私が考える「管理職業務で大切なこと」は、「部下へのフォロー」と、そして「厳しさ」。
[最終更新日]2019/10/17
「部下からの相談に応じるフォロー力、そして仕事に真摯に向き合う為の『厳しさ』を見せられること」
部下に優しい管理職もいますが、優しい意味をはき違えているケースも多い。
──世の中の管理職層の人達を見ていて、そう感じることがよくあります。
私は、仕事に対して厳しく甘えを許さない管理職のほうが、あり方としては望ましいと思っています。
もちろん、もし困っている部下がいればフォローをしてあげるべきでしょう。
仕事のミスに対しては厳しく接し、そして部下には厳しいだけでなく困っている時や悩んでいる時にはフォローをすることで、尊敬されて信頼されると考えています。
その際には、部下のしている業務をきっちりと把握する「状況把握力」、そして進捗状況などをチェックする際の「支配力」が求められます。
「支配力」という言葉は、聞く人によってはやや過激に感じてしまうかもしれませんね。
ですが、その言葉のイメージだけで見解を決めてしまうのではなく、「その行為によって何が得られるか」も踏まえて、解釈していただければな、と。
butasanさん(男性 33歳)
- 職業
- 会社員
- 職種
- IT技術者
- 年収
- 約500万円
- 従業員規模
- 60名
- 地域
- 東京都
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目次
私の紹介。──部下からの相談はしっかり聞いて、厳しくするときは厳しく。
私の仕事は大手企業のシステム運用を任されているのですが、そこで管理職であるチーフをしています。
作業自体は部下がして、私は最終的にミスがないのかチェックする立場です。
仕事の納期をしっかりとチェックして、部下の仕事の進捗状況を見つつ必要ならば指示をあたえています。
仕事内容はチーフとして毎朝の管理職のミーティングに参加し、他チームで発生した障害や問題などの情報を共有し部下に伝えたり、業務の最終的なチェックをして完了したら関係部署に報告するなどをしています。
仕事のスタンスは、冒頭でもお話した通り、どんなに忙しくても困っている部下の相談は聞くようにして、仕事に対して甘えている部下には厳しくすることを意識しています。
私の性格は比較的温厚で、趣味は映画鑑賞です。
プライベートはインドア派で休みの日はほとんど家にいて、映画を見ていることが多いです。
え?「尊敬する人」ですか?
──豊臣秀吉、ですかね笑。
身分や経歴ではなく、当人の「実力」のみで天下統一を成し遂げたという点に憧れを抱いています。
現代でも学歴・経歴などは関係なく、実力さえあれば活躍ができる世の中になりつつありますし、そういった点で見習う部分も多いように感じています。
私は、ミスをした後に改善が見られなかった部下を、あえて皆の前で叱った。
私がまだチーフになりたての頃、新人の部下(「S」と呼ぶことにします)が自分の勝手な判断で仕事をして、結果それは大きなミスに繋がりました。
そのミスは、売上面で大きな損失になることを避けられない類のものでした。
Sは、ミスをした直後私に謝りにやってきました。──が、それだけでした。
彼の業務姿勢、および業務品質は、ミスをする前と謝りに来た後とで、何も変わらなかったのです。
恐らく、まだ新人ということもあって、S本人のミスが会社にとってどれだけの痛手か、イメージが付かなかったのでしょう。
その為、どこまで反省すべきかすらも、分からなかったのだと思います。
その翌日、Sが業務上でちょっとした報連相を怠ってしまった時、私はSを呼んで、みんなの前で叱りました。
私に怒られているとき、Sはとても困惑した顔を見せていました。
「なぜ自分はここまで怒られるんだろう」と持っていたのかもしれません。もしくは、みんなのいる前で怒られることへの恥ずかしさがあったのかもしれません。
すると、私の部下の中では一番役職の高い人間(「T」と呼ぶことにします)が、私に「新人だからしょうがないしみんなの前で怒るのは良くないこと」だと進言してきました。
それに対して私は、Tに対しても叱りました。
なぜSがミスをした後も自身の行動を改めなかったのか。──その原因は、私を含めたチーム全体の「業務への意識の低さ」にあると、私は思っていたのです。
そして、SをかばうTにも、以前からその様子が見られていました。
私にとって、Sを(そして、結果的にはTも)みんなの前で叱ることは、意味のあることだったのです。
当時の出来事を振り返って、今思うことは。
当時、Sの起こしたミスの対応のため、私は毎日残業で一番遅くまで仕事をしていました。
ですが、私がSをみんなの前で叱った後、誰から言い出すもなく、Sと、Tそして他のメンバーもそのフォローをしてくれるようになりました。
Tに「手伝ってくれて助かる」という感謝の意を伝えると、Tはやや真面目な顔で、「他のメンバーにも伝えてあげてください」と私に言いました。
Tはもしかしたら、私が叱ったことに若干のわだかまりを感じていたのかもしれません。
ただ、Tのその日以降の業務への取り組み姿勢は断然に高まったように感じます。そして、その変化は他のメンバーにも良い形で影響を与えられているようでした。
当時の出来事を振り返って、思うことは色々あります。
私がSを叱った後、私とメンバー達との表面上の関係性(好き・嫌い・苦手といった感情)は、もしかしたら距離、溝ができたかもしれません。
ですが、逆に私の真意は、以前よりもみんなに伝わったのではないかと思います。
一つ後悔をしていることは、Tの言うとおり、叱った後のフォローが(SとTだけでなく、他のメンバーに対しても)不足していたということです。
厳しくすることは大事ですが、不要な不安はかけさせるべきではありませんし、それをうまく対処するのも、管理職の大切な責務だと思います。
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甘やかさないこと、厳しくすることへの葛藤もある。
「厳しくすることへの辛さや葛藤」──ですか?ありますよ、そりゃ笑。
部下を甘やかさず、厳しさを与えていくという管理職の働き方は、誰もが目指せるものです。
ですが、ある程度の覚悟も必要になると思います。
管理職になると部下のことを考えるあまり優しくなってしまいがちですが、あえて厳しくするというのはかなりのストレスになることも多いですから。
だれだって、職場を和気あいあいとした雰囲気にしたいです。でも、それだけじゃいけない。
仕事を楽しみながらも、ときに課題やトラブルに向き合うための「厳しさ」も皆が持たなければ、健全な組織として継続し続けるのは困難でしょう。
その厳しさを伝えていく際に、「部下に嫌われてしまうかもしれない」という思いも、常にあります。
上司として正しいことをしているのかわからなくなることもあります。
でも、結局は「自分を信じて突き進む」しかないのでしょう。
それが正しいか間違っているかは、すべてが終わってみないとわからないことであり、そして仕事というものは、ある意味「継続させていく(終わらせない)」ものですから。
私が今、意識していること。これから目指していきたいこと。
私の今後のキャリアを考えた上で、チャレンジしたいことはたくさんあります。
現在はシステム運用のチーフをしていますが、ゆくゆくは大きなプロジェクトのマネージャーをしたいと思っています。
会社の社運を賭けたプロジェクトのマネージャーをするためには、知識や経験が必要となりかなりの努力をしなければなりませんが、勉強を重ねて目標に向かって突き進みたいです。
プロジェクトマネージャーをすることができれば、今の会社でのとりあえずの目標が達成することができるので、その後は独立を視野に入れています。
独立するには知識や経験だけでなく人脈も必要となるので、ある程度仕事で関わっている人とのつながりは大切にしています。
今後は資格の取得にも積極的にチャレンジをして、勉強を怠らず自分自身を高めていきたいです。
──つまり、メンバーだけでなく自分自身にも「厳しく」していかないと、ということなのでしょう。まあ、当然と言えば当然ですが笑。
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