う人とはどういう人でしょうか。それは、共通の話題があったり、自分と似た考え方や境遇だったりする人のことが多いと思うのです。

たとえば、初対面の人と話していたら、偶然にも出身地が同じだった、共通の趣味があった、といったことがあると嬉しい気持ちになりますよね。

そういった自分と似た部分が多ければ多いほど、他人のような気がしなくなり、親しみを覚えるようになります。これを「類似性の法則」と呼ぶそうです。

人は、話が合いそうか、うまくやっていけそうかを判断するとき、無意識のうちに自分と似ているところを探しているのです。

だとすれば、親しくなりたいとか信頼関係を築きたいと感じる人に対しては、できるだけ多くの共通点を探していき、話題にして相手に示していくことが大切なのです。

実際、共通の趣味や話題が多い人と知り合いになると、自分自身もその人のことが好きになったり、もっと話したいと考えたりすることがありますよね。

私自身、取引先の方々と話すときには、類似性の法則を意識していきたいと考えています。

朝礼スピーチのコツ)適度な「間」を意識して聞きやすいスピーチにする

間。

スピーチ中に「間」を空けることを無意識に怖がってしまう人がいます。スピーチの持ち時間が限られていることや、皆が話を聞いてくれているので「喋らずに黙っている時間」を作ってはいけないのではないか?といった意識が働きやすいためと思われます。

しかし、適度に間を作る話し方は、聞き手にとって集中しやすく、聞き取りやすいものです。話し手としても、早口になるのを防ぐ効果が期待できたり、「えー」「あのー」といったノイズが出にくくなったりするメリットを得ることができます。

コツとしては、文章にしたとき「。」を付けるところ(一文の終わり)まで話したら、無音のまま心の中で2〜3秒カウントするのです。こうすることで、適度な間が生まれ聞きやすいスピーチにすることができます。

朝礼スピーチで「心理学」をネタにするとき知っておきたいこと

この記事では4つのスピーチ例を紹介してきましたが、実は心理学は切り口が非常に豊富でスピーチのネタに適したテーマなのです。

こうしたテーマが得意になれば、スピーチのネタに困ることはかなり少なくなるかもしれません。

しかし、いくらスピーチに適しているとはいえ、どんな話し方をしてもいいというわけではありません。

スピーチで心理学を取り上げる際に知っておきたい前提知識や、注意しておきたいポイントについて確認しておきましょう。




心理学テーマは、「朝礼ネタ」と相性がいい

朝礼×心理学

ビジネスの現場では、多くの場合「人」との関わりが鍵を握ります。人間関係に「これが正解」はなく、永遠のテーマとも言えるものなのです。

しかも、ビジネスにおいて関わる人はさまざまなレイヤーが存在します。同僚や上司・部下、取引先、顧客といったように、それぞれの立場の人に対して、臨機応変に適切な対応をしていく必要があります。

こうした環境に身を置いて働いている人であれば、誰でも多かれ少なかれストレスやモチベーションをコントロールする方法を求めているものです。心理学テーマを朝礼で取り上げると関心を持たれやすいのはこのためです。

一例として、朝礼ネタとして活用できそうな心理学テーマを挙げてみます。それぞれ概要を記載してありますので、朝礼ネタとして使えそうなものがあればぜひ活用してみてください。

参考:朝礼ネタで活用できそうな心理学テーマ例

心理学テーマ 説明
ハロー効果 目立ちやすい特徴に引きずられて人の印象は決まりやすい。第一印象が大切と言われる理由の1つとされる。
フレーミング効果 事実の切り取り方や見せ方によって印象は大きく変わる。同じ事実でも伝え方しだいで印象を良くすることは可能。
カタルシス効果 相手の不安やストレスを取り除いて安心感を与えることが信頼につながる。話を聞いてもらうだけで信頼感が増すなど。
返報性の原理 何かしてもらった相手にはお返しするべきだという心理が働く。いわゆる「貸しを作る」ことで大きな見返りを得るなど。
ウィンザー効果 第三者を通じて情報を得ることによって影響が大きくなる。口コミやレビューを読むと安心感を得られるといった現象。
ミラーリング効果 自分に似ている・共通点があると感じてもらうことで親近感が増す。しぐさ・表情・声のトーン・姿勢を真似るなど。
ザイオンス効果 接触回数の多い相手に対して好感度や信頼感が増す。足繁く通ってくれる営業担当者から買いたくなる、など。



朝礼担当は「教師・講師」ではない。断定的な表現や、上からの物言いにならないよう注意。

心理学をテーマに話すとき、有名な理論や法則を引き合いに出すこともあるはずです。

このとき注意したいのが、いかにも「教えてあげている」「知識を与えている」といった横柄な態度に映ってしまうことです。

朝礼スピーチの担当者は教師や講師ではありません。「偉そう」「上から目線」といった印象を与えてしまうと、聞き手も素直に聞き入れられなくなってしまう可能性があります。

偉そうに映ってしまう原因の1つが、断定的な表現が使われていることにあります。

「〜という効果があります」と言い切ってしまうと、「なぜそう言い切れるのか」「何を根拠に言っているのか」と、聞き手はさまざまな疑問を抱きます。

話し手が心理学の専門家ではないことは、同僚であれば皆が知っていることですから、スピーチのときだけ専門家ぶっているように見えてしまうのは得策ではありません。

「〜という効果があるそうです」「〜という効果が期待できるようです」といった、「調べてきた情報を伝えている」というニュアンスが伝わる表現にすることで、聞き手にも「スピーチのために調べてきたんだな」と分かり、誠実に話そうとしていることがむしろ伝わりやすくなることもあるのです。



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まとめ)誰もが興味を持つ「心理」をテーマにして印象深いスピーチにしよう

心理学は人の心の問題を扱っているだけに、「これが結論」といった終着点のない分野と言えます。

ビジネスの場においても、人との関わり方や伝え方に悩みを抱えている人は驚くほど多いものです。

心理学系のビジネス書が安定して人気を博していることからも、人の心理というものに多くの人が高い関心を示していることが分かります。

誰もが多かれ少なかれ興味を持っている「心理」をテーマに朝礼スピーチを組み立てることで、印象深いスピーチにしていきましょう。