私の管理職体験談:はじめての部下は、私の17歳年上だった。

[最終更新日]2021/09/29

体験談
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私の管理職体験談:はじめての部下は、私の17歳年上だった。

通所介護(デイサービス)に勤務しています。
私の仕事は、集客(利用者さんの募集)、運営管理、そして店舗マネージメントです。

幼少期に祖父母と同居しており、祖母の認知症がきっかけで私は介護・福祉の業界に進もうと決めました。

現在は妻・息子の3人暮らしで、休日は子供の育児や自己啓発など勉強に時間を費やしています。

趣味はトレーニングや映画鑑賞になりますが、子供が産まれてからプライベートは育児が中心となりました。自分の時間ができたときは、仕事に充てるようにしています。

Yの悲劇さん(男性 28歳)
職業
介護・福祉
職種
デイサービスの運営
年収
500万円
従業員規模
200名(うち部下15人)
地域
神奈川県

Index

目次

新卒入社から、2年間でスピード昇格。

ベンチャー企業のイメージ

介護・福祉の事業所は新興のベンチャー企業であることが多いんですよね。
私の会社も、経営者は30代前半、役員には20代もいるという、絵にかいたような介護系ベンチャー企業でした。

私はその会社に新卒で入社して、1年目は現場スタッフとして介護に従事していました。

上司

「うちの会社はキャリアアップ制度をしっかりやっているからね」

そう話す上司はなぜか私のことを買ってくれていて、なにかと「キャリアアップ制度を利用したらどうだ」と誘ってくれて。

私も(まあ、仕事というのはそういうものなのかな)と思い制度を受けたところ、結果わずか2年の間に2回昇格して店舗を任されるようになりました。

1年目に転勤の機会があり、地方にて複数店舗のマネージメントを経験し、関東に戻ってから新規事業の立ち上げ業務に従事することになりました。

「なんでお前が、管理職なんだ?」

自信がないイメージ

歴代最速の管理職就任者

──それが、私につけられたレッテルでした。
周囲の反応がどうだったかというと、冷ややかなものでした。それだけの実力が伴っていなかったからです。

同期や先輩から「何でお前が?」というようなことを直接言われることもありました。

そもそものキャリアアップ制度自体も、結局は管理者の人手不足を賄うための口実だったのです。

更に私は直属の上司に好かれていたということもあったと思います。
妬みもあったでしょうし、なにより店舗のスタッフはじめ取引先の方からの信用を勝ち取ることは出来ていませんでした。

管理職になったら、「自分から指示を出し、業務を円滑に回す」こと、そして「会社の業績に関わる数値に責任を持つ」ことが求められます。そのふたつとも、私はうまくできなかった。

自分でも実力不足だということは分かっていましたので、とにかく自信が持てなかったんですよね。
なんでキャリアアップに立候補なんてしてしまったんだろう、もっと経験を積んでからにすればよかった──よくそう思いました。 そしてそういった自信のなさや卑下感は周囲にも伝わって、悪循環が生まれてしまっていました。

Kとの出会い

去るイメージ

管理職になってからの数年間は、とにかく辛いことばかりだった。
良い思い出は殆どありません。

とりわけ辛かったのが、初めての部下を持った時のことです。
彼(ここではKとします)は、私よりも17歳年上でした。

Kは穏やかで大人しい中年の男性で、異業種からの転職で入社し私の部下になったのです。
福祉・介護については当然わからないことも多く、実務と併せて私が指導する必要がありました。

社会人経験としては、私よりも断然ベテランの方です。
でも、実際の業務についてははじめてなのでうまくできない。私もまた、何がわからなくてKはそんな変な行動を取るのかがわからない──、ここでもまた悪循環です。

年配の人に対して細かく指示を出したりすることにも抵抗感がありました。
特に注意をしなければ行けない場面でも、曖昧にしてしまうこともあって。

そして、これが良くなかった。

とある取引先から受けた要望をKにきちんと伝えなかった為に、結果Kの対応が本社にも届くような大クレームに発展してしまったのです。

責任は私にありました。ですが、どこかでKに対し「もっとうまくやれただろうに、なんでこんな大問題にしてしまったんだ」という想いがありました。

明らかに、管理職になりきれていない自分。
Kはそのクレームに対して責任とストレスを感じてしまったのか、それとも上司の私の不甲斐なさに耐えられなくなったのか、その後1か月して退職してしまいました。

当時を振り返って、今思うことは。

部下と上司のイメージ

人は、良くも悪くも上司の影響を色濃く引き継ぐと思います。

どんなに優秀な人材であっても、それが業務で活かせるかは上司・管理者の力量にかかっているでしょう。

当時の私は、いつも自分のことで精一杯でした。
部下のことには、殆ど気を配ることが出来ていなかった。

Kをはじめ、当時自分の下で働いてくれていたスタッフには申し訳ない気持ちでいっぱいです。

ただ、この時のことを経て、一つ変化したことがありました。
それは、「部下をしっかり見ること」です。

Kにあったことは、もう二度と繰り返すべきではありません。後になってから大きな後悔をするのは、本当にもう、こりごりでしたから。

現在の私が、管理職業務でいちばん意識していること。

チームワークのイメージ

管理職になって3年が経ちました。
今でも大変なことは多いですが、経験を積めたこともあって当時のような自身のなさや不安感は大分減りました。

現在、私が管理職業務で意識していること。
それは、「チームワーク」です。

「お前が言うな!」と言われてしまいそうですが…、でも本心からそう思っています。

結局、人は誰でも、短所や苦手なことがある。
そしてそれは改善するのに、非常に時間がかかるものです。
私の場合は管理職業務に慣れるのに3年以上かかりました。

その間なんとかやってこれたのは、一緒に働くスタッフが頑張ってくれたからです。
でもそのスタッフ達もやっぱり苦手なところや経験不足なところがあるのですが、それでも自分たちの知っていること・得意なところをうまく発揮して、周囲の人たちを助けてくれる。

そんなシーンを、私はこれまで何回も観てきました。

同じ業務でも突き詰めると色んな工程があって、それぞれの工程で得意・不得意がでてくるものです。
だから、人によって仕事の仕方やアウトプット自体も変わりますよね。

そのときに、出来ていないところに目を向けるのではなく、スタッフの個々の能力や個性を見極めて「得意な個所」を探していくんです。そうすることによって、そこが苦手な人をカバーしたり、教えてあげたりできます。

そういったチームを作っていくことがベストなんだと、ようやく気付きました。

何より、一緒に働く仲間を信頼して、そして自分を信頼してくれている部下たちと真剣に向き合って仕事ができていたら、それはとっても幸せなことですよね。

管理職になってしばらくの間、私は常に「自分は不幸だ」という感覚にとらわれていました。

でも今は違います。大変なこと辛いこともありますが、それでも仕事は「楽しい」、そう思えている自分がいます。