管理職体験談:管理職になって、社員たちの「裏の顔」が見え始め……。

[最終更新日]2019/10/11

体験談
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表向きには分かりませんでした。こんなに仲が悪かったなんて…。

私は新潟県にある会社で一般事務の仕事をしています。
弊社は全国展開しており、新潟の拠点ではパート含み100名ほどの従業員ですが、全国単位となると5,000人を超える大会社です。

      

仕事の内容は、お客様から預かった書類をチェックし、正しいものであれば保険金をお支払いするという仕事です。その中で、一部のエリアの統括をしています。
部下は10人ほどで、加えてパート社員も3名います。

 
zeroさん(男性 41歳)
職業
会社員
職種
一般事務
年収
従業員規模
支店で100名ほど
地域
新潟県

Index

目次

仕事の「剛」と「柔」のバランスを楽しむということ。

書類チェックのほかにも、お客様との交渉や対外機関との折衝、内部での連携なども行っています。

仕事のやりがいはやはり、お客様から感謝の言葉をいただけた時です。当店の商品は「困っている人」が受け取るものですので、「助かった」と言ってもらえると心が安らぎます。
もちろん同時に、

お客様から頼りにされているのだから、責任をもって仕事をしないと!

というプレッシャーも生まれます。個人的にはこの剛と柔の差というものをとても面白く感じており、同時に達成感も味わっています。

私の性格は、一言でいえば「楽観的」だと思います。仕事を始めたばかりの頃は1つの物事を突き詰め、ほかの部分が手薄になってしまうような容量の悪い人間でしたが、経験を積んだり役職に就いた中で、考え方が変わっていきました。

想定外のことが起こったとしても、案外なんとかなるもんだ

と、経験から学んでいったのです。

趣味は料理です。休日に手の込んだものを作っているときは、仕事のことも忘れ、良い息抜きになっています。翌週の弁当のおかずにもなりますしね。

管理職になって気づいた人間の本性。

管理職という立場になってからは、それまでは事務作業や接客メインだった仕事内容が、一気に自分よりも経験や年齢が上の人との折衝に変わりました

それは私自身も経験を積んでいく中で徐々に慣れていくことができたのですが、1番の問題だったのが内部の人間関係でした。

管理職に就く前は気づかなかった、他の社員同士の裏の顔が垣間見えるようになってきたのです。
表向きは皆、仲が良さそうに見えていた分、はじめは驚きました。

私は人と接することが好きなのでしたし、これまでその人の良い部分にばかり触れてきたのかもしれません。
しかし管理職となるとそうはいきません。組織を円滑に動かしていくためには、深い人間関係も熟知しておくべきです。

それは私にとっては苦労する出来事でした。仲の悪い者同士を集めて、勝負をさせるわけにはいきませんからね。

特に、私の部署にいた2人の女性社員の確執は相当のものだったようです。一時期はその2人の間の空気が他の社員にも伝播し、部内の雰囲気が悪い時もありました。

このままではよくない!

と、仕事中に2人が接しないように書類の流れを変えたり、業務改善を行うよう努めました。
2人をそれぞれ個別に呼び出し、事実確認をしたりもしました。

そこで分かったのは、仲たがいするきっかけはごく些細なもの(どちらかが話を無視した、といった類の話です)で、それがいつしか大きな溝になっていったということです。

現在は、お互い胸の内ではどう思っているかは分かりませんが、表立った険悪なムードというのは無くなり、安心しています。

当時の出来事を振り返って、今思うことは。

当時のそれらの出来事は、今までの自分自身も見直すいいきっかけになったと考えています。

「本音で腹を割って話すことが一番」という考えは変わっていませんが、時には組織のために、2人をバッティングさせないなどの「作戦」も必要だと思いました。

それでもやはり人それぞれ性格は違いますから、誰にでも同じ方法が効果的とは限りません。

〇〇さんはこういう性格だから、こうやって頼んだら動いてくれそうだ」という道筋をあらかじめ立てておき、それがうまくいかなかった時の打開策も用意しておく。管理職になってしばらく経った今でも、とても難しいな、と思っています。

それから管理職になって分かったことは、自分も一般社員の頃は上司に良いように使われていたのかな、ということです。当時は自分のやりたいようにやっていたイメージでしたが、もしかしたら上司の手の平の上で転がされていたのかもしれません笑。そう思うとちょっとだけ複雑な気持ちになりますね。

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私が思い描く管理職の姿。

私が管理職になるにあたって目標にしたのは、昔の上司です。

と言っても、当時部下として勤めていた頃の私は、その上司にあまり良い印象を持っていませんでした。仕事は部下に任せきりで、自分は突然、家族で旅行に行って何日も会社を休んでしまう。

こんな人の下で働きたくない!

そう思っていました。
けれど、その後何人かの上司の元で働いた後に、徐々に考えを新たにしていきました。

今思えば、上司として出て行かなければいけない場面にはきちんと顔を出していましたし、何より先を見据える目がありました。無意識のうちに「この人が言うのだから間違いない」と思える人でしたし、私たち部下が直接自分で気づいて成長していけるような場を、さりげなく用意してくれる人でした。

それは、ただこちらの仕事をチェックし、間違いを正すだけの上司なんかより、もっと大切なことを私たちに与えてくれたと思います。

あの時の上司のように、部下がどこを見ているのかを把握し、正解へ自然と導いていけるようなマネジメントスキルはぜひ手に入れたいと思っています。

管理職・マネージャーとして、今後目指していきたいことは。

目標の上司像と比べると、まだまだ私は細かなことで口を出しすぎているな、と思います。自分もかつて経験してきた仕事なので、その立場から物を申したくなるのは当然と言えば当然だとも思いますが。

しかし、そこは自分の考えを抑えてでも、

なぜ、この人はそのようなやり方をしたのだろう。どうしてこっちの方がいいと思ったのだろう。その根拠は何だろう?

と考えてみるようにしています。
多くの意見を聞き、その中から最良の選択を、部下自らが気づいていけるような指導ができればと思います。

もちろん、そのための外部交渉(意見を聞ける場を用意する取り計らい)は、上司である私が一肌脱ごうと思っています。

管理職は、その部署のトップというイメージがありましたが、実際には「縁の下の力持ち」のような役割だと思っています。

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