私の管理職体験談:アパレル店舗運営で、沢山のクレームを受け続けた日々。

[最終更新日]2021/09/22

体験談
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私の管理職体験談:アパレル店舗運営で、沢山のクレームを受け続けた日々。

アパレル会社の店長をしています。

家族は妻と子供1人の3人。
趣味はスポーツ観戦と読書、音楽鑑賞などのインドア派です。
休日は趣味に時間を使ったり、家事などをして過ごします。

私の性格、ですか?
妻や友人からは、「感情の起伏がない」だの、「何考えているかよく分からない」といったことを言われます。──まあ、そうやって面と向かって率直に言ってもらえるくらいには、話しやすいタイプなんだろうとポジティブに受けとめています笑。

自分では、「穏やかで、人当たりがいい」人と思っています。苦手な人とのコミュニケーションもそれほど苦になりません。接客業ですからね、コミュニケーションはちゃんと取れないと仕事になりませんから。

大切にしていることは、「相手の目を観て話すこと」。これ、とても大事です。
でも、私はあまり目つきが良い方でなく、そのせいで「怖い」と思われてしまうこともあるそうですが。

ミートさん(男性 30歳)
職業
アパレル
職種
販売員
年収
500万円
従業員規模
50名(うち部下5人)
地域
三重県

Index

目次

店舗販売をしていて、見える景色とは。

アパレルのイメージ

元々はまったく別業界のデスクワーク系の仕事をしていました。
ですが、終始パソコンのディスプレイを眺める仕事が辛くなってきて、今の会社の店舗の販売員として中途入社しました。

入社して数か月は接客業務全般を任されます。半年経って、レジ開設とレジ閉めを任されて。そうして1年経って、売り場のチェック業務をやるようになり、少しずつ管理業務の経験を積んでいきました。

店舗業務はなかなかに新鮮でした。
はじめのうちは、商品やお客様といった、「見えるもの」に意識が集中する。でも、慣れてくるとその背後にある「リピート率」だったり「売上」や「コスト」といったものが少しずつ見えてくるのです。

自分やスタッフの接客業務の積み重ねが、顧客満足に繋がって、それがゆっくりと時間をかけて売上・利益に繋がっていく──そんなイメージでしょうか。
例えるなら、店を「育てていく」感覚。それは結構私の働き方に合っていたと思います。

そうして当時の店長や先輩スタッフに色々な業務を教えてもらい、そして任せてもらうことができて、私自身の成長にも繋がっていったと思います。

「店長に、なりたい」

上司のイメージ

「店長に、なりたい」

その気持ちは、以前からありました。

そして、店長になる為には、面接試験があります。
面接を受けたその日、当時のエリアマネージャーから合否の電話連絡を受けました。

結果、合格。
ですが、エリアマネージャーの声は冷たく、ややすると厳しさもありました。

エリアマネージャー

「店長は店舗の最終責任者です。そこに働いているスタッフの人生と、そこにご来店くださるお客様の期待を全部背負っていると思いなさい」

え?と耳を疑いました。だって、最後の言葉なんて「思いなさい」って、命令口調ですから。

そのエリアマネージャーの方とは何度もコミュニケーションを取っていましたが、いつもはそんな高圧な話し方をする人ではなく、物腰の柔らかい、穏やかな人だったのです。

でもそれで、覚悟ができましたね。
思えば私は、店長になりたいと思う一方で、その責任の大きさにちょっと腰の引けているところがあったのでしょう。
おそらくエリアマネージャーの方はそんな私を見通して、あえて厳しい口調で伝えたのではないでしょうか。まさに、身の引き締まる思いでした。

私の会社では、店長に昇格した時点で新たな店舗に配属されます。
当然ですが、店舗によって抱えている問題や、課題またはチャンスが全く違いますし、スタッフとも初対面からのスタートです。

様々な情報を把握したり、新たに関係性を構築したりするが大変だろうなと思いましたが、エリアマネージャーの方からの活を頂いたおかげか、「何とかしがみついて、頑張ってやろう」という気持ちにもなれました。

なぜ、こんなにクレームが増えたのか?

考えるイメージ

店長に昇格してから3年くらい経った頃のことです。
お客様からの「お申し出」が、急に増えたことがありました。

お申し出というのはつまり、「クレーム」です。

普段は月に2件ぐらいでしょうか。
それが、月に10件を超えることが続いてしまったのです。

その内容は、スタッフの接客態度による苦情でした。

「とても嫌な思いをした」
「もうこの店では買い物しません」
「育成をどうやっているんですか」

そんな苦情から詳しく状況を伺っていくと、どうやら一人のスタッフが問題でクレームが発生していることが見えてきました。

そのスタッフ(ここではSとします)は、物静かそうな男性で特に苦情を起こすようなタイプには見えませんでした。ただし、私はそこであることに気付きました。

(これまで、私はSと一緒に仕事をしたことがない)

私の店舗では副店長と私でそれぞれ時間帯別で責任者としており、Sは彼の指導・管理下にいたためです。

まず私は副店長に状況を伝え、今後こうした苦情が起きないようにSの育成に注力するように伝えました。

そして私は、自分がこれまであまり見ることのなかった夜以降の時間帯に残って、スタッフの業務を確認することにしました。Sは夕方から夜にかけてのシフトに多く入っていたためです。

そこで目にしたのは、Sだけではない、スタッフ全員のあまりにひどい接客態度でした。

まず、お客様への声掛けが殆どない。
そして、相談されてもどこか冷たい対応で相手の目を見て話さない。

その様子を見て、ここ数か月でクレームが増えた理由がよく分かりました。
店舗全体で、接客の品質が落ちてしまっていたのです。

私は副店長ともう一度面談を行い、「Sだけではない、私たちも一度マインドを入れ替えて、スタッフ全体の接客態度を改めていこう」と伝えました。
その後、スタッフ全員を集めてミーティングを実施しました。

その後も週1でミーティングや閉店後の接客研修を行い、その際は知り合いの店長やエリアマネージャーにもヘルプで来てもらい相談させてもらって。

3ヶ月ほど経って、ようやく改善の兆しが見え始めました。

当時の出来事を振り返って、今思うことは。

男性店員のイメージ

当時を振り返って思うことは、まず、行動が遅かったですね。

お客様から意見を貰わなければ、ずっと気付かないままでした。
はじめに自分が気付けて、もっと早く行動でいていれば、これほどクレームが増えることも、そしてお客様にご不満に思われることはなかったのかと思います。

そして一番の反省点は、私が「育成」を軽んじていたこと。
副店長に任せっきりにしていました。

コミュニケーションは、目を見て話すことが大事。確かにそうです。
ですが私は、相手の目を見られる位置のところにすらいなかったのです。

正直に言うと、慢心していたんでしょうね。
店長業務をやっていて、段々と接客業務の背景にある仕組みというか、構造が分かってきた。そしてそこを突き詰めていこうと思っていた時に、今度は現場が見えなくなっていたのです。

管理職業務で大切なことは、「前準備」、そして「共有」すること。

マネージャーのイメージ

そんな店長失格の私でしたが、今でも店長業務を続けています。

前回のようなことが起きない為に今意識していることは、「前始末」。
前始末とは、イトーヨーカ堂の創業者である伊藤雅俊さんの言葉で、事前準備と段取りを徹底することです。

事前準備と段取りを徹底することで、計画や起こりうるリスクの予測や仮説を用意しやすくなります。

例えば、月の売上目標が上振れしたときと下振れしたとき、それぞれの対策プランを用意しておく。
クレームが増えた時やスタッフの離職が続いてしまう時もそうです。

何か事象が起きた時、そこには必ず原因があります。
それら原因の対策について、前始末として準備しておくのです。

そしてもう一つ、そうした前始末について、副店長を含めた他のスタッフと共有しておくこと。
前始末で建てた計画は、大抵変更になるものです。
その際に、計画に固執せずにフレキシブルな対応をしていかなくてはいけませんが、それを私ひとりの指揮でやっていたらどうしてもタイムラグが出てしまう。

だから、想定外のことが起きたときにスタッフたちが自主的に行動できるように、(これ自体も前始末なんでしょうが)私の考えやスタンスをしっかり皆に伝えていく。
これも、仕事における大切なコミュニケーションだと思います。

それでも、今でもいろんなトラブルがありますし、「失敗したな」と思うことがある。
でも、大切なのはきっと、「そこから何を学ぶか」ですよね。

思えば、前回のたくさんのクレームは、私が店長業務を改めるきっかけにもなりました。

仕事をしていれば成功も失敗もあります。そして、そこから振り返りをして次の実行に移そうというマインドが管理職にとって一番大事なことだと、私は思います。