上司からの心に響いたひと言:「すべて必要な悩みだと思う。」
[最終更新日]2022/12/15
「すべて必要な悩みだと思う」
けんさん(男性 36歳)
- 職業
- 社会労務士
- 職種
- コンサル
- 年収
- 非公開
- 従業員規模
- 非公開
- 地域
- 鳥取県
Index
目次
「いつか独立」を胸に抱えながら。
私は現在、社会労務士として勤めています。
仕事柄、詳しい内実についてここでお話しするのは控えさせていただきたいのですが、
色々としがらみの多い仕事です。
顧客のために一生懸命に動いても、
当の顧客からはネチネチと嫌味のようなことを言われたり。
職場は職場で、あまり良い人間関係とは言えません。
そのような環境下での私の仕事へのモチベーションは、正直言って「低い」状態でした。
経営者の悩みを聞いて、その解決策を提示する。
その仕事自体には誇りを持っています。
顧客に感謝の言葉をかけられた際は、素直に「この仕事をしていてよかった」とも思います。
しかし私の本音は、もっと自分の裁量で仕事をしたいということ。
顧客第一に考えて、「これはできて、これはできない」といったことを、なるべく無い環境で働きたい。
つまりは、独立して自分の事務所を持ちたい、というのが目下の目標になります。
そのためには今、どう行動していけばいいのか。
そのための具体的な策が思いつかず、フラストレーションを抱えてもいました。
ちょっと、この人にはあまり近づきたくないな……。
私の上司は30代後半の男性社員です。
役職は「課長」になります。
あまり見た目に気を遣わないタイプの人で、職場の女性社員からの人気はあまりありません。
かくいう私も、初めて会ったときは、
- 私
-
(ちょっと近づきがたいな……)
と思ってしまっていました。
ですが、仕事はとてもできる方です。
部下の気持ちを察して、的確なアドバイスをしてくれたりします。
心に響いたあのひと言。
私が今後のキャリアへの大きな壁を感じ、モチベーションが著しく下がっていた時期のこと。
私が抱えている顧客への「提案」が、会議にてあっさり却下されてしまったことがありました。
当然落ち込みます。
独立への気持ちが高まるばかりではなく、
- 私
-
(自分はこの仕事に向いていないんじゃないか)
そんな不安も膨らんできていました。
- 上司
-
「かな(私の仮名)さん、ちょっといいかな?」
上司に声をかけられ、MTGを行うことに。
- 上司
-
「ショックだったでしょ、提案が一蹴されて」
- 私
-
「はい……」
- 上司
-
「でも、今が辛抱の時だよ」
しかし私はそうは思えず、複雑な心の内を、上司に向って打ち明けました。
今の会社の保守的な方針に賛同できないこと。
独立して自分の事務所を持ちたいと思っていること。
しかし、自分にはその才能が無いんじゃないかと思っていること。
上司は黙って私の話を一通り聞いてくれたあとに、
- 上司
-
「その悩みはとてもいいことだよ。それだけ顧客のことを考えられているって証拠だし、自分のことも客観的に見る努力をしてる。資質が無いなんて、俺はまったく思わないよ。全部、かなさんの将来にとって、必要な悩みだと思うな」
その一言で、すっと心が軽くなったというか、
上司の言った言葉が、全部実感を伴って自分の中に下りてきた心地がしました。
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そのひと言のおかげで、私は。
やりたいことが叶えられるようになるまでは、辛抱の時。
そして、その辛抱は決して無駄にはならない。
上司のひと言から、私はそんなメッセージを受け取った気がしました。
それからは私自身、一皮むけたといいますか、腹を括ったといいますか、
顧客からの無茶な要求や、職場の理不尽な要求に関しても、
以前よりも腹を立てたり心を乱したりすることなく、うまく自己処理ができるようになったと思います。
誰かのたった一言で、ここまで行動や考え方に変化が生まれたのは、初めてかもしれません。
上司には、とても感謝しています。
今後、私が目指したいこと。
その後しばらくして、上司は別会社へ転職をしました。
同業他社で、いわば「ライバル関係」とも言えます。
私は目下、独立に向けて努力を続けている状況ですが、
たまに仕事が行き詰ったり、アドバイスが欲しい時には、その上司に連絡を取り、相談に乗ってもらっています。
私も今後、自分が代表となって組織を動かしていく立場になれたとしたら、
この上司の姿を目指していきたいと思います。
自分の目標のために邁進するのも大切ですが、
その目標は、できれば部下の目標ともイコールであれば嬉しいです。
そんな一体感を持った会社を創れるよう、今はもう少しこの環境で頑張ってみようと思っています。
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