【朝礼ネタ】学習・インプット方法について
[最終更新日]2022/12/15
日本人の健康寿命が長くなるにつれて、定年退職の年齢も60歳から65歳となり、さらに将来的には70歳まで引き上げられる可能性があるとも言われています。
大学卒業から数えれば実に48年もの歳月を現役で過ごす時代に突入しつつあります。
変化が激しい現代社会において、これだけ長期間にわたって働くとなれば、社会人になってからも学ぶ姿勢を持ち続けることが必須条件になった、と言ってもいいでしょう。
そこで、新たな知識を吸収するための「学習方法」について、朝礼スピーチのネタを紹介します。
急いでいる方は気になるネタを押してください。
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朝礼のネタ:学習を深めるには学んだことのリセットが必要!?
今日は「学んだことを捨てる。そうすれば学べる」というお話をします。「一体何を言っているんだ?」と思われたかもしれません。
新しいことを学ぶのはどうも苦手だ、と感じている方にも、何かのヒントになるかもしれませんので、1分間ほどお付き合いください。
あるところに、Aさんという人がいました。Aさんは管理職で、とても勉強熱心な方です。
ところが、自分とはタイプの違った部下が異動してきた頃から、部下とのコミュニケーションに悩み始めていました。
勉強熱心なAさんは、どことなくギクシャクしている部下との関係を良好にしたいと思い、平日の業務後と休日のたびに書店に立ち寄り、いろいろな本を買っては読んだそうです。
コミュニケーションのノウハウを説いたビジネス書も、心理学の専門書も読みました。が、いっこうに部下とのコミュニケーションは改善される兆しがありません。
あるとき、Aさんは取引先の若い管理職のBさんと会食し、同席していたBさんの部下との会話を聞いて衝撃を受けます。
Bさんの部下は、まるでBさんのことをからかうように軽い冗談を言い、Bさんも慣れた様子で「いつもこんな感じでいじられているんですよ」と笑い飛ばしていたのです。
Aさんは思わず、「部下とのそういうコミュニケーションの仕方は、どの本にも書いていなかった」と言ったそうです。すると、Bさんからこんなひと言が——。
「何でも本に書いてあるわけではないですからね」
Aさんは大きなショックを受けると同時に、これまでの自分の思い込みに気づきます。
「本を読めば解決策が見つかるはずだ」「上司は上司らしく振る舞わなくてはならない」——もしかしたら、どちらもAさんの思い込みに過ぎなかったのかもしれません。
さらには、異動してきた社員たちへの苦手意識さえも、Aさんが自分の中で築き上げた偶像だったのかもしれないのです。
学ぶことは大切ですが、時間が経つにつれて知識が古くなったり、思い込みとして凝り固まってしまったりする場合もあります。
こんなとき、あえて学んだことを捨て、いったんフラットな状態から考え直してみるといいかもしれません。このように学びをリセットすることを「アンラーン」とか「学習棄却」と呼ぶそうです。
学んだことを捨てる。そうすることで新たな学びがある。このアンラーン、学習棄却の考え方を、どこかで活用していただけたら幸いです。
朝礼スピーチのコツ)スピーチの冒頭で「期待感」を演出する
広告業界では、チラシやDMは「手に取って1秒」が勝負と言われています。見込み客は、自分にとって必要な情報かどうかをじっくり読んで判断するのではなく、目にした瞬間の直感で判断しているのです。
同じことが朝礼スピーチにも当てはまります。自分にとって有益な情報か、聞く価値のあるスピーチかどうかは、冒頭の数秒間で判断されてしまいます。
そこで、冒頭で「これは役に立ちそうだ」「何か面白そうな話だ」といった「期待感」を持たせるような演出を加えることが大切です。
- 一般的な常識とは違ったことをあえて言う
- 「〜に困っていませんか?」と自分事として捉えてもらう
- たとえ話から入る
こういった工夫を加えることで、スピーチの冒頭で聞き手に期待感を持たせ、「スピーチの内容を聞いてみたい」という姿勢になってもらうことができるのです。
朝礼のネタ:「人に教える」ことが最高の学習方法
皆さんは、何か新しいことを学ぶとき、どのような工夫をしていますか?今日は、「教えることが最高の学習方法」というお話をさせていただきます。
私の所属している広報部には、今年の春から2名の新入社員が配属されています。
今まさに実務を覚えてもらっているところなのですが、2人には「引継書を作りながら仕事を覚えてほしい」と依頼しています。私がいつクビになってもいいようにするためです——というのは冗談で、こうすることによって学習スピードが速くなるからなのです。
勉強でも仕事でもいいのですが、人に教えた経験があればピンとくると思います。
自分が分かっているということと、他の人に説明できるということは、次元が違うぐらい理解度に大きな差があるのです。人に説明するとなると、順を追って伝える必要に迫られます。
そのためには、知識を整理し、体系化していかなくてはなりません。
感覚的に分かっているだけではダメで、文書にまとめるために言語化したり、場合によっては図解したりする必要があるかもしれません。
この過程で頭の中が整理され、曖昧だった点や重要な箇所がより明確になっていくのです。皆さんも、何か新しいことを学ぶときには「人に教える」ことを前提に覚えていくと、結果的に効率よく学べるはずです。
ぜひ、人に説明するときのためにノートにまとめたり、見やすく図にまとめたりしてみてください。
教えることが最高の学習方法、という今日のお話を、どこかで役立てていただけるかもしれません。
朝礼スピーチのコツ)スピーチの結論は仕事や職場に関係するのが理想!
朝礼スピーチの構成を考えるにあたって、十分な時間が確保できるとは限りません。
そこで、ある程度の「得意パターン」をテンプレートとして持っておくことは、スピーチの構成を考える時間を短縮する効果があるだけでなく、伝わりやすく聞き手にとっても負担の少ないスピーチにすることにつながります。
典型的なテンプレートとして、具体的なエピソードに紐付ける方法があります。構成はシンプルで、
- 〜という体験をしました。
- この体験を通して〜について考えました。
- 今日のテーマである○○を考えると、もっと〜すべきだった、と思います。
といったように、テーマと関連するエピソードを伝えたのちに、その日のテーマに紐付けていくのです。
このテンプレートの最大の長所は「エピソードさえ見つかれば、スピーチのアウトラインが完成する」点にあります。
時間がない人や、スピーチに苦手意識がある人は、この方法を活用してみましょう。
朝礼のネタ:新しい情報を覚えやすくなる「インターリーブ(同時並行)」
皆さん、英語は得意ですか?今までに「英語を話せるようになりたい」「英字新聞を読めるようになりたい」と思って勉強を始めてみたものの、しばらくして挫折してしまった、という過去を持つ人もひそかにいるのかもしれません。
今日は、新しいことを覚えるときに有効と言われているインターリーブ法という学習法についてお話しします。
インターリーブとは「同時並行」という意味です。つまり、何か1つのことに集中的に取り組むのではなくて、いくつかのことを並行して進めたほうが早く覚えられますよ、というわけです。
よく、海外でしばらく生活すると英語が話せるようになると言われることがありますが、これはなぜなのでしょうか?
もちろん、話せないと生活に支障をきたすので必死に伝えようとするからなのですが、それ以外にも理由があります。
皆さんは、もし英語しか通じない地域に放り出されたとしたら、どうするでしょうか?
「まずは単語を覚えて、それから文法を勉強して、次に会話表現を覚えよう」などとは考えないですよね?とにかくまずは会話が成り立つように練習するはずです。
この「会話すること」の中には、実は文法や表現、リスニングの要素も含まれています。
実際に会話をするということは、言葉を総合的に学ぶために必要な能力を総動員しているわけです。人間の能力は不思議なもので、単語を覚えてから文法を学んで、といったように単体で学ぶよりも、いくつかのことを並行して進めたほうが、それぞれの特徴を捉えやすくなり結果的に学習スピードが速くなるらしいのです。
皆さんも、英語に限らず新しいことを学ぶときには、いくつかのことを並行して同時に学ぶ方法を意識してみてください。
朝礼スピーチのコツ)ギャップを意識することで意外性をもたせる
朝礼スピーチのテーマは、たいてい仕事に関連する堅い話題であることがほとんどです。
そのため、全体的に真面目な印象を持たれやすく、印象に残りません。
スピーチの内容そのものを忘れられてしまっては、のちのち思い出して役立ててもらうこともできませんので、記憶に残りやすいスピーチを意識することが大切です。
記憶に残りやすいスピーチにするには「ギャップ」を意識しましょう。
ビジネスに関連する話のはずが趣味のキャンプの話から入ってみたり、ふだん家族のことを話題にしない人が子どもの話をしたりすると、意外性が感じられて印象に残りやすくなります。
もちろん、スピーチの主題と全く関係のない話をするのはNGですが、どこかでスピーチの内容へとつなげることができれば、「キャンプの話をしていたときのスピーチ」として、聞き手にとって思い出しやすいスピーチになるはずです。
朝礼のネタ:インプットをより良いアウトプットに繋げるには?
学習効果を高めるために、アウトプットが重要とよく言われます。
しかし、私はアウトプットが非常に苦手です。学んだばかりのことをアウトプットするのは、どこか気が引けるのです。
そこで今日は、インプットを良いアウトプットにつなげるために私が心がけていることをお伝えしようと思います。
まず、私がアウトプットが苦手な理由として、「完成形としてのアウトプット」を目指そうとしてしまうことが挙げられます。
たとえば「決算書の読み方」を学ぶとして、隅々まで完璧に理解するまでアウトプットは不可能なのではないか、と感じてしまうわけです。
しかし、私は会計の専門化になるために勉強するわけではないのですから、たとえば「キャッシュフローが悪化して黒字倒産しかねない状況になっていないか」を確認できればいいのであれば、学ぶべきポイントが明確になり、アウトプットにもつなげやすくなります。
このように、効果的なアウトプットとは「つまみ食い上手」になることとも言えます。
全体像が完璧に把握できていなくても、物事の「感じ」がだいたい分かり、あとは自分が知りたいポイントに絞って学び、目的を持ってアウトプットすればいいからです。
インプットによって得ようとしている情報が明確になり、アウトプットにつなげやすくなれば、必然的に学習スピードが上がりますし、学習効果も高くなりやすいでしょう。
自分にとっても負担感が少なくて済みますので、これからも「つまみ食い上手」を意識しながら、新しい学びに挑戦していきたいと思います。
朝礼スピーチのコツ)壮大な話にせず小さな気づきを得られる内容にする
元宝塚歌劇団の真矢ミキさんは、今となっては知らない人はいない有名人として成功されていますが、宝塚卒業後に全く売れない下積み時代がありました。
この話をスピーチで引き合いに出すとして、「成功するための秘訣」のような壮大な話をしても、かえって空回りしてしまい伝わりにくくなるはずです。
しかし、「はじめはうまくいかなくても、粘り強く続けることが大切」という話であれば、誰にでも思い当たる節のある話題として共感を得やすくなります。
このように、時間の制約がある朝礼スピーチだからこそ、スケールの大きな話を引き合いに出したときほど「小さな気づきを得られる内容」でまとめるのがコツです。
こうすることでスピーチ全体が謙虚な印象になりやすく、好感を持たれるスピーチになるでしょう。
朝礼スピーチで「学習」をネタにするとき知っておきたいこと
「学習」について朝礼スピーチで取り上げる際に意識しておきたいこととして、そもそも「学習」というテーマに対して抵抗感を示す人が少なからずいるという点が挙げられます。
学ぶことそのものが楽しく、自分から前向きに取り組める人ばかりではありません。
学習をテーマとしてスピーチを構成する人自身が、比較的学ぶことが好きであるケースは少なくありませんので、聞き手との間に温度差が生じやすいことに注意が必要です。
朝礼スピーチで「学習」をネタに話す場合は、次の点を意識しておきましょう。
学ぶ習慣のない社会人は多い
社会人になってからも学び続けている人は、雇用者全体の3割程度とも言われています。
裏を返せば、全体の7割程度の人は学ぶ習慣がなく、日頃から「学習」を通じて新たな知識や情報を得ることができていないわけです。
日常業務の忙しさなどさまざまな原因があると考えられますが、原因の1つとして「学ぶことでどのようなメリットが得られるか」が明確になっていないことがありそうです。
「学ぶ」と聞くとどうしても学生時代までの受験勉強など、つらく苦しいイメージが想起されやすく、積極的に取り組みたいという意欲が削がれてしまうのでしょう。
つらく苦しいことをするぐらいなら、別の楽しいことに時間を使いたいと考えるのは自然な心理です。
そこで、学ぶことで得られる具体的なメリットを伝えることによって、ネガティブなイメージを持たれやすい「学び」にまずは関心を寄せてもらうことを意識しましょう。
単に「役に立ちます」「知っておいて損はないです」というだけでは、なかなか人は学ぼうとしないものだ、という考えを頭の片隅に置いておくことで、より具体的なメリットを伝えなくてはいけないという発想を持ちやすくなるはずです。
目的を明確にして学習することが重要
「学習」と聞くと、「いつか役立ちそうだから勉強しておこう」といった漠然とした意識を持つ人も少なくありません。
実際には「いつか」のために時間を割いて勉強に充てるほど余裕のある社会人はめったにいないので、結果的に長続きせず、「学ぶことはつらくて大変だ」というイメージをさらに助長させることになってしまいます。
とくに社会人になってからの学びは、なぜそれを今学ぶ必要があるのか、が明確になっているからこそ学ぶ意義があります。
たとえば「英語が話せるようになりたい」という思いだけでなく、「グローバル企業の○○社に転職したいから」「英文記事を読めるようになってブログでいち早く海外メディアの情報を発信したいから」といった具体的な目的があるからこそ、学びに向かうための時間を確保し、いつまでに何を終えるべきかを明確にしておく必然性が生まれるのです。
朝礼スピーチで学習を取り上げる際にも、漠然と「学ぶことは良いこと」と伝えるだけの話に終始していないか、スピーチの構成を考えた後で自己チェックしておくといいでしょう。
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