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「経営戦略」ってどういう意味?あなたが経営戦略に携わることになったら

[最終更新日]2018/11/15

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国際競争の激化や国内の少子高齢化、人口減少に伴う市場の縮小等を背景に企業はこれまでより「生き残り」のための緻密な戦略構築が必要となってきています。企業が中長期的に収益を上げ、企業体を成長させていく戦略を一般的に「経営戦略」と呼びます。

経営戦略を立案し、遂行していく能力はミドル層からトップ経営層にかけての職層ではとても重要視されるスキルです。この記事では「経営戦略」の定義や策定方法、経営戦略の成功のポイントをまとめました。

Index

目次

経営戦略とは?

経営戦略の定義

まずは、経営戦略の定義です。経営戦略とは一般的には「企業が競争環境の中で、企業体を維持し、持続的に生き残り、また成長していくための方針や戦略」を指します。

まず企業の中期的な目標・ゴールを定め、一般的に有限である企業の経営資源(ヒト・モノ・カネ)を企業の掲げる目標達成のために以下に最適に配分していくかを描くことを指します。

ゴールは後段で説明する「ビジョン」との兼ね合いにもなってきますが、目安として1年~数年、長くて10年以内程度の「中長期的」なものであることが一般的です。尚、ゴールは定性的である場合も、定量的である場合もあります。このあたりは企業が企業自身を維持・拡大していく上で望ましい形に設定でされるべきものです。

経営戦略を策定するうえでは、まず外部環境・内部環境を基に、また適切なフレームワークを用いて自社の競争優位性を分析したうえで、一定の将来の「目標」を定めたうえで、その目標達成に向けて必要な行動や変革、管理方法などを定めていきます。

現代の不確実性の高い経営環境においては、企業の生き残りのために、適切なゴールの設定と、ゴール達成に向けたロードマップを描ける能力が必要とされています。

経営戦略は、ミッション(経営理念)、ビジョンに密接にかかわる

企業経営においては、「経営理念」→「ビジョン」→「経営戦略」→「戦術」といったピラミッド構造を意識することが肝要です。

「経営理念」を達成するために「ビジョン」があり、ビジョンを達成するために「経営戦略」があり、経営戦略を達成するために「戦術」がある、といったような関係性を持ちます。

従って当然ながら、上下の整合性を取ることが適切な企業経営においては重要で、下位の定めを充分達成すれば上位の達成に寄与し、4層全て達成すれば企業が持続的に維持・成長されるように各々の階層が設定・運営されていることが重要です

また、上位に行くほど長期的になり、下位に行くほど短期的になります。例えば「経営理念」とは企業の存在理由に関わるものでもあり、一般的には時代を超えて継がれるもので、めったに変更されるものではありません。

「ビジョン」は企業理念を維持するうえで当面の時代背景の中で必要なポイントをまとめたものです。「経営戦略」はビジョン達成の為に1年~数年程度の企業の方針や行動を定めたもので、戦術は経営戦略を見据えたうえで日々実施すべき業務の在り方ともいうものです。

この4階層が適切に設定され、また実行されることで、企業は持続な成長が可能となるといえます。

経営戦略とマーケティングの違い

さて、経営戦略としばしば混同されがちなのが、「マーケティング」というものです。どちらも企業の維持・成長においてはとても重要なものですが、両者は似て非なるもので、それぞれを適切に理解することは、企業運営においてとても重要なことです。

結論を言うと、マーケティングとは経営戦略の一要素というべき関係性になります。ここではマーケティングの定義を説明しながら、マーケティングと経営戦略の関係性を説明します。

マーケティングとは

まずは「マーケティング」とは何か改めて説明します。マーケティングというと何となく、販売や広告の方法、或いはそれらを打ち立てるための市場分析や予測などをイメージしますが、その根底の定義は「顧客を起点とするビジネス思考」です。

つまりマーケティングとは「顧客を起点とした、ビジネスを維持・成長させるための思考方法」であるといえます。

普段イメージする広告や販売方法、市場分析は、どちらかというと「マーケティング」の考え方の中で、ビジネス展開するうえで必要であるために選択されたツールであるといえます。

従ってマーケティングにおいてポイントとなるのは、どのような広告を使うか、販売方法を取るかということではなく、顧客視点で立った時に企業が「どのような財やサービスをどのように顧客にもたらしていくか」です。

そして自社の財・サービスを顧客に最大限もたらし、企業に利益として還元していくうえでどういった手段を、どのような意図で選んでいくかを考えていくことが「マーケティング戦略」となります。

マーケティング戦略は、経営戦略の「一部」

さて、マーケティングの定義を確認した所で、経営戦略とマーケティングの関係性を確認していきます。

マーケティングと経営戦略は共に「(主に企業の)ビジネスのためにある」「思考方法」であるという点は共通しているといえますが、思考を働かせ、戦略を策定していく上での「起点」が異なっており、経営戦略は「企業自身」にあり、マーケティングは前章で説明した通り、「顧客」が起点にあります

従って、経営戦略では「ヒト・モノ・カネ」の全ての企業の経営資源の最適配分の考えていくことになります。一方マーケティング戦略は「商品・サービスや販売チャネル・技術や販売手法」といった顧客に財やサービスを提供するうえで関連するものの最適配分を考えていくことになります。

つまり、マーケティング戦略とは、経営戦略の中の一部に特化したものとみることができ、マーケティング戦略は企業戦略の一部いえます。

経営戦略の進め方

それでは企業戦略について一通り確認した所で、この章では企業戦略の策定の仕方、進め方について説明していきます。企業戦略は企業全体という大きな集合体に関わる戦略ですから、きちんと事業について分析し、またコンセプトを固め、コンセプト順守のための体制やスケジュールを組んでいくことが肝要です。

これらのを順序良くまた適切に進めていくことで、企業の維持・成長に寄与する質の高い経営戦略を構築していくことが可能となります。

  • (1)事業の可能性を検討する
  • (2)コンセプトを固める
  • (3)体制とスケジュールを立てる

(1)事業の可能性を検討する

まずは自社の事業の可能性について考えていきます。新規にせよ、既存にせよ今題材としている自社の事業が収益性・成長可能性を秘めているのかどうか、また最大限の成長を達成するうえでどうすべきかを考えていきます。

事業の可能性をどのように考えていくかについては、様々な観点でのアプローチが考えられますが、基本的な枠組みとしては「ターゲットとする顧客」を明確にすること、そしてターゲットとする「顧客の求めるニーズ」を洗い出していくこと、そして、最後に「そのニーズを満たすためのコアコンピタンス」が何かを考えていくことで見えてきます。この3点をまず明確に整理することが肝要です。

これらの枠組みで自社の事業を分析していくことで、自社の事業にどのような収益性維持・拡大の余地があるか、そしてその成長を実現していくためにはどのような社内資源を配分していけばいいか、ということが明確にすることができます。こうして事業の可能性が明らかになったところで、次のフェーズに移ります。

(2)コンセプトを固める

自社の事業の成長可能性を明らかにしたところで、次にその成長を最大限実現していくためのコンセプトを明らかにしていきます。コンセプトには「5W2H」の観点が盛り込まれている必要があります。

具体的にはWhen(いつ、どんなときに)Why(なぜ、どのような理由で)Who(誰が、どんな人が)Where(どこで、どのような場所で)What(具体的に何を)How(どのように)How much(どのくらいの価格で)という観点です。これらの観点から事業成長のための方向性を定めていきます。

方向性を定めたところで、さらに次の3つの視点からコンセプトが自社の経営戦略として適切かどうかを分析していきます。具体的には①事業同士のシナジーが充分に発揮できているか自社の一部事業だけでなく会社全体の成長に寄与するコンセプトとなっているか自社の持続的成長に寄与するかといった観点です。

全社的な経営戦略を立てている以上、その場限りの短期的な視点や、局地的な視点にとどまっていてはいけません(そして注意しないとしばしばそのような戦略を立ててしまいます)その企業の事業全体に、持続的成長をもたらすものであろうとすることが重要です。

(3)体制とスケジュールを立てる

ここまでで事業の方向性を定めていったところで、最後に経営資源をいつ、どのように配分していくかを策定していきます。冒頭に出てきた企業の経営資源「ヒト・モノ・カネ」をどのようなスケジュールで配分していき、そしてどのようなスケジュールでコンセプトに沿った企業運営を行い、目標を達成していくかを定めていきます。

まずは一定の先、目標を達成するまでの適切な期間を設定し、そこに至るまでのスケジュールを構築していきます。その場合シナリオは数パターン用意し、最悪撤退する場合のシナリオまで用意しておくことが重要です。

スケジュールが決まったら、そこに充てていく資源の配分方法を定めていきます。特に重要なのは資金計画で、いつ、どのくらいの額がどのような用途で資金が必要になるのかはクリアにしておきます

これらの計画が一通りできあがり、かつそれが企業運営において無理の生じないものであることが確認されれば、一つの経営戦略が構築できたものとなります。

経営戦略を成功していく為のポイント

さてここまで経営戦略の概念や策定の方法を説明してきましたが、最後に経営戦略を成功していくためのポイントを3点説明します。

気を付けたいのは、経営戦略は一般的に経営者や相応の管理職などミドル~シニア層が、場合によってはコンサルなどプロフェッショナルと協働して策定する一方で、企業体の中には必ずしも経営戦略を理解していない社員もいて、それら社員も含めて、経営戦略に乗せて企業を運営していく必要があるということです。

以下の観点を守ることで、「実効性のある企業戦略」の遂行が可能となります。

  • 関係者のだれが見てもわかりやすく納得感ある「ビジネスモデル」を構築する
  • 人材の確保と育成(成長)をイメージする
  • イノベーション(創造)とマーケティング(効率化)への知見を深めていく

それぞれ、順を追って見ていきましょう。

関係者のだれが見てもわかりやすく納得感ある「ビジネスモデル」を構築する

冒頭でも書いた通り、経営戦略は「経営のプロフェッショナル」だけが理解できるような内容にとどまっていては上手くいきません。企業に属する者すべてが、その戦略に則って経済活動を行っていくようにする必要があります。そのためにはまず大前提として、「経営戦略がわかりやすいもの」であることが必須要件です。

その戦略のゴールはどこにあって、そしてそのゴールに向けてどのような資源配分を行っていて、それら資源活用してどのようなビジネス展開を行っていくのか、という点が、新入社員でも簡単に理解できるように整理されていることが理想です。

実際には厳密にそこまで単純明快な経営戦略の策定をすることはかなり難しいものの、「誰にでもわかりやすく納得感のある経営戦略」の策定を意識することは、実効性のある経営戦略を構築し、それを実際に運用していく上でとても重要です。

人材の確保と育成(成長)をイメージする

経営戦略は冒頭説明した通り、「ヒト・モノ・カネ」の最適な配分がその根幹となります。目標を決めたりスケジュールを決めたり、事業の可能性を見定めたりという作業は、究極的にはこれら経営資源の配分の仕方を決めていくためにあるものです。

企業の運営上はどうしても「カネ」の配分の仕方に意識が行きがちです。それ自体は間違ったことではないのですが、企業を末永く、持続的に成長させていくためには一方で、「ヒト」の扱い方が非常に重要になってきます。

企業はいくら成長分野にカネやモノを投入したとしても、最終的にはそれらをうまく扱う人が断続的に配分されなければ、どこかのタイミングでその企業は成長が止まり、やがてはだめになっていきます。

従って、実は経営戦略を成功に導くうえでは「ヒトの最適配分」そして「ヒトの成長」の観点がとても重要になってきます。ついついカネに意識が行きがちになることが多いですが、「ヒト」の確保や育成という観点を忘れないようにしましょう。

イノベーション(創造)とマーケティング(効率化)への知見を深めていく

現代の不確実で変化の激しい経済環境にて企業を持続的に成長させていくような経営戦略を実行させていくためには、環境に合った新しいものを作り出していく「イノベーション」と、新しく作ったものを顧客の目線に落とし、実益につなげていく「マーケティング」の視点がとても重要になってきます。

この二つはいわば両輪で、新たなものが生み出せなければいずれ環境変化に置いて行かれますし、新たなものを顧客への財・サービスとして届けられなければイノベーションは無駄なものになってしまいます。

これら双方の視点を明確に持ちながら、変化の激しい経済環境を戦っていくための経営戦略の構築が肝要となってきます。従って、これからの企業の実効性のある経営戦略を策定できる人はすなわち、イノベーションやマーケティングに掛かる嗅覚の鋭い人であるといえます。

これから経営戦略を構築する人、またはいずれ経営戦略を構築する立場になるであろう人は、イノベーションとマーケティングにおける知見を深め、自らの知見を経営戦略策定や実行に生かせるようにしておくことが肝要です。

経営戦略は企業の維持・成長において必要不可欠なもの

経営戦略は現代において企業が持続的に成長していく上で必要不可欠なものとなってきています。従ってそこに従事する会社員にとっても、特にミドル層~経営者層にとっては適切な経営戦略を構築する能力はとても付加価値の高い能力です。

この記事で説明した経営戦略の定義や適切な策定方法、成功のポイントを認識し、また実践することで、皆様の属する企業の持続的成長を主導することが「企業にとってなくてなはならない人材」となる近道と言えます。

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この記事を書いた人

清水みちよ

大学時代から好きだった「旅行」を仕事にするため、卒業後は大手旅行会社の添乗員として世界中を飛び回る。海外での感染症で生死を彷徨い、何よりも自分の身の大切さを知る。その後別の旅行会社の内勤業務に携わり、現在に至る。

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