該当したらNG!? 部下を「育てる気がない」と思われる上司の特徴
[最終更新日]2023/11/03
管理職の皆さんに質問です。次の5項目うち、「とても共感する」「どちらかと言うと共感する」と感じるものはありますか?
- 仕事は人から教わるものではない。部下には自ら成長してほしい。
- 分からないことがあれば部下のほうから聞いてもらいたい。
- 自分が苦労して仕事を覚えたので、部下も苦労するのは当然だ。
- 仕事ができない部下に任せるよりも自分でやったほうが早い。
- 管理職にとって部下の育成よりも重要なことはたくさんある。
共感するものがあったという人は、もしかしたら部下から「育てる気がない」上司と思われているかもしれません。
本記事では、部下を育てる気がないと思われやすい上司の特徴について解説しています。
管理職の皆さんはぜひ部下に対する接し方を振り返りつつ、セルフチェックしてみてください。
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Index
目次
あなたにとって「部下の育成」に対する優先度の高さは?
冒頭で質問した5つの項目は、いずれも「部下の育成」に対する優先度の高さを問うものです。
とくに最後の「部下の育成よりも重要なことはたくさんある」に違和感を覚えなかった人は要注意です。管理職としての役割の中でも、部下の育成に対する優先度がかなり低くなっている可能性があるからです。
では、部下から見た場合、こうした上司の考えはどのように映っているのでしょうか。部下の目線に合わせて考えてみましょう。
部下は上司に対してどんなことで困っている?
下の図は、日経メディカルOnlineが実施した調査結果の一部です。
医療関連企業に勤務する314名の方のうち、実に94.9%が「困った上司のもとで働いた経験がある」と回答しています。
具体的にどのようなことで困ったかをヒアリングしたところ、下図の結果を得ています。
「第11回 職場の上司に関する意識調査」日経メディカルプロキャリア 2020年
注目すべきは、「仕事を教えてくれない・相談できない」「部下・後輩の面倒見が悪い」といった、指導・育成のあり方に不満を抱いたことのある人が少なくない点です。
部下を「育てようとしない」「育てる気がないように見える」といった管理職は、部下にとって高い確率で「困った上司」として映っているのです。
冒頭で挙げた5つの項目のうち、「自ら成長してほしい」「部下のほうから聞いてもらいたい」「苦労するのは当然」などは、部下に早く一人前になってもらいたいという厳しさからくる考えかもしれません。
ただ、部下としては「放置されている」「仕事を教えてくれない」といったネガティブな印象を持つ原因になっているかもしれないのです。
部下の育成を「優先度の高い課題」と捉えていますか?
管理職には部下の育成以外にも重要な職務が数多くあることは紛れもない事実です。
一方で、部下を指導・育成することも、管理職として非常に重要な役割の1つであることは間違いないでしょう。
少なくとも前出の調査結果を見る限り、部下の育成に対する優先度が低い管理職は、部下にとって「困った上司」と映っているケースが少なからずあります。
もちろん、中には教えなくても自発的に学び、いつの間にか成長していく部下もいることでしょう。
しかし、全ての部下がそのような資質・能力を備えていることを期待するのはあまり現実的とはいえません。
やはり大多数の部下は上司の指導・育成を必要としているのです。
部下の育成を「優先度の高い課題」と捉え、日頃から気にかけながら仕事をしているでしょうか?
もし「部下の育成を軽く見ているわけではない」「優先度は決して低くない」と考えていても、部下が異なる印象を持っている可能性は否定できません。
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部下を「育てる気がない」と思われやすい上司の特徴5選
「上司はそもそも私のことを育てる気がないのでは?」
部下がこのように感じると、上司との信頼関係や仕事に対するモチベーションに影響を及ぼす可能性があります。
では、どのようなタイプの上司が「部下を育てる気がない」と思われがちなのでしょうか。よくみられる特徴として、次の5つが挙げられます。
上司自身が常に忙しく、余裕がない
上司自身も実務を担当している場合によくみられるパターンです。
膨大な仕事量を抱えていると、どうしても常に忙しくなりやすく、余裕のない状況に陥りがちになります。処理すべきタスクや検討すべき事案に追われ、つい部下のことにまで手が回らなくなってしまうのです。
部下から見ると、上司がいつも忙しそうにしており、その上さらに相談を持ちかけるのは申し訳ないと感じてしまいます。
部下自身ではどうにも判断しかねることが出てきたとき、タイミングを見計らって上司に相談したにも関わらず「後にしてもらいたい」「自分で考えて」と言われてしまうと、「上司に聞いても解決しない」と部下は感じるようになります。
その結果、「部下の育成にまで手が回らないようだ」と思われるようになってしまうのです。
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段階を踏んで仕事を与えていない
難易度の高い仕事を突然任せたり、前提や経緯をきちんと説明しないままに仕事を振ったりすると、部下は混乱します。
「分からないことは聞いて」と伝えたとしても、そもそも部下にとって未知の情報がどの程度あるのか、その範囲や重要度を確認しきれない場合もあるはずです。
その結果、どうにかして自分で解決しようと空回りしたり、的外れな方法で仕事を進めてしまったりするのです。
「普通」「当たり前」といった言葉を使いがちな人はとくに注意が必要です。
管理職自身が長年携わってきた仕事であれば、進め方や注意点はごく常識的なことに過ぎないかもしれません。
しかし、その仕事にはじめて取り組む部下にとっては未知のことばかりです。
はじめから上司と同じレベル・スピード・精度で仕事がこなせるわけではないので、段階を踏んで少しずつ仕事を与え、レベルアップしていくのを辛抱強く見守る必要があります。
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日によって言うことが変わる
企業あるいは部署として業務マニュアルを整備していない場合は注意が必要なパターンです。
部下を指導する際の判断基準が上司自身の主観に委ねられてしまっているので、日によって言うことが異なっていたり、相手によって対応が変わったりしている可能性があります。
部下から見ると、上司がその時々の気分や雰囲気で対応しているように映るため、「明確な方針をもって育成しているわけではないようだ」と捉えるようになります。
また、上司は部下と比べて知り得る情報量が多いため、上司としては妥当な助言だったとしても、部下にとっては唐突な発言として映る場合があります。
すると、部下は「上司の言うことがころころ変わる」「場当たり的で、一貫した方針がなさそうだ」と感じるようになっていくのです。
部下の声に耳を傾けようとしない
いわゆる「声が大きい」タイプの管理職は注意が必要なパターンです。
一般的に上司は部下と比べて組織内で発言力があり、意見が通りやすい傾向があります。これに対して部下は、自身の考えや意見をぶつけるのはまず直属の上司ということになるでしょう。
直属の上司が耳を傾けてくれないとすれば、部下にとって自分の考えが会社に聞き入れられないも同然なのです。
部下が置かれている状況や相談に来た経緯などをきちんと聞かないまま、一般論に徹したアドバイスをしていないでしょうか。あるいは、部下の考えを先回りして予測しているつもりが、無意識のうちに決めつけや先入観に基づいて発言していないでしょうか。
上司が自分の声に耳を傾けてくれないと感じると、徐々に詳細な報告をしなくなっていき、いずれは重要な報告さえも疎かになってしまう恐れがあります。
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上司自身の評価・評判ばかり気にかけている
上司が自分自身の評価や評判を気にしていて、自分の出世のことしか頭にないように見えると、かなり高い確率で部下の信用を失います。
部下を育てることよりも上司自身の評価を高めることに必死と思われてしまうため、「育てる気がない」と捉えられる可能性も非常に高いでしょう。
この状況でコミュニケーション不足が重なると、情報不足がさらなる疑心暗鬼を招いてしまうことも少なくありません。
つまり、上司は単に情報を十分に伝えきれていないのではなく、「手柄を独占するためにわざと教えていないのではないか?」「部下が育たないほうが上司にとって都合がいいのでは?」などと邪推してしまうことがあるのです。
上司の人間性に対する信用にも関わってきますので、部下を育てることよりも上司自身の評価ばかり気にかけているように映っているのは非常にまずい状況といえます。
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【事例】こんなにも違う!? 上司と部下の「育成」に対する捉え方
上司と部下の間で「育成」に対する捉え方に大きな食い違いがみられる事例を紹介します。
Tさんは入社20年目のベテラン社員で、営業部法人営業課の課長を務めています。
新卒で入社して以来、営業一筋だったTさんは、現在では営業部長の次に古くから在籍している社員となっています。
Aさんは中途採用で入社したばかりの営業部員で、Tさんよりも3歳年下です。前職でも法人営業を担当していましたが、メーカーでの営業ははじめてです。
ある新商品の営業活動をめぐって、AさんはT課長に不信感を抱きました。
T課長は部下を育てる気がないのでは?と感じたのです。なぜそのように感じるに至ったのか、経緯を探ってみましょう。
T課長から見た部下のAさん
法人営業経験者で年齢的にも中堅のAさんは、T課長にとって心強い存在です。
即戦力として活躍してくれることを期待していたT課長は、新商品の営業活動で目にしたAさんの行動に愕然とします。つい先日、次のようなやりとりがありました。
- Aさん
-
「T課長、新商品の契約が取れました!1,500点納入予定の大型受注です」
- T課長
-
「すごいじゃないか!さすがだな。先方の納品希望はいつだい?」
- Aさん
-
「来月の頭です」
- T課長
-
「販売代理店はどこ?」
- Aさん
-
「K代理店からの納品となります」
- T課長
-
「なるほど。それで、うちからの納入価格は?」
- Aさん
-
「価格ですか?定価だと思いますが」
- T課長
-
「いやいや、代理店への卸価格の話だよ。何割がけで話がまとまったの?」
Aさんは急に戸惑ったような表情を見せました。どうやら、代理店と卸価格の交渉が成立しなければ契約締結とはいえないことを理解していないようなのです。
(法人営業経験者だろう?まさか、そんな基本的なことも知らないのか?)
- Aさん
-
「確認不足で申し訳ありません。それで、卸価格というのはどのように決めるのですか?」
- T課長
-
「どのようにも何も、普通に代理店と交渉して決めたらいいだろう?」
Tさんにとってこの20年来、当たり前のようにやってきた仕事の1つです。なぜそこに疑問を感じるのか、全く理解できません。「掛け率はどうしますか?」と代理店の担当者にひとこと確認すればいいだけのことです。
納入実績のない新商品であればなおさら、卸価格をどうするのか気を配らなければならないのに——。
(経験者なのに、そんなことまで指示しないと自分で動けないのか……)
期待が大きかっただけに、Aさんのことを急に頼りなく感じ始めたのでした。
Aさんから見た上司のT課長
新商品の契約は、Aさんが入社して初の成果です。数量、納品スケジュール、倉庫の在庫状況を入念に確認し、抜け漏れのないよう何度も確認した上で、確実に納入できるよう段取りをつけたはずでした。
ところが、帰社してT課長に報告したところ、初めて耳にする「卸価格」について問われました。
- T課長
-
「それで、うちからの納入価格は?」
- Aさん
-
「価格ですか?定価だと思いますが」
- T課長
-
「いやいや、代理店への卸価格の話だよ。何割がけで話がまとまったの?」
代理店の取り分は一定ではなく、代理店ごとに交渉しなければならないのか——。念入りに確認したつもりが、重要な点を見落としていたらしいことにAさんは気づきました。
- Aさん
-
「確認不足で申し訳ありません。それで、卸価格というのはどのように決めるのですか?」
- T課長
-
「どのようにも何も、普通に代理店と交渉して決めたらいいだろう?」
何気なく「普通に」と言い放ったT課長に対して、Aさんはひどく困惑していました。
Aさんは前職で直販営業を担当してきており、代理店営業が初めてということはT課長も知っているはずです。
(T課長にしてみれば「普通」のことでも、私にとっては初耳なのだけれど……)
後から聞いた話では、長年の付き合いがあるK代理店との間で納入時の掛け率はおおよそ話がついており、担当者との交渉はほとんど形だけのものだったのです。
にも関わらず、初契約を報告したタイミングでわざわざ卸価格の交渉が済んでいないことを持ち出す必要があったのか、Aさんは訝しく思っています。
T課長は妙に意地の悪いところがある——。
Aさんの受け止め方としては、T課長は部下にとって必要な情報を与えない傾向があるように感じられました。
この事例の問題点はどこにある?
T課長は新卒でこの会社に入社しており、20年来ずっと同じ仕事を続けてきました。
そのため、他社での仕事の進め方が自社と大きく異なる場合があることへの理解が不足していたのです。
法人営業といえど直販営業を経験してきたAさんに対して、代理店との交渉が都度必要になること、卸価格の確認を必ずしなくてはならないことを事前に伝えておくべきでした。
しかし、T課長にとってこれは「当たり前」のことで、疑問を感じる余地はありませんでした。ましてAさんは法人営業経験者なのですから、そのぐらいのことは当然理解しているものと信じて疑わなかったのです。
では、代理店との交渉の進め方について、Aさんが前もってT課長に確認するチャンスはあったのでしょうか。
現実的に考えると、これはかなり困難だったと推測できます。
なぜなら、「自分は何をどこまで理解しているのか」「直販営業との違いはどういった点にあるのか」といったことを、そもそも代理店営業の全体像を把握していないAさんが判別するのは不可能だからです。
納入実績のない新商品の営業を任せるにあたり、T課長は「すでに知っていることかもしれないが」と前置きした上で、契約の流れをひと通り確認しておくべきだったのではないでしょうか。
部下であるAさんの立場からすれば、「T課長は人を育てる気がない」と感じてしまうのも無理はない状況だったといえます。
部下を「育てる気がない」と感じさせないためには?
事例にもあるように、部下から「育てる気がない」と思われてしまうきっかけは、ほんのささいなことに過ぎないケースが少なくありません。
ふとした拍子に部下から不信感を抱かれてしまわないよう留意するには、日頃から部下との接し方や育成に対する考え方を定めておく必要があります。
具体的には、次の3つのポイントを意識して部下と接していくことが大切です。
部下の指導・育成に対する優先度を上げる
管理職として部下がついている以上、人材育成は優先度の高い仕事と考えましょう。
「部下は自ずと育つもの」「教えなくても自分で学び取ってほしい」などと考えるのは好ましくありません。
部下にとってみれば、頼れるのは直属の上司しかいないことも十分に考えられるからです。
上司の素振りから「人を育てるつもりがなさそうだ」と感じれば、そもそも人材育成に関心が薄い職場と部下が捉えてしまう恐れがあります。
自身も大量の仕事を抱えているプレイングマネージャーの場合はとくに注意しましょう。
担当している仕事に忙殺されて部下を放置しているように映ると、たいていの部下はネガティブな印象を持ちます。
与えられている裁量や権限は部下よりも上司のほうが大きいので、「上司は自分の評価さえ高まればいいと考えているのではないか?」と疑われてしまう可能性もあるのです。
部下の指導・育成にかける時間をどうにか捻出し、優先度を上げておくことは必須といえるでしょう。
指導・育成に関する直近の目標と中長期的なゴールを設定する
部下に「育てたいと考えている」と伝える有効な方法の1つに、指導・育成に関する目標を部下と共有しておくことが挙げられます。
職場で目標管理を実施していれば共有しやすいはずですが、そうでない場合は独自に目標設定をしておく必要があります。
上司が一方的に決めてしまうのではなく、現状の課題と今後の目標を部下と話し合いながら決めていくことが重要です。
目標を共有することで、部下自身の目標が明確化するだけでなく、上司がどのような観点で部下を評価しようとしているかを伝える効果もあります。
目標は、直近で達成を目指すべきことと、中長期的に目指してほしいことに分けて設定します。
こうすることによって、部下にとって現時点で努力すべきことが分かるだけでなく、中長期的に努力を継続すべきことが明確になります。
先を見据えた目標が定まっていることは、部下自身のモチベーションを維持する上でも役立つでしょう。目標を形骸化させないためにも、現在の達成状況を部下と確認する場を定期的に設け、相互理解を深めることが大切です。
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部下とコミュニケーションを図る機会を意識的に増やす
部下との信頼関係は基本的に仕事を通じて築くべきものですが、日常的なコミュニケーションも見落とすべきではない重要なポイントです。
人は接点が多い相手に親近感を覚える傾向があるため、シンプルにコミュニケーションを図る機会が増えることで信頼関係を構築しやすくなるからです。
業務に関する報告や事務連絡だけでなく、日常のささいな会話の中で共通の話題があるとより望ましいでしょう。
部下にとって「上司がいつも気にかけてくれる」という安心感につながりますので、仕事上で重要なやりとりをする際にも部下が自身の考えを述べやすい関係を築くことができるはずです。
ただし、部下のプライベートに立ち入るなど、過度な干渉に該当しかねない話題は避けなくてはなりません。
同僚から言われるのと上司から言われるのとでは、部下の受け取り方が大きく異なるケースも十分に考えられます。
部下の性別や年齢に関わらず、センシティブな話題は避けるよう注意を払うことが大切です。
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まとめ)「育てる気がない」上司の特徴に1つでも該当したら早急に改善を!
部下を「育てる気がない」と思われやすい上司の特徴に、もし1つでも当てはまるものがあった場合は早急に改善を図りましょう。
自分ではそのつもりがなくても、部下から見たとき「そう見えている可能性がなくもない」と感じるようであれば、部下の側では何らかの不満を抱えている可能性は十分にあります。
上司が改善しようと努力していることは部下にも必ず伝わりますので、行動を変えていくよう努めることが非常に重要です。
部下の育成は管理職にとって永遠のテーマともいえるものであり、「これが正解」と断定できる指導方法はありません。
はじめから全てが順調に進まなかったとしても、試行錯誤を繰り返しながら徐々に改善していくことに意味があります。指導・育成に尽力したことが伝われば、ゆくゆく成長した部下から感謝してもらえる日が来るはずです。
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