「仕事が忙しすぎてつらい!」そう思った時の対処法。キーワードは「生産性」
[最終更新日]2023/10/17
管理職の皆さんの中には、次のような状況に置かれている人もいるのではないでしょうか。
- 実務もマネジメントも任されていて圧倒的に時間が足りない
- ただでさえ忙しい人のところへさらに仕事が集中している
- つい「忙しい」と言うのが癖になってしまっている
やるべき仕事が多いのはそれだけ組織の中で頼られている証拠ですので、日々が充実している状態とも言えます。しかし、あまりに忙し過ぎる状態が続いてしまうと、心身への負担も並々ならぬものがあるはずです。
そこで今回は、「仕事が忙しすぎてつらい」と感じたときの対処法についてまとめました。いま現在、抱えている仕事があまりにも多忙で負担を感じている人は、ぜひ参考にしてください。
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Index
目次
あなたの感じる「忙しさ」の原因を探ってみよう
仕事に追われていると、つい目の前の仕事に忙殺されてしまい、じっくりと時間を取って物事を考える余裕がなくなりがちです。
しかし、もし仕事の忙しさが常軌を逸していると感じるようなら、あえて時間を取って冷静に振り返ってみる必要があるでしょう。
仕事があまりにも忙しい状態には、いくつかの原因が考えられます。忙しさを少しでも緩和していくには、まずなぜ忙しいのか、その原因を探っておく必要があります。
常に忙しいと感じる原因として、主に次の3点が考えられます。
- そもそも多忙な業界・職種に勤めている
- 一人でこなすには無理がある仕事量を抱えている
- 自身の業務効率が悪い
そもそも多忙な業界・職種に勤めている
世の中には激務にならざるを得ない業界や職種がいくつか存在します。そもそも多忙になるのはある程度致し方ない仕事なので、忙しくない状態にするのは現実的でない場合があります。
たとえば、飲食業界は収益構造上、店舗の回転率を高める必要がありますので、多忙にならざるを得ません。
あるいは商社、コンサル、広告といった業界も、成果を挙げるまでが時間との勝負になりやすいことから、常に忙しい状態になりやすい傾向があります。
IT業界のように納期ありきの仕事もまた、時間が足りない中でいかに成果物を納品するかが問われる業界であり、現場で働く身としては仕事に忙殺されがちな仕事と言えます。
こうした業界・職種においては、標準的な業務量そのものが多いことから、仕事が忙しすぎると感じていたとしても一定の水準以上に業務量を減らすのは現実的でない場合があります。
一人でこなすには無理がある仕事量を抱えている
仕事を一人で抱え込んでしまいやすいタイプの人は、慢性的に忙しさから解放されない傾向があります。
たとえば、上司であるあなた自身が一人でこなすのは厳しい仕事量を抱えていたとします。
このとき、部下に仕事を振るのを躊躇する人がいます。なぜなら、部下に対して仕事の手順や進め方を説明し、仕事を任せた後も進捗管理をしていく手間をかけるよりは、自分でやってしまったほうが早いと感じるからです。
しかし、一人でこなせる仕事量にはいずれ限界が訪れます。
今現在、自分が抱えている仕事が山積みになっており、未着手の仕事がいくつも残っているようなら、そもそも一人でこなすには無理がある仕事量を抱えてしまっている可能性があります。
自身の業務効率が悪い
もし自分と同じくらいの仕事量をこなしているにも関わらず、自分ほど忙しく見えない人が社内にいるとしたら、忙しく感じる原因は自身の業務効率にあるのかもしれません。
すぐに返信する必要のないメールの処理に何時間も費やしてしまったり、質よりもスピードが求められる場面で完璧にこだわったりすると、時間がかかり過ぎてしまい業務効率が悪化します。
よくありがちな例として、複数の仕事を同時並行で進めようとする、いわゆるマルチタスク型の人は、一見すると効率よく仕事を進めているようで、実際は1つ1つが中途半端になっていることがあります。
こうした仕事の進め方や取り組み方は個人的な性格や考え方による部分も大きいため、良かれと思ってやっていることがかえって効率を悪くしていることもあり得るのです。
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「忙しく見えない人」が工夫している3つのこと
自分と同じかそれ以上の仕事を抱えているはずなのに、なぜか忙しそうに見えない人がいます。このような差が生じてしまう原因は、実はちょっとした工夫や対処のちがいでしかない場合があります。
忙しいはずなのに忙しく見えない人は、日頃からどのような工夫をしているのでしょうか。
膨大な量の仕事をそつなく、しかも効率的にこなしている人は、次のような工夫をしている可能性があります。別の言い方をすると、こうした工夫を取り入れることで業務効率を改善することができるのです。
- できない仕事にはきちんと「NO」を言う
- 「人に頼る」ことがうまい
- 業務を効率化し、「生産性」を上げている
できない仕事にはきちんと「NO」を言う
真面目な人や、いわゆるお人好しタイプの人の場合、頼まれた仕事をどうにかしてこなそうとする傾向があります。
その結果、頼まれた仕事を全て抱え込んでしまい、結果的に間に合わない・こなし切れないといった事態になってしまうのです。
頼まれた仕事を断るのは一見すると不親切な行為のように映るかもしれませんが、自分がこなせる業務量を把握するのはビジネスに携わる者として不可欠な能力の1つです。
忙しそうに見えない人は、自身がいま抱えている仕事の量と実際にこなせるスピードを把握しており、キャパシティを超える仕事を任されそうになったら「NO」を言う選択をしています。
無理な仕事量を抱えてしまうと、手が回らずミスをしてしまったり、期日に間に合わず相手に迷惑をかけてしまったりすることを理解しているからです。
「人に頼る」ことがうまい
責任感が強いタイプの人ほど、任された仕事を全て自分でこなそうとします。
しかし、その仕事が本当に自分でなくてはできないことなのか、人に任せたほうが効率的ではないのか、と考えることは、ビジネスを円滑に進めていく上で必要な思考の1つです。
部下や同僚に仕事を振る場合、仕事の進め方や手順をまず説明する必要がありますので、たしかに仕事に着手するまでの時間はかかってしまうかもしれません。
ただ、一度仕事が進み始めれば一人でこなせない量の仕事を同時進行で進めることができます。
部下のスキルや経験のレベルにもよりますが、場合によっては仕事の目的を大枠で伝え、細かな手順や進め方は部下自身に考えてもらうのも1つの方法です。
このように「人に頼る」ことが上手な人は、膨大な仕事量を抱えていても忙しそうに見えない傾向があります。
業務を効率化し、「生産性」を上げている
ふだん携わっている仕事の中で、実は省略・簡略化できる工程やまとめられる工程はないでしょうか。また、人間がやるよりも機械に任せたほうが速く正確にこなせる仕事もあるはずです。
一例として次のような点が思い当たるようなら、業務をより効率化できる可能性があります。
- 仕事内容が重複している(同じチェック工程を複数名で実施しているなど)
- まとめて確認してもよいことを途中段階で何度も確認している
- 後回しにできることをその場で処理しようとしている(メールの返信など)
- Excelなどで自動化できることを手作業でやっている
- チャットやメールで済む用件でも対面で打ち合わせをしている
こうした工程の1つ1つを効率化していくことで、業務全体の生産性が高まっていきます。仕事の生産性を上げることによって、忙しいはずの仕事量でも慌ただしさを感じさせずこすことができるのです。
仕事の「生産性」を上げるために意識しておきたい5つのポイント
業務を効率化し生産性を上げることによって忙しさが軽減されると前項で述べました。
仕事の「生産性」は、同じ量の仕事をこなす際にも忙しさの体感に差が出る大きな理由の1つとなります。また、生産性を高める工夫を取り入れることは、仕事の進め方を改善する上ですぐに改善しやすいポイントと言えます。
そこで、仕事の生産性を高めるために意識しておきたいポイントをまとめました。
次に挙げる5点を意識することによって、業務の効率を向上させ生産性を高めることにつながります。
- まずは忙しい現状の問題点を明確にする
- 仕事に優先順位をつける
- 「できない仕事」「人に振るべき仕事」がないかを確認する
- その仕事にかかる大まかな「所要時間」を決めておく
- 業務はなるべくシンプルに(マルチタスク化しない)
まずは忙しい現状の問題点を明確にする
「忙しい」という状態は、こなすべき仕事の量が多いこと以外に、やるべき仕事の項目が多いことも意味しています。
人間の思考は常に流動的で、数多くのタスクを理路整然と記憶しておくのは不得手です。膨大な情報を処理しようとしても、最後に入ってきた情報が印象に残りやすいのは程度の差はあれど多くの人にとって言えることなのです。
そこで、現状やらなくてはいけないことを記憶頼みにするのではなく、手帳やメモに書き出して可視化していきましょう。
こうすることで、やるべきことの数や量が整理され、何がネックとなって忙しい状況が生まれているのかが分かりやすくなります。「あれもこれもやらなくてはいけなくて大変だ」と混乱した思考を整理することで、ひとまず冷静に状況を判断できるようになります。
仕事に優先順位をつける
やるべき仕事を書き出して可視化したら、次に「何から着手するべきか」を優先順位づけしていきましょう。
別の言い方をすると「何を後回しにしてよいか」「すぐにやらなくてもよいことはないか」を考えることにもなります。
優先順位をつける際には、それぞれの仕事の「緊急度」と「重要度」からグループ分けしていく方法が便利です。下図に示すように、緊急度の高低・重要度の高低によって4つの領域に分けていきましょう。
今すぐ着手すべき仕事は、このうち「緊急」かつ「重要」なこと(第1領域)です。
一方、緊急度が高いように見えて実はそれほど重要ではないこと(第3領域)の仕事は、忙しいときには後回しにしてもよいことが分かります。
また、緊急でも重要でもないこと(第4領域)については、むしろ時間を浪費しないために切り捨てていく必要があるでしょう。
これらの領域分けをすることによって、緊急度は低いものの実は重要な仕事(第2領域)に時間を割けるようになります。これは将来に向けた準備や戦略を練るための時間となりますので、仕事の質を向上させることに寄与するのです。
「できない仕事」「人に振るべき仕事」がないかを確認する
自分にとって明らかに苦手な仕事や、必ずしも自分が稼働しなくてもよい仕事を抱えているのであれば、人に振ったほうが生産性を高められる可能性があります。
仕事において「責任感」という言葉が使われることがありますが、ビジネスに携わる以上は「結果」に責任を持つことが何よりも重要です。
苦手な仕事や自分が稼働する必要のない作業を抱え込んだ結果、期日に間に合わなかったり仕事の質が低くなったりするようでは、責任を全うできているとは言えません。
現在抱えている仕事の中で、「できない仕事」「人に振るべき仕事」はないでしょうか。
リスト化した仕事の中でこのような仕事に該当するものがあれば、人に任せることで自分自身のリソースに余裕を持たせることができます。
その仕事にかかる大まかな「所要時間」を決めておく
常に忙しくなってしまう原因として、「とにかく着手する」「できるまで続ける」といったスタンスで仕事を進めてしまっていることが挙げられます。
この方法では取り組んでいる仕事がいつ終わるのかが見えないため、必然的に次に着手する仕事も遅れてしまいやすいのです。
仕事に取り組む前に、その仕事を終えるまでのおおよその所要時間を試算しておきましょう。また、仕事を進める過程でいくつか通過地点を決めておき、各段階までの所要時間を目安として決めておきます。
あらかじめ立てた予定よりも大幅に遅れている場合、仕事全体にかかる時間も膨張していく可能性が高いと考えられます。
こうした段取りをあらかじめ決めておくことで、進捗が思わしくないときは早めに上長へ報告しやすくなるのです。
業務はなるべくシンプルに(マルチタスク化しない)
人の脳は基本的にシングルタスクをこなすようにできています。あることをしながら別のことも同時に進めるマルチタスクをこなせるほど器用な作りになっていないのです。
しかし、忙しいときにはついマルチタスクになってしまいがちです。
集中してこなすべき仕事の最中でも新着メールが気になってしまったり、ふとやるべきことを思い出して作業を中断したりしていると、注意散漫になり結果的に仕事全体にかかる時間が膨れ上がってしまうのです。
仕事に優先順位をつけたら、優先順位の高いものから順に、着実にこなしていくようにしましょう。
このようにシンプルなタスク処理に落とし込むことによって1つ1つの仕事への集中力が増し、正確性も高まるはずです。途中でミスに気づいて手戻りが発生すると、その分だけ仕事に費やす時間が余計にかかってしまいます。業務はできる限りシンプルにし、欲張ってマルチタスク化しないことが大切です。
とはいえ無理をするのは禁物。今の仕事がつらいなら転職もアリ
仕事の生産性を高め、余剰時間を捻出していくことによって、忙しさをある程度まで解消していくことは可能です。
仕事の進め方に工夫できる余地は必ずあるはずなので、これまで見過ごしていた部分に生産性を下げる原因がなかったかどうか、今いちど見直してみる価値はあるでしょう。
ただし、あまりに「忙しさ」が常態化しているようであれば、そもそもこなすべき仕事量に無理がある可能性も否定できません。
ぎりぎりのところまで創意工夫を凝らし、生産性を高めても忙しさが解消されないようなら、その職場で課されている業務量が過大とも考えられます。
そのようなケースでは、新たな環境に身を置いたほうが良い結果を得られることもあるでしょう。心身が疲弊しきってしまうような環境で摩耗していくと、スキルアップやキャリアアップどころではない状態に陥りかねません。
注意点として、転職先で再び忙しさに忙殺されることのないよう、転職先の勤務時間や職場環境についてできるだけ詳細な情報を得るようにしましょう。
転職エージェントでは求人企業の担当者と接点を持ち、職場の内情や就業環境に関する情報を得ているため、自力で転職活動を進める場合と比べて精度の高い情報を得やすくなります。
忙し過ぎることを理由に転職を検討する際には、転職エージェントの活用をおすすめします。
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まとめ)仕事の「忙しさ」を能動的に解決する姿勢でのぞもう
仕事が忙しすぎるとき、つい「なぜこうも忙しいのだろう?」とネガティブな捉え方をしがちです。
忙しい状況下では物事を落ち着いて考える時間を取りにくく、疲労も蓄積しやすいため、思考が良くない方向へと向かいやすいのです。
しかし、今回紹介してきたような工夫を加えることで、忙しい状況を解消・改善していくことは可能です。
「忙しい」とつい口に出しそうになったら、仕事の忙しさを能動的に解決する方法があることを思い出してください。生産性を高めることで忙しさを解消する方法が見つかるはずです。
忙しい状況に置かれても冷静に仕事をこなし、成果を挙げていくことのできるマネージャーになることができれば、周囲からの信頼もさらに増していくでしょう。
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