【朝礼ネタ】「ネットリテラシー」について 実際に起きたトラブルから考える
[最終更新日]2022/12/15
「今度の朝礼、何のテーマで話そう…」と悩んでいませんか。
多くの人が悩む、「朝礼のネタ探し」ですが、現在の職場において「社員の年齢層が幅広い」であったり、
「世代間ギャップがある」と感じられている方は、「ネットリテラシー」のテーマで朝礼のお話をされると良いかもしれません。
ネットリテラシーとは、簡単に言えば「主にインターネットからの情報を正しく利用できる能力」ということです。
そして、なぜこのネットリテラシーの朝礼テーマが年齢層の幅広い職場でおすすめなのかというと、まさにこのネットリテラシーへの認識・解釈自体において、関わっている人たちの間で解釈や認識のギャップが発生していることが多いからです。
さて、今回はそんな「ネットリテラシー」に関する朝礼ネタ3点と、それにまつわるお役立ちトピックをまとめてみました。
ぜひご覧ください!
急いでいる方は気になるネタを押してください。
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朝礼のネタ:SNSの使い方について考える
今日は、「SNSの適切な扱い方」についてお話ししたいと思います。
ご存知の方も多いかと思いますが、SNSとは「Social Networking Service」の略語です。
インターネットを介して人間関係を構築するWebサービス全般のことで、mixiに始まり、FacebookやTwitter、Lineなどが含まれますが、みなさんの中にも利用されている人が多いと思います。さて、そんなSNSですが、最近では会社員が不用意な発言をツイートしたことで、Twitter炎上事件に発展したり、いわゆる「バイトテロ」と言われるようなアルバイトの不適切な言動が見られる画像や動画が配信され、結果としてその企業の信頼が失墜するような事件が相次いでいます。
なぜ、そういったトラブルや事件が近年増え続けているのか──、皆さんはどう思われますか。(少し間を置く)
(私は思うのですが、)SNSにおける炎上等のトラブルや事件が増え続けている理由、──それはインターネットの活性に伴い変化を余儀なくされている私たちの「自己意識」について、私たち自身が意識しきれていないからであるのではないでしょうか。
「自己意識」とは端的に言うと「自分は世の中(他人)からどう見られているのか」に関する意識です。そして、自己意識は時代や環境によっても変化します。
例えば、原始時代でしたら当時の人々にとっての自己意識は、その対象は「家族や同じ集落内の人々」だったことでしょう。そして、時代の流れと共にその「自己意識の対象」は広がり、現代のインターネット社会になってからその広がりは爆発的に早まったと言うことができるでしょう。ですが、私たちはその自己意識の広がりに「意識的には」付いていくことができない──。そのこと自体が、近年のSNSトラブルの背景にあるように、私は感じています。
SNSは、有効に活用することによって世界中の情報を私たちに提供してくれます。ですが、「私たちが世界を覗いているとき、世界もまた私たちのことを覗いている」、──そのような言い方もできるのかもしれません。
まとめると、「私たちがSNSを利用して世の中と繋がる際には、私たちの『自己意識』もまた、世の中から求められるのだろう」ということです。そして、そういった意識、ときには緊張感を持っておくことが、適切なSNSの扱いに繋がるのではないかと、私は思います。
朝礼スピーチのコツ)年配者にも配慮して簡単な言葉を使おう
スマートフォンを利用していても、使いこなせない年配者が案外多いものです。
通信手段としてスマートフォンを使ってはいるものの、SNSをまったく行っていない人もいます。
特に年齢層が幅広く、たくさんの人数を前に朝礼スピーチを行う際には、誰でもわかるように話すのが基本です。
専門用語やカタカナ言葉を使いすぎると、話の内容を理解できない人が出る可能性が高いことを覚えていきましょう。
どうしても避けられない場合には、身近な具体例を合わせて、紹介してあげることをおすすめします。
朝礼のネタ:ネットリテラシーが低い状態から高めることの難しさ
今日は、「ネットリテラシー」について、お話したいと思います。
ネットリテラシーとは、簡単に言えば「主にインターネットからの情報を正しく利用できる能力」ということです。
一般的に、「インターネットからの情報を正しく利用できる」ということは、
「知りたい情報をインターネットで検索できること」
「表示された情報が真実かそうでないかを見極められること」
「知りえた情報を、インターネット上で起こり得るトラブルを避けつつ利用すること」
──これら3点を適えた状態と言えます。ですが、これらの状態──とくに3点目について、果たして自分ができているのかどうか「自己判断」をすることは、けっこう難しいように私は思います。
以前、こんなことがありました。
私の子どもが通う幼稚園で起きた、ママ友間で起きたSNSを巡ってのトラブルでした。
旦那さんのDVが理由で離婚した母子家庭のママは、お子さんとパパとの接触を避けるために、住所を知らせないように細心の注意を払って転居してきました。
しかし、幼稚園の親子遠足で撮った写真を、別なママが許可なくFacebookにあげ、それが全体公開になっていたことで、別れた旦那さんの知るところとなったのです。
離婚はしたものの、納得できていなかった元の旦那さんは、そのFacebookを見つけたことで居住地域を割り出し、押しかけてきました。
そしてその後、勝手に自分と子どもが写った画像をアップされたママは旦那から逃れるため再度の転居を余儀なくされ、Facebookに写真を公開してしまったママに対しては引っ越し費用と慰謝料を求めてきたそうです。──その後の顛末について私が知ることはありませんでしたが、
今回のトラブルには、「ネットリテラシー」に関わる問題が少なからずあったように感じています。友人・知人と一緒に撮影した写真をFacebookに掲載されることは良くあることですし、皆さんの中でも「やったことがある」という方は多くいらっしゃることでしょう。
その際に、今回のママ達のようなトラブルが発生することを、多少なりとも意識した上で写真を公開できている人と、意識しないまま公開してしまう人というのが、「ネットリテラシーのある人とない人」の境い目として見ることができるのではないでしょうか。
つまり、「ネットリテラシーのある人」とは、「知識のあるなし」よりも、「意識できるかできないか」が先行するのではないか──と、私は思うのです。
もちろん「知識があること」と「意識できること」は完全に切り離せるものではなく、「知識があるからこそ意識できる」といったもあるでしょう。
ですが、ネットリテラシーは少なくとも「知識があればそれで大丈夫」というものではありませんし、「意識することによって、不足していた知識に向けての獲得が促進される」ことも往々に起こりえるのではないでしょうか。──それが、私がネットリテラシーは知識よりも意識が先行して発揮されるとお話した理由です。
そして、ネットリテラシーについて私たちが考える際には、「日常の、SNSはじめインターネットの利用の際に、どれだけ(ネットリテラシー自体を)意識できているか」をまずは振り返ってみることが大切だと、私は思っています。
朝礼スピーチのコツ)聞いている人が共感できる話し方を心掛ける 「We」メッセージ
朝礼でスピーチするにあたり、下調べをしたり、話す内容を吟味している人もたくさんいることでしょう。
ですが、どんなに時間をかけて準備しても、メモした内容を読み上げるだけでは、聞き手に話の内容が残ることがないのが現実です。
また、聞いているフリをして聞いていない人もいるかもしれません。
そうした事態を避けるためには、聞き手にとっても身近な話題について話すのがよいでしょう。
さらに話す内容に共感してもらえれば、最後まで耳を傾けてくれる可能性が高いです。
その際に聴き手の共感を高めるための手法として、主語に「私たち」という言葉を意識して取り入れることをおすすめします。人材開発・教育業界の分野では、このことをよく「Weメッセージ」と呼んでいます。
例えば、誰もが経験する可能性がある出来事について「私たちもやりがちですが」などという枕詞を置くと、自分の身に置き換えて考えてくれる人が増えるものです。
ぜひ実践してみてください。
朝礼のネタ:情報の正しさの見極め方
2018年9月、北海道地震が起こった際、全道が停電し、電池式ラジオや充電器がない家庭が被害状況を把握できなかったことは、まだ皆さんの記憶に新しいところだと思います。
テレビやラジオから情報を得られない状況で、北海道の人に状況を伝えるのに役立ったものの筆頭は、Twitterだったそうです。私の家族も北海道在住ですが、道外の親戚や友人がニュース映像を画面キャプチャで送ってくれたり、被害状況をツイートしてくれたことで、情報を得ていた人がたくさんいたと言っていました。
しかし、そうしたSNS上の情報には嘘や間違いも多く含まれており、困惑した人も少なくなかったようです。
最近は新聞やテレビではなく、インターネットでニュースをチェックする人が増えていますが、SNS同様にすべての情報が正しいとは限らないという意識を持つことが大切です。
2019年4月にスリランカで連続爆発テロ事件が起こりました。
この時スリランカ政府は、国内のSNSを一時遮断しています。これはテロ攻撃に関する誤った情報の拡散や、ヘイトスピーチに触発された暴力の発生を防ぐための措置だったと発表されています。
つまり、拡散されている情報が誤っていても、それを事実と信じ行動を起こす人が多いと考えられていたということです。また北海道地震の話になりますが、ちょうどその時に札幌市に住んでいた私の友人Aのことをお話しようと思います。
札幌市清田区で液状化現象が起こったことをニュースで知った時、共通の友人Bは「Aは液状化が起きている札幌市清田区に住んでいる。巻き込まれたかもしれない」とツイートしました。
そのときは北海道全域が停電で、携帯電話に電話をかけても、TwitterやLineで連絡しても返信がありませんでした。そして、私やBなどAの友人が集まるグループの中では「Aは液状化に巻き込まれた」というのが規定事実となっていったのです。
ですが翌日にAから連絡があり、「私は清田区には住んでいるけれど、液状化現象が起きた地域からは離れているので、水道もガスも使えているから大丈夫」と私に教えてくれました。
私はすぐに、Bも含まれたグループラインにAの言葉を伝えました。すると、それを読んだ他の人達から、Bに対しての「デマをさもあるように言うのは許せない」という批判的なコメントが溢れだしました。──今となれば、Bの発言を鵜呑みにした私たちにも非があったと思います。誰か一人でも、「きちんと事実を確認してから判断したほうが良い」と言っていたら、少なくともBがやり玉にあげられることはなかったのでしょうから。
SNSは、「双方向」のコミュニケーションツールです。
そこでやりとりされる情報の正しさや適切性については、発信元だけに責任があるということではなく、受信する私たちもまたその責任を担っているということなのでしょう。SNSは、そういった相互責任性の上に成り立っていること理解した上で、利用することが望ましいと私は思っていますが、皆さんはいかがでしょうか。
朝礼スピーチで「ネットリテラシー」をネタにするとき知っておきたいこと
「ネットリテラシー」は、社員誰もが関わりがある話題の一つです。
しかし言葉として聞いたことはあっても、その意味を的確に理解している人は少なく、その水準にも世代や個人で格差があります。
とはいえ、ネットリテラシーが低い人にこそ、知ってもらう必要がある内容でもあります。
そこで、ネットリテラシーを朝礼スピーチのネタにする際のポイントを、まとめておきたいと思います。
そもそもネットリテラシーって何?
ネットリテラシーについては前述しましたが、簡単にいうと「インターネットを正しく活用できる能力」のことです。
具体的には「ソフトウエアやアドウエア」「著作権とプライバシー」「情報の判別」についてきちんと理解し、情報の収集や発信ができる能力を意味します。
ネットリテラシーについて朝礼でスピーチする意義は、「それを身につけることで、様々なトラブルから私たちを守ることに繋げていける」からです。
インターネットを見て間違った情報を鵜呑みにしたり、ウイルスやスパイウエアごとPDFViewerやTeamViewerなどのフリーソフトをダウンロードしてしまったり、自分が不用意に発信した情報により他者の肖像権・著作権・プライバシーを侵害するというケースは、枚挙にいとまがありません。
また、インターネット特有の問題もいろいろ起こっています。
SNS上でのいじめや匿名による個人あるいは企業への誹謗中傷も、ネットリテラシーの低さが原因で生まれています。
こうした背景を知ったうえで、ネットリテラシーをネタにすれば、説得力のあるスピーチになるはずです。
ネットリテラシーの水準は、人や世代によって様々
ネットリテラシーは年代や個人によって格差があることは前述しました。
その背景には、生まれた世代によってインターネットとの関わり方が違うことがあげられます。
かつてはインターネットにアクセスするためには、パソコンが必要でした。
しかし現在では、スマートフォンから簡単にネットアクセスができます。
かつ、現代の若者は生まれた時からインターネットがある世界に生きています。
そのためインターネットやSNSを活用するスキルは若者のほうがやや高い傾向にあるようです。
ですが、だからと言って「ネットリテラシーは若者の方が高い」とは言い切れません。その理由は、ネットリテラシーは「知識」だけでなく、「意識(モラル・倫理観)」にも関わるからです。
例えば、自分がSNSで発言したことが個人だけでなく会社を貶めたり、セキュリティに関する認識が甘く情報漏えいにつながる可能性は決して低くありません。
また、最近ニュースで報道されるネットの炎上や企業の情報漏えいに関する事件は、インターネットの知識不足よりも当事者たちのモラル・倫理観に起因するものの方がやや多いように感じます。
つまり、インターネットの知識量については世代間によって差や傾向はあるものの、意識(モラル・倫理観)も含めたネットリテラシーについては、世代や年齢層に関わらず社員全員が高めていく必要があるのでしょう。
そしてそのことを、朝礼でスピーチするのはとても有意義なことと言えます。
ネットリテラシーは「よく分からない」と感じる人にこそ届けたい知識
公共交通機関を利用している時、スマートフォンでネットにアクセスし、新聞や書籍を読んだり、ゲームをしている人がたくさんいます。
ですが、そのすべての人がネットリテラシーを意識しているわけではなく、トラブルの火種を抱えている人は職場にもいるはずです。
そして「ネットリテラシーなんて、よく分からない」という人ほど、トラブルに巻き込まれるリスクが高くなります。
スマートフォンを使っていない、SNSをやっていないなどの理由で、ネットリテラシーについて学ぼうとしない人も多いですが、業務でインターネットを利用しているならきちんと理解すべきでしょう。
先の朝礼スピーチ事例でも紹介しましたように、自分自身に悪意はなくても、無断で写真や情報をSNSにアップすることで相手から不快に思われたり、更には肖像権・著作権・プライバシーの侵害で訴えられる人もいます。
ネットリテラシーについて朝礼スピーチを行う際は、「ネットリテラシーのことをあまり知らない・興味ない」といった人にこそ、聞いてもらえるスピーチになるように意識していくと良いでしょう。
まとめ)ネットリテラシーについて朝礼で話してみよう!
今回は、朝礼スピーチのネタとして「ネットリテラシー」を取り上げるポイントや実例を紹介しました。
近年では、ネットリテラシーについて社内で勉強会を開く企業も増えてきています。それだけ、多くの人達にとってネットリテラシーに関する課題やトラブルが身近になってきているということでしょう。
もしかしたら、あなたの朝礼の話を聞いて興味を持ち、インターネットやSNSとの関わり方について振り返る人も出てくるかもしれません。
この記事の内容が、皆さんの朝礼の機会をより有意義にしていくことに少しでもお役立てできることを、心より願っています。
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