管理職体験談:問題児の部下を何とかしようと指導して、その1年後に彼から渡されたもの。

[最終更新日]2021/12/02

体験談
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管理職体験談:問題児の部下を何とかしようと指導して、その1年後に彼から渡されたもの。

新卒で保険業界に入って、2度同じ業界で転職をして、今の会社には12年在籍しています。

いまは商品企画部門に属していますが、その前はマーケティング部門に所属していました。

これまでのキャリアでは、マーケティング業務が一番長いですね。
具体的には、「保険の通信販売」のマーケティングなどをやってきました。つまり、ECです。
今は、どの業界もインターネットを活用しなければやっていけません。

プライベートは妻と子ども2人の4人暮らしで、郊外の一戸建てに住んでいます。

5年前に大病を患って、それからは価値観が一気に変わりました。
これまでは中年世代によくある「仕事一番」なタイプだったのですが、健康一番の生活を送るようになって。
大好きだったお酒もいまは週一度ぐらいに減らしており、休日はジョギングを、それからたまにゴルフをやっています。

仕事はまあ、楽しくやってます。大変なことの方が圧倒的に多いですけどね。でもまあ、どんな仕事だってそんなもんですよね。

ニューヨさん(男性 42歳)
職業
保険業界
職種
商品企画
年収
1,100万円
従業員規模
10,000名(うち部下3名)
地域
神奈川県

Index

目次

営業職、それからマーケティング職を経験して

マーケティングのイメージ

社会人になりたてのころ、私は一介の営業マンでした。

個人営業も法人営業もどちらも経験しました。
どちらも難しさ・面白さがありましたが、なんとなく「自分はここではあまり活躍できなそうだな」という感覚がありました。同期・同僚で私よりも良い成績を出すメンバーは沢山いましたから。

その後、保険の通信販売のマーケティングに異動し、ここでデータを駆使したマーケティングの醍醐味を知りました。
おそらくこの仕事が性に合っていたのでしょう、業績を上げることができて、30代前半で管理職へと昇進しました。

「仕事なんて、簡単なものだ」と思っていた私

マネージャーのイメージ

初めてマネージャーになったときは、業績がとても好調で、経費もたくさん使えたし、やることなすこと上手くいく感じがして。

仕事なんて、簡単なものだ」と思っていました。

また、当時の職場ではチーム内で私が一番実務経験を積んでいたので、まさに「自分の意見が通りやすい環境」。
それゆえ、少し天狗になっていたと思います。部下や周りの部門の方と軋轢が生じることもしょっちゅうで、孤独感を味わうこともしばしばありました。

そんな時に、「あなただったら、もっと活躍できる環境がありますよ」と熱烈にオファーしてくれる会社さんがあって。私も、「そうだよな、自分はこんなところで燻っていてはダメだ」と思ってその会社に移ることにしました。──これが、私のはじめての転職でした。

その会社は、当時いた会社よりもかなり大きなマーケットを持っていました。
そこで私は更なる活躍を──できればよかったのですが、現実はその逆でした。自分が想像していたものと大きくかけ離れる仕事内容で、1年間働いてもまったく結果を出すことが出来なかった。

そして、その後私は再度転職することになり、今に至っています。

まるで、「長く付き合った恋人に振られてしまった」ような喪失感

落ち込むイメージ

二度目の転職から、その後も色んな苦労もありましたがなんとか続けられています。

一番大変だったことは、「部下の指導」です。

あるとき、「A」という20代社員が私の部下に配属されて。
「やや問題児だ」という噂付きの男性社員でした。

何が問題なのかというと、とにかく仕事を覚えるのが遅い。かつ、ミスも多い。更には持病もあって、勤怠もあまり良くない。──ただ、根は良い奴なんですよね。話していると楽しいし、今どきの若者には珍しく、年配の社員にも心を開いてコミュニケーションを取ろうとする。
「何とかしてあげたい」と思って、Aにはかなり時間をかけて指導したり、フォローしてきました。

それから1年が経過して、Aは少しずつまともになってきて一人前に使えるようになったと一安心した──、その矢先に、私に辞表を渡してきたのです。

「他の分野の仕事をしてみたい」という理由でしたが、それなりに信頼関係も築いてきたと思っていたので、正直言って「裏切られた」気分でした。
考え直すよう必死に説得を試みましたが、ダメでした。

自分か上司としての能力がなかったからではないかと考えたりもしました。

まるで、「長く付き合った恋人に振られてしまった」ような喪失感があって笑、彼が辞めてからも半年ほど引きずっていました。

辞めたあとも、刺激を与えあえる人

飲むイメージ

Aとは、その後も交流があり、半年に1回くらい会って飲みに行っています。

飲むと、必ず当時の思い出話になります。
Aからは、「当時が一番辛い時期だった」と言われました。

きっと、私の気付かないところで沢山悩んだり嫌な気持ちになったりもしていたのでしょう。
でも、こうも言ってくれました。「自分の社会人人生で、一番学べた時期でもあった」と。

最近Aは出世して、部下を持つ身になったそうです。
そしてつい先日は、「ちょっと指導に悩んでいる部下がいて…」と、あのAが、部下の教育に頭を悩ませているからと、私にアドバイスを求めてきました。

Aは結局保険業界ではなく別業界に移りましたが、そうして活躍している話を聴くと「これで良かったのだろうな」と思います。

Aとは、いつかまた一緒に仕事がしたいと思っています。

私が考える、管理職として大切なことは。

上司と部下のイメージ

管理職は、与えられた仕事で業績を上げることだけが役割ではないと思っています。

どうしても目先の業績を上げることだけに注力しがちですが、部下の教育や人材育成は、その会社にとっても将来の大きな資産になります。
そこへの働きこそが、管理職としてとても重要なミッションだと考えています。

そして、人生で巡り会える上司は限られています。
そのなかで、自分の部下になった人とはなんらかの運命があったのだと思います。

親が子供に対して一生懸命愛情を持って育てるのと同じように、自分の部下として巡り合った人には、一生懸命愛情を込めて、指導したいと思っています。

私はもうすぐ50代になります。
まだいくばくかの社会人人生は残っていますが、この先も業績が順調に進むとは限りません。大変な時期も何度か訪れることでしょう。ですが、人材育成はしっかりと根気よくやっていきたいと考えています。