プロジェクトマネージャ試験とは?取得するメリットと難易度・勉強方法

[最終更新日]2020/02/12

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プロジェクトマネージャ試験とは?

IT業界に従事している人にとって、キャリアアップや年収アップをどのように実現するかは、今後の働き方を考える上で重要なテーマと言えます。

仕事の幅を広げ、キャリアアップのチャンスをつかむための手段の1つとして資格取得があります。もちろん資格取得によって現場での対応力や経験が全て身につくわけではありませんが、ひととおりの知識を学び習得してきたことを客観的に伝えられる効果はあります。

今回は、IT系資格の中でも難関と言われ、かつ人気が高い「プロジェクトマネージャ試験」について解説していきます。

プロジェクトマネージャ試験の受験を検討している人はもちろんのこと、資格の内容や難易度、勉強方法について興味のある人は、ぜひ参考にしてください。

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Index

目次

プロジェクトマネージャ試験とは?資格の概要と取得対象者

はじめに、プロジェクトマネージャ試験とはどのような資格なのか、概要と取得対象者について確認しておきましょう。

IT系の資格にはさまざまなものがあり、出題される範囲や取得することを想定している対象者も幅広いのが特徴です。

プロジェクトマネージャ試験の特徴や出題内容を知り、自分自身の今後のキャリアプランに合致しているかどうか、取得することでメリットを得られそうかどうかを把握しておくことが大切です。





プロジェクトマネージャ試験の概要

プロジェクトマネージャ試験は、IPA(情報処理推進機構)が実施している情報処理系の国家資格の1つです。情報処理系の資格には計13区分が存在しており、プロジェクトマネージャ試験はそのうちの1つとして位置づけられています。

IPA「情報処理技術者試験 試験要項」より

IPA「情報処理技術者試験 試験要項」より

上の図中に「高度な知識・技能」とあるように、プロジェクトマネージャ試験はスペシャリストを対象とした試験であり、難関資格の1つと言われています。

情報処理技術者試験にはスキルレベル1〜4が設定されていますが、プロジェクトマネージャ試験はこのうち最も高い「レベル4」とされています。

2001年までは「受験する年の4月1日時点で27歳以上」という年齢制限に加え、業務経歴書の提出が義務づけられていましたが、これ以降は年齢制限・書類提出ともに撤廃され、受験の門戸が広くなったことから人気資格の1つとなっています。

日経BPの調査によれば、「技術職の社員に取らせたいIT資格」に2006年以降毎年1位を獲得し続けており、IT業界における不動の人気資格であることが分かります。





どんな人が取得を目指す資格なのか?

プロジェクトマネージャ試験の対象者は「システム開発計画を円滑に運営する責任者」とされています。

いわゆるプロジェクトの最高責任者(PM)のことを指しており、現場のトップに立って指揮し、統括する立場を想定しています。

そのため、取得を目指す人の多くは実際にPMの経験があり、PMとしての業務理解度を深め、管理手法を学ぶとともに関連法令についても幅広い知識を得ることを目的としています。

ただし、PM経験がないと受験できないというわけではありません。
前述の通り、業務経歴書の提出義務が撤廃されたため、IT業界で必要とされる業務知識や経験を持つ人であれば、誰でも取得を目指せる資格となっています。

前の表に示されているように、IT系資格の中には「情報セキュリティマネジメント試験」「ITパスポート試験」といった非IT系人材を対象とした資格もあります。

一方で、プロジェクトマネージャ試験は「基本情報技術者試験」「応用情報技術者試験」といった情報処理技術者を対象とした試験のさらに上位に位置する資格であり、IT系の実務経験を持つ人材を対象としていることが見て取れます。

プロジェクトマネージャ試験の出題内容と難易度

前項では、プロジェクトマネージャ試験がIT技術者としてのスペシャリストを対象とした試験であること、難易度の面でも高度なものであることについて触れてきました。

では、具体的な試験の出題内容と難易度はどのようになっているのでしょうか。出題される具体的な問題の範囲や合格率、合格するためのポイントについて見ていきましょう。





プロジェクトマネージャ試験は4部構成

プロジェクトマネージャ試験は4部構成となっており、午前Ⅰ・Ⅱにおいてそれぞれ多肢選択式と記述式の試験が行われます。

午前I 午前II 午後I 午後II
試験時間 9:30~10:20
(50分)
10:50~11:30
(40分)
12:30~14:00
(90分)
14:30~16:30
(120分)
出題形式 多岐選択式
(四肢択一)
多岐選択式
(四肢択一)
記述式 論述式
出題数
解答数
出題数:30問
解答数:30問
出題数:25問
解答数:25問
出題数:3問
解答数:2問
出題数:2問
解答数:1問

午前Ⅰでは、他の高度情報処理技術者試験と共通のスキルレベル3相当の問題が出題されます。満点の60%を得点することが必須となっており、これを下回った場合は以降の試験は採点されません。

午前Ⅱでは、プロジェクトマネジメントについて重点的に出題されますが、システム戦略、法務、情報セキュリティといった分野も問われます
午前Ⅰと同様、満点の60%が必須とされており、これより得点が下回ると午後の試験は採点されません。

午後Ⅰでは、コスト管理、品質管理、リスク管理といった幅広い分野から出題されます。

午後Ⅱは論文課題形式の問題2題のうちから1題を選択して解答します。文字数は2,000〜3,000字程度となっており、結果はA〜Dの4ランクで採点されます。合格するにはAランクと評価される必要があります。





プロジェクトマネージャ試験の難易度

プロジェクトマネージャ試験はIT系資格の中でも難関に位置づけられていますが、実際の難易度はどのぐらいなのでしょうか。

合格率は、平成30年春期試験で受験者比13.2%、応募者比8.2%となっており、弁護士資格や税理士資格に匹敵する難関であることが分かります。

実際、プロジェクトマネージャ試験合格者に対しては、他の高度情報処理技術者試験の科目免除が2年間有効となるほか、弁理士、中小企業診断士、国家公務員試験など他分野の難関資格の科目が一部免除されるといった措置が取られます。

それだけレベルの高い資格であり、合格者は一定以上の水準の知識を有する人材と見なされていると言えるでしょう。

プロジェクトマネージャ試験の受験者の多くは、現場で経験を積んだベテランのエンジニアですので、こうした知識・経験ともに豊富な人材をもってしても合格率が実質1桁という点から、プロジェクトマネージャ試験の難易度は非常に高いものと見ていいでしょう。





合格するためには「小論文」を攻略する必要あり

プロジェクトマネージャ試験で問われる知識は幅広く、かつそれぞれの分野における知識レベルも高度なものが求められていることから、午後Ⅰまでの試験についても十分に難関と言えます。

しかし、プロジェクトマネージャ試験が難関とされる理由はさらにもう1つあります。

それは、午後Ⅱで実際される小論文試験です。与えられた課題に対して実務経験にもとづいて論述する必要があり、120分という限られた時間の中で文章構成を考え、書き切らなくてはなりません。

文章を書き慣れている必要があるため、知識が十分なレベルのエンジニアであっても小論文で苦労するケースは少なくありません。

最終的に合格するには、午後Ⅱの小論文でAランクを取る必要があります。
午前Ⅰに合格すれば2年間は午前Ⅰ試験が免除されますが、最終的に午後Ⅱで合格できるかどうかがカギを握っていますので、小論文の攻略はプロジェクトマネージャを取得する上で欠かせないポイントと言えるのです。

プロジェクトマネージャを取得するメリット

プロジェクトマネージャ試験は難易度が高く、勉強する範囲も多岐にわたることから、取得に向けて勉強を始めるにはある程度の覚悟が必要な資格です。

一念発起してプロジェクトマネージャを取得しよう!と決意するのであれば、この資格を取得することで得られるメリットについても十分に理解し、モチベーションを高めておく必要がありそうです。

そこで、プロジェクトマネージャ試験に合格し、有資格者となるメリットを確認しておきましょう。
もちろん、ここに挙げたもの以外にもメリットはありますが、とくに実感しやすいと思われるメリットについて挙げてみます。





PMとしての知識を客観的に示すことができ、転職に有利になりやすい

現場で携わるプロジェクトは多種多様です。「ここまでのスキルレベルがあれば、どんなプロジェクトでも必ず対応できる」という特定の基準は存在しません。

そのため、たとえプロジェクトマネージャ試験に合格したとしても、試験勉強を通じて得た知識が万能なものとは決して言えません。

しかし、PMとして求められる知識のレベルについて、少なくとも一定以上の水準に達していることを、プロジェクトマネージャ試験合格という実績が客観的に示してくれます。履歴書に「プロジェクトマネージャ試験合格」と記載されていれば、言葉を尽くして職務経歴書を記載するよりも説得力があるケースは少なくありません。

このように、プロジェクトマネージャを取得し有資格者となることによって、転職時に有利になりやすいという面は大きいと言えます。





IT業界でのキャリア形成において仕事の幅を広げやすくなる

IT業界でエンジニアとして働いてきた人にとって、1つの悩みどころとなるのがキャリアプランです。

SEやプログラマなど、現場で実作業を担当するエンジニアとしてスペシャリストを目指すのも1つの道ですが、技術革新のスピードが速くなっている現代においては、ある時期に有能とされたエンジニアがその後もずっと必要とされ続けるという保証はありません。

また、技術職として優秀とされる人材が、必ずしもマネジメントにも適性があるとは限らないのも悩ましいところです。PMとして現場を指揮できる人材が強く求められている背景には、こうした事情による人材不足もあると考えられます。

プロジェクトマネージャ試験に合格することによって、マネジメント方面に対する興味関心があること、一定以上の適性があるということを示すことができます。

これにより、IT業界で働き続けていく上で仕事の幅を広げるチャンスをつかみやすくなるケースもあるのです。





年収アップやキャリアアップにつながるチャンスが広がる

たとえば、同じレベルの力量・実績があるPMが2名いたとします。新規プロジェクトをどちらの人材に任せるかを判断する場合、より「間違いのなさそうな」「期待値が高い」人材に任せるということは十分に考えられます。

プロジェクトマネージャ試験は国家資格ですので、IT業界において知らない人はいません。一定以上の実績に加えて、PMとしての期待値を高めていくには、資格取得は1つの大きな転機となる可能性があります。

また、現状ではPM未経験の人や、まだ規模の大きなプロジェクトを担当したことのないリーダー級の人にとって、より大きな案件を担当していくための契機になり得ます。

このように、プロジェクトマネージャ試験は、現状よりも大きなプロジェクトを担当したり、それによって年収アップを実現する上で、チャンスを広げるためのきっかけの1つになる場合があるのです。

プロジェクトマネージャ試験合格に向けた勉強方法と勉強時間

プロジェクトマネージャ試験合格に向けて勉強していく場合、どのように勉強を進めたらいいのでしょうか。また、必要な勉強時間はどのぐらいを想定しておいたらいいのでしょうか。

プロジェクトマネージャ試験は試験範囲が広い上に、求められる知識1つ1つのレベルが高いことから、計画的に勉強を進め、効率よく知識を習得していくことが求められます。難関資格のため、そもそも独学で取得を目指せるものなのか、不安に感じる人もいることでしょう。

そこで、最後にプロジェクトマネージャ試験に合格するための勉強方法と目安となる勉強時間について確認しておきましょう。





プロジェクトマネジャ試験は独学で合格を目指せる?

プロジェクトマネージャ試験に独学で挑むことは「可能」です。実際、独学で勉強を進め、一発合格した人も数多く存在します。

ただし、完全な初学者が独学で合格を目指すためには膨大な時間と労力を要しますので、主に次のような人であれば独学で合格を目指せる可能性があると考えてください。

他のIT系資格に合格したことがあるエンジニアやPMとしての実務をこなしている文章の構成を考えて書くことができる
  • 他のIT系資格に合格したことがある
  • エンジニアやPMとしての実務をこなしている
  • 文章の構成を考えて書くことが苦にならない

すべてに当てはまっていることが望ましいのですが、「実務経験+文章が得意」など、部分的に該当している人であれば独学で合格を目指せる可能性があります。

なお、独学以外の方法で勉強するのであれば、通信講座やWeb講義などが考えられます。
いずれも自宅で受講できるという点では、広い意味での「教材」であり、これも「独学」の1つの進め方と言えるかもしれません。予算さえ許せば、こうした講座を利用してもいいでしょう。





プロジェクトマネージャ試験合格に向けた勉強方法

プロジェクトマネージャ試験のための参考書や問題集は、書店で数多く販売されています。自分が見やすいと感じるものを数冊購入し、まずは問題のレベルや問われる知識の量について概要を掴んでおきましょう。

基本的には、参考書を読んで該当する箇所の問題を解き、間違えた箇所を参考書で確認するという流れで学んでいきます。

ただし、プロジェクトマネージャ試験は「満点」や「9割」といった正解率が求められる資格ではなく、あくまで6割正解できれば合格できる試験です。

初めから完璧を目指そうとせず、苦手な分野は思い切って「捨てる」という選択をすることも必要な場合があります。

定期的に模試を受験するのも良い方法です。模試を受験すると、合格判定や正答率を客観的に知ることができます。

現状での合格可能性や苦手分野が分かるため、今後どこに力を入れて勉強を進めればいいのかが分かります。
苦手な箇所を集中的に伸ばすことができれば、合格可能性を引き上げることができるでしょう。とくに小論文については自己採点が難しいことから、模試の利用を積極的に取り入れることをおすすめします。





合格するために必要とされる勉強時間の目安

エンジニアとしての経験が豊富な人や、試験勉強が比較的得意な人の中には、50時間程度の勉強時間で合格できるケースもあるようです。

しかし、50時間は最低ラインの勉強時間であり、経験や知識量によってはさらに多くの勉強時間が必要になるはずです。

小論文については、書いている時間そのものが長くかかることから、対策に時間を要することが考えられます。

試験本番までにできるだけ多くの過去問を解き、小論文の時間配分や文章構成の練習をしておく必要があることから、小論文対策のための時間は別途確保するつもりで計画を立てておきましょう。

仮に50時間という勉強時間を確保する場合、平日に2時間、土日に各5時間の勉強時間を確保したとして、およそ1ヶ月間の勉強が最低限必要ということになります。苦手分野の量や小論文対策に要する時間を加味すると、少なくとも2〜3ヶ月は集中的に勉強するつもりでのぞむ必要があるでしょう。

まとめ)プロジェクトマネージャを取得してキャリアアップを実現しよう

IT系の技術職は人材不足が深刻化しています。一定以上のスキルや経験を持つ人材であれば、エンジニアとして活躍し続けていくことは不可能ではないでしょう。

しかし、より積極的にキャリア形成を図っていくのであれば、資格取得という選択肢を検討する価値は十分にあるはずです。

プロジェクトマネージャ試験は数あるIT系資格の中でも難関資格の1つですが、そのぶん取得することで他のエンジニアと市場価値の面で差をつけることもできるでしょう。

仮に今すぐ転職を考えていないとしても、今後のキャリアプランの選択肢をさらに広げておく意味でも、プロジェクトマネジャ資格の取得は悪くない選択肢と言えそうです。

プロジェクトマネージャ資格を取得して、IT業界におけるキャリアアップを実現してみませんか?




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