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「福利厚生って何ですか?」と部下に訊かれた時、あなたはきちんと応えられますか?

[最終更新日]2019/01/11

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学生時代に就職活動をしていた時には、年間休日数や産休・育休制度などの福利厚生をチェックして、応募企業を検討していたことでしょう。
ですが管理職となった今、部下に「会社の福利厚生について説明してください」と聞かれた時に、正確に答える自信がある人は案外少ないことが予想されます。

というのも、社会保険やさまざまな手当て以外の種類がある福利厚生は、その取り組みも多岐にわたるからです。

そこで今回は、福利厚生とは何かについて、いろいろな制度の詳細も含めてお話ししたいと思います。

Index

目次

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福利厚生とは

社員の満足度を向上させるうえで、福利厚生はとても重要な要素です。

働き方改革が声高に叫ばれる現代は特に、ワークライフバランスに直結する福利厚生のサービスによって、採用活動にも影響が及ぶほどです。
そこでまず、福利厚生とは何かについて、説明しておきたいと思います。

福利厚生の概要

そもそも福利厚生とは、入社した従業員とその家族の生活や健康を向上させることを目的に、経営者側が設けた制度や施設、サービスなどの総称です。
そこには、給料以外の物品や現金の支給も含まれます。

そして、福利厚生は「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」に大別されます。

法定福利厚生とは、従業員の加入や費用負担が義務付けられている、社会保障制度のことをいいます。
具体的には

  • 健康保険
  • 雇用保険
  • 介護保険
  • 厚生年金保険
  • 労働者災害補償保険

などがあげられます。

法定福利厚生については、かかる法定福利費の50%を会社側が、残り50%を従業員が負担します。

一方の法定外福利厚生とは、法律に規定されない制度やサービスを指します。
これは、従業員とその家族の生活を向上させるために、企業側が任意で設定するため、その内容は多岐にわたります。

いくつか例をあげてみると

  • 住宅手当
  • 社宅や独身寮の用意
  • 健康診断の費用負担
  • 通勤手当
  • 慶弔費
  • 財形貯蓄制度
  • 資格取得などの自己啓発支援
  • 社員食堂の設置

など、あらゆる制度やサービスが含まれます。

近年、ニュースなどで話題になった法定外福利厚生のなかには、「妊活休暇」「リフレッシュ休暇」「オシャレ半日休暇」などもあります。

こうした福利厚生の充実度も、就職活動中の学生による企業に人気ランキングに、少なくない影響を与えているのです。

なぜ、福利厚生が出来たのか

ここでは、福利厚生が生まれた経緯について、説明しておきましょう。

福利厚生は、第二次世界大戦以前に生まれていました。
当時は、労働者を確保する目的で、宿舎や食堂などの施設を用意するのが一般的だったといいます。
それが戦後の高度経済成長期を迎え、ライフスタイルが多様化するにつれて、寮だけでなく住宅購入の支援を行うなど、サービスの内容が変化し始めます。

このころまでは、多くの企業が福利厚生を自社内で整備していましたが、バブル崩壊による不景気により、費用負担を軽減するための外注化が進みます。
その結果、自社で保養施設や社宅を持つのではなく、他者名義の物件を借り上げという形で提供したり、福利厚生にまつわる事務手続きのアウトソーシングが行われるようになりました。

そして現代では、従業員とその家族の生活の質を向上させることに主眼を置くことで、人材確保を進める企業が増えています。
というのも、終身雇用制度がなくなった今、優秀な人材を定着・採用するためには、福利厚生の充実度が重要だからです。

福利厚生の全体像

前章では、法定福利厚生と法定外福利厚生があり、内容が異なることを説明しました。
それを踏まえて、福利厚生の全体像について、もう少し詳しくお話ししておきましょう。

上図にもあるように、法定福利厚生のほとんどは社会保険制度です。
そのため、従業員は入社と同時に自動的に加入することが義務付けられます。

例外は介護保険だけで、これは40歳以上が加入対象となります。
さらに法定福利厚生には、「児童手当」「児童手当拠出金」が含まれますが、これは後の章で詳しく説明します。

次に法定外福利厚生ですが、これは自社で提供するものと、外部のサービスを利用するものに分かれます。

多くの企業が採用しているのが住宅手当で、家賃や住宅ローンの一部を企業が負担するという内容です。

このほかにも、通勤費用の一部または全額を負担する交通費補助や、扶養家族がいる従業員を対象にした家族手当、健康診断や人間ドックの費用を負担してくれる医療・健康関連、社員食堂の設置やお弁当の購入費を補助する食費や制服購入やクリーニングの費用の一部負担などの被服関連など、ライフサポートを自社で行っている企業も多いです。

それ以外で、福利厚生サービスに分類されるものは、外注化されるのが一般的です。
その内容も、「宿泊・旅行」「疾病予防・健康増進」「自己啓発」「生活支援」「エンターテインメント」「財産形成」「スポーツ」「育児・介護支援」など多岐にわたります。

さらに外注化された福利厚生サービスは、「専業福利厚生」と「パッケージサービス」「カフェテリアプラン」に大別されます。

専業福利厚生とは、その名の通り、福利厚生のサービスを専業で展開している会社に外注することです。

2つめのパッケージサービスは、定額料金で、従業員一人ひとりが自分の好みにあったサービスと提携し、利用できるスタイルをいいます。

この場合、個人利用より割安で、高いサービスを受けられるというメリットがあります。
ですが、福利厚生サービスは他社と同じ内容になるというデメリットもあります。

3つめのカフェテリアプランとは、企業が従業員にポイントという名の補助金を支給し、その範囲内でサービスを選択できるしくみです。

その内容も住宅や医療、介護、余暇などの補助をはじめ、宿泊やレジャー、育児・介護、フィットネスなどが用意されているので、従業員が自分のニーズに合わせて選択できるのがメリットです。
一方で、用意したメニューを従業員が利用しない場合は、コストに合わなくなる可能性があるのがデメリットです。

法定福利厚生は、「必須」の制度。各項目の理解を深めておこう

これまで、法定福利厚生のほとんどが社会保険制度で、加入が義務付けられていることは、何度もお話ししてきました。

ここからは、社会保険制度の内容について、一つひとつわかりやすく説明していきたいと思います。

各項目の内容を深く理解できれば、部下に何かあった時に迅速に対応できるはずです。

雇用保険とは

雇用保険とは、労働者が諸般の事情で失業するなどして収入源を失ったり、働くことが困難になった場合に給付金を受けられる制度のことです。

労働者の生活や雇用の安定、就業促進が、雇用保険制度の目的です。

一般的なのは失業給付金で、最大で1年まで支給されます。
それ以外でも、育児休業給付金や介護休業給付金も、雇用保険から支払われます。

また、労働者が就業に関連する教育訓練を受けた際に支給される教育訓練給付金などもあります。

ただし、こうした給付金を受けるためには、それぞれの条件を満たしている必要があります。

健康保険とは

健康保険とは、すべての国民に加入義務がある公的な医療保険制度のなかでは「被用者保険」に分類され、会社員の加入が義務付けられています。

企業に勤める従業員と扶養される家族は、入社と同時に健康保険に加入することになります。

社員700名以上の企業であれば、健康保険組合を設立していることが多いですが、中小企業を対象とした全国健康保険組合に加入している会社も多いです。

健康保険は、加入者が病気やケガのために病院で治療を受けた際、7割の費用を負担してくれることは、みなさんもよくご存知でしょう。
それ以外にも、病気やケガにより休業した時や、出産、死亡時などにも保険給付を受けることもできるのです。

労災保険とは

労災保険とは、通勤中あるいは勤務時間内に事故にあうなどして、従業員がケガや病気をした、あるいは死亡した際に保障してくれる制度のことで、保険料は全額会社が負担します

保険給付の種類は、以下の通りです。

  • 労災によるケガや病気が原因で療養する際に支給される「療養(補償)給付」
  • 労災によるケガや病気が原因で休職し無給の場合に支給される「休業(補償)給付」
  • 労災によって障害が残った際に支給される「障害(補償)給付」
  • 労災によって死亡した従業員の遺族に支給される「遺族(補償)給付」
  • 労災によって死亡した従業員の葬儀を行う際に支給される「葬祭料 葬祭給付」
  • 労災から1年半を経過してもケガや病気が治らない場合に支給される「傷病(補償)年金」
  • 一定の条件に該当する障害があり、介護を受けている際に支給される「介護(補償)給付」
  • 定期健康診断で一定の条件に該当した際に支給される「二次健康診断等給付」

ただし、勤務時間内の事故であっても、食事休憩中などは対象にならないケースもあるので、注意が必要です。

厚生年金保険とは

厚生年金保険とは、企業に勤めている会社員が加入対象となる年金制度です。

会社に入社した時点で、加入手続きが自動的に行われます。

加入した厚生年金は退職するか、あるいは満70歳になるまで加入し続けなければなりません。

そして、厚生年金保険料は毎月給与から自動的に天引きされます。

厚生年金保険料は国民年金保険料に上乗せされているものですが、会社が50%を負担してくれるので、従業員は実質半額で積み立てができ、負担もそれほど大きくはありません。

厚生年金保険料の額は給与によって異なり、目安としては月収30万円で月額22,000円程度、月収20万円で月額15,000円ほどです。

介護保険とは

介護保険とは、要介護者が必要とする費用を給付するための制度です。
満40歳から、加入が義務付けられています。

健康保険の被保険者の場合、40~64歳までは健康保険と同時に徴収されます。

介護保険料率は加入する健康保険組合によって異なりますが、保険料の50%は企業が負担します。

介護保険によって受けられるのは

  • ケアプランの作成や家族による相談といった「支援サービス」
  • 訪問型家事支援や身体介護、訪問看護、デイサービス、デイケア、ショートステイなどの「居宅サービス」
  • 特別養護老人ホーム・老人健康保険施設・介護療養型医療施設に入居する「施設サービス」
  • 介護用のベッドや車いす、ポータブルトイレなどをレンタルする「介護用具に関するサービス」
  • 住宅のバリアフリー化や手すりの設置、トイレ様式の回収など「介護リフォーム」

などです。

児童手当・児童手当拠出金とは

では、前述した児童手当と児童手当拠出金についても詳しく説明しておきましょう。

児童手当とは、国や地方公共団体から子育て世帯に支給されている手当のことで、子どもが0~3歳未満は月額15,000円、3歳から小学校修了までは第一子と第二子が月額10,000円・第三子以降は月額15,000円、中学生は月額10,000円と定められています。

一方の児童手当拠出金は、従業員の子どもの有無に関わらず、個々の給料の0.15%を事業主が児童手当の財源として納めるものです。
そのため、従業員の負担はありません。

法定外福利厚生は、従業員の「働きやすさ」や「エンゲージメント」に繋げられる

採用活動や従業員の満足度につながる福利厚生の多くは、法定外福利厚生を指しているといっても過言ではないでしょう。
というのも、法定福利厚生は社会保険制度なので、どの企業でも大差がないからです。

優秀な人材の採用や長期雇用を目的として、企業が設けていることが多い法定外福利厚生は以下の通りです。

法定外福利厚生の、4つの主なタイプ

  • 支出面のサポート(住宅手当や交通費補助、家族手当等)
  • 健康面のサポート(健康診断や予防接種、人間ドック等)
  • ライフサポート(ライフワークバランスの推進、出産・育児支援、少子高齢化対策等)
  • 文化・体育・レクリエーション

支出面のサポートでは、給与以外に住宅手当や交通費などを支給することで、従業員とその家族の生活費の負担を軽減します。

健康面のサポートは、健康診断や人間ドッグの診療項目を増やしたり、予防接種も含めて費用の一部を補助するなどが一般的です。

ライフサポートには、育児や介護による休暇の上積みや時短勤務、在宅勤務の導入などが含まれます。

文化・体育・レクリエーションは、社内で行われるイベントだけを指すのではありません。
企業内にある部活動への補助金支給も、このカテゴリーに分類されます。
また、懇親会の費用負担や援助も含まれます

法定外福利厚生を充実することによるメリットは。

法定外福利厚生を充実することでのメリットは、以下の通りです。

  • 採用活動の際に応募者を集めやすい
  • 従業員の満足度ならびにエンゲージメントの向上につながる
  • 従業員の健康維持と増進をサポートできる
  • 企業への信頼度がアップする

企業にとって、優秀な人材を採用し長期雇用することは重要なミッションです。

法定外福利厚生が充実していると、新卒採用はもちろん中途採用においても求職者の興味を引くことができ、応募者を増やしやすくなります。

また、仕事だけでなく私生活の充実にもつながる法定外福利厚生サービスを用意することで、従業員のワークライフバランスがとれるようになると、業務効率が高くなる傾向があります
さらに従業員にとって働きやすい職場環境を整えることは、企業へのエンゲージメントの向上にもつながります。

さらに法定外福利厚生を充実させ、休養やストレス解消しやすい職場環境にすることは、従業員の心身の健康維持や増進のサポートにもなります。

従業員の満足度が高くなれは、対外的にも企業の信頼性があがるので、業績アップにつながる可能性も高いのです。

福利厚生について理解し、積極的に活用しよう!

今回は、福利厚生とは何かについて、いろいろな制度の詳細も含めてお話ししました。
この記事を読むことで

  • 福利厚生には法定福利厚生と法定外福利厚生がある
  • 法定福利厚生は社会保険制度がメインだが、法定外福利厚生は企業によって充実度が変わる
  • 福利厚生の充実度が採用活動や従業金の長期雇用に大きく影響する

ことを、理解していただけたと思います。

管理職は特に社会保険制度について理解しておくことで、部下に何かがあった際に、すぐに対応策を検討できます。

この記事を、福利厚生を理解し活用する一助にしてくれたらうれしいです。

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この記事を書いた人

栗花落

プロデューサー・ライター。情報誌の編集を皮切りにライター・ディレクターを経て、現在はプロデューサーとして、主に教育関連の広報・PRを手掛ける、4人の子どもを持つシングルマザー。勤務先で初めて産休・育休を取得したり、育児中は定時で帰るために毎朝4時起きして自宅で仕事をするなどしながら仕事を続ける。26歳で初めて管理職につき、編集兼営業としてプレイングマネージャーなども経験。うつ病の部下の職場復帰させた実績もある。

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