はじめての「損益計算書(PL)」──PLの見るべきポイントと見方のコツ【初心者向け】

[最終更新日]2019/07/09

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経営者あるいは財務のスペシャリストを目指すなら、「損益計算書(PL)」の見方と読み方を理解できなければなりません。
それは、企業のビジネスの状態や成績を把握するうえで、欠かせない資料だからです。

そこで今回は、損益計算書(PL)とは何か、簿記や経理を学んだ経験がなくても読めるようになるためのコツを、ご紹介したいと思います。

ポイントごとに整理してまとめますので、勤務先の損益計算書(PL)を傍らに、ぜひ実践してみてくださいね。

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目次

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損益計算書(PL)は、難しくない!?

損益計算書(PL)は決算書類の一種で、一定の期間における企業の経営成績を表す資料です。

PLはProfit loss statementの略語で、一定の期間は1年であったり、四半期であったりとさまざまです。

損益計算書(PL)に書かれているのは、大きく分けると「売上高」と「コスト(諸々の費用)」「利益」の3つです。

売上収益からコスト(諸々の費用)を引くことで、会社の利益がわかります。
こうした損益計算書(PL)の考え方を踏まえて、次章以降ではより具体的に説明していきます。

損益計算書の全体イメージ

まず、初めて損益計算書(PL)に携わるうえで、覚えておいてほしい、見方の基本について整理しておきましょう。

損益計算書(PL)を見ることで、企業の収益力がわかることは前述しました。

損益計算書(PL)にはいろいろな項目がありますが、初心者がチェックすべき項目は「売上高」と「コスト(諸々の費用)」「利益」の3つです。

上図であれば、①売上高と⑤営業利益をまず確認しましょう。

次に覚えてほしいのが、「コスト(諸々の費用)」です。
ここには商品あるいはサービスをつくる際に発生した②売上原価と、それを販売するためにかかった④販売費及び一般管理費が含まれます。
つまり、①売上高から②売上原価と④販売費及び一般管理費を引いたものが、⑤営業利益になるということです。

初めて損益計算書(PL)を読むなら、この大まかな流れをまずつかんでください。

実際はコスト(諸々の費用)に含まれる項目は多岐にわたるのですが、それは少しずつ覚えていけば十分です。

損益計算書(PL)は何のためにあるか

損益計算書(PL)を初めて読む人のなかには、なぜこうした資料が必要なのかと、疑問に思う人もいるかもしれません。

原則的に損益計算書(PL)が必要とされるのは

  • 株主に対して会社の経営状況を伝える
  • 債権者に会社の経営状況を伝える
  • 金融機関から融資を受ける

という場合です。
ですが、管理職になったからには、損益計算書(PL)を読めるにこしたことはないのです。
それは、損益計算書(PL)が企業の経営状況を把握するうえで重要な財務諸表の一つだからです。

勤務先だけでなく、取引先の損益計算書(PL)をチェックすることで、その会社の利益や損失がわかります。

新規契約を結ぶ予定の取引先の損益計算書(PL)をチェックし、経営状況が不安定だと感じた場合は再考するなど、ビジネスのなかでも活用することができます。
そう考えると、管理職こそ損益計算書(PL)が読めるメリットが大きくなるといえるのです。

損益計算書の各項目の説明

そもそも損益計算書(PL)は、「経常利益に関する計算の区分」「純利益に関する計算の区分」「営業損益に関する計算の区分」の3つに大別され、項目が振り分けられています。

実際に損益計算書(PL)を見ると、これまで紹介した「売上高」や「売上原価」「販売費および一般管理費」「営業利益」以外にも、いろいろな項目があることがわかります。
そして、項目の内容がわかると、企業の収益性に対するジャッジが、より正確にできるようになります。

ここでは、損益計算書(PL)に列記される項目について、簡単にまとめておきましょう。

項目 説明
①売上高 企業の収益のうち、主たる営業活動で獲得したお金のこと
②売上原価 ①の売上に対応する、製品の製造や仕入れなどにかかった費用のこと
③売上総利益 ①売上高から②売上原価を引いた利益のこと。粗利と呼ばれることが多い。
④販売費および一般管理費 商品やサービスを販売するためにかかった経費のこと。人件費や広告宣伝費なども含まれる。
⑤営業利益 ②売上総利益から③販売費および一般管理費を引いたもの。企業の営業活動によって生じた利益を指す。
⑥営業外利益 企業の収益のうち、主たる営業活動以外で獲得したお金のこと。資産運用による受取利息や受取配当金などが含まれる。
⑦営業外費用 企業の営業活動以外にかかった費用のこと。借入金の支払利息などが含まれる。
⑧経営利益 ③営業総利益から⑥営業外利益や⑦営業外費用を加減した利益のこと。
⑨特別利益 企業の収益の中で、①売上高でも⑥営業外利益でもない、臨時の事由によって獲得された利益のこと。固定資産や投資有価証券の売却益などが含まれる。
⑩特別損失 企業のコスト(諸々の費用)のなかでも、臨時の事由によって生じた費用のこと。固定資産の売却損や経理ミスの繰り越しなどが含まれる。
⑪税引前当期純利益 ⑧経営利益から⑨特別利益と⑩特別損失を加減した利益のこと。
⑫法人税、住民税及び事業税 法人の取得にかかる、すべての税金のこと。
⑬法人税等調整額 ⑫法人税、住民税及び事業税を調整するためのお金のこと。決算書上の利益×税率で計算される。
⑭当期純利益 企業すべての経営活動の結果を指す。⑪税引前当期純利益から⑫法人税、住民税及び事業税を引いて計算する。

はじめて損益計算書(PL)を見るときに、抑えておきたいポイント3つ

前章では、損益計算書(PL)に記載されている項目について説明しました。
ここでは、その項目を理解したうえで、初めて損益計算書(PL)を見る時に、押さえておいてほしいポイントについて詳述します。

初めて損益計算書(PL)を読むポイントがつかめれば、その企業に関する情報をより多く集めることができます。

初めて損益計算書(PL)の項目のなかには、金額調整されることが多いものもあるので、より細かくチェックすることが大切です。
ここでは、3つのポイントを紹介します。

ポイント1 原価の内訳と構成比の状態を確認する

原価の内訳と構成比の状態を確認するうえで注目してほしい筆頭は、「粗利率」と「原価率」です。
この2つの値のバランスがとれているかを、まずチェックする必要があります。

粗利率と原価率のバランスは、以下の数式で表すことが可能です。

  • 粗利率=売上純利益÷売上高×100
  • 原価率=売上原価÷売上高×100
  • 原価率+粗利率=100%

さらに、粗利率と原価率については

  • 粗利率が同業他社に比べて低すぎないか
  • 粗利率や原価率が前期と大きく変わっていないか

もチェックします。

さらに売上原価については、その内訳と構成比も重要なチェックポイントです。

売上原価は販売費及び一般管理費と同様に、「変動費」と「固定費」に大別されます。

変動費とは、製品の製造や仕入れなど、売上高の増減に比例する費用のことです。

一方の固定費は、給料や社会保険料などの人件費、オフィスや工場などの賃料、水道光熱費、業務に必要な機材リース費など、売上高の増減に関わらず、常に一定額で発生する費用を指します。

売上原価の内訳や、変動費と固定費の割合が適切かどうかで、企業の経営状態を把握することができます。

ポイント2 販売費及び一般管理費の、内訳と構成比の状態を確認する

販売費及び一般管理費には、商品やサービスを営業するための人件費や、販売促進のための広告宣伝費、経理や総務といった本社費用、さらにメーカーの場合は商品の研究開発費も含まれます。

販売費及び一般管理費の内訳を見て、各項目の割合がどうなっているかをチェックしましょう。
というのも、損益計算書(PL)の項目のなかで、販売費及び一般管理費が一番操作しやすいといわれているからです。

売上高が下がったり、粗利額が少なくなると、広告宣伝費や研究開発費がまず削減されます。
つまり、販売費及び一般管理費に含まれる費用の割合が、前期と比べてどう変化しているかを見ることで、企業の経営状況を予測することができるのです。

また、販売費及び一般管理費には役員報酬も含まれます。

役員報酬の変更や増減がイレギュラーな時期に行われていると、税務面で問題が起こる可能性があります。

損益計算書(PL)には役員報酬額は記載されていませんが、法人税の申告書に添付しなければならない勘定科目内訳書には明記されています。

経営者や財務のスペシャリストを目指すなら、そうした資料も読めるようになることをおすすめします。

ポイント3 ポイント1~2が慣れたら、直近3年間で推移を確認する

損益計算書(PL)に記載された、原価や販売費及び一般管理費の内訳や構成比を読めるようになったら、次に実践してほしいのは、単年ではなく直近3年間の推移をチェックすることです

過去3年の損益計算書(PL)を比較してみると、各項目の数値が変わっていることに気づくはずです。

特に売上高や営業利益に大きな変動があった場合には、その要因を分析する必要があります。

要因分析によって、新しい商品やサービスの開発に時間がかかり、発売が遅れて一時的に数字が下がったなどの理由がわかれば、必ずしも経営状況が悪化しているわけではないことがわかります。

また、販売費及び一般管理費の推移をチェックする際、従業員一人あたりの売上高や人件費をチェックするのもおすすめです。

社員の増員によって売上高がアップしても、一人当たりの営業利益が下がっていれば、それは経営が安定しているとはいえないからです。

そうした企業の傾向を把握する意味でも、初心者であっても直近3年分の損益計算書(PL)には目を通すようにしましょう。

まとめ 損益計算書(PL)を読み解けるようになろう!

今回は、損益計算書(PL)とは何か、読めるようになるためのポイントについて、お話ししました。

この記事をまとめると

  • 損益計算書(PL)を見ると企業の経営状況がわかる
  • 損益計算書(PL)初心者は、「売上高」と「コスト(諸々の費用)」「利益」の3つを覚えるとよい
  • 損益計算書(PL)の原価と販売費及び一般管理費の内訳と構成比、直近3年分に目を通すのがポイント

となります。

この記事を、初めて損益計算書(PL)を読む際の参考にしてくれたらうれしいです。

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