【朝礼ネタ】情報・ニュースの読み解き方
[最終更新日]2022/12/15
管理職の皆さんは、ふだんテレビのニュース番組やニュースキュレーションアプリなどで情報収集を行っていることでしょう。世の中の動きを知り、変化に備えるためにも情報収集は非常に重要です。
ところで、同じ情報を得ていても捉え方や考え方1つで大きく意味合いが変わってしまう場合があることについて、ふだんどのぐらい意識していますか?
せっかく得た情報を有効に活用するためにも、偏りや先入観をできるだけなくしていくことが大切です。
この記事では、情報・ニュースの読み解き方についてヒントとなりそうな話題を集めています。朝礼スピーチのネタとして、ぜひご利用ください。
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Index
目次
急いでいる方は気になるネタを押してください。
朝礼のネタ:世界は良くなっている?「ファクトフルネス」について
皆さんに質問です。いま世の中は「良い方向に向かっている」と思いますか?それとも「どんどん悪くなっている」と思いますか?今日は、私が最近読んだ「ファクトフルネス」という本について、考えたことをお伝えします。
さきほどの質問を、もう少し具体的な問いかけに変えてみます。
「現在、世界の1歳児で何らかの予防接種を受けている子供はどのくらいいるでしょうか?」という質問です。
3択にしてみます。1番:20%、2番:50%、3番:80%。さて、どれが正解でしょうか・・・?考えてみてください。予防接種を受けられるということは、それだけ医療の環境が整っていることを意味しています。よく「世界には貧しい国々がたくさんある」とか「医療を満足に受けられない子どもが数多くいる」と聞くことがあります。
そういった情報に触れていると、さきほどの質問も「最も悪い1番、20%ぐらいかな」「良くてもせいぜい50%ぐらいだろう」と思いがちです。
実際の正解は3番の「80%」です。医療を取り巻く環境はこの30年ほどで大きく改善され、良い方向へと向かっているのです。
私自身、はじめこの質問の正解は最も状況の良くない「20%」だろうと思いました。知らず知らずのうちに、「世の中はそんなに良い状況ではない」「だんだん悪くなっているのではないか」と思い込んでいたところがあります。
こういった思い込みを「ネガティブ本能」と呼ぶそうです。ネガティブ本能に囚われていると、悪いニュースが自分の中でクローズアップされがちになり、「やっぱり世の中は悪くなっている」とますますネガティブになっていきます。
これがただの思い込みに過ぎないことを統計から知ることで、「良くなっていることも多い」「全体としては良い方向へ向かっている」と思えるようになり、ニュースや身の回りの出来事をよりバランスよく読み解けるようになるのです。
朝礼スピーチのコツ)冒頭で共感を得られる話題に触れ、興味を惹きつける
スピーチの冒頭でどのような話し方をするかによって、スピーチに対する聞き手の興味の度合いが大きく左右されます。
まずはスピーチに引き込み、聞き流すのではなく「自分事」として考えてもらうことが大切になります。
そのために有効なテクニックの1つに「身近な話題で共感を得る」ことが挙げられます。
「朝、すっきりと目覚めたい」「暑い日についやってしまいがちなこと」「お腹がすいたときに取ってしまいやすい行動」など、たいていの人にとって思い当たる節のある話題で始めることで、「そうそう、私もいつもそう思っていた」「たしかにそれはある」などと共感を得ることへとつながります。
冒頭で共感を抱いてもらうことができれば、スピーチの本題に対しても「どんな話だろう?」と興味を惹きつけることができるようになります。
朝礼のネタ:ネットのニュースサイトを見るとき注意すべき点
皆さんは、ふだん何でニュースを見ていますか?
テレビや新聞という人もいるかと思いますが、ネットのニュースサイトをチェックしている人もいることでしょう。私も通勤の間は、半分ぐらいの時間をニュースサイトの閲覧に使っています。こうすると、家を出発するのがぎりぎりの時間でも情報収集ができるんです(笑)。
ところで、Webサイトを見ていたら自分が最近見た広告がくり返し出てくる・・・、といった経験をしたことはありませんか?私も、秋物の服が欲しいと思ってネットで探していたら、別のサイトを見たときも服の広告ばかり出てきた経験があります。
WebサイトにはCookieという仕組みがあって、自分が閲覧したページの情報が記録されるようになっているんですね。なので、「この人は服を探していた記録が残っている」と判断されて、最適化された広告が表示されるというわけです。
実はこの仕組み、ニュースサイトにも利用されています。その人がよく見るニュースや、興味のあるジャンルのニュースが何であるのか、記録が残っているわけです。そのため、知らず知らずのうちに自分が興味のある方面のニュースばかりが表示されている可能性があります。
同じニュースサイトを見ていても、となりの人が見ているニュースとは違う内容がトップページに表示されているかもしれないのです。
これはニュースのジャンルだけでなく、論調や意見の傾向にも言えることです。つまり、自分の意見や考えに近いニュースしか入ってこなくなる恐れがあるということを意味しています。
特定の考えに偏ったニュースばかり見ることを避けるためにも、定期的にブラウザのCookieを削除してみるなどしたほうがいいかもしれませんね。
朝礼スピーチのコツ)声の「通り」は練習で改善できる
スピーチの印象を左右するものの1つに「声が通るかどうか」があります。よく通る聞きやすい声で話すほうが、聞き手の負担が減り集中して聞いてもらいやすくなるというわけです。
「自分は声が通らないから・・・」とスピーチに自信を持てずにいる人は、声の「通り」をトレーニングによって改善できることをご存知でしょうか。簡単にできる方法として、次のことを試してみてください。
- 舌先を下の歯の裏側に軽くつけ、適度に緊張させる
- 視線を遠くに置き、そこに向けて話すイメージを持つ
- ふだんの地声よりも2割程度トーンが高くなるように意識する
- 言葉と言葉をしっかりと区切り、つなげて喋らないようにする
たったこれだけのことですが、話し方の印象はかなり大きく変わります。スピーチ本番前に、車の中など1人になれる場所で練習してみるといいでしょう。
朝礼のネタ:情報収集をするときに注意したい「情報の信頼性」
はじめに皆さんに質問です。「コラーゲンは肌にいい」と聞いたことがある人、手をあげてみてください。
・・・ほぼ全員の方が、聞いたことがあるようですね。私もコラーゲンを食事から摂ったり、肌につけたりするのは良いことだと思っていました。でも、これは医学的には全く根拠のないことらしいのです。
コラーゲンはタンパク質の一種です。タンパク質というと、肉や大豆に含まれている栄養素ですね。
タンパク質を食べると、胃で消化されてアミノ酸になります。これはコラーゲンの場合も同じです。ですので、コラーゲンをたくさん摂ったとしても、アミノ酸に分解されて体内で吸収されるわけで、コラーゲンがそのまま肌に運ばれるわけではないのです。
それに、コラーゲンの分子は肌の細胞よりもずっと大きいため、そのまま肌に吸収されることもありません。
ところが、私も含めて「コラーゲンは肌にいい」と広告やメディアで喧伝されているのを見聞きすると、とくに疑うことなく「そういうもの」と思い込んでしまいがちです。とくに健康に関することとなると、間違った情報を鵜呑みにするのは危険な場合もありますので注意が必要ですね。
最近ではフェイクニュースが社会問題化しています。収集した情報が必ずしも正しいわけではないかもしれない、と疑ってみることも必要です。
こういった間違いを避けるためにも、情報の信頼性をたしかめることが大切です。情報源がどこなのか確認したり、複数の情報源から確認したりするのを習慣にし、不確かな情報を鵜呑みにしないようにしたいものです。
朝礼スピーチのコツ)身振り手振りでスピーチを引き締める
スピーチは基本的に「声」で伝えるものですが、聞き手は聴覚以外にも「視覚」から情報を得ています。つまり、話している人の様子も含めてスピーチから情報を得ているのです。スピーチのときには身振り手振りで表現するのが大切と言われるのはこのためです。
朝礼スピーチは数分間の短いものがほとんどのはずですので、とくに伝えたい箇所に絞って身振り手振りを使うのが効果的です。「ポイントは2つです」と言って指を二本立てて見せる、「とても嬉しく感じました」と言って胸に手を当てる、といった具合に身振り手振りを使えば、スピーチ全体を引き締める効果が期待できます。
また、身振り手振りを駆使することで、話し手が余裕を持って話しているように見せられる効果も生まれます。緊張しやすい人ほど、体を動かすことで緊張がほぐれることもありますので、ぜひ身振り手振りをスピーチに取り入れてみてください。
朝礼のネタ:見慣れたニュースを、立場を変えて考える
東京オリンピックの期間中、首都高速料金を1,000円上乗せにするというニュース、皆さんもご存知ですね。
このニュースを聞いて、皆さんはどう思いましたか?私は個人的には、ふだんから首都高を車で走ることはほとんどないので、「少なくともその期間中は首都高を使わなければ関係ないかな」と思っていました。あと、「1,000円なら、どうしても使いたい人は支払って利用するのでは?」ぐらいに考えていました。
ちなみにこのロードプライシング、国交省が行ったシミュレーション結果によれば、値上げなどの対策をしなかった場合と対策を施した場合とでは、選手をはじめとするオリンピック関係者の人員輸送に60分もの差が生じるそうです。
会場へ移動しなくてはならない選手にとってみれば、60分早く到着できるかどうかはコンディションを左右しかねない重大な問題です。
この事実を知るまで、私にとっては「自分が使わなければいい」だけの問題だったのですが、立場を変えて考えると大きな意味を持つ決定だったことが分かります。
このように、日々のニュースは自分に直接関わるものにばかり着目しがちですが、立場を少し変えてみることで新たな気づきが生まれたり、本質的な問題に気づかされたりすることがあります。
年齢や性別、職業、収入、国籍が違えば、その分だけさまざまな立場の人がいます。自分の立場からだけ考えるのではなく、いろいろな立場から物事を見ていくくせをつけていきたいものです。
朝礼スピーチのコツ)自分の話し方・話す様子を客観視してみる
スピーチを上達させるための話し方の工夫や身振り手振りの使い方など、テクニックはたくさんあります。そういったテクニックについて学び、実践していくのは良いことですが、気をつけておきたいのは「自分がイメージした通りになっているか」という点です。
自分が頭の中でイメージしている姿と、実際にスピーチしている姿を他の人から見た姿との間にはギャップがあるかもしれません。よくある事例としては、自分では身振り手振りを駆使していたつもりでも、動きが小さすぎたり速すぎたりして、聞き手はほぼ誰も気づいていなかった、といったことが起こり得ます。
そこで、自分がスピーチするときの話し方や話す様子を客観視することをおすすめします。具体的には、スマートフォンで自分が話している姿をムービーに録画してみるのです。こうすることで、客観的な視点で自分の話す姿を観察することができ、改善点が見つかりやすくなるのです。
朝礼スピーチで「情報・ニュースの読み解き方」をネタにするとき知っておきたいこと
ここまで、情報・ニュースの読み解き方についての朝礼スピーチ例を4つ紹介してきました。ニュースなどから情報を得ることは、社会人であれば誰でも関係する話題であるため、興味を持って聞いてもらいやすいトピックと言えるでしょう。
同時に、ニュースを正確に、偏りなく理解するのは案外難しいことでもあります。そこで、朝礼スピーチで「情報・ニュースの読み解き方」を取り上げる際に知っておきたい予備知識について確認しておきましょう。
情報・ニュースには発信者の主観が混ざっている可能性がある
ネットニュースメディアに限らず、新聞やテレビにおいても、報道には発信者の主観が入っていることがめずらしくありません。同じ事柄について報じていても、ある新聞社は批判的な立場を取るのに対して、別の新聞社は該当者を擁護する立場を取る、といったことは案外よくあるのです。
また、報道は「事実すべて」を報じているとは限りません。一部のみを切り取って報道しているために、まるで切り取られた断片が全容を表しているかのように錯覚してしまうこともあり得ます。
近年ではSNSでフェイクニュースが拡散されていることが問題になっていますが、発信者が意図的に印象操作をしようとしている場合もあるのです。
このように、報道はいつでも「正しい」わけではなく、確実に客観的なものであるという保証もありません。朝礼スピーチで情報・ニュースの読み解き方を取り上げる際にも、「報道されていることが事実とは限らない」という点を念頭において話すことが大切です。
情報・ニュースを正しく理解するためのポイントとは?
では、情報・ニュースをできるだけ中立な立場で読み解き、正しく理解するにはどうしたらいいのでしょうか。
具体的には次の4点に注意して情報に触れることが重要になります。
- 1. 信頼ができる情報か(裏がとれている情報か)
- 2. 偏りのない情報か(全体を網羅する)
- 3. 1次情報を集める(2次、3次情報になると偏りがでる)
- 4. 上辺だけでない情報か(深い知識に裏打ちされた情報)
1. 信頼ができる情報か(裏がとれている情報か)
情報源を確認する、複数のメディアで確認する、といった工夫をする必要があります。
2. 偏りのない情報か(全体を網羅する)
一部が切り取られていないか、一方的な立場で書かれていないか考えてみましょう。
3.1次情報を集める(2次、3次情報になると偏りがでる)
2次・3次情報の場合、「元の記事」といった表記がされている場合もあります。1次情報を書き直したり、一部を切り取ったりしていることがほとんどですので、どうしても偏りが出やすいのです。
4.上辺だけでない情報か(深い知識に裏打ちされた情報)
一般論や表面的な知識で書かれていないか、本質的な深い知識に裏打ちされた情報であるか、といった観点でチェックしてみましょう。
朝礼スピーチで情報・ニュースの読み解き方を取り上げる際にも、これらのポイントを意識しながら伝えると、より説得力のあるスピーチとなるでしょう。
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まとめ)情報収集の精度を高めて、偏りや先入観に打ち克とう
人は誰しも、自分のものの見方や考え方をできれば信頼していたいと思っています。
自分自身の物事の捉え方が偏っているとか、先入観に囚われているとは信じたくないものなのです。そのため、朝礼スピーチでこのテーマを扱う際には「多くの人が現状の自分のやり方に問題を感じていない」ことを出発点としてスピーチを組み立てる必要があります。
朝礼スピーチで情報・ニュースの読み解き方を扱うことを通じて、少しでも自分の中の偏りや先入観を疑ってみることに役立ててもらい、情報収集の精度を高めることにつながるのであれば、スピーチとしては成功と言えるでしょう。
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