キャッシュレス化ってしたほうがいいの? キャッシュレスのメリット・デメリット
[最終更新日]2022/12/15
日本政府は、2025年の大阪・関西万博に向けて、電子決済の普及を進める方針を打ち出しました。
具体的には、2027年までにキャッシュレス決済率を、現在の2割から4割程度にするというものです。
実は海外ではキャッシュレス社会が確立されているところがほとんどで、スウェーデンの現金使用率はわずか2%しかないのです。
一方の日本はキャッシュレスが2割弱と、先進国のなかでは圧倒的に低い数字となっています。
そこで今回は、キャッシュレス化のメリットとデメリットについて、一緒に考えてみたいと思います。
Index
目次
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そもそも、キャッシュレスとはどんなもの?
日本では現金決済が多いとはいえ、若者は日常的にキャッシュレスを利用しています。
キャッシュレスと聞くと、クレジットカードを思い浮かべる人が多いと思いますが、実はそれだけではありません。
そこでまず、キャッシュレスとは何かについて、正しく認識することから始めてみましょう。
そもそも、キャッシュレスって何?
キャッシュレスとは、現金以外の方法で支払いなどの決済を行うことをいいます。
キャッスレスの方法には、
- クレジットカード
- チャージ式プリペイドカード
- デビットカード
- 電子マネー
などがあります。
クレジットカードはクレジットカード会社が発行しており、現金を持っていない会員が後払いで商品やサービスを購入できる信用を持っているという証明でもあります。
チャージ式プリペイドカードとは、事前にカードに前金を入金しておくことで、その範囲内で支払いができるカードのことです。
デビットカードは銀行口座と紐づいており、利用した時点で商品やサービスの代金が引き落とされるものです。
電子マネーとは、あらかじめチャージするか、クレジットカードの自動引き落とし設定をすることで、カードやスマートフォンで決済できるものをいいます。
そう聞くと、自分も意識せずにキャッシュレスしている人も多いことに気づくはずです。
キャッシュレスには3つの決済タイミングがある
キャッシュレスは現金がなくても支払いができる点は共通していますが、決済のタイミングは3つに分かれます。
まず、前払い方式です。
これは、事前に現金チャージという形で入金しておかなければ、決済することができません。
プリペイドカードは、この前払い方式です。
利用金額をあらかじめ決めておけば使い過ぎを防ぐことができ、お金の管理がしやすいというメリットがあります。
SuicaやWAON、楽天Edyなどがあげられます。
2つめは後払い方式で、ポストペイとも呼ばれます。
クレジットカードのほか、iDやQUICPayなどのポストペイ型電子マネーもあります。
ポストペイ型電子マネーであれば、クレジットカードのように暗証番号の入力やサインをする必要がなく、スムーズに決済可能です。
ですが、クレジットカードの審査に通らなければ利用することはできません。
最後は即時払い方式で、デビットカードが該当します。
あらかじめ銀行口座を登録しておく必要があり、決済すると即時引き落としがかかります。
クレジットカードの審査に通らなくても、デビットカードは発行でき、お金の使い過ぎを防ぐ意味でもおすすめです。
キャッシュレスの主な決済方法5点
キャッシュレスは、種類も決済方法もさまざまです。
2019年10月に消費税が増税になることを考えると、その分をカバーできるキャッシュレス方法があれば、活用すべきでしょう。
また、キャッシュレスと一口にいっても、決済方法によって向き不向きがあるのも事実です。
そこで、主なキャッシュレス方法について、説明しておきましょう。
お金の管理が得意な方におすすめ「クレジットカード」
世界的にみると、キャッシュレス化の基本はクレジットカードの保有です。
日本の場合、プリペイドカードやデビットカードも、クレジットカード会社のネットワークが利用されているからです。
クレジットカードがあれば、Apple PayやGoogle Payといったスマートフォン決済をはじめ、モバイルSucia、楽天Edy、nanacoなどの電子マネーへのチャージ、PayPayや楽天ペイなどのQRコード決済も利用できるようになります。
ただし、クレジットカードは利用限度額が高めに設定されていることが多いので、つい使いすぎてしまう人が少なくありません。
そのため、お金の管理が得意な人に向いています。
スムーズに決済したい方におすすめ「電子マネー」
電子マネーは、電子データを利用して少額決済できる方法です。
レジにある端末にかざすだけと、決済が簡単なのが魅力です。
電子マネー専用のカードはあらかじめチャージが必要ですが、電子マネーと一体化したクレジットカードを利用したり、スマホに搭載することもできます。
電子マネー専用カードの場合は、審査や決済時の本人確認が不要な点も便利です。
楽天Edyやnanaco、WAON、iD、QUICPay、Suicaなどがここに分類されます。
電子マネーを利用すると、小銭を持つ必要がなくなり財布が軽くなるうえ、全国どこでも使えるのは魅力です。
さらに、ポイントを貯め、それを使うこともできます。
普段使うコンビニエンスストアが決まっていたり、電車通勤のため交通系電子マネーを使っている人におすすめです。
お財布を持ち歩きたくない方におすすめ「スマホ決済」
スマホ決済には、「キャリア決済」と「アプリ決済」の2種類があります。
キャリア決済とは、利用している携帯電話料金と一緒に支払う方法です。
一方のアプリ決済とは、スマホ画面でQRコードを読み取るだけで決済する方法です。
あらかじめ携帯電話利用料金かクレジットカードを登録しておくと、合算で請求されるため、カードやお財布を持ち歩く必要がありません。
外出時の荷物を最小限にしたい、あるいは支払いをすべてまとめたい人におすすめの方法です。
しかし、クレジットカードと比べると、スマホ決済できる店舗はまだ少ないのが現状です。
2020年の東京オリンピックに向けて、環境整備が加速するのは予想されるので、いまから活用しておくとよいでしょう。
手持ちのお金でやりくりしたい方におすすめ「デビットカード」
デビットカードは、金融機関が発行します。
そのため、銀行口座が登録されており、その預金額の範囲内で決済が可能で、購入代金が即時に引き落としされます。
デビットカードの魅力は、クレジットカードと同じ感覚で利用できることです。
ただし、ガソリンスタンドや高速料金、飛行機の機内販売などで、利用することはできません。
しかし、利用するためには銀行口座に入金しておく必要があります。
高額商品を購入する際に現金を持ち歩きたくないと考えているなら、デビットカードはとても便利です。
しかし、銀行口座の預金額以上を利用することはできません。
使い慣れるととても便利なのですが、デビットカードで決済するなら現金支払いの方がよいと考える人も、まだまだ多いようです。
クレカ嫌いだけどポイント還元がほしい方におすすめ「チャージ式プリペイドカード」
チャージ式プリペイドカードは、クレジットカード会社が発行するため、加盟店であればどこでも使えるのが魅力です。
あらかじめ現金をチャージしておくか、クレジットカードに紐づけて後払いにするかを選択できます。
前述したデビットカードと利用方法は同じですが、利用金額に制限をかけることができるので、使い過ぎを防止できます。
また、スマホにアプリをダウンロードすることで、チャージや残高照会などの管理できたり、家族間で送金することも可能です。
現金を持たせたくない家族や子どもに持たせるなら、クレジットカードよりチャージ式プリペイドカードがよいでしょう。
キャッシュレス化するメリット3つ
日本政府がキャッスレス化を進めるのには、理由があります。
それは、キャッシュレス化を進めることで、実店舗の無人化や省力化、不透明な現金資産の可視化による成獣の向上、利用履歴の利活用による消費の利便性向上や活性化などです。
一方で、利用者側である私たちにも、キャッシュレス化のメリットはあります。
3つのメリットについて、詳述していきましょう。
現金の面倒さ・持ち歩くリスクから解放される
キャッシュレス化の一番のメリットといえば、現金決済の面倒さから解放されることでしょう。
常に現金で支払いをしていると、財布が小銭でいっぱいになったり、こまめにATMで現金を引き出す必要があり、時間外のATM利用料がかかることもあるでしょう。
しかし、キャッシュレスにシフトすれば、高額な現金を持ち歩く必要がなく、紛失や盗難にあうリスクも軽減します。
クレジットカードやデビットカードであれば、盗難や紛失による不正利用について補償が受けられるので安心です。
また、現金決済を把握するために、家計簿をつけるといった、家計管理の煩わしさも低減するはずです。
支出を管理しやすく無駄遣いが減る
現金決済の場合は、家計簿をつけたり、万が一トラブルがあったときのために、レシートをとっておく必要があります。
ですが、クレジットカードなどでキャッシュレス化すると、カードの利用明細をオンラインで確認できます。
最近は、スマホのアプリに家計管理を一元化してくれるものもあり、使い過ぎがすぐにわかるので、家計管理しやすくなります。
継続的に使えば、公共料金の平均や支出の傾向を把握することにも役立ちます。
支出をキャッシュレスで管理し、それを定期的にチェックすることで、無駄遣いを減らしている人も多いです。
また、オンライン明細はパソコンだけでなく、スマホでもチェック可能です。
ポイントが貯まる
クレジットカードや電子マネーのなかには、ポイントが貯まるものが多いです。
貯めたポイントは使うことも、ほかのポイントに移行することもできるので、利便性が高いです。
そのため、現金で同額の買い物をするより、ポイントが付与される分、お得なのです。
また、2019年10月には、消費税が10%に上がる予定になっています。
2018年11月に安倍首相は、消費税増税を前に、クレジットカードなどを利用して、キャッシュレス決済した場合、購入金額の5%のポイントを還元する考えがあると明言しています。
それが実現すれば、消費税増税分をポイント還元でカバーできる可能性が高いです。
キャッシュレス化するときの注意点3つ
これまで、キャッシュレス化のメリットをお話ししてきましたが、当然、注意すべき点もあります。
というのも、クレジットカードやデビットカード、チャージ式プリペイドカードの場合、個人情報の登録が不可欠です。
そのため、個人情報の漏えいのリスクはゼロではありません。
それ以外にも、考えられるデメリットはあります。
そこで、キャッシュレス化の注意点をまとめておきたいと思います。
キャッシュレス決済に対応していない店舗はまだ多い
都心の店舗は、ほとんどがキャッシュレス決済に対応しています。
しかし、コンビニエンスストアや自動販売機が、キャッシュレス対応していない地方も多いのです。
また、ファストフードのドトールやサイゼリアのチェーン店は、現金電子マネーだけに対応、あるいは現金払いにしています。
そのため、現金を持たずにキャッシュレス決済しようとして、困るケースもあるのです。
また、交通系電子マネーも、クレジットカードを紐づけておかない限り、現金でチャージしなければなりません。
キャッシュレス決済に店舗が対応するまでに、時間がかかる地域や店舗があることは覚えておきましょう。
災害や停電の際に決済不能になる可能性も
2018年12月、ソフトバンクで大規模な通信障害が起こったことは、みなさんの記憶にも新しいと思います。
このとき、スマホでの決済ができず、混乱が起きました。
このように、災害などにより停電が起こった場合、キャッシュレス機器が使えなくなり、買い物をすることも、現金を引き出すこともできなくなる可能性があります。
災害時には、現金が何より強いのです。
また、スマホ決済に限れば、充電切れや破損が起こった場合は、一切の決済ができなくなります。
そうしたリスクを念頭に置き、多少の現金は用意しておきたいところです。
「割り勘」がしづらい
会社の同僚や友人と食事に出かけたときには、会計を割り勘にするのが一般的です。
中国の場合は人数が多くてもスマホ一つで割り勘決済ができますし、アメリカでは人数分に割ってくれたり、PayPalやFacebook、Venmoを利用して友だちに送金できる仕組みがありますが、日本では現金が基本です。
そのため、キャッシュレス化すると、割り勘しにくいのは否めません。その点は注意が必要です。
現在は、誰かがクレジットカードでまとめて支払い、個人からは現金で回収することが一般的ですが、今後は方法が開発される可能性もあります。
その点も踏まえて、現金とキャッシュレスの使い分けをするよう意識しましょう。
キャッシュレス化のメリットを活用しよう
今回は、キャッシュレス化のメリットとデメリットについて、一緒に考えてみました。
この記事をまとめると
- キャッシュレス化にもいろいろな方法がある
- タイプによって、向いているキャッシュレス方法が異なる
- キャッシュレス化にもメリットとデメリットがある
の3つです。
ポイント付与や家計の可視化など、キャッシュレス化のメリットはいろいろあります。
無駄遣いを防ぐことを意識して、キャッシュレスを活用する参考にしていただけたら幸いです。
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