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あなたは「副業」肯定派?否定派?──副業容認の企業は全体の25%程

[最終更新日]2018/11/20

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平成30年1月、厚生労働省は「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を発表しました。

これを受け、平成30年4月には新生銀行が兼業と副業を、ユニ・チャームは副業を解禁しています。

平成29年11月にはソフトバンクが、12月にはコニカミノルタがすでに副業を認めているほか、日産自動車や花王、リクルートでもすでに解禁されています。

とはいえ、副業禁止の企業も多いため、興味はありつつも実践できない会社員も多いようです。

そこで今回は、会社員の副業・兼業について、一緒に考えてみたいと思います。

Index

目次

副業の概要と、副業が注目されてきている背景

副業の概要

まず、「副業」の定義について説明しましょう。法的な定義はありませんが、副業は「本業以外で収入を得るために行う仕事」を意味し、「兼業」と呼ばれることもあります。

副業あるいは兼業の就労形態はさまざまで、パートやアルバイト、日雇い派遣、在宅ビジネス、内職などが一般的です。

これ以外にも、株式投資やFX、アフィリエイト、フリーマーケットやオークションでの売買も、副業並びに兼業に含まれます。

平成29年1月に株式会社リクルートキャリアでは、株式会社帝国データバンクが所持しているさまざまな規模の企業2,000社を対象に、「兼業・副業に対する企業の意識調査」を行い、その結果を2月に発表しました。

それによると、1つでも回答のあった1,147社のうち、兼業・副業を容認・推進しているのは全体の22.9%で、大半が禁止していることがわかっています。

77.1%の企業が兼業・副業を禁止する理由として最も高いのは、「社員の過重労働の抑制」でした。

兼業・副業することで本業に支障をきたす恐れがあるので、公務員は全面的に禁止されています。

就業規則によっては、民間企業の社員でも兼業・副業することで処分されるケースもあるのです。

副業が注目されてきている背景

企業の多くが兼業・副業を禁止しているにも関わらず、なぜ注目を集めているのでしょうか。

その背景には、安倍晋三内閣が進める「働き方改革」があり、そこにも理由があるのです。

1. 終身雇用や社会保障に対する不安を抱える人が増えている

かつての日本は終身雇用制度が一般的で、定年まで勤めあげれば、その後は年金で食べていくことができました。
ですが経済不況や大手企業のリストラや倒産などが相次ぐ現代では、終身雇用制度が維持できなくなっています。

つまり、社員を解雇せずに雇用し続ける企業の体力が低下しているのです。
また、少子高齢化の影響で労働人口が減少していることも関係しています。
そうした実情を鑑みて、将来に不安を抱える人が増加し続けていることが理由の一つです。

2. 副業を通して社外でスキルアップやキャリア形成ができると考える企業が増えている

ソフトバンクが副業を許可した背景には、副業等により他社との交流が増えることで、本業では得られない知見やノウハウを身につけ、それを従来の仕事と組み合わせることで、イノベーションの創出につながるという考えがあります。

兼業・副業により社外でスキルを磨くことが、本業でのキャリアあるいは人材の育成につながるのであれば、社員教育にかける費用や時間を軽減できるというメリットもありそうです。

3. 副業容認で企業ブランドが高まり、優秀な社員の流出が防げる

大企業だからといって収益力が高く、年功序列で給与を大きく引き上げられるとは限りません。
優秀な社員を社内に留保したくても、転職のオファーをくれた別会社の方が提示条件がよければ、退職を止めることができないという現実があります。

ですが、副業容認を表明することで働き方が自由な企業であるというブランディングができると、それを魅力に感じる実力者の中途採用が容易になります。
また、勤務先が働きやすい職場であれば、優秀な社員の流出を防ぐことにもつながるはずです。

4. 副業や起業が身近になり、気軽に始められる風潮がある

クライドソーシングが一般的になった現代では、副業や起業に対するハードルが下がっています。
そのため、平日は会社員として勤務し、週末だけ副業を行う人も増えているのです。

クラウドソーシングの場合、通常の業務と違って専門性を求められず、素人からノウハウを会得できる仕事に就くことも難しくありません。
また、ハンドメイド品などをネット上で販売したり、オークションに参加して報酬を得るなど、自分の得意分野を生かせる副業を持つ人も増えています。
その結果、副業禁止の会社に勤務しながら、内緒で収入を得ている社員もいるのが現状です。

副業のメリット・デメリット

限定社員をはじめ、地域や時間、職種が限定される正社員が増えていることを考えると、働き方はますます多様化していくことでしょう。

副業や兼業はそうした働き方の一つであり、日本政府の後押しで、今後容認する企業が増えることが予想されます。

しかし、副業にもメリットとデメリットがあります。

そこで副業のメリット・デメリットについて、社員である個人と組織である企業、両方の立場にたって考えてみましょう。

副業のメリット

まず、副業のメリットについて、個人と組織の観点からまとめてみましょう。

メリット
個人視点 ・本業とは違う仕事に就くことで、将来の企業や独立に向けた準備ができる
・副業では本業ではできない、自分がやってみたい仕事にチャレンジできる
・副業や兼業を通して知識やスキル、人脈を開拓できる
・副業や兼業により報酬を得ることで、収入がアップする
組織視点 ・自社内では得られない知識やスキル、人脈を社員が獲得し、本業に生かせる
・副業や兼業を認めることで、社員が自律性・自主性を身につけられる
・副業・兼業ができる企業は優秀な人材を中途採用しやすく、自社の社員の退職も防ぎやすくなる

副業や兼業を解禁するメリットとして、社員のスキルアップにより、本業である企業の事業貢献につながる可能性が高い点があげられます。
また、働き方の自由度が高ければ社員の満足度もあがり、離職率低下や優秀な人材の中途採用が容易になる点も見逃せません。

さらに、副業は社員が自分の力で営業や広報を行わなければならないので、経営意識が高まるものです。
経営感覚を持って本業に取り組むことで、業務の効率化やコストダウンに対する意識が強まるのもメリットといえるでしょう。

副業のデメリット

では、副業のデメリットについても、個人と組織の観点から整理してみましょう。

デメリット
個人視点 ・副業を持つことで1日の労働時間が長くなる可能性が高い
・本業の「職務専念」「秘密保持」「競業避止」などの義務を果たす意思が不可欠である
・本業への悪影響や損害賠償のリスクがある
・副業の収入は確定申告しなければならない
組織視点 ・副業をしている社員の労働時間や健康の管理が難しくなる
・自社の情報漏えいや企業の秘密保持、競業避止の確保が難しくなる
・社員が大金後に別会社で勤務を行った場合、法的に時間外割増賃金の支払い義務を負う可能性がある

副業を行う社員、雇用主である企業共通のデメリットとして、本業に支障をきたす可能性が高いことがあげられます
副業に割く時間が長くなり本業が疎かになったり、遅刻や欠勤が増えたり、心身の健康に悪影響が出るケースも考えられます。

さらに、社員の副業の内容や本業の秘匿性の高い情報を利用して報酬を得た場合、株主や取引先の信用を失うリスクもあります。
合わせて、副業することで法定労働時間を超えることで、割増料金の支払い義務が発生したり、労働基準法違反に問われる可能性があることも覚えておく必要があります。
また、副業で得た収入は確定申告し、納税の義務を負うことも忘れてはいけません。

私の副業事例

とはいえ、さまざまな理由で副業を持つ人が増えているのも事実です。

そこで正社員として働きながら、副業を持っている人の体験談を、一例として紹介したいと思います。

置かれる状況や勤務先によって可否が異なるので、事例として参考にしてみてください。

クラウドソーシングサイトを利用した副業体験談

離婚してシングルマザーになったことをきっかけに、私はクラウドソーシングサイトを利用した副業を始めました。

離婚した元夫に慰謝料や養育費の支払いを求められる状況になく、子どもたちが希望の進路を叶えるためには収入を得なければならないと考えたからです。

正社員として勤務しており、そこでは目標数字の達成率によって給与が左右されるため、得意分野を生かしてWEBライティングの仕事を始めました。

9時から18時が就業時間で、始業の30分前には出勤しなければならないため、平日は毎日3時45分に起床し、4時から6時30分までの2時間半、週末は1日平均8時間、さまざまなジャンルの原稿を書く生活を、もう5年続けています。

平均睡眠時間は5時間程度ですし、丸1日仕事をしない完全オフ日は、年間で2週間程度です。

ですが、副業を行っているからといって本業の手は抜けませんし、繁忙期は業務に集中せざるをえないので、月によって収入にばらつきがあります。

また、副業で収入を上げ過ぎると児童扶養手当が減額になったり、就学援助を受けられなくなるため、高校や大学の進学資金が必要な時期から逆算して、副業の受注量を調整するよう心掛けています。

本業と副業の両立は楽とはいえませんが、いろいろなジャンルを手掛けることで知識が増え、それが本業での企画提案に役立ったり、話題が増えることで仕事上付き合いがある人と共通の話題が増えるなどのメリットもあります。

収入を増やすことを目的に始めた副業ですが、自分のスキルアップや視野を広げる意味でも大いにプラスになっていると思っています。

「副業」にまつわるリスクも把握しておく

日本では副業を許可していない企業が大半を占めてますが、実は就業規則で会社側が全面的に禁止することは、法律上は許されません

とはいえ、副業にはリスクがつきものですし、内容によっては副業禁止が認められるケースもあります。

そこで、会社員が副業を行うリスクのなかでも重要な内容を、いくつか紹介しておきましょう。

リスク#1 本業に悪影響が及ぶ

副業の内容はさまざまですが、本業の勤務時間外にパートやアルバイトとして働く人も少なくありません。

その場合は、パートやアルバイト先での勤務時間によっては、法律的にも就業規則違反と見なされるケースがあります。

例えば、退勤後に毎日5~6時間、飲食店のホールスタッフとして働くケースです。

副業は余暇の時間を利用して行うのが通例ですが、毎日5時間以上シフトに入るのはその範囲とはみなされず、本業に支障をきたす蓋然性が高いという判例があります。

インターネットを活用した副業であっても、毎日深夜まで作業をした結果、寝坊して遅刻する、就業時間内に居眠りをしてしまうなら、就業規則違反をみなされて処分されても文句は言えないのです。

また、副業に費やす時間が長くなればなるほど、心身に疲労が蓄積されます。

そのせいで業務効率が落ちることも、本業に支障をきたす行為と見なされるので注意が必要です。

リスク#2 本業と副業が競業関係となる

WEBデザイナーやグラフィックデザイナー、ライターなどは、パソコンがあればどこでも作業ができます。

そうした仕事を本業で行っている人が、会社としてではなく、個人で受注して作業を行うことは、競業避止義務違反になります。

競業避止義務とは、労働者が勤務している企業と競合する会社や組織で働いたり、自ら設立してはいけないという義務を指します。

社員が企業と労働契約を結ぶ時点で、付随的に競業避止義務を負うと見なされることを忘れてはいけません。

競業避止義務には、勤務先の事業に関連する業務を行う、あるいは関連企業に勤務することが含まれます。

また、競業会社を起業する際に、同僚や部下はもちろん、前職のクライアントを引き抜くことも、競業避止義務違反とみなされます。

勤務先に競業避止義務違反とみなされた場合、損害賠償請求や業務の差し止めをされる可能性もあることを覚えておきましょう。

リスク#3 副業の内容が勤務先の信用を失墜させる

副業の内容によっては、勤務先企業の信用を失墜させるリスクを負うことも、忘れてはいけません。

例えば、副業としてマルチ商材を扱っていたり、反社会勢力との関わりのある仕事を行っている社員がいると、勤務先のクライアントに知られた場合、その時点で取引停止になり、会社に損害を与える可能性があるのです。

また、副業として風俗や水商売を行っている社員がいる店を、取引先の担当者が訪れたことで露見したケースもあります。

そうしたケースで解雇されても、社会通念上、相当の理由と考えられるので、社員は裁判をしても負けることになります。

また、会社の仕事では組織的にリーガルチェックが行われているものですが、個人で同様に行われるとは限りません。

キュレーションサイトで画像や記事の無断転用が行われていたことが話題になりましたが、自分が請け負った仕事でそうした事態が起こった場合、損害賠償請求されるリスクもあるのです。

そうした事実を取引先などに知られた場合、やはり社員の管理が甘いとして勤務先企業の信用が落ちます。

副業を始める前にきちんと下調べしよう

今回は、会社員の副業・兼業についてお話ししました。

この記事を整理すると、

  • 日本企業の多くが副業を禁止しているが、それが緩和される動きがある
  • 会社員が副業を行うメリットとデメリットがある
  • 副業を行うリスクもあるので注意が必要

の3つです。

会社員が副業を始めたいと考えているなら、就業規則や企業風土をきちんと調べ、法的に問題がない仕事をすることが大事です。

この記事を参考にして、副業をするか否か、自分ができる仕事は何かについて考える、一助にしていただけるとうれしいです。

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この記事を書いた人

栗花落

プロデューサー・ライター。情報誌の編集を皮切りにライター・ディレクターを経て、現在はプロデューサーとして、主に教育関連の広報・PRを手掛ける、4人の子どもを持つシングルマザー。勤務先で初めて産休・育休を取得したり、育児中は定時で帰るために毎朝4時起きして自宅で仕事をするなどしながら仕事を続ける。26歳で初めて管理職につき、編集兼営業としてプレイングマネージャーなども経験。うつ病の部下の職場復帰させた実績もある。

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