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「アサーティブコミュニケーション」は、職場で自分も相手も幸せになるコミュニケーション

[最終更新日]2018/11/13

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管理職のみなさんにとって、上司や部下と円滑なコミュニケーションをとることは、業務上とても大切なことです。

時には指導や叱責をせざるをえないシチュエーションもありますが、言い方を間違うと本意が伝わらなかったり、相手を傷つけてしますことがあります。

そうした事態を避けるうえで注目されているのが、「アサーティブコミュニケーション」です。

そこで今回は、アサーティブコミュニケーションとは何か、その構成要素、活用するためのポイントについて、お話しします。

Index

目次

アサーティブコミュニケーションとは?

アサーティブは英語で「Assertive」と書き、自己主張するという意味です。

自己主張と聞くと、自分の意見や要求を押し通すことをイメージする人が多いことでしょう。

ですがアサーティブは、片方が自分の主張を一方的に述べたり押し通したりするのではなく、適切な方法を用いながら、相手を尊重した自己表現を実践することをいいます。

相手にも主張や考えはあるものですから、誠実に対話するなかで、素直な気持ちを伝え、相手と対等に話し合うことで、自己責任の下で問題解決を目指すのが「アサーティブコミュニケーション」なのです。

アサーティブを体得すると、他者との信頼関係を深めたり、コミュニケーションを円滑にはかれるようになり、対人関係のストレスを軽減できるほか、人当たりがよい人という印象を周囲に与えることにも役立ちます。

そもそも人間には、3つのコミュニケーションタイプがあります。

そこで、アサーティブについて詳述する前に、3つのコミュニケーションタイプについて説明することにしましょう。

アサーション理論で言われる、3つのコミュニケーションタイプ

人のコミュニケーションタイプは、3つに大別されるといわれています。

そこで、コミュニケーションタイプの特徴を整理しておきましょう。

コミュニケーションタイプ 説明・具体例
アグレッシブ(攻撃的) ・考え方が自己中心的で、自分の考えや意見を過剰なほど優先させる
・自分が正しいと考えているので、相手の話を聞こうとしない
・自分の主張が通らないと威嚇したり、非論理的な反論を行う
ノンアサーティブ(非主張的) ・自分の考えや主張を表現することなく、相手に合わせる
・自分に自信がなく、本意でなくても相手の主張を受け入れるのでストレスを感じやすい
・自分のことより、相手や周囲のことを優先する傾向がある
アサーティブ ・相手の気持ちや受け止め方に配慮しながら、自分の考えや主張を相手に伝える
・相手と意見が対立した時でも、誠実に対話することで、お互いの妥協点を探り問題解決を目指す
・相手が苦手なタイプでも、論理的に話をすることができる

業務を円滑に遂行するためには、職場のコミュニケーションが円滑であることが大切です。

しかし、コミュニケーションタイプが合わないことで、管理職と部下だけでなく、同僚間でトラブルが起こることは珍しいことではありません。

そうした事態を避けるうえでも、管理職が率先してアサーティブコミュニケーションを実践することが重要です・

次章では、アサーティブコミュニケーションについて、詳しく説明したいと思います。

アサーションを構成する、4つの要素

アサーティブコミュニケーションを実践できるようにトレーニングするためには、アサーティブの4つの要素について理解しておく必要があります。

この4つの要素を意識しながら、話し方や行動を変えることで、相手とより円滑に意思疎通できるようになるはずです。

管理職としては、ぜひ身につけておきたいコミュニケーションスキルです。

気になるアサーティブの4つの要素は、以下の通りです。

  • 誠実
  • 率直
  • 対等
  • 自己責任

それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。

誠実

アサーティブコミュニケーションの筆頭は、自分にも相手にも誠実であることです。

これは、自分の意見を主張するだけでも、相手の意見を受け入れすぎるのでもなく、双方の感情を尊重するというものです。

いつも相手に合わせて、自分の感情を押し殺している人は、一見相手を大切しているように見えます。

ですが、相手に合わせてはいても、本心が別であれば、ストレスがかかります。

謙遜しすぎて自分を大事にしないことは、きちんと自分の考えを伝えようとしている相手をないがしろにしているのと同じなのです。

押しが強い相手に向かって、自分の考えや主張を説明するのは、ハードルが高いことかもしれません。

ですが、自分を大切にすることは、相手に対して誠実でいることでもあるのです。

また、自分の意見を主張して相手の話を聞かないことも、誠実とは言えません。

それを念頭に置き、人と対話しましょう。

率直

アサーティブコミュニケーションの2つめの要素は、率直であることです。

相手に意見や気持ちを伝える際には、きちんと目を見て、向き合うことを意識しましょう。

2人で対話する際には、Iメッセージを使うことを意識してください。

Iメッセージとは、相手の状態ではなく、自分の状態を説明するコミュニケーション方法です。

例えば、管理職が書類の提出期限を守らない部下に対して、「あなたはなぜ、期日を守れないのだ!」と叱責するより、「期日を守ってくれると、私が助かる」と伝えるのがIメッセージです。

管理職が部下に注意をする際は特に、「ほかのメンバー」や「みんな」といった言葉を使うのは好ましくありません。

対話の相手の聞く耳を、ふさいでしまいかねないからです。

また、アサーティブコミュニケーションは、言葉だけではありません。

態度や仕草も、コミュニケーションには重要な要素なのです。

そのため、対話をする時にはきちんと相手の目を見たり、相手に聞こえる声の大きさで話すのが基本です。

意識して、実践しましょう。

対等

管理職と部下の関係であっても、対等な立場で対話しなければ、本心を理解しあうことはできません。

コミュニケーションをはかる際には、相手を対等に扱うことを徹底しましょう。

職場では年齢や実績の違いから、管理職と部下という上下関係が生まれていたとしても、人間としてみれば誰もが対等です。

上司だからといって居丈高になったり、部下だからと卑屈になったりする関係で、信頼関係のある前向きなコミュニケーションが生まれるわけがありません。

コミュニケーションの際に管理職が自説を朗々と述べることも、部下が自分の意見や考えを伝えようとしないことも、対話をする姿勢に欠けているから起こります。

円滑な組織運営の基本は管理職とその部下といった上下関係に縛られず、意見交換を活発に行える土壌をつくることです。

感情のコントロールができないアグレッシブタイプや、自分の自信がなくて自己主張ができないノンアサーティブタイプの人こそ、相手と対等に接することを意識する必要があります。

自己責任

アサーティブコミュニケーションの最後の要素は、自己責任です。

コミュニケーションの際、言葉や態度、行動が、自分の意図通りに相手に伝わるとは限りません。

何かトラブルが発生して管理職が部下に対話を求めた場合、相手は非難されると不安を感じたり、緊張することが多いでしょう。

そこで、管理職が自分の言い分を一方的に伝え、部下が反論しなければ、その主張を受け入れたという結論に達します。

部下にしてみれば、結論を押し付けられたと感じるかもしれませんが、対話した際に、自分の主張を通しても、何も言わずに黙っていても、対話で出た結論についての責任は同等なのです。

また、対話で出た結論は一つでも、その解釈は個人によって異なります。

ここで、受け止め方に差が出ることで、同じ問題がくり返されるケースも少なくありません。

そこでも相手を責めるのではなく、自己責任であると認識する必要があります。

職場でアサーティブコミュニケーションを活性する為の、3つのポイント

前章ではアサーティブコミュニケーションを行う際には、「誠実」「率直」「対等」「自己責任」という4つの要素が大切なことを紹介しました。

では、それを踏まえてアサーティブコミュニケーションを行うためには、実践してほしい3つのポイントがあります。

その3つのポイントとは、以下の通りです。

  • 相手に関心を持ち、そして事実をありのままに観る
  • 相手との会話は、まず「傾聴」を意識する
  • 相手に今現在の自身の感情と、そして「リクエスト」を伝える

それぞれ、順を追って見ていきましょう。

(1)相手に関心を持ち、そして事実をありのままに観る

アサーティブコミュニケーションを行う際には、まず対話の相手に関心を持つことが大切です。

自分がどう考えるかだけでなく、相手の意見を知らなければ、双方が納得する結論を導くことができないからです。

そして対等に対話するためには、主観や感情を入れず、事実をありのままに見る必要があります。

例えば、管理職が部下に急ぎの仕事を依頼した際に、「忙しくてできません」と答えたとします。

アグレッシブタイプの管理職なら、反抗的だと激昂するかもしれません。

しかし、部下が複数の仕事を抱えていたり、職場に欠勤した同僚がいて、そのサポートをしている事実を管理職が理解していないとしたらどうでしょう。

また、部下が自分の仕事の状況を管理職にきちんと伝えたうえで、抱えている仕事と新たに依頼されたものの優先順位を決めてくれるようお伺いをたてていれば、管理職の受け止め方も変わったはずです。

双方が相手に対して関心を持ち、事実を把握しようとするだけで、こうした感情的な軋轢はなくなるはずです。

(2)相手との会話は、まず「傾聴」を意識する

管理職が管轄する部署の人間関係を良好にするために、アサーティブコミュニケーションの実践を決めたとします。

とはいえ、もともとアグレッシブタイプの管理職がアサーティブコミュニケーションを実行しようとしても、ノンアサーティブタイプの部下は、すぐに受け入れにくいかもしれません。

そこで、まず部下の話を傾聴することから始めましょう。

傾聴とは、相手に関心を持つだけでなく、理解したいと願いながら、その言葉に耳を傾けることです。

相手が自分を理解しようとしてくれていると感じられれば、安心感を得られます。

安心感のある相手のことは、自分も理解しようという気持ちが生まれます。

お互いを理解しようと思うベースがあれば、素直に自分の気持ちを話し、相手の言葉を受け止めようとして、それまでとは違う対話ができるようになります。

自分の話を聞いてほしいなら、まず相手の話を傾聴しましょう。

(3)相手に今現在の自身の感情と、そして「リクエスト」を伝える

対話をする際には、なぜそうした状況になったのか、事実をありのままに見ることからスタートします。

管理職がミスをした部下に話をする場合は特に、事実を客観視して状況を整理したら、まずそれに対して自分がどのような感情を持っているかを率直に話しましょう。

その際、感情はIメッセージで伝えるのが原則です。

ミスを部下に「社会人失格」などと感情的な言葉を投げつけるよりも、「あなたのミスでクライアントが怒り、契約に影響が出たことが、私にはとても残念だ」と伝える方が、相手に届きやすいのです。

また、ミスをした部下には、相応の責任をとってもらわなければなりません。

管理職としての自分の感情を伝えた後で、「ミスをカバーするために、残業して本日中に作業を終わらせてほしい」など、具体的なリクエストを話します。

ミスした部下がその日中に別な仕事を終わらせなければならない場合などは、その仕事を別な部下に任せて、ミスの対応をさせるなど、優先順位をつけることが必要かもしれません。

さらに、同じミスをくり返さないよう、善後策を考えて報告してもらうことも大切でしょう。

自分のチェックミスがあった場合には、管理職も部下に謝罪すべきです。

そうしたアサーティブコミュニケーシを続けることで、職場の雰囲気が変わっていくはずです。

私の事例──スキル不足の部下との苦い経験と、その後

私が勤務する制作プロダクションには、ディレクターのほか、ライターやグラフィックデザイナー、ウェブデザイナーが在籍しており、会社員ではありながらも、それぞれが担当クライアントを持ち、裁量を持った仕事をしていました。

もともと広告制作プロダクションとしてスタートし、ニーズに応じてウェブサイトの制作を始め、既存のクライアントの依頼を受ける程度だったので、ウェブデザイナーとしての採用は1人で、彼が何をしているのか、料金設定の根拠などは、社長も理解していなかったようです。

私は別な会社でウェブサイトのリニューアルを手掛けた経験があり、入社後に一緒に仕事をするなかで、彼の仕事の進め方に疑問を感じることもありました。

その後、大きなウェブサイトのコンペに参加することになり、社長は彼を中心に準備を進めようとしたのですが、彼はデザインの話をするだけで、サイトの遷移やカテゴライズの見直しなど、設計に関わる部分について考えている様子がありませんでした

HtmlからCMSへの移行が前提だったですが内容的に不備が多く、それを指摘すると専門用語を振りかざして感情的になるので、プロジェクトメンバーから不満の声があがるようになり、キャリアと実績のある私を中心に、プロジェクトを仕切りなおすことになったのです。

その際、部下の男性にはコンペに際してクライアントが要望していることや、それを実現するために現在のサイト構成自体を見直さなければならないこと、予算内でできるよう機能に優先順位をつけなければならないことを、冷静に説明したうえで、自分がすべきこと、できていないことを考えてもらいました。

そうした打ち合わせを何度も行い、彼の話を傾聴するよう心がけたところ、実は彼はADHDで仕事の段取りをしたり、複数の作業を並行して行うことが苦手なことを話してくれたのです。

彼の苦手なことがわかれば、それをカバーすべく体制を整えられるので、社長に話して仕事の仕方を変えるようアドバイスしました。

ですが、彼は自分がADHDであることを隠し、仕事をサポートしてほしいという態度に終始し、同じようなミスをくり返すことでほかのスタッフから叱責されるようになり、会社に居場所をなくして退職することになったのです。

当時アサーティブコミュニケーションの手法を理解し実践していれば、状況はより良く変わったのかもしれません。

勇気のいることだとは思いますが、自分がADHDであることを伝え周囲とその特性を共有できれば、彼が働きやすい職場環境をつくることができたので、私にとっては苦い思い出です。

職場の人間関係を良好にする、アサーティブコミュニケーションを実践しよう!

今回は、アサーティブコミュニケーションとは何か、その構成要素、活用するためのポイントについて、お話ししました。

この記事をまとめると、

  • アサーティブコミュニケーションとは、自分も相手も尊重する自己表現を実践すること
  • アサーティブコミュニケーションの要素は「誠実」「率直」「対等」「自己責任」の4つ
  • アサーティブコミュニケーションの実践に有効なポイントは3つある

です。

自分のコミュニケーションタイプがどれであっても、意識することでアサーティブコミュニケーシのスキルは体得できます。

円滑な組織運営のためにも、アサーションコミュニケーションを実践するための参考にしてくれたら幸いです。

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この記事を書いた人

栗花落

プロデューサー・ライター。情報誌の編集を皮切りにライター・ディレクターを経て、現在はプロデューサーとして、主に教育関連の広報・PRを手掛ける、4人の子どもを持つシングルマザー。勤務先で初めて産休・育休を取得したり、育児中は定時で帰るために毎朝4時起きして自宅で仕事をするなどしながら仕事を続ける。26歳で初めて管理職につき、編集兼営業としてプレイングマネージャーなども経験。うつ病の部下の職場復帰させた実績もある。

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