管理職100人に聞いてみた── 「あなたにとっての『キャリアアップ』とは?」

[最終更新日]2019/08/13

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Q.あなたにとって「キャリアアップ」とは?

突然ですが、最初に質問です。

――あなたにとって「キャリアアップ」とは何ですか?

いかがでしょうか? 人それぞれ、キャリアアップと聞いて連想するもの、具体的に目指したいと思っているものは異なるはずです。

ところで、管理職の皆さんにとって、キャリアアップにはもう2つの側面があります。自分のキャリアアップ、そして部下のキャリアアップです。自身が今よりもステップアップしていくだけでなく、部下にも成長してもらい、キャリアアップを重ねていってもらわなくてはなりません。

キャリアとは何か、世の中の管理職の皆さんはどう考えているのか、一緒に見ていきましょう。



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目次

そもそも、「キャリアアップ」とは?

Aさん:責任のある仕事がしたいBさん:家族との時間大切にしたい

仮に、あなたにタイプの異なる2人の部下がいたとします。Aさんは責任ある立場で人を率いて働くことに喜びを感じ、Bさんは仕事だけでなく家族との時間も大切にしたいと考えています。

5年後、Aさんは新規事業の責任者に抜擢され、多忙ながらも充実した日々を過ごしています。Bさんは子どもの幼少期を一緒に過ごしてあげたいからと、1年間の時短勤務を申し出ました。それぞれ、5年前に思い描いていた理想の働き方を手にし、とても幸せそうです。

上の例では、どちらが「キャリアアップ」に成功したと言えるでしょうか?一般的なキャリアアップのイメージからすると、Aさんと答える人が多いのかもしれません。しかし、Bさんもまた自身が目指していた働き方を実現しており、理想のキャリアを実現していると見ることもできるのです。

このように、キャリアアップとは必ずしも昇進や昇給だけを指しているわけではありません。理想とするキャリアは人それぞれであり、キャリアアップにも多様な在り方があることを管理職は知っておく必要があります。



「キャリアアップ」の方向性には、大きく4つのパターンがある

キャリアアップとは、必ずしも「上へ上へ」と昇っていくことを意味していません。横方向へ能力を広げていく場合もあれば、特定の仕事に対する専門性を高めていく場合もあるのです。

人は誰しも自分自身の感覚を基準として物事を捉えがちですので、自分にとってのキャリアアップが万人に当てはまるかのように錯覚してしまうことがあります。そのことが部下への「押し付け」にならないよう、注意が必要です。

キャリアアップの方向性を考えるとき、大きく分けて次の4つのパターンが考えられます。

キャリアの捉え方タイプ1
役職・ポストの上昇(昇格・昇給等)

キャリアの上昇度合を役職やポスト、または年収等で捉えるタイプ
キャリアの捉え方タイプ1 役職・ポストの上昇
キャリアの捉え方タイプ2
組織・周囲への貢献度向上

組織内のメンバーや、更には顧客・社会への価値貢献の度合いでキャリアの高度(進度)を捉えるタイプ
キャリアの捉え方タイプ2 組織・周囲への貢献度向上
キャリアの捉え方タイプ3
スキル・専門性の高まり(専門化)

キャリアの上昇度合を携わっている技能・知識の専門性の高まりで捉えるタイプ
キャリアの捉え方タイプ3 スキル・専門性の高まり(専門化)
キャリアの捉え方タイプ4
能力の拡がり(できることが増える)

仕事の幅を広げ、「できること」「関われること」を広げていくことがキャリアの成長になると捉えるタイプ
キャリアの捉え方タイプ4 能力の拡がり(できることが増える)

上で挙げたのは典型的な4つのパターンですが、キャリアアップの方向性として必ずこのどれか1つに当てはまるわけではないことに注意が必要です。
たとえば、専門性を高めてきたことが評価され、専門職として昇進していくこともあれば、組織に貢献できるほどのコミュニケーション能力が他業界でも通用する汎用的な能力として評価されることもあるのです。

個人のキャリアアップを考えるとき、これら4つの方向性が複合的に折り重なっていることが多く見られます。自身の得意な分野や仕事内容をイメージしながら、さまざまなキャリアアップの可能性を摸索することが大切です。

現職管理職・マネージャー100名に聞いた、自身の『キャリアアップ』のイメージは──。

今現在、管理職として活躍している皆さんは、自身のキャリアアップについてどのようなイメージを持っているのでしょうか。こうしたことは同じ職場や業界内でも人の意見を聞くことは意外と少ないので、他業種となると管理職にとってのキャリアアップのイメージがつかみづらいかもしれません。

そこで、今回は現職の管理職の皆さん100名にアンケートを実施し、キャリアアップのイメージについて聞いてみました。ご自身の考え方とも比べながら、ぜひ他の皆さんの意見を参考にしていただきたいです。



管理職・マネージャー100名アンケート①「あなたがイメージするキャリアアップ」とは?

全体(100名 ※複数回答)

全体では、「スキル専門性の高まり」を挙げた人が6割を超え、次いで「役職・ポストの上昇」をイメージする人が多かったという結果になっています。「できることが増える」「貢献度向上」を挙げた人もそれぞれ全体のおよそ4分の1ずついますので、キャリアに対して抱くイメージは多彩であることが伺えます。



男女別(男性:64名 女性:36名 ※複数回答)

次に男女別で見てみると、専門化を挙げた女性が約8割と多くなっています。昇格・昇給や能力の拡がりをイメージするのは、どちらかと言うと男性のほうが多いという結果となりました。専門性を高め、長く働くことをイメージする女性が多いのに対して、昇進や転職といったキャリアの節目となる出来事を想像する男性が多い傾向があると言えるでしょう。



年齢別(20~29歳:12名  30~39歳:47名 40~49歳:27名  50歳以上:19名)

年齢別に見た場合、専門化を志向する人は20代・50代に多く、昇進を意識するのは40代のビジネスパーソンに多いことが伺えます。また、能力の拡がりや貢献度向上を図りたいと考える30代・40代も少なくないことから、転職を意識するミドル層が一定数存在することが見て取れます。



「キャリアアップ」=「スキル・専門性の高まり」という解釈の管理職・マネージャーが多い。

このアンケート結果から見えてくるのは、特定の組織内での昇進や昇給にこだわるというよりは、自身のスキルや専門性を高めていくことを「キャリアアップ」と捉えている人がどの年代でも多いという点です。アンケートにおいて「スキル・専門性の高まり」をイメージした人のコメントの一部をご紹介します。

30代・男性

「専門的な知識をつけて、技術や知識を使って他人から頼られる、他人を動かす、自分の思った通りに仕事を動かすこと」

40代・男性

「他の会社に行っても欲しいと思われる力をつけることだと思います。営業であれば、よりモノを売る営業力であったりコミュニケーション能力を高めることだと思います」

20代・女性

「他の人ができない技術または知識や経験など専門性を持ってなるべく多く築いていくこと」

50代・女性

「仕事上で役立つ資格を取得し、仕事上で役立てる」

専門性を高めることによって、一人のビジネスパーソンとしての人材価値を高めていくことを「キャリアアップ」と捉える人が増えていると考えられます。

キャリアアップを実現するために、管理職・マネージャーが取り組んでいることは?

前項まででは、管理職の皆さんがキャリアアップに対して抱いているイメージについてご紹介してきました。では、キャリアアップを実現するために、管理職の方々はどういった取り組みをしているのでしょうか。

キャリアアップを実現するための手立ては1つだけではありません。いろいろな手段・考え方によってスキルを高めたり経験を積んだりし、目指すキャリアへと近づいていくことができるのです。

それでは、管理職100名の皆さんがキャリアアップ実現のために実行していること、やるべきだと感じていることについて見ていきましょう。



管理職・マネージャー100名アンケート②「キャリアアップを実現するために、やるべきこと」とは?

全体(100名 ※複数回答)

自己学習・自己啓発や資格の取得が上位を占めているのは、何となく想像がついたかもしれません。知識を増やしたり、スキルを高めたりすることによって、仕事の幅が広げていくのは、具体的で現実味のあるキャリアアップの手段と言えます。

一方で、「今の仕事に専念・積極的な業務遂行」を挙げた人も同じぐらい多かったことは注目に値します。キャリアアップを目指す上で何か特別なことを始めるわけではなく、目の前の仕事でベストを尽くすことで結果的にキャリアアップにつなげたいと考えている人も多いのです。



男女別(男性:64名 女性:36名 ※複数回答)



年齢別(20~29歳:12名  30~39歳:47名 40~49歳:27名  50歳以上:19名)

男女別に見ると、女性のほうが自己啓発やセミナー参加といったように、外へ外へと意識が向くのに対して、男性は「資格の取得」「今の仕事に専念」といったように、足元を固めておきたいと考える人が多い傾向があるようです。

年齢別では、若い世代の方々のほうが「自己学習」「資格の取得」といった自己研鑽を意識しており、年齢を重ねるにつれて「信頼関係構築」「経験者との接触」「転職」といったように、人とのつながりを重視する人が多くなっていくことが分かります。



管理職・マネージャーの方で、キャリアアップの実現に向けての取り組みで一番多いのは「自己学習・自己啓発」

キャリアアップの実現に向けて最も多かった「自己学習・自己実現」については、皆さんは具体的にどのようなことに取り組んでいるのでしょうか。何名かの方のコメントをご紹介します。

20代・男性

「資格の取得よりも先に実践と照らし合わせた勉強です。それから資格を取ればいいなと思っています」

40代・男性

「自分の職域で必要になる知識を学び、実際にそれを活用することで、社内社外を問わず価値を認められると思います」

今取り組んでいる仕事に役立つ知識や、関わりの深い知識を積極的に得ていくことによって、実務に活かせるだけでなく視野を広げることにもつながり、成果にも結びついていきます。やるべきことだけを受け身でこなすのではなく、能動的に自ら学ぶ姿勢を大切にしている人がたくさんいらっしゃることが伺えます。



キャリアアップ実現のために、「信頼関係」・「上司とのコミュニケーション」といった、他者との関わり合いを挙げる人も多い

一方で、自分自身のスキルアップだけでなく、他者との関わり合いを意識している人もいらっしゃいます。

40代・男性

「まず、社内における人脈の構築が重要と考えます。会社の上司、上層部の方とのコミュニケーションを出来る範囲で積極的にとり、大小様々な情報に常に意識を配っておく事が大切ではないでしょうか」

40代・女性

「プロジェクト内や関係者との適切なコミュニケーションを取り協力を得る」

社内や部署内、あるいはチーム内のコミュニケーションが円滑で周囲の協力を得やすい状況になっていれば、自分自身が仕事をやりやすくなるばかりでなく、所属する部署やチームで成果をあげることにも貢献できるはずです。

その結果として仕事ぶりを評価されたり、周囲からリーダーとしての活躍を期待されたりすることにもつながっていくのです。

管理職・マネージャーの方が、これからのキャリアップを考えていくうえで大切なこと

ここまで読んでいただいて、どのようなことを感じたでしょうか? キャリアアップという言葉に抱くイメージは、人それぞれに固定化されがちです。この記事が、実は自分とは違ったやり方や考え方でキャリアアップを図ろうとしている人がいることを知るきっかけになれば幸いです。

さて、これからのキャリアアップを考えていく上で大切なことの1つに、この記事でご紹介してきたようなキャリアの「多様性」について知り、認めていくことが挙げられます。自分自身のキャリアと部下・後輩のキャリアアップのそれぞれについて考えてみましょう。



自身のキャリアアップを考えていく際は──。

自身のキャリアを考えるとき、キャリアアップの正解は1つではないことを踏まえ、複合的な視点を持つことが大切です。たとえば「キャリアアップとは昇進すること」とだけ考えていると、人を蹴落としてでも上を目指すといった行動に出てしまう恐れがあります。

しかし、それでは周囲からの信頼を得ることは難しく、仮に昇進したとしても部下を率いてチームをまとめていくのに苦労するでしょう。自分自身のスキルや知識を高めていくことを意識しながらも、周囲との関係性を良好に保つ努力を怠らないことで、バランス良くキャリアアップを実現することができるのです。

また、多様性を踏まえて考えることは、自身のキャリアを長い目で見て捉える上でも役立ちます。目の前の仕事を大切に考えることが結果的に先のキャリアにもつながるといったように、地に足がついた連続性のあるキャリアを築いていくためにも、キャリアアップに対して複合的な視点を持つことは役立つはずです。



部下や後輩のキャリアアップを考えていく際は──。

部下にはいろいろなタイプの人がいます。管理職自身が考えるキャリアアップが全てだと思い込んでしまうと、部下が望んでいない方向へ育てようと躍起になってしまったり、最悪の場合は部下が仕事に対してやりがいを見出せなくなってしまったりすることも考えられます。

部下が5人いれば5通りの、10人いれば10通りのキャリアアップが存在します。一人一人がどのようなキャリアを望んでいるのか、じっくりと話を聞いて見極めていくことが大切です。

このとき、どうしても自分と似た価値観を持つ部下への思い入れが強くなりがちですが、むしろ自分とは異なるタイプの理想を持った部下の思いを尊重し、良い方向へと導いていけるように努力したいものです。そうすることで、部下の側も「自分のことを見てくれている」と実感し、信頼関係を築いていくことへとつながるのです。

まとめ)キャリアアップは十人十色、「正解」はない

キャリアアップについて考えていくと、「どのように働いていきたいか」といった仕事観に行き着きます。好きな食べ物が人それぞれ違うように、実現したいキャリア像も十人十色です。

「キャリアアップはこうあるべきだ」という強い思いを持つことも大切ですが、それが「思い込み」になってしまわないよう、いろいろな考え方があることを知り、意識的に視野を広げておくことが大切です。そうすることで、自身や部下のキャリアアップをより複合的な視点から考えていくことにもつながっていくでしょう。






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