職場での意見・発言のしやすさで「男性有利・女性不利」と感じる女性は75%

[最終更新日]2019/11/27

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職場での意見・発言のしやすさで「男性有利・女性不利」は感じる?

2015年に「女性活躍推進法」が成立し、「働く場面で活躍したいという希望を持つすべての女性がその個性と能力を十分に発揮できる社会を実現すること」を目標に、様々な取り組みが行われてきました。

女性差別やハラスメントなど問題意識が社会に根付きつつあり、働く女性の割合も徐々に増加するなど、昔と比較すると女性は男性と対等となったと感じる男性も多いかもしれません。

しかしまだ男女が対等とは感じられない女性が多いというデータもあります。
女性が対等でないと感じる背景には何があるのでしょうか?今回は「職場での発言・影響」に焦点を置き、女性がどう感じているのかについてご紹介します。



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目次

約75%の女性が、職場にて「男性よりも発言力・影響力が低い」と感じている

「職場での発言力・影響力」は働く上で重要なポイントです。

自分の発言を考慮してもらえていると感じられることはやりがいやモチベーションにも繋がる部分であり、本来は性差があってはならない部分ですが、女性はどのように感じているのでしょうか?




参考:女性の「 職場での発言力・影響力における男女差」の感じ方について

職場での発言力・影響力は 男女ほぼ同じときに男性優位に感じる女性の発言・影響力は 男性よりやや小さい男性と比べて かなり小さい女性の発言・影響力は ほとんどない

N=100 自社アンケート「女性の「 職場での発言力・影響力における男女差」の感じ方について」より(2019年10月調査)

100名の様々な業種・職種の女性に「職場での発言力・影響力」における男女差についてアンケート調査をしたところ、「職場での発言力・影響力」は男性優位と感じる、もしくは女性の「職場での発言力・影響力」は男性より小さいと答えた方は計75%にも昇る結果となりました

女性活躍推進として政府や自治体、企業単位で様々な取り組みが行われていますが、「職場での発言力・影響力」に関しては、やはりまだまだ男女が対等な立場にあると女性は感じられていないことが伺えます。

女性が男性よりも「発言力・影響力が低い」と感じる要因・背景は──。

約4人に3人の女性が「職場での発言力・影響力」が男性より低いと感じているアンケート結果でしたが、その要因・背景はどのようなものなのでしょうか?

「職場での発言力・影響力」における男女差について、選んだ回答の理由は様々な意見がありましたが、理由ごとに大きく分類すると以下の結果となりました。




参考:女性が「 職場での発言力・影響力における男女差」を感じる要因・背景

組織の意識・価値観の問題 女性が働きやすい仕組が不足 男性より女性管理職が少ない 残業の多さを是とする文化 男性より女性社員の割合が低い その他

N=100 自社アンケート「女性の「 職場での発言力・影響力における男女差」の感じ方について」より(2019年10月調査)

最も多い理由として、企業もしくは男性社員に深く根付く価値観が理由という意見が単体で3割程に達する結果となりました。

次点では育児を優先する、または勤務時間が短いため、影響力もそれに伴い下がるといった「多様な働き方が認められていない」という意見がそれぞれ合わせて3割程という結果となりました。

また働く女性の割合が徐々に増加しているとは言え、職場では女性が少数派であることは多々見受けられます。

そのため他3割程に達した理由としては「女性(管理職も含む)が少数派なので発言力・影響力に欠ける」といったものも見られました。




「組織(または男性)の意識・価値観的な問題」を挙げた女性の方のコメント(※一部抜粋)

男性と同じように正社員登用されているにもかかわらず、女性が雑用係のように扱われていると感じることがたくさんあります。
そのことに男性側が無意識なのが一番の問題だと思います。

りんさん 25歳 東京都 事務職

特に出産を控えている女性の発言力、影響力はないと感じます。現場リーダーなどで仕事を頑張ってきたとしても、妊娠した途端に体を気遣ってという言い訳で徐々に仕事を減らされる。
その時にいくら仕事を頑張っても何も認めてもらえない、そういう先輩を何人も見てきました。結局、会社は男性優位になるんだと感じました。

しろさとさん 35歳 栃木県 サービス業

いまだに男性優位社会がまかり通っています。男性だと始めは臨時職員として入社された方でも、1年以内に正社員へ移行されていますが、女性は5年以上働かないと正社員へ移行されません。
また、女性社員が文句を言っても何も変わらないのが現実です。仕事全般において、女性の意見はなかなか通りません。

チーターさん 42歳 東京都 貿易会社 事務

営業は男性だけ。同族会社で社長の考え方が古く、女性は営業ができないと思っているため。 おもに女性が購入決定権を握る業種なのに、女性社員は商品開発にも参加できない。
商品開発にゴーサインを出すのも社長(男)だけど、この社長が破滅的にセンスがない・・・。

ひばりさん 54歳 石川県 小売業

「組織(または男性)の意識・価値観的な問題」という理由の大きな特徴として、性別役割分担意識が挙げられます。

性別役割分担意識とは「○○は男性がやるべきだ」「〇〇は女性が向いている」といったような性別による役割分担意識のことで、代表的なものとして「男性は外で働き女性は家を守る」という価値観などがあります。

あまり人の入れ替わりがない企業の場合、こうした性別役割分担意識が無意識のうちに強く存在する可能性があります。

「営業は男性がするべき」「お茶出しは女性がするべき」など、論理的でない文化に男女が対等でないと感じている女性が多いようです。




「組織(または男性)の意識・価値観的な問題」を挙げた女性の方のコメント(※一部抜粋)

急な子供の体調不良、妊娠出産時のブランクをカバーできるよう在宅で仕事ができる制度を作ると、女性も活躍しやすいのではと思います。
上司に意見を聞かれ、自分なりに意見を出しても納得のいかない顔をされるが、同じことを男性社員が話すと賛同されたり、評価を受けることがままあります。その背景には、「女性が働きにくい環境」にあり、男性とくらべて評価が下がる傾向にあるからだと思います。

ayokさん 25歳 兵庫県 事業企画

女性はどうしても出産などでキャリアに穴が開くこととなってしまいます。
それぞれの会社単位でしっかり体制を整える事はもちろん必須ですが、社会全体として男性が子育てしやすく男性のキャリアも保てる体制を整える事が先決かと思います。

おもちさん 33歳 福岡県 サービス業

育児休暇を取りやすくして、育児休暇から復帰しても、冷遇するのではなく、しっかりと戦力として扱う必要があると思います。
私の会社ではそれができていないので、女性社員は皆辞めていってしまいます。
そのため、管理職の男性と女性の割合は8:2ぐらいです。必然的に、女性社員の発言力はかなり低くて、意見があまり反映されておりません。

サチコさん 45歳 神奈川県 経理部

「女性の働きやすい環境(育児と両立等)を実現する仕組みが不足している」という理由の背景には、多様なキャリアモデルが浸透していないことが挙げられます。

例えば「家庭より仕事優先で働き昇進するというキャリアコースが最も評価されるべきだ」という考えです。

そのため出産等でキャリアに穴が空いてしまった女性は、対等に評価されていないと感じている女性が多いようです。

育休・産休の取得を推奨する企業は多いですが、取得した後そのキャリアはどのように評価するのかといったところまでは、まだまだ議論が追いついていない現状が伺えます。




「男性と比較して、女性の管理職割が低い為」を挙げた女性の方のコメント(※一部抜粋)

営業社員はほぼ男性、事務系も管理職に就いている方はみな男性という状況です。
女性の発言も聞いてはくれるものの、業務に活かされることは少ないです。男性管理職の発言が優先されています。

れもんさん 29歳 山口県 事務職

管理職がほぼ男性社員のみでかためられていることが大きな要因だと思います。
「女性はどうせ結婚して辞めちゃうから」という男性の考え方が根強くあるように思います、
また、女性社員が管理職を希望してもほぼ通らないのが現実です。

カナコさん 35歳 静岡県 事務職

私の勤めている会社はとても古い考えの会社で未だに女性管理職は存在しません。私は経営管理部に所属しているのですが、部署の会議にはほとんど出席できず電話番を任されてばかりです。発言力はないも同然です。
まず女性管理職が増えれば女性の活躍の場が徐々に増えて経営者の考えが変わり会社自体の考え方も変わって行くのかと思います。

れもんさん 29歳 山口県 事務職

企業は基本的に上司が決定権を持つ「縦社会」であることを考慮すると、管理職の女性が少数である場合、女性目線での意見は影響力を持ちにくい結果となることが考えられます。

2015年に女性活躍推進法が成立しましたが、2018年の日本の女性管理職比率は12% とまだまだ女性管理職の比率は低い位置にとどまっています。

世界平均での管理職に就く女性の割合は1991年にはすでに24.8%に到達しており、日本は国際的に見てもかなり遅れていると言わざるを得ない状況です。

この状況の背景として、女性はいまだに家事や育児の主要な担い手であり、昇進の機会に恵まれなかったことが挙げられます。




「勤務時間の長さ(残業の多さ)を是とする文化の影響」」を挙げた女性の方のコメント(※一部抜粋)

残業や長時間労働をすることで良い評価をもらえてしまう会社です。
女性は、出産や子育てのために男性と同じ時間はどうしても働くことができません。
時間ではなく成果によって評価される制度が確立すれば女性の活躍が見込めると思います。

Makiさん 34歳 東京都 営業

うちの会社は、正社員の場合かなりの激務になってしまいます。
そのため、そういった理由で契約社員を選んでしまう女性社員が多いです。社内での出世も人数差から男性が圧倒的に有利です。
しかし女性の活躍を推進していく為には、男性だけでなく女性自身の意識も重要だと感じます。

はなさん 31歳 東京都 事務職

男性比率が高く、また女性は男性ほど時間外労働も休日労働もしない傾向にあります。
そのため、男性だけ集まった際に事業やプロジェクトの重要な方針が決まってしまうことが多いです。

うめさん 42歳 埼玉県 経理総務部

日本ではバブル期頃まで「24時間戦えますか」というCMが共感を呼ぶなど、働けば働くほど良いという価値観が主流でしたが、近年は「働き方改革」に代表されるようにワークライフバランスを重視する価値観へと移行しつつあります。

こうした価値観の過渡期と言うこともあり、企業内ではまだまだ「勤務時間の長さ(残業の多さ)を是とする文化の影響」が根強いことも多々見受けられます。

家事・育児と仕事を両立させたい、またはワークライフバランスを重視したい世代の女性にとっては、こうした労働時間を評価の軸とする価値観に不平等さを感じている傾向があります。

男女隔てなく、皆が活き活きと業務に臨める環境にしていくための対策は──

男女の発言力・影響力が対等でないと感じている女性が多いという結果に驚いた方が多数ではないでしょうか?

近年は数年前と比較して働く女性が増加するなど労働環境が大きく変化し、また「働き方改革」「女性活躍推進法」に代表されるように新しい価値観への過渡期であるため、世代や性別で大きなひずみができやすい時期と言えます。

このような時期に性別による不平等が顕在化するのは自然な流れでしょう。

重要なのはこれから不平等を改善し、性別に関わらず個人が力を発揮できる環境作りを進めることです。
続いては、性別間の不平等を改善するための取り組みを進める上でのポイントをご紹介します。




組織としての対策

「よりよい組織環境と働き方」へのビジョン 女性活躍推進への取り組み・実施 現制度の見直しが必要か確認
  • 「より良い組織環境と働き方」へのビジョンを描く
  • 女性活躍推進への取り組みを理解し、実施する
  • 現制度上の見直し箇所がないかを確認する



「より良い組織環境と働き方」へのビジョンを描く

まずは発言力・影響力の男女差のような、性別間の格差を改善することによってどのような組織環境にしたいのか、どのような働き方を理想とするのかを考えることが大切です。

例えば「互いにスキルを研鑽し働き続けられるようにする」という目標なら、スキルや経験を積んだ女性社員が退職しないように男女格差をなくすことが必要になります。

このように性差をなくすことがビジョンを達成するための手段となることが、組織を納得させる上で重要です。




女性活躍推進への取り組みを理解し、実施する

女性活躍推進法は、女性の待遇を改善することで企業ひいては社会に利益をもたらすことを目標としています。

女性活躍推進について、「女性ばかり優遇されて逆に不平等だ」と女性の活躍を応援することに焦点を当てるのではなく、その先にある企業の労働力確保や労働環境の改善という全員の利益となる目標をメンバーが理解して取り組みを行うことが重要です。




現制度上の見直し箇所がないかを確認する

組織環境のビジョンを設定し目標を正しく理解した上で、現制度上の見直し箇所がないかを確認してみましょう。

アンケート結果で見られた「男性だと始めは臨時職員として入社された方でも、1年以内に正社員へ移行されていますが、女性は5年以上働かないと正社員へ移行されません」というケースは法に触れている可能性があります。

慣習となり気づきにくくなっている部分もあるので、注意して確認することが重要です。




個人での対策

偏見や固定観念はないか 女性のキャリアパスへのイメージを持つ 勤務時間の捉え方を見つめ直す
  • 自身の偏見や固定観念に無意識になっていないか。──国内・海外の事例を知る
  • 女性の様々なキャリアパスへのイメージを持ち、日々の育成・評価に反映していく
  • 勤務時間(残業等)に関する自身の捉え方(固定観念がないか)を振り返る



自身の偏見や固定観念に無意識になっていないか。──国内・海外の事例を知る

自分の今まで置かれてきた時代背景や生活環境により、無意識のうちに固定観念に縛られている場合が多々あります。

これらは自分の中では「当たり前」となっているため、気づくためには様々な事例や価値観に触れることが必要です。

「海外では女性の営業が多い」「○○社を訪問した時お茶を出したのは男性社員だった」など、日々の些細なことにアンテナを張り、自分の中の偏見に気付くことが重要です。




女性の様々なキャリアパスへのイメージを持ち、日々の育成・評価に反映していく

キャリアアップのため仕事一筋で頑張る女性や、家庭と両立しながら無理なく働き続けることを優先したい女性など、キャリアパスは人によって様々であり、どちらも違う形で会社に貢献しています。

スキルと経験を活かしビジョンに向かって日々努力しているなら、働き方に関わらずそのキャリアパスを応援するような育成・評価をすることは管理職の務めです。




勤務時間(残業等)に関する自身の捉え方(固定観念がないか)を振り返る

バブル期を経験した方であれば、残業してまで頑張った社員を自然と応援したくなる気持ちがあるかもしれません。

その場合、一方で計画的に仕事を進め時間内に作業を終わらせた社員を見過ごしている可能性があります。勤務時間は長ければ長いほど果たして良いと言えるのでしょうか?

固定観念に縛られず評価することが重要です。

まとめ)女性活躍推進はビジョン達成のために必要

近年女性活躍推進法や働き方改革の影響を受けて、職場での男女間の格差が浮き彫りとなっています。

今は価値観の過渡期であり、問題や衝突が起きるのは自然な流れです。
急激に変化した状況の中で、部下のマネジメントに苦戦する方も多いと思われます。しかしピンチはチャンスというように、うまく女性が活躍できればビジョンにぐっと近づくチャンスではないでしょうか?

先進的な海外企業、または日本の他社を参考にしながらピンチをチャンスに変え、ビジョン達成のために取り組むことが、自分のマネジメントスキルを大きく飛躍させることとなるでしょう。