コミュニティマーケティングとは?注目される理由とメリットのまとめ

[最終更新日]2020/10/19

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コミュニティマーケティングのメリット

ビジネスに携わっている皆さんは、日ごろPCでExcelやPowerPointといったOffice系のソフトを利用する機会が多いことでしょう。

Office系ソフトの使い方や機能などで分からないことがあったとき、ネットで検索して調べたことがある人もいるはずです。

その際、Office系ソフトのユーザー同士で質問・回答し合っているのを見かけたことはないでしょうか。これは「マイクロソフトコミュニティ」という、マイクロソフト社のコミュニティサービスです。

参考:マイクロソフトコミュニティ

同様のコミュニティは、アップルやアドビといった企業においても見られます。

このように企業側がサービスを提供するだけでなく、ユーザーや顧客が参加するコミュニティを積極的に活用するマーケティング手法のことを「コミュニティマーケティング」と呼びます。

近年とくに注目されているコミュニティマーケティングの概要とメリット、具体的な事例について解説します。

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目次

コミュニティマーケティングとは?なぜ注目されている?

マーケティングが専門分野ではない人にとって、コミュニティマーケティングという言葉そのものにあまり馴染みがないかもしれません。

冒頭で挙げたマイクロソフトコミュニティのように、「言われてみれば、見たことがあるかもしれない」「そういえば利用したことがある」といった人も多いはずですが、ほとんど意識せずに利用していた人もいることでしょう。

そこで、まずはコミュニティマーケティングの定義と、近年とくに注目されるようになった背景について確認しておきましょう。




コミュニティマーケティングの定義

コミュニティマーケティングの「コミュニティ」とは、興味関心やライフスタイルが似ている人同士の集まりのことを指しています。

「ファン」「サポーター」などと呼ばれることもありますが、これらもコミュニティの一種と考えることができます。コミュニティマーケティングとは、こうした共通の趣味や関心を持つ人の集まりを商品やサービスのプロモーションに活用するマーケティング手法のことです。

従来のマーケティングでは、特定の商品やサービスを販売するために、その商材の優れた点や購入するメリットを訴求し、いかに多くの顧客に振り向いてもらうかがカギを握っていました。
そのため、訴求する相手としては必然的に不特定多数が対象となります。

これに対して、コミュニティマーケティングは熱烈なファンの集まりがすでに形成されており、その人々へ向けて商品やサービスを紹介・提案します。

企業に対してもともと興味関心が高い層へPRするため、購入する確率が高く、効率よく販売することができるのです。




コミュニティマーケティングが注目されるようになった背景

コミュニティマーケティングが成立するためには、興味関心やライフスタイルが似通った人同士が集まっている必要があります。

集まるのはリアルの場だけでなく、オンライン上でも構いません。このような状況を身近なものにしたのがSNSです。

TwitterやInstagramといったSNSでは、特定のハッシュタグを使うユーザー層や、特定のインフルエンサーのフォロワー同士による交流が散見されます。

こうして形成されたコミュニティには興味の対象が似ている人が集まりやすい特徴があります。

もともと「コミュニティ」という言葉は居住エリアや地域社会を指して使われていました。昔は人の移動が少なく、本人の意思とは関係なく「生まれ育った土地」というコミュニティに属しているのが当たり前でした。

しかし、現代ではSNSを通じて自分の意思で好きなコミュニティに属することができます。

私たちは自分が目指すライフスタイルを手に入れやすくなった時代を生きているのであり、コミュニティマーケティングはこうした人々のニーズに応える手法として注目を集めているのです。

コミュニティマーケティングのメリットとは?

前述の通り、コミュニティマーケティングは「ファンの集まりに対して販売する」という手法です。
販売の効率がよく、不特定多数に対して商品やサービスをPRするよりもコストを抑えられることは想像に難くないでしょう。

しかし、コミュニティマーケティングのメリットは、単に効率よく販売できることだけではありません。

企業がコミュニティマーケティングに取り組むメリットとして、とくに次の3点が挙げられます。




ユーザーの生の声をいち早くキャッチできる

従来、顧客がどんなことに興味関心を持っているのかを知るには、さまざまな形で調査を実施する必要がありました。

アンケートやインタビューといった調査はその代表的なものですが、実施したからと言って必ずしも有意な結果が集まるとは限らない手法でもありました。

また、企業側が想定していなかった利用者層や利用方法については調査結果から得にくいという欠点があり、マーケティング戦略に活かす上で致命的な弱点となっていました。

これに対してコミュニティマーケティングでは、「このメーカーの商品コンセプトが好き」といった共通の嗜好を持つユーザーが、今どのようなものを求めているのか、現状にどういった不満を抱いているのか、生の声をキャッチしやすい特徴があります

すでにその企業の熱烈なファンとなっている人も少なくないため、商品やサービスをより良くするための調査には進んで協力してくれることも多く、有意な回答を得やすいというメリットもあります。




ユーザーが企業に愛着を持ち、ファン化していく

現代のビジネスモデルはサブスクリプションなどに代表されるように、ユーザーに「濃い」リピーターになってもらうことが非常に重要です。

わざわざ同じ会社のものを選ばなくても、似たような商品ならどのメーカーのものでもいいと考える消費者が大半であり、購買行動は流動的になるのが本来の姿でしょう。たとえある商品が一時的にブームになったとしても、ブームが去ればどこの会社の商品だったのかさえ忘れ去られてしまいます。

ユーザーに「濃い」リピーターになってもらうには、企業やブランドに対して愛着を持ってもらい、ファンになってもらうことが近道です。

「この企業が作るものに興味がある」「このメーカーのものを使い続けたい」と思ってもらうことによって、売上が安定するだけでなく商品やサービスを改善・改良する際にも方向性を定めやすくなります。

また、商品・サービスを利用したことによる満足度をユーザー同士がオンラインで投稿し合い、共感が生まれることによって、ファン自身の愛着がさらに強化されていきます。

コミュニティによって愛着が生まれ、愛着によってさらにコミュニティが強化されるという好循環が生まれるのです。




ユーザーサポートの効率化を実現しやすくなる

ユーザーにとって、購入後のサポートは本来企業が果たすべき役割です。いかに企業側からの「ギブ」が継続的に提供されるかが、サービスの良し悪しを判断する重要な指標の1つだったと言ってもいいでしょう。

ところが、コミュニティマーケティングにおいてはユーザー同士がコミュニティ内で質問し、回答し合い、問題解決につながっているケースが少なくありません。

熱心なファンは「ここのメーカーの商品に自分ほど詳しい人はめったにいない」と自負しているため、トラブルに見舞われて困っているユーザーにとって良きアドバイザーになってくれるのです。

こうしてユーザー同士がサポートし合う仕組みが成立すると、企業としてはほとんどコストを投じることなくユーザーサポート体制を準備することができてしまいます。

このように、コミュニティマーケティングによってユーザーの自治による強力なサポート体制が築かれ、ユーザーサポートの効率化を実現しやすくなるというメリットがあります。

コミュニティマーケティングの事例

コミュニティマーケティングが注目されている理由や導入するメリットについて理解が深まってきたところで、実際にコミュニティマーケティングを上手に活用している企業の事例を見ていきましょう。

成功事例を知ることによって、より具体的にコミュニティマーケティングとはどういうものなのかイメージしやすくなり、理解が深まるはずです。

次に紹介する企業は、おそらく多くの人が聞いたことのある商品やブランドを展開している企業です。もしかしたら、あなたも知らないうちにこれらのコミュニティに参加しているかもしれません。




「よなよなエール」が大ヒットしたヤッホーブルーイング

「よなよなエール」が大ヒットしたヤッホーブルーイング

https://yonasato.com/event/cho_utage

クラフトビールで一躍有名になった「よなよなエール」を手掛けるヤッホーブルーイングは、コミュニティマーケティングの事例としてよく引き合いに出されます。

同社では「超宴」と呼ばれる大規模なビールイベントを毎年開催しており、神宮球場におよそ4,000人を動員するという記録を打ち立てています。

15種類以上ものビールをオリジナルグラスで楽しむことができ、ステージパフォーマンスを見ながらファン同士の交流も深められるこのイベントは、年々口コミで有名になっていきました。

いまや同社のビールを飲んだことがない人が参加者の半数を占めると言われており、イベントをきっかけによなよなエールのファンになる人が増え続けています。

一見すると大成功のイベントですが、実はイベントそのものは収支が合っておらず、数千万円規模の赤字になっています。

しかし、ファン同士の交流を促し、さらに新たなファンを獲得していく上で、このビールイベントは非常に重要な位置を占めているのです。




「マイネ王」で活発なコミュニケーションが行われるmineo

「マイネ王」で活発なコミュニケーションが行われるmineo

https://king.mineo.jp

MVNO(いわゆる「格安SIM」)を提供するmineoは、コミュニティサイト「マイネ王」を運営しています。
マイネ王はスタッフブログとしてスタートしましたが、ユーザーからのコメントが付くようになったことをきっかけに、徐々にユーザーと企業との双方向のコミュニケーションの場へと発展していきました。

マイネ王では掲示板「アイデアファーム」をはじめ、オフラインイベントなどを通じてユーザーからアイデアを募っています。

ユーザーの声からオリジナルアプリの新機能やユーザーのCM出演といった新たなアイデアが生まれ、実現へとつながっているのです。

格安SIMの場合、どうしても価格の安さがセールスポイントとなりがちですが、mineoのユーザーはマイネ王を通じてコミュニケーションを楽しみ、mineoが自分たちの意見でより良くなっていくのを実感しています。

このことが「他社サービスではなくmineoを使い続けたい」と思ってもらうための強力な動機付けになっているのです。

実際、mineoユーザーの約半数がマイネ王に参加しており、同コミュニティがマーケティングの面で大きな役割を果たしていることが分かります。




キャンプイベント「Snow Peak Way」にファンが集うスノーピーク

キャンプイベント「Snow Peak Way」にファンが集うスノーピーク

https://www.snowpeak.co.jp/event/spw/

アウトドア総合メーカーとして知られるスノーピークでは、同社と顧客のミートアップイベント「Snow Peak Way」を全国のキャンプ場で開催しています。

スノーピークでは1993年からオンラインコミュニティを運営しており、キャンプイベントとオンラインの融合という他社にはないユニークな手法で顧客との接点を深めてきました。

同社はかつてキャンプ専門誌などに掲載していた広告を大胆に削減し、イベント運営にコストを集中投下する戦略へと舵を切りました。当時、オートキャンプブームはすでに終焉を迎えており、アウトドアグッズの需要が下火になっていた時期でした。

しかし、顧客が求める「本物」を創っていくにはユーザーと同じ目線で考えることが最重要と考え、あえてイベントに注力してきたのです。

同社では製品が寿命を迎えるまでアフターフォローを続けると約束しており、ユーザーを大切にすることで知られています。

消費者の視点に立ったアフターフォローについて知り、同社が開催するキャンプイベントへ参加することを通じて、ユーザーはスノーピークへの愛着を深めていきます。

こうして、スノーピークとユーザーとの関係性は購入の一度きりで終わってしまうことのない、末永い付き合いへと発展していくのです。

コミュニティマーケティングを成功させるためのポイント

コミュニティマーケーティングはユーザーと企業のエンゲージメントを深め、ユーザーが愛着を持って製品やサービスを利用していく上で重要な役割を担っています。では、コミュニティマーケティングを成功させるには、どのようなことに注意したらいいのでしょうか。

コミュニティマーケティングを成功させる上で、主に次の3つのポイントがあると言われています。

即効性を求めず気長に取り組む顧客・ユーザーの視点で考える規模・対象を広げすぎない
  • 即効性を求めず気長に取り組む
  • 顧客・ユーザーの視点で考え、ターゲットの思考をイメージする
  • コミュニティの目的がブレないよう規模・対象を広げすぎない

それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。




即効性を求めず気長に取り組む

コミュニティマーケティングは将来的に売上を伸ばすための施策であることに間違いありません。

しかし、「すぐに売上につなげたい」「即コンバージョンに結びついてほしい」といった短期的な成果を求めてしまうと失敗しやすい傾向があります。

ユーザーはコミュニティをビジネスの一端とは見なしていません。むしろ、純粋に「面白そう」「興味がある」といった思いからコミュニティに参加してくれるのです。

こうしてコミュニティへの参加者が徐々に増え、ファン化していきます。自社のブランドや理念を浸透させるまでには時間が必要であり、すぐに成果には直結しないものと割り切って取り組むことが大切です。

とくにコミュニティの存在がある程度世の中に浸透するまでは、参加した人にいかに楽しんでもらえるか、再度参加したいと思ってもらえるかどうか、といったことに意識を集中する必要があり、マーケティング戦略としての効果は二の次となります。

即効性を求めず気長に取り組み、じっくりとファンを増やしていく意識を持つようにしましょう。




顧客・ユーザーの視点で考え、ターゲットの思考をイメージする

コミュニティへの参加者が増えて活気づくようになってからも、コミュニティを売り込みの場として露骨に利用するのはNGです。

ファンは純粋に「楽しみたい」「興味がある」という気持ちでコミュニティに参加してくれているわけですから、「もともと売り込みが目的だったのか」と感じた途端に離れていってしまいます。コミュニティを「集客」のための手段と見なすことのないよう注意しましょう。

コミュニティに参加しているユーザーは、コミュニティのどんな点に魅力を感じているのか、何を期待しているのか、といったことを注意深く観察し、ユーザーの視点になって考えることが大切です。

企業として「売りたい」ものを考えるのではなく、ターゲットに喜ばれるのはどんなものかをイメージしていきます。

こうしてファンの要望に即したコミュニティになっていくことで、ファンはよりいっそうコミュニティに愛着を感じ、新たなファンを呼び込んでくれるでしょう。新商品の企画や既存商品の改良に関しても、コミュニティで挙がる声の中に重要なヒントが隠れているはずです。




コミュニティの目的がブレないよう規模・対象を広げすぎない

コミュニティにとって最も重要なのは、「そのコミュニティが何のために存在しているのか」という目的の部分です。

目的が明確になっているからこそ、参加するユーザーがコミュニティに加わる理由がシンプルなものとなり、スムーズに運営していくことが可能となります。逆にコミュニティの目的そのものがブレてしまうと、ユーザーが参加する理由がまちまちになり、いずれ空中分解してしまう恐れがあるのです。

コミュニティマーケティングが軌道に乗り、ファンが増えていくのは良いことですが、あまり規模・対象を広げすぎると本来の目的を見失いやすくなるという点に注意が必要です。

参加者にとって「ファンのためのコミュニティ」だからこそ意義がありますので、何のために・誰に向けて運営するコミュニティなのか、発足段階から明確にしておくことが非常に重要です。

矛盾するようですが、コミュニティを大きく育てていくには規模の拡大を求めすぎないようにすることが大切なのです。

まとめ)コミュニティマーケティングによる競争力の強化を実現しよう

特定の企業や商品の熱烈なファンが増えていくと、彼らはリピーターとなってくれるだけでなく、自発的に企業や商品のブランド価値を高める口コミを広めてくれたり、新たなファンを作ってくれたりします。

ファンによる拡散力は企業が莫大なコストをかけて投じる広告よりも強力で、かつ持続的な効果を生む可能性があります。

このように、コミュニティマーケティングは企業の熱烈なファンを増やしていくことにつながり、他社がなかなか切り崩せない強力な競争力を育てることにも寄与します。

勤務先でマーケティングや広報を担当している方々はもちろんのこと、販売や営業といった仕事をしている方々も、ぜひコミュニティマーケティングの手法や事例を参考にしてみてください。

これまでなかった消費者とのつながりや関係性を見出だすための1つのきっかけになるはずです。




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