管理職体験談:組織としての成長のカギ、それは、部下のために時間を使うこと。
[最終更新日]2022/12/15
ITシステムを開発する会社で管理職を務めています。
現在は10人の部下を束ねています。
杜仲茶さん(男性 41歳)
- 職業
- IT開発
- 職種
- 管理職
- 年収
- 1,000万円
- 従業員規模
- 10,000人
- 地域
- 神奈川県
Index
目次
管理職としての私の仕事。
正確に言うと、私の下に2名のサブリーダーがおり、
各サブリーダーの下に4名ずつ部下がいるかたちです。
現在は開発は部下に任せ、私は一線からは退いています。
私の現在の業務は、お客様とのスケジュール調整や金銭面の管理、部下のタスク管理になります。
私は昔から凝り性です。
何か問題が起これば、解決策を講じるのはもちろんですが、
「もっと良い方法は無いか?」を考えることには時間をいくらでも割くことができます。
もちろん、管理職となった今は、本業をおろそかにしてしまわない程度には留めていますが……。
本音を言うと、もっともっと時間が欲しいですね。
管理職として、配属された先は……。
管理職になってから苦労したことは、やはり今のチームを造り上げる過程でした。
約3年前に発足したチームなのですが、私が管理職に任命されたのは、本当に直前になってからです。
なんでも、前任者が急遽、家庭の事情で退社されたとかで。
引継ぎの際に聞いてはいたのですが、このチームには2つの大きな弱点がありました。
一つ目は、請け負っている顧客がかなり頑固で、決して自分の思いを変えようとしないこと。
私の部下などは、その顧客からほとんど人格否定にも近い罵声を浴びせられたこともあります。
もう一つは、部下たちの成長が浅かったこと。
以前は、前任者のワンマンといっていい業務体系だったらしいです。
正直な話、一つ目の課題に関しては顧客側に改善を求めることは現実的ではないため、私は部下のパフォーマンス改善に取り組むことにしたわけです。
部下育成に取り掛かってから驚いたのですが、当時の部下たちは「自分たちに知識が欠けていること」にすらも気づいていなかったようで……。
ただ、業務を教えるのではなく
- 部下
-
「問題が起きた原因は?」
- 部下
-
「この技術を習得することの意味は?」
- 部下
-
「そのスキルを身につけるためには何が必要か?」
その都度立ち止まって、部下と一緒に考えながら教えていくよう心掛けました。
部下からの反発、それでも。
部下育成の過程では、部下たちにも様々な葛藤が生まれたようです。
- 部下
-
「前任者は、困っていたらすぐに解決策を提示してくれたのに」
- 部下
-
「普通に教えてくれればいいのに、こんなに時間をかける意味があるのか」
そういった声も聞こえてきました。
それでも私は一切の甘えを許さず、あくまで彼ら自身で問題の所在に気づき、解決策を見つけられることを目的としていました。
必要な資料があれば買い与えましたし、私の過去の経験が役に立つと思えば、いくらでも時間をかけて話しました。
そうしてしばらくが経った頃。
部署内である業務ミスが発覚しました。
私は半ば彼らを試すような気持ちで、私からは解決策を提示せず、彼らだけで話し合うよう命じました。
そうして傍で聞いていて感心したのは、彼らが当たらずも遠からずの解決策を、ぽつりぽつりと述べたことです。
まだ一人前とは認められませんが、私のかけてきた時間や労力が、確実に彼らの糧になっていると実感できた出来事でした。
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部下育成のための時間を惜しまないこと。
前任者のやり方を否定するわけではありませんが、やはり部下が自身で成長していく機会を作るのも管理職の務めだと思います。
確かに何かの壁にぶち当たった際、それを解決できる者にすがりたくなるのは人間の本能かと思います。
しかしそれではいつまで経っても、ぬるま湯から出てくることはできないと思います。
私が行った部下育成は功を奏し、結果として始めは反発的だった部下とも分かり合うことができました。
管理職は成果と効率の両方を求められる難しいポジションではありますが、決して一人きりで仕事をしているわけではありません。
やがては後進となり得る者の育成にも時間を惜しまない事こそが、組織としての成長に繋がるのだと思います。
今後、私が目指したいこと。
近年では、責任の重さから管理職を嫌がる者が多いと聞きます。
私も任命された際は、「果たして自分に務まるのだろうか」という不安は常につき纏いました。
しかし、どんな人間であっても、一つの組織に長く属していれば、経験から来る知識や知恵というものが少なからず備わっているものです。
ですので、この体験談を通して私が伝えたいことは、
もし私と似たような境遇で、部下育成に悩んでいたり、管理職を辞したいと考えている方がいたとすれば、
「今までの経験は決して無駄にはなりません」と、それだけは強く主張させてください。
私もまだまだ発展途上です。
管理職として、今後も成長を目指していこうと思います。
共に頑張りましょう。
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