貯蓄のカギは家計簿にあり?知ってるようでよく知らない、家計簿のコツ
[最終更新日]2022/12/15
ムダ遣いをしないように気をつけているつもりなのに、ちっともお金が貯まらない・・・。そんな悩みを抱えていませんか?
お金を着実に貯めていくために有効な方法には「収入を増やすこと」と「支出を減らすこと」があります。しかし、急に収入を増やすのはなかなか難しいもの。そこで、お金を効果的に貯める手堅い方法として支出を減らすことが重要になります。
多くの人は、分かっていても日々少しずつムダ遣いをしてしまっているもの。そこで、お金の流れや収支を把握する上で効果的な「家計簿」のコツについて確認していきましょう。
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目次
貯蓄をするために家計簿って必要?と思ったら…
皆さんの中には、子どものころ「お小遣い帳」をつけたことがある人がいるかもしれません。
毎月のお小遣いを何に使い、いくら残っているのかを把握するためのものですが、これは子どもにとって「面倒」で「意味があるの?」と思えてしまうものだったのではないでしょうか。
大人になってから収支の状況を把握するのであれば、いわゆる「家計簿」をつけるのが一般的です。
しかし、子ども時代のお小遣い帳の記憶がよみがえってしまい、「家計簿をつけることに意味なんてあるのだろうか?」「家計簿を続けるのは大変」というイメージを持ってしまうかもしれません。
家計簿をつけることには、どのような意味があるのでしょうか。また、家計簿をつけることで具体的にどんな効果が得られるのでしょうか。
そもそも家計簿をつける意味ってなに?
家計簿をつける意味はなにかと言えば、シンプルに次の2点に集約されます。
- お金の流れを把握すること
- ムダな支出を発見すること
お金の流れを把握するには、まず手元のお金が何にどう使われているのか知る必要があります。
ここが明確にならないと、ムダな支出を控えようとしても「なるべく使わないようにしよう」「ムダ遣いは控えよう」といった漠然とした目標になってしまうからです。
お金の流れが見えてくると、支出の内訳とその割合が分かるようになります。このうち、現実的にどの支出を減らせそうか、1つ1つ検証しやすくなるのです。
こうすることで、できるだけ無理なく支出を抑える方法を見つけることこそが、家計簿をつける目的と言えます。
別の言い方をすれば、ただ家計簿をつけているだけでお金が自動的に貯まっていくわけではありません。
家計簿をつけるという手段が目的化しないよう、ムダな支出を見つけるという本来の目的を見失わないようにすることが大切です。
基本的な家計簿のつけ方とコツ
これから家計簿をつけようと考えている人や、今までに家計簿をつけてみたもののうまくいかなかった人は、まず基本的な家計簿のつけ方から確認しておきましょう。
家計簿をつけることは慣れればそれほど難しいものではありませんが、つけ方によっては面倒に感じたり、見やすさや管理の面でメリットを感じにくくなったりする恐れがあります。
どのように家計簿をつけたら効果的なのか、つけ方のコツについても解説していきます。
家計簿をつける上で考えるべきポイント
家計簿をつける大きな目的の1つに、お金がどのタイミングで何のために使われたのかを記録することが挙げられます。
「自分でお金を支払ったのだから、いつ何に使ったかぐらいは覚えている」と思うかもしれませんが、たとえばちょうど1ヶ月前の今日、何を購入しいくら支払ったのか、とっさに思い出させる人はほとんどいないはずです。
このように、使ったそばから使途や金額を忘れていってしまうのを防ぎ、記録として残していくことが家計簿をつけることの目的なのです。
支出の記録を残していくことによって、後から見直したときに「どの出費にムダがあったのか」「もっと節約できる部分がなかったのか」といったことを把握しやすくなります。
そのため、家計簿をつけるにあたっては「自分にとってつけやすい」ことが非常に重要なポイントになります。
アナログとデジタル、どっちが合ってる?
家計簿をつける方法には、手帳などアナログで記録する方法と、エクセルやアプリなどデジタルで記録する方法があります。どちらの方法にもそれぞれのメリットがありますので、自分にとって利用しやすく続けやすい方法を選ぶことが大切です。
アナログとデジタルのどちらが自分に向いているのかを判断するために、それぞれの優れた点を挙げてみます。
≪アナログに向いてる人≫
- 自分に合った項目を自由に設定できる
- 必要なときにすぐ見返すことができる
- 自分の手で書くので記憶に残りやすい
≪デジタルに向いてる人≫
- 入力さえすれば自動的に集計してもらえる
- 表やグラフでお金の流れや家計の状況を確認できる
- 使いすぎを知らせるアラート機能を利用できるものもある
家計簿につける項目を考えよう
アナログ・デジタルどちらの方法で家計簿をつける場合においても、家計簿をつける上で「支出の項目を分けること」は基本中の基本になります。
項目に分類することによって、支出があったタイミングや使途が明確になり、整理しやすくなるからです。
家計簿の項目はある程度細かく分ける必要がありますが、あまり細かすぎても管理するのが大変になってしまいます。最もオーソドックスな分け方として、まずは支出を「固定費」と「変動費」に分類してみましょう。
固定費
固定費とは、毎月ほぼ確実にかかる費用のことです。代表的なものとして家賃や住宅ローンの支払い、通信費、保険料、学費などが挙げられます。
こうした費用は月によって変動することがあまりないため、「そもそも毎月かかるもの」として把握しておいたほうが管理しやすくなります。
無理なく節約するための方法として、ムダな固定費を削ってスリム化することは高い効果が期待できます。
たとえば家賃18万円のマンションに住んでいた人が家賃13万円のマンションに引っ越したとすれば、それだけで毎月5万円が自動的に節約できることになります。これは月収が5万円増えたのと同じだけの効果をもたらすの大きな変化です。
一方で、頻繁に引越をするのが現実的でないように、固定費を大きく削るのはそう簡単ではないのも事実です。実際に書き出してみると、想像していた以上に毎月の固定費がかかっていることが見えてくるはずです。
- 家賃や住宅ローンの支払い
- 水道光熱費や新聞代
- 固定電話やスマートフォンなどの通信費
- 生命保険や損害保険の保険料
- 子どもの学校や塾、習いごとの月謝
変動費
変動費とは、月によってかかる費用や使途が変わる費用のことを指します。
季節の変わり目は衣類にかける費用が高くなりやすかったり、大型連休の時期になるとレジャー娯楽にお金を多く使いやすかったりするのが代表的な例と言えます。
変動費は行動1つで抑えることができるため、節約するためのルールを決めることで削りやすい支出です。
一方で、お金を使うべきかどうかの意思決定を伴うことから、変動費を大きく減らすには「我慢」や「諦め」も必要になってくるなど、心理的な面では負担を感じる場面も多くなります。
たとえば、平均的な月よりも外食が多くなってしまった場合や、消耗品の減りが激しくムダを省けそうな場合など、家計簿をつけていくことでどの支出が多くなってしまったのかを発見しやすくなるのです。
- 食料品や外食にかかる食費
- 消耗品や雑貨、衣服などの日用品費
- 外出やレジャーにかかる娯楽費
- 友人や同僚との食事などにかかる交際費
- 移動にかかる交通費やガソリン代
家計簿を1ヶ月間付けたら、収支表にまとめてみる
家計簿は、「つけて終わり」ではなく、「全体的に、どの部分にお金がかかっていて、どの部分が節約できたのか」を確認することが大切です。
家計簿として付けた項目別の費用を「収支表」でまとめることをイメージすると良いでしょう。
参考:家庭の年間収支表イメージ(簡易版)
上記の収支表はマイクロソフトのExcelで作成したもので、その月の収入と照らし合わせてどれだけ収益になったかを自動で計算できるようにしています(→ダウンロード)。
家計簿に付けた内容を収支表にまとめておくと、どの程度支出を切り詰めると良いかやどの項目の支出が膨らんでいるかが一目瞭然で確認できるようになります。
一方で、「ここまで管理するのは、自分にはちょっと難しい…」という方は、わざわざ自分で収支表を作らずとも自動で集計してくれるおすすめの「家計簿アプリ」がありますので、次章で紹介していきます。
家計簿を「習慣化」するなら、「家計簿アプリの活用」がおすすめ
家計簿を日常的につけて習慣化するには、常に家計簿をすぐに取り出して記録・確認できる方法を選ぶのが得策です。
習慣化という観点で考えた場合、スマートフォンで利用できる家計簿アプリを利用する方法がおすすめです。手軽に利用できるだけでなく、アプリならではの優れた機能を活用することも可能になるからです。
多くの家計簿アプリは直感的に利用できるようさまざまな工夫がなされていますので、アプリをインストールしたその日から、すぐに家計簿をつけ始めることができます。
このように家計簿アプリはとても便利で重宝するのですが、一方で利用するにあたって注意しておくべき点もいくつかあります。家計簿アプリを利用するメリットと注意点について確認しておきましょう。
家計簿アプリのメリット
- スマートフォンで場所を選ばず記録・管理できる
- 前月との比較などお金の使い方が可視化される
- 現金だけでなくクレジットカードや投資銘柄も一覧化できる
- レシート読み取り機能など手軽に利用できる工夫がされている
家計簿アプリの注意点
- 不正アクセスによる情報の流出・漏洩リスクがないとは言い切れない
- 消費行動をどのように収集さえているか把握し切れないことがある
- スマートフォンの盗難などにより第三者に閲覧される恐れがある
家計簿はエクセルで管理することも可能ですが、家計簿アプリなら最初から必要な項目分けがされており、すぐに使い始めることができるのが大きなメリットです。
場所を選ばずに利用でき、前月との比較や収支の推移が可視化される便利な機能も備わっているため、クレジットカードなど現金以外の利用も併せて確認するには最適な方法と言えます。
ただしアプリである以上、サーバー上に家計簿データを保存することになるため、不正アクセスによる情報漏洩などセキュリティ上のリスクはつきものです。アプリ提供会社に消費行動を収集されていないとも限らないため、利用するにあたってはアプリのガイドラインやセキュリティレベルをよく確認しておく必要があります。
おすすめの家計簿アプリ
家計簿アプリには多くの種類がありますが、ここではとくに多くのユーザーに支持されている主要なアプリを紹介します。どのアプリも家計簿の基本的な機能としては十分ですので、インストールして実際に使い勝手を試してみてもいいでしょう。
連携口座数やデータの保存期間などに応じて無料版と有料版がありますが、基本的な機能を試すのであれば無料版で使い始めてみるのがおすすめです。それぞれのアプリに強みがありますので、自分の家計簿管理方法に適したアプリを選んで利用するといいでしょう。
家計簿Zaim
Zaimの強みは「カスタマイズ性の高さ」にあります。食費や日用品など、支出の項目を自分で変更できるようになっていますので、ライフスタイルに合わせて自由にカスタマイズして利用することができます。
家計簿のつけ忘れを防ぐアラート機能やレシート撮影機能といった、アプリならではの機能も充実していますので、アプリでの家計簿管理にチャレンジしたい人はZaimから始めてみるのがおすすめです。
金融機関との連携により、残高や入出金の状況も把握できるようになっています。対応金融機関は1,500種類ありますので、よく利用する金融機関を一元管理する上でも便利です。
マネーフォワード ME
節約のためのヒントを得たい人は、マネーフォワードがおすすめです。
家計簿をつけていくことで、平均的な支出データから割り出した理想的な家計をアドバイスしてくれますので、支出の対前月比や削れそうな支出を確認したい人に適しています。
高額な支払いがあった場合にアラートを表示するMY通知機能など、スマートフォンのメリットを活かした家計簿管理ができる点が魅力です。
連携可能な金融機関が2,580種類と家計簿アプリの中でも群を抜いて多いのもメリットの1つです。
家計簿をつけることをきっかけとして、節約に本腰を入れたい人はマネーフォワードを利用してみるといいでしょう。
家計簿Dr.Wallet
Dr. Walletはレシートの撮影機能が使いやすく、買い物をした際にレシートを撮影するだけで入力の手間を省くことができます。
撮影したレシート情報は自動読み込みではなくオペレーターによる手入力ですので、読み取り結果の間違いがほとんどなく、高い精度で家計簿に反映することができます。
多くの家計簿アプリは電子マネーやクレジットカードとの連携を前提に作られているものが多く、キャッシュレスではなく現金払いの人にとっては入力の手間がかかってしまうことがあります。
その点、Dr. Walletは支払方法を選ばずレシート撮影のみで利用できるため、日ごろ現金による支払いをする機会も多い人にとっては手軽に利用しやすい家計簿アプリと言えます。
家計簿を続けるためのポイント
- 細かく記録し尽くすことにこだわらない
- お金を貯める目的を決めるなど具体的な目標を掲げる
- 到達しやすい目標を決めて達成感を味わう
家計簿はできるだけ細かくつけることが大切ですが、支出を仔細に記録し尽くすことにこだわりすぎてしまうと、家計簿をつけるという手段が目的化していく恐れがあります。
家計簿はあくまで支出の傾向を把握するためのツールですので、1つ1つの記録の正確さ以上に続けていくことに意味があります。
続けることが苦痛になってしまうようでは本末転倒ですので、まれに記録漏れがあったとしてもあまり気にしすぎないようにしましょう。
お金を貯める目的や達成しやすい目標を掲げるのも、家計簿を継続する上で有効な方法です。
「海外旅行に行くために○○万円貯める」といった具体的な目標があれば、目標額までの達成度が分かりやすくなりますし、「レシートはその日のうちにアップロードする」などの行動目標があれば記録を続けやすくなります。
達成感を味わうことで家計簿をつけることを楽しめるようになることが、継続するための近道と言えるでしょう。
まとめ)上手に貯蓄するためのツールとして家計簿を使いこなそう
家計簿そのものはずっと昔からあるものですので、着実に貯蓄していく上で効果的であることはほぼ間違いありません。重要なのは、家計簿をツールとして使いこなし、かつ途中でやめてしまわず継続することです。
今回紹介したアプリなどのツールを利用して、まずは家計簿をつけることを習慣化していきましょう。
家計簿をツールとして使いこなすことができれば、上手に貯蓄するためのヒントが見つけることができ、家計簿をつけることが楽しくなっていくはずです。
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