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「従業員持ち株制度」とは?「そもそも株って何?」という人も理解できるように優しく解説!

[最終更新日]2019/02/07

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皆様の中には「従業員持ち株制度」がある会社に勤めている方も多いと思います。大手企業中心に多くの会社で福利厚生の一環として実施されている「従業員持ち株制度」ですが、その意味合いが深く精査されないまま制度として存在している企業も多いです。

今回はそもそも「株とは何か」から再確認しながら、この「従業員持ち株制度」の意味合いや、従業員側双方のメリット・デメリットや注意点についてまとめました。

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目次

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「従業員持ち株制度」について話す前に、まず「株」についておさらい

さて、本題に入る前に、この従業員持ち株制度の意味を考える上では、その前提となる「」について基本的なところを理解しておく必要があります。言うまでもなく、従業員持ち株制度は企業が発行する「株」の上に成り立っている制度だからです。

この章ではまず、「従業員持ち株制度」の土台となる「株」について、簡単におさらいしておきます。

そもそも、「株」とはどんなもの?

一般的に言われている「株」は正確には「株式」といいます。これは、株式会社が発行するチケットです。(現在は電子化されてしまい、基本的にデータ上に存在するものですが、近年までは実際に紙の「株券」が存在しました)このチケットは会社の「所有権」を表すものになります。

「会社」という存在は形がないものですが、財務諸表上に於いて、その「価値」が証明されています。

株式を持っていると、発行されている株式と、自身が保有している株式の割合に応じて、その会社の一部を所有していることになります。会社が儲かって成長すると、株価が上昇し、それに従って株式の価値も向上します。

また会社があげた利益の一部は所有権の比率に応じて「配当」という形で、株式を所有している人(株主といいます)が受け取ることができます。

会社というのは一定以上成長すると、価値が大きくなりすぎて、一人では抱えきれない大きさになりますので、この「株式」の形をとることで、複数〜多数の人に所有権を分配することで、会社は安定してビジネスをできるようになるのです。

逆にいうと、この「分配する仕組み」を利用するために「株式」を発行した会社のことを「株式会社」と呼びます。

「株式制度」の由来

株式制度の歴史を少しだけ紐解きますと、この仕組みは16世紀のイギリスにて発生しました。「ロシア会社」というイギリスの合資会社が発行したもので、資金調達する上で、「株式」を販売し、ロシア会社が儲かったら、その利益を株の保有者に分配するというもので、ほぼいまの株式の原型は形成されておりました。

この制度はその後、欧州各国で東方貿易を行う際の資金調達手段として普及していきました。特に、オランダの「東インド会社」はこの仕組みを盛んに使い「世界初の株式会社」と言われるほどでした。

その後、18世紀後半には鉄道・鉱山・プランテーション開発などに株式が利用されました。この時国債の発達と相まってロンドンに証券取引所が開設され、ロンドンが金融の中心となっていきました。

その後19世紀に入ってニューヨークにも取引所ができる頃には、多くの株式会社の株が活発に取引されるようになっていきました。

なぜ株は、上がったり下がったりするのか?

さて、続いては、こうした企業の「所有権」である株式の価格=株価がなぜ上下するのかという仕組みについて説明します。

取引所に上場されている株式では「買い手」「売り手」がいます(どちらかがいなければ、株価は動きません)買い手は安く買いたい、売り手は高く売りたいと思っていますが、双方の値段が釣り合った時にそこで取引が成立し、その時点の株価となります。この連続により株価は形成されています。

さて、今後値上がりそうな株、つまり会社の成績=業績が好調になりそうな株は、買い手が「多少高くても買いたい」と思うことにより、買い手の価格が上昇するため、株価は上昇しますし、またその逆もしかりです。業績の良し悪しが株価に影響するのはこうしたメカニズムによるものです。

そのほか、マクロの経済環境や、大口投資家(年金投資家、金融機関など)の大口売買の入るタイミングなど付随的な変動要因を挙げるときりがありませんがいずれも根幹は「買う要因が増えれば株価は上がり」「売る要因が増えれば株価は下がる」ということになります。

従業員持ち株制度とは?

さて、株式の基本について前章で一通りおさらいしたところで、続いては「従業員持ち株制度」について説明します。これはその名の通り、「従業員が(一般的には所属する自社の)株式を保有することができる制度」のことをさします。従業員の資産形成手段として福利厚生の一環として設定されていることが多いです。

従業員持ち株制度の概要と役割

従業員持ち株制度は、その名の通り、従業員が株式を保有することができる制度です。一般的には給与天引き方式で、会社の持ち株会が従業員から資金を集め、それを原資に定例的に株式を購入する仕組みとなっています。

基本的には購入する株式は自社・もしくは自社が属する親会社や持ち株会社の株式となっていることが多いです。また株式は普通最低の売買単位が定められていますが、トータルの拠出額がこの単位に達した場合は、株式を自分の証券口座に移せるようになっていることが一般的です(その後は自身の判断で売買ができます)。

売買単位に達する前でも途中換金ができる場合もありますが、基本的には「資金を積み立てていく」ことを想定した制度と言えます。

中規模以下の企業であれば、自社の関連団体である持ち株会に所有させることで第三者に流出して経営権をとられるリスクを下げる意味合いもありますが、一般的には企業側のメリットよりも、従業員の財形貯蓄以外での資産形成手段として設定されることが一般的です。

そのため、拠出額の数%を上乗せられる、会社から低利で融資を受けて拠出に回せるなど制度を利用する上でのインセンティブが付されている場合もあります。

従業員持ち株制度の、会社側のメリット・デメリット

続いては、会社側から見た場合の従業員持ち株制度のメリット・デメリットをまとめました。

メリット

  • 実質コストを抑制しながら社員の福利厚生を高めることができる
  • 社員の忠誠心を高め、また士気を維持することができる
  • 安定株主層、購入層を形成する
  • (中小オーナー企業の場合)相続税対策になる

デメリット

  • 配当を維持する圧力が高まる
  • 換金・売却制度を整えておかないとトラブルの源泉となる
  • インセンティブ制度次第では高コストとなる

メリットとして大企業で大きいのは、社員の資産形成という福利厚生の充実や社員の会社に対する忠誠心、「利益に貢献して配当をしてもらおう」とする士気向上効果です。

また中小企業になると、安定株主層、購入層(=持ち株会が定例で株を購入する=実質的に買い圧力となるため)を形成すること、相続時に自分以外会社関係者に株式がわたることで、相続税が抑制されるといったメリットが重要になってきます。

デメリットで抑えておきたいのは「配当継続圧力」が高まり、会社がさほど儲かっていない時まで配当を維持しようとしてしまう要因になることです。他2点は制度設計の問題なので、会社が自社にとって悪影響を及ぼさないように、工夫して準備しておくことが肝要です。

従業員持ち株制度で取得した株の売却方法は?

従業員持ち株制度を利用している方のなかには、持ち株会に資金を積み立てっぱなしになっていて、取得した株を放置している方が多いです。

しかし、株は当然価格が上下するものですので、自身の判断で適宜適切に売却できるように準備しておくことが肝要です。今回は従業員持ち株制度で取得した株の売却方法について説明します。

自社株の一般的な売却方法

①証券会社に口座を開設する
株の売買をしたことがない人の場合、そもそも証券会社に株式口座を持っていない方が多いです。株を売却する際、まずは、従業員持ち株会から自分の株を引き出して自身の口座に入れておく必要がありますので、口座がなければ開設します。

②自分の株を証券口座に移す
続いて、持ち株会制度のルールに従って自分の株を証券口座に移管します。現在は人事部等に申請すれば移管できる企業が多くなってきていますが、中には上司の承認等が必要な場合もあるようです。その場合は「子供の教育資金」など止むを得ず資金が必要になった理由を準備しておくとスムーズかもしれません。

③証券会社に連絡して売却手続き
最後に証券会社に連絡して売却手続きを行います。金融機関でなければネット上で売却を進めてしまうこともできると思いますが、そもそも自分が証券会社員であるなど何らかの理由で株の売買に制限がかかっている場合は、電話連絡での取引が必要な場合もあります。いずれにしても何らかの方法で証券会社に連絡して、売却を執行します。

ケースバイケースですが、証券口座開設から始めると、1ヶ月以上はかかると見ておいた方が無難ですので、資金が必要となる場合は前もって準備しておく必要があります。

自社株は、「いつでも売れる」訳ではないので注意

さて、自社株の売却方法は先に説明した通りですが、自社の株式はいつでも売却することができない点は注意しておく必要があります。自社の株式の売却タイミングを制限する要因が「インサイダー取引規制」です。

社内内部にいることで、自社の株価に変動を及ぼす内部情報を知っている時に株の売却を行うと「インサイダー取引」となり、課徴金が課されるか、最悪刑事事件になってしまいます。内部の重要情報を知っている場合は、それが公表されるまでは株の売却ができません。

自身が内部の重要情報を知らない確認、「重要情報かもしれない」と思ったら公表されていないか確認(公表されていれば大丈夫)した上で、持株会を管理している部署に売却が問題ないか確認した上で、売却を進める必要があります。

従業員持ち株制度を利用する際の、メリットと注意点

従業員持ち株制度に参加するメリット

つづいては、従業員から見た場合の従業員持ち株会を利用するメリットについて説明します。まずは、端的にまとめますと以下の通りです。

  • 給与天引きにより強制的に資産形成ができる
  • 配当やインセンティブを享受することで貯蓄より資産を増やせるチャンスがある
  • 株価が上昇すればさらに資産を拡大させられる
  • ドルコスト平均法により闇雲に投資するより損失が発生しづらい
  • 会社の利益貢献をすべく仕事のやりがいが向上する

以上のように従業員持ち株会は、従業員にとってはメリットの多いシステムです。特に株価の上昇による資産価値拡大はもちろんですが、配当やインセンティブの存在により例え株価が横ばいでも利益が年数%のレベルで発生するため、貯蓄よりずっと有利と言えます。

また、従業員持ち株制度は一般的に毎月定額で株式を買い付けるので、株価が安い時は相対的に大きな量で、高い時は少量を買い付けることになりますので、損益が安定します(こうした買い方をドルコスト平均法といいます)。

このように従業員の安定的な資産形成において、従業員持ち株制度はメリットの大きいものであると言えます。

従業員持ち株制度の注意点

一方で、従業員持ち株制度の利用においては注意すべきポイントもいくつかありますので、この章で簡単に説明します。

  • 下落時には損失発生は免れない
  • 株式の引き出しや売却のルールが複雑な場合がある
  • 企業の忠誠心等を背景に売却がしづらい職場である可能性がある
  • インサイダー取引にならないよう気を配り思うように売買できない

あくまで従業員持ち株制度の利用は「株式投資」の一環であることを理解しておく必要があります。インセンティブがあっても、配当があっても、株価が大きく下落すればもちろん損失が発生します。そのリスクについては認識しておく必要があります。

また、持ち株会の株はさまざまな要素から売却がしづらいことが多いです。

そもそも企業の忠誠心等を背景に売却を許さないカルチャーの企業もありますし、そうでなくとも、売却やその前段階となる株式の引き出しルールが複雑であったり時間がかかったりということもあります。そのほか、自社のことなので、「インサイダー」に該当しないかどうかは細心の注意を払って売却を実行する必要があります。

以上のように、損失発生リスクや、売却が柔軟に行えず自由に換金できないリスクについては、予め認識の上で制度を利用することをおすすめします。

「従業員持ち株制度」の仕組みを正しく理解した上での活用を

ここで説明したように従業員持ち株制度は株式を活用した福利厚生制度で、その利用にはさまざまな利点があり、うまく活用することで従業員の資産形成に役立つものであるといえます。

一方で、あくまで株式投資であることや、自社株購入による特有のリスクやコストについても理解しておく必要があります。メリットとリスク・注意点をしっかりと認識した上で、自身の判断で利用するかどうかを決めることをおすすめします。

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この記事を書いた人

清水みちよ

大学時代から好きだった「旅行」を仕事にするため、卒業後は大手旅行会社の添乗員として世界中を飛び回る。海外での感染症で生死を彷徨い、何よりも自分の身の大切さを知る。その後別の旅行会社の内勤業務に携わり、現在に至る。

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