私が考える「管理職業務で大切なこと」は、「組織全体を成長させていく育成力」。

[最終更新日]2019/10/24

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組織全体を成長させていく育成力。

「組織全体を成長させていく育成力」

会社運営で一番大切なもの、──それは「人」だと私は思っています。

「人が成長する」ことは同時に「会社の成長」に繋がります。
マネージャーは、人と会社の成長を見越して、社員を育成していくべきでしょう。

それが、私が抱くマネージャー像です。

Y・Tさん(男性 40歳)
職業
人材派遣
職種
コンサル
年収
500万円
従業員規模
2,000人
地域
神奈川県

Index

目次

私の紹介。──平凡で温和、ときに少しだけ頑固な、中年サラリーマンです。

私は、人材派遣会社のマネージャーをしています。

主に取製造会社のコールセンターに派遣社員を配属しています。
クライアントとの折衝から、派遣スタッフの勤怠状況や業務の進行状況や職場での悩みに対するケアなども行っています。

大変と感じることはやっぱり、「人」に関する業務ですね。
特にこの仕事をしていて感じるようになったのは、その人その人の勤怠状況や業務成績、職場の人間関係など、本来別々に見ていくものが実は密接に絡んでいることが多い、──ということです。

例えば、ある人が病欠で休みが続くようになったとき、もちろんその人は本当に病気ではあるのですが、原因を辿っていくと「仕事上のストレスがあった」というケースが非常に多いです。

だからこそ、社員がいまどんな状態なのかであったり、何か悩みを抱えていないか等の状況把握には特に時間をかけて行うようにしています。

プライベートの趣味は、読書と投資。
読書は主に、ビジネス分野の自己啓発系の書籍を読んでます。
投資もまた、経済の流れ等ビジネスに役立つ知識を得られると思い、始めました。

こうして書くと、なんだか根っからの「仕事人間」に聴こえそうですね。──いや、実際そうなのかもしれませんが笑。
とはいえ、私自身がバリバリでキレる優秀なビジネスマンかというと決してそんなことはなく、平凡で温和、ときに少しだけ頑固な、最近お腹周りを気にし始めた中年サラリーマンです。

10年前、Yさんという女性派遣社員を受け持った時のこと

今から10年ほど前、まだマネージャー職になったばかりのことでした。

ひとりの女性の派遣社員がいました。
彼女(ここでは「Yさん」)は周りの方に比べて業務上のスキルが遅れていました。クライアントからは「早く結果を出すように」とプレッシャーをかけられていました。

あるとき、クライアントさんからそのことで相談を受けました。

クライアント

「あの、Yさんの件なんですけど」

「はい」

クライアント

「別の経験者の方に代えていただくことってできませんか」

「え?」

クライアント

「いや、こういうことはあまり言いたくないんですけど、どうもYさんは業務に対する姿勢というか、やる気があまり感じられなくて。それに、スキルもほら、今一つですし…」

──まずいな、と思いました。

クライアントからの意向で特定の派遣社員を名指しで断られる(他のスタッフとの交換を要求される)ことは、私がマネージャーになってから初めてのことでしたから。

たしかにクライアントの担当さんの言い分もわかりますが、要求を受け入れてしまうと一つの前例となってしまい、今後も同様のケースが発生しやすくなるでしょう。
そしてなにより、Yさん自身のモチベーションが下降し、退職リスクも高まります。

クライアントの担当さんには「一旦預からせて欲しい」と伝え、私は一晩考えることにしました。

ですが、一晩考えても「これで行こう」と力強く思える対策・方針が思いつかない。

そこで、一度Yさん自身からも話を聴こうと、マンツーマンの面談の機会をセッティングしました。
私はYさんからいろんな話を聴きました。最近の仕事の様子、困っていることや不安に思っていること、周囲の人達との触れ合い等──。

Yさんの話を聴いていて、私はあることに気付いたのです。

それは、Yさん自身が今の職場に非常にやる気をもって取り組んでいたこと。そして、自分が戦力になり切れていないことに非常に悩んでいたことでした。

「Yさんは業務に対するやる気がない」──関わる人たちは皆、そう言っていました。でも、違ったんですよね。
Yさんはとてもおとなしく、感情表現をするのが苦手なタイプの女性でしたので、なおさら誤解もされやすかったのでしょう。

私はYさんに、現在クライアントさんがYさん自身をどう評価しているかを正直に伝えました。
そして、Yさんが望むのなら事業所の配置転換もできること、ただ今の職場で頑張りたいのなら、その旨をクライアントさんに伝えて、今の環境を維持できるように取り計らうことを伝えました。

すると、Yさんは、

Yさん

「今の職場で頑張りたいです。これまでご迷惑もかけていますので、その分を取り返せるだけの貢献をさせてください」

と言いました。

私はYさんに最大限善処することを伝え、クライアントの担当さんに頭を下げ、何とかあと2ヶ月でも、様子を見て欲しいとお願いしました。きっと彼女はこれから成果を上げてくるだろうし、自分もその為の努力をしますと言って、──担当さんは渋々ですが、その要求を受け入れてくれました。

当時の出来事を振り返って、今思うことは。

その後、Yさんはこれまで以上の頑張りを見せ、業務のパフォーマンスは少しずつ、そして2ヶ月経とうとする頃には大きく向上していきました。

その間私は毎週面談を行い、またその度に彼女の真面目さやひたむきさが伺えて、今までの彼女への評価がいかに表面的であったかを思い知り、反省しました。



3ヶ月経った頃には、クライアントさんのYさんに対する評価も非常に高くなり、Yさんを配置転換しようという話は当然のごとくなくなりました。




───その1年後、Yさんは現場作業を離れ、後輩の指導・育成担当となりました。
そして、Yさんはそこで周囲から「非常に教えるのが上手いトレーナー」という評価を得ての、大活躍を続けていました。




もしあの時、クライアントさんの意向に合わせてYさんを配置転換していたらどうなっていただろうかと、たまに考えることがあります。
きっと、彼女のここまでの活躍は見られなかったことでしょう。

頑張ったのは彼女ですし、彼女の今の活躍は彼女の努力があってのことですが、私自身も「あの時の判断を誤らなくて本当に良かった」とつくづく思いました。



人を育てることは、「その先の未来」に繋がる。

当時のYさんの一件は、私が「人を育てることはその後の組織への貢献になる」という考えを持つきっかけとなりました。



人を育てることはとても骨の折れる作業ですし、途中で投げ出したくなることもあります。

また、投げ出したほうが短期的とはいえ物事が良く進むこともあるでしょう。ときには、それによって自分の評価が良くなることがあります。

ですが、長い目で見たときにどうかで言うと、それが良かったかどうかを言い切ることは難しい。というか、その判断はきっとできないんじゃないかな、と。
少なくとも、私は後できっと後悔するでしょうね。「なんであのとき、諦めちゃったんだろう。もっとできたはずなのに」って。



つまり、その人が成長をあきらめない限りは、上司(育成側)も決して成長することをあきらめてはいけないのです。

成長さえ続けていれば、いずれ結果や成果は付いてくるものです。
逆に、成長なしで得られる結果・成果は、長続きしない、刹那的なものでしょう。──そう、思いませんか?

私が今、意識していること。これから目指していきたいこと。

これからも、私は今の仕事を続けていくことになるでしょう。

どうせ続けるのなら、仕事を通して関わる方すべての「幸せ」に繋がる仕事をしていきたいですね。そういう実感を持ちながら、働き続けたい。

ところで、「幸せ」ってなんでしょうね。
私は、「仲間と一緒に、そして自分も成長し続けること」なんですが、これはあくまで私の価値観であって、全く違うという人もいるでしょう。

でも、全く正反対の人でも、何か一つやふたつは、共感できることや、一緒に目指したい未来像があると思うんですよね。
そして、それはひとつの「目標」になる。

たとえ小さな目標であっても、一緒に目指そうとお互いに思えて、そして実行していく。
その積み重ねがきっと、「組織の成長」であったり、私のイメージする「幸せ」何だと思います。