管理職体験談:腹を張って話して見えた、部下の本当の気持ち。
[最終更新日]2022/12/15
大手情報サービス会社の子会社に勤めています。
数年前に営業課長になりました。
マッキーさん(男性 45歳)
- 職業
- 情報サービス
- 職種
- 営業課長
- 年収
- 550万円
- 従業員規模
- 30人
- 地域
- 東京都
Index
目次
管理職としての私の仕事。
私の仕事は、営業課の予算管理と目標達成のための施策が主です。
もちろん、必要に応じて部下の相談に乗ったり、指導をしたりといったこともしています。
完全なマネジメント的立ち場ではなく、私もプレイヤーとして顧客を受け持っています。
家庭では、中学生の息子と妻と共に暮らしています。
子を持つようになってから性格も随分と変わり、自分では穏やかな人間だと思っています。
管理職になる以前は、管理職=指揮官というイメージでした。
責任も重そうだし、どちらかといえば避けたいポジションでしたね。
「あの人は”なんちゃって課長”だね」
私が今の会社に勤め始めたのは約5年前です。
転職と同時に役職を与えられ、上司からは「幹部候補だぞ。よかったな」と言われていました。
しかし、実際には今の待遇に私は満足がいっていません。
年収はよその会社の幹部候補だとしたらもっともらえているでしょうし、
管理職のため残業代はつかず、有休も使えない。
そしてあろうことか、経営会議には課長以上の人間しか出席を許されておらず、
私は管理職でありながらオフィスにて待機をしなければなりません。
- 部下
-
「あの人は”なんちゃって課長”だね」
そんな部下の陰口が聞こえたこともあります。
怒りと、情けなさと、悲しさ、色んな感情が駆け巡りました。
二人きりの本音の飲み会。
私の陰口を言っていた部下は、その後も事あるごとに私に盾を突いてきました。
もはや、私への嫌悪感を、隠す気はない様子でした。
これは上司として、そして私のプライドとしても、なんとかしなければいけないと思いました。
私は思い切ってその部下を、サシの飲みに誘ったのです。
部下は一瞬、怯んだような顔を見せましたが、その後挑むような目つきで
- 部下
-
「いいですよ、行きましょう」
となったのです。
金曜の、混みあうチェーンの居酒屋の一席。
私と部下はしばらく無言で酒を飲み続けていました。
沈黙を破ったのは私です。
- 私
-
「俺のことが嫌いか? 別に嫌いでも構わない。ただ、職場の雰囲気を乱すような真似はするな」
すると部下は、
- 部下
-
「私は出世がしたいんです。だけど、課長のあなたを見ていると、この会社で出世をすることが不安になってくるんです。もっと、課長には声を上げて上層部とやりあってほしいと思っています。だって、おかしくないですか? 課長なのに会議にも出れないなんて」
正直、意外な返答でした。
彼は私への不信感というよりも、組織全体への不信感を募らせており、
その行き場のない怒りを私にぶつけるしかなかったようでした。
それからはよく飲みに行く中になりました。
私に言えることは少ないかもしれませんが、キャリアに関するアドバイスをしてやったりもしました。
部下との関係は、随分と良好になったと思います。
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私の理想の管理職像。
たしかに、今の会社の体制には、私も不満を抱いています。
しかしどこかで「仕方がない」と諦めてもいた。
その姿は、部下から見るとひどく情けないものに映ったでしょう。
部下の声を届けられるのは、上層部との間に立つ管理職です。
その管理職が声を上げずに、部下の声に耳を傾けることもしない。
当時の私は管理職として失格だったと思います。
私が以前に抱いていた「管理職=指揮官」、そのイメージはあながち間違いではないのかもしれません。
部下を導いていける指揮官に、私はなりたいと思っています。
今後、私が目指したいこと。
管理職は泥臭い仕事です。
もしまだ管理職ではなく、管理職に対して「楽な仕事」というイメージを持っている方がいましたら、それは大きな間違いです。
体制への不満を抱え、時には部下から生身の言葉をぶつけられる。
管理職になるとその双方への気持ちが理解できるようになります。
そのはざまで、管理職は戦っていかなければいけないのです。
今後はより一層、部下の声に耳を傾けていきたいと思っています。
その部下がやがては出世し、よりよい組織を作っていくと信じています。
もちろん、今できることは私が体を張ってやっていきます。
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