私の管理職体験談:メンバーに迎合してはいけない。マネージャーは「迎合の必要ない環境」にすること

[最終更新日]2021/09/07

体験談
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私の管理職体験談:メンバーに迎合してはいけない。マネージャーは「迎合の必要ない環境」にすること

現在は、スマートフォン向けアプリを運営するITベンチャーの人事部の責任者をしております。
メインの業務は、採用、労務、そして研修。

これまで何社か経験しましたが、すべてベンチャー企業でした。
そのうちの3社は立ち上げから上場に携わりました。

──こうやって言うと、華々しいキャリアを歩んでいるように聞こえるかもしれませんが、実際はその逆で、ガムシャラ&泥くさい働き方をしてきたと思います。
頑張って頑張って働いて、でもその結果会社が潰れてしまったこともありました。

それに、もう30代半ばにもなりましたので、さすがに「四六時中仕事に専念」とはいかなくなってきました。
ですので、平日は仕事に集中しつつ、土日はなるべく仕事から離れて、趣味の映画鑑賞を楽しむようにしています。

いとうちゃんさん(女性 30歳)
職業
ITサービス
職種
人事
年収
1,000万円
従業員規模
200人(うち部下5人)
地域
東京都

Index

目次

できることは、なんでもやる!

ベンチャー企業のイメージ

新卒当初は、某飲料メーカーの営業として働いていました。
かなり古い老舗メーカーということもあってか、かなり保守的な風土でした。
私とは考えが合わないことも多々あって、1年半で退職しました。

その後、スタートアップ企業(スマホ向けのゲーム会社)に総務ポジションで入社しました。

当時は若かったので「なんでもチャレンジしたい!」と考えていたことと、スタートアップゆえに「出来ることはなんでもやる!」のスタンスが受け入れられ、上司から

上司

「人事の仕事をやってみないか」

と誘われ、総務から人事(労務と採用)へとキャリアチェンジしました。

ベンチャー企業ということもあって大企業のような制度・仕組みは殆どありませんでしたし、環境は刻一刻と変わり、苦労して作った仕組みがすぐに使えなくなることも多かったです。

更には大企業からの吸収合併もありました。

何から何まで経験したことのないことばかりで、次から次へと課題・難題がやってきて。
さすがにこれまでの「なんでもやります!」の仕事スタンスでは現実的に業務が回らなくなると気付いて、「選択と集中」の考えにシフトしました。

マネージャーとは、いったいどんなものか。

ポジティブなイメージ

合併話が出はじめた頃から、今度は上司から

上司

「マネージャーになってみないか」

と言われるようになりました。

ですが、マネージャーとはいったいどんなものなのか、私自身まったくイメージできませんでした。

大きな仕事を任されたらマネージャーなのか。それとも部下がついたらマネージャーなのか。

──どちらもあまりしっくりきません。何日も考え、私は(多分、マネージャーとはこういうことだろう)と、以下の2点に定義を集約しました。

①1つのファンクション(チームや部署)を任され、そこでの活動と結果に責任を持つこと
②メンバーをもち、彼らのキャリアに責任を持つこと

定義はしてみたものの、あまりの責任の重さに、

(いや、これ私できないんじゃ…?)

と不安に感じたのですが、一方で、「この先、会社が成長していく際に私の部署が大きく関われること、そしてチームメンバーを幸せにするかどうかにも関われることは、とてもありがたいことだ」とも思いました。

人生なんて、何の気なしに生きていればあっという間に寿命が来てしまいます。
それだったら、出来る出来ないはともかくチャレンジしてみようじゃないかと、ポジティブに捉えることにしたのです。

──なぜ私は、ここまでポジティブになれたのか。
元来の性格もあったかと思いますが、いちばんが「素晴らしい上司、メンバーに恵まれていたこと」だったと思います。

信頼関係を築けた環境だと、人はポジティブな感情を持ちやすいと思います。
そういう意味で、私の今回のマネージャー昇進は、周囲の人たち・環境に助けられてのものでした。

メンバーからの不満の声。

不満の声のイメージ
社員

「何故私を、プロジェクトメンバーに入れてくれなかったのですか」

ある時、私はある社員からこんなことを言われました。

新規プロジェクトを立ち上げることになって、メンバー選定役の一人として活動したときのことです。
選定役は私のほかにもいましたが、確かに私はその社員に対してやや低めの評価をつけました(本来あってはいけないことですが、選定役毎の評価内容が漏れてしまったのでしょう)。

ベンチャー企業ということもあって皆成長意欲が高く、「新規プロジェクトを設立する」と発表すると多くの人が立候補して、今回もそうでした。

ただ、やりたい気持ちだけでは当然ダメです。大切なことは、「できるかどうか」ですから。
未来のことは誰もわかりませんので、ベストな判断ではなく、ベターな判断をしていくのです。
今現在のその人の知識・スキルを丁寧に見ていかなくてはなりません。

でも、どんなに考えて選定しても、一部の人からは不平・不満の言葉を受けました。人間関係が少しぎくしゃくすることもありました。

ただ、こうした経験を経て、私はマネジメントの仕事での「メンバーをいかに公平に扱うか」の大切さに気付くことができました。

平等と公平は違う。とよく言いますが、まさにその通りだと思います。
そのためには、対象をしっかり見据えて、客観的な見解を持つこと。メンバーの機嫌を気にしていたら、本当に何もできなくなってしまうでしょう。

私が思う、マネージャーとして一番大切なこと。

コミュニケーションのイメージ

マネージャーとして大切なことは、「メンバーと、常にコミュニケーションをとり続けること」だと思います。

その人の得意なことは何か、
仕事を任せるにしてもそれができそうか、
それらを常に考え、そして適切な見解を当人に伝え続けることです。

時には、褒めるだけではなく、「あなたの苦手な部分はココ。もっと頑張らないといけない」という指摘も大事だと思います。

自分の強み弱みに気づき理解していくことで、メンバーは次のステップに行くことができるし、自分を適切に自己評価できていれば、選ばれた選ばれなかったというような揉め事も起きにくくなります。

上手く伝わるでしょうか。
マネージャーとは、メンバーに迎合してはいけない。ただ、マネージャーの働き方次第で迎合自体の必要のない環境にしていける。──そういうものだと思います。

結果が伴わなければ、働く環境自体がなくなってしまう。

会社のイメージ

過去に、勤務していた会社が潰れてしまったことがありました。

とても悲しかったですし、また「会社とは、こんなに脆いものなのか」ということにも気づかされました。

どんなに皆がキャリアを積んでも、良いメンバーに恵まれて全員が幸せでも、結局はその舟になる会社が潰れてしまってはバラバラになって、皆再スタートしなければなりません。

もちろん、長い人生で「再スタート」した方が良いこともあるでしょうが、もし「今の会社でずっと働き続けたい」と思うのなら、会社にとっての結果を出し続けることが何よりも大事だと思います。

「メンバーと、常にコミュニケーションをとり続けること」が大事と言いましたが、全ては結果を出すために必要な工程です。

会社が利益を出し続けている状態であってはじめて、そこで働くメンバーのキャリアや幸せを考える余裕が生まれるのだと考えています。

これまで社内外問わず色んなマネージャーの方とお話してきましたが、この点にやや無頓着な人が多いように思います。
「結果」や「利益」という言葉って、どこか無機質で温かみのないように感じてしまうのかもしれませんが、でも、会社で働く以上私たちはそれらを守っていかなくてはならないのです。

私自身は、これから人事領域のみならず、さらに会社の中核を担う存在になりたいと思っています。
そして、末永く社員一人一人が幸せに生活できるような会社を作っていきたいです。