私の管理職体験談:初めての部下育成で失敗した理由は、「自分、自分、自分」になっていたから。
[最終更新日]2023/11/03
人材派遣会社の営業として働いています。
主な業務は、派遣社員を受け入れて頂ける見込みの企業への営業活動、それから既存のお客様への追加提案です。
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それから、管理職(チームリーダー)として、2名の営業メンバーの進捗管理をしています。
現場業務をこなしつつ、部下育成等も行う、いわゆる「プレイングマネージャー」です。
残業もそこそこありますが、休日はカレンダー通り取れます。休みの日は趣味のフットサルなど体を動かしたり、コロナ禍になる前は友人達と飲み歩きをしたり。
もともと学生の頃は結構はっちゃけるタイプの性格だったのですが、営業の仕事ではどうしてもかしこまった対応を求められますので、休日にアクティブに活動しようとするのはその反動もあるのかもしれません。
まだ独身ですが、家庭を持つ前にもうちょっと落ち着いた生活を送れるようにしないとな、と思うこともあります。
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わたるさん(男性 20歳)
- 職業
- 人材紹介業
- 職種
- 営業
- 年収
- 約600万円
- 従業員規模
- 約3,000人(うち部下2人)
- 地域
- 神奈川県
Index
目次
「いざという時のピンチヒッター」くらいの活躍が、できるようになるまで。
大学を卒業後、私はスポーツ用品店に就職して、そこで営業職として数年働き、その後、現職である人材派遣会社に転職しました。
「同じ営業だから、まあうまくやれるだろう」と思っていましたが、実際に入ってみると動き方が全く違っていて、そこにまず戸惑いました。
これまではどちらかというと「待ちの営業」で、興味を持ったお客様にいかに惹きつけさせて購入まで持っていくかという感じだったのですが、人材派遣会社での営業は、こちらから動かなければお客様はやってきません(ネームバリューのある大手だったらまた違うのでしょうけれど)。
それで「とにかく行動していかないと」と、ガムシャラに営業をかけてみたところ、上司から「ちょっと待て、まずはちゃんとやり方を覚えろ」と言われて笑。
それからは、上司から言われたことをそのまま実践して、あとで少しずつ自分のやりやすいように修正していく、を繰り返す日々でした。
なかなか大きな成果が出せず、苦しかったですね。
前職ではもっと活躍できていたはずなのに、「あれ、なんでだろう…俺ってこんなもんだったの?」って思ったり。
それでも、自分なりに工夫を重ねていき、少しずつですがぽつぽつと成約案件が出てくるようになって。1年経って、「会社の4番バッター」とまではいかないにしても、「いざという時のピンチヒッター」的な存在にはなれたんじゃないかな、と思うようにもなりました。
「管理職」という、これまでと全く異なる働き方。
ちょうど1年前、上司に呼ばれ
- 上司
-
「お前に、1つチームを任せてみたい」
と言われました。
つまり、係長職のポジションを言い渡されたのです。
聞いたときは、正直自分にできるか不安でした。
なぜなら、私は営業職の仕事には慣れてきたものの、それは言ってしまえば完全にワンマンプレイというか、業務中に他の人たちと連携したりすることなんて一切なかったからです。
- 私
-
(まいったな。他人を管理するポジションになると、仕事の進め方をかなり変えなければならなそうだ…)
──そんなことを考えたりしました。
ただ、「任せてもらえる」というのはやはり嬉しいものです。不安でありながら、どこかで仕事に対してモチベーションが高まっている自分がいる。そんなこんなで、結局私は上司のオファーを受けることにしました。
実際に部下が2人やってくるまで少し時間があったので、その間は上司の動きを観察して、少しでも管理職らしい働きができるように自分なりに研究しました。
指示の仕方や、タイミング、時間の使い方などなど──。自分以外の人間をここまで詳しく観察したのは、これが初めてでした。そして、新しい発見が多くありました。
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はじめての部下、「K」への育成と、失敗。
係長になって、そして私の下に部下「S」と「K」の2人がやってきました。
そのうち「S」は結構やり手なタイプで、私の指示がなくともどんどん業務をこなしていきました。
反対に苦労したのは、Kの方でした。
もう2年目の社員だったのですが、とにかく営業成果を全然出せないでいる。
Sと同じチームというのもギャップを感じさせていたのかもしれませんが、完全に取り残されてしまっている様子でした。
Kのパフォーマンスが低ければ、当然チーム成績にも影響が出ます。このままじゃまずいだろうと思い、Kに個別で色々指導をしました。例えば、「こういう時、俺だったらこんな感じで提案するよ」と自分のやり方を伝えてみたり、あとは「なんか悩みがあるんじゃないか」と聞いてみたりもしました。
だけど、どうもKは私を良く思っていないのか、明らかに表面的な反応しかしてこなくて、心を開いてきてはくれませんでした。
それでも辛抱強くコミュニケーションを取ってきましたが、1ヶ月、2ヶ月と経っても状況は全く変わりませんでしたし、私はKが何を考えているのかも全く分からないままでした。
段々、そんなKに対して苛立ちの感情も出てきて、するとKの方からも不満そうな表情がよくよく顕れるようになってきてしまいました。
チーム成績は未だ停滞したままで、「さすがにこのままではまずい」と思い、私は上司に相談することにしました。
上司は私の話を黙って聴いていてくれ、私が話し終えた後も少しの間沈黙を続けていました。
そして、ようやく口を開き、こう言いました。
- 上司
-
「二つ、君に伝えたいと思う。
まず、上司からのちょっとしたアドバイスを数日間続けたくらいでで部下の成績が改善できるようなら、世の中の会社全部うまくいってる。そう簡単にうまく行かないのが、会社であり、そして部下育成なんだよ。
それと、さっきから君の話を聴いていると、「チーム成績」という言葉がしょっちゅう出てくるね。今気にしているのは、自分たちのチームの成績が、他のチームより悪いということかな?それともK君自身が思うように成績を伸ばせず、苦しんでいることだろうか?
管理職はどちらを考えることも大切だけど、もしチーム成績のことにばかり意識がいってK君自身のことをあまり見てやれていないようなら、信頼関係は築けないだろうね」
──ハッとしましたね。「してやられた」という気持ちにもなりました。
すべてが、上司に言われた通りでした。
私はそれまで、チーム成績のことをとても気にしていたのです。
チームとは私のチームであって、つまり私は、チーム成績の悪さが自分の周囲からの評価に繋がることを恐れていた。そして、そこで足を引っ張るKに対して、少なからずのネガティブな気持ちを抱えていたのです。
結局私は、今までと変わらず「自分の成績のこと」ばかり考えていたんだと、そこで思い知らされました。
当時のことを振り返って、今思うこと。
それからKとのコミュニケーションの取り方を変えて、1ヶ月ほど経って少しずつ私とKの関係性が改善してきた感触を持てるようになりました。
そしてほどなく、Kの営業成績も少しずつ改善してきて、そうすると後はプラスの相乗効果というのでしょうか、普段のチームの会話も前向きな話題が増えてきて、以前より大分活性してくるようになりました。
なぜ最初の頃、私のチームがうまく行かなかったのか。
それは私が、自分自身の成果を優先して、チームの仲間を駒として扱っていたからなのでしょう。──もちろん、部下を「駒」と見做していたわけではありませんが、管理職が自分自身の利害を優先してしまえば同じことです。
当時のことを思い出すと、いまだに恥ずかしい気持ちになります。
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自分を大切にして、そして相手も大切にする、そんな働き方を目指したい。
管理職としてチームを任されてから、1年が経過しました。
来月から、KとSのほかに新たに新人営業2名が私のチームに配属される予定です。
今現在、私が仕事で大切にしていることは、部下と私の「Win-Winの関係」を築くことです。
たぶん、私は人よりも自我が強いというか、「自分はこうなりたい」と欲求が強いほうなのでしょう。
だけど、「Win」になりたいと思っているのは自分だけじゃない。もしくはなりたいと思っていなかったとしても、Winになったときには嬉しさや達成感を持てると思います。
だから、まずは部下の「Win」について考えてみること。
そして、意見をしっかり言い合えるような環境をつくり、私も無理に背伸びすることなく部下に頼っていく──そうすることでお互いに信頼感が生まれ、お互いのWin-Winのための行動ができるのだと思います。
管理職としての働き方を知って、私は「将来は経営に関われるポジションへ進んでいきたい」と思うようになりました。
その為には、より多くの部下と、Win-Winの関係性を築いていく必要があるでしょう。その為にも私自身の経験・スキルを高めるとともに多くの方々とのコミュニケーションの機会を大切にしていきたいと思っています。
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