管理職体験談:不測の事態に耐えるのは、強い組織だけ。
[最終更新日]2022/12/15
とあるITベンチャー企業の、開発部のEngineering Manager(一般企業の部長相当)を担当しています。
仕事の内容としては、たくさんのユーザーからデータ取得要求に耐えられるような高速で安定したサーバーを構築、運用する部隊のマネージメント、ならびに技術的なリードを行っています。
dapingさん(男性 42歳)
- 職業
- ITエンジニア
- 職種
- Engineering Manager
- 年収
- 1,000万円
- 従業員規模
- 100人
- 地域
- 東京都
Index
目次
管理職としての私の仕事。
私は性格はかなり真面目な方だと思います。
完璧主義者的な部分があり、仕事に関してはこだわって高いクオリティのものを出せないと満足できません。
ものづくりにやりがいを感じる一方、仕事人間だなと感じることもあります。
管理職になる前は現場のリードエンジニアとしての職務が多く、
- 私
-
(マネジメントをすることになると現場の技術に触れられなくなるのかな…)
と感じていました。
しかし実際になってみると、組織の管理もしつつ、会社全体を自分が描く理想像に導くことができる、という仕事にやりがいを感じるようになりました。
私への不満をSNSで発信する部下。
一番印象に残っているのは、自分の担当するチームが崩壊寸前になったことです。
私も自分の抱える仕事に手一杯になり、チームメンバーのケアが不十分だった時期があったのです。
その際に、部下が不満を爆発させて、私の悪口を社内のみならずTwitterなどのSNSであることないことを発信しまくる、という事件が起こりました。
よくよく周りの人たちからヒアリングをしてみると、彼がそのような行動を取った理由は2つ。
一つは、プライベートで付き合っていた彼女とうまくいかず精神的に荒れてイライラしていたこと。
二つ目はそのはけ口を探していたときに、たまたま私が彼にあまり目をかけてやれていなかったこと、そんな状況で私が発した軽口が気に触ったこと、でした。
最終的には、本人と何度か個別に面談をし、会社や組織を良くしていきたいこと、皆が働きやすい環境にしていきたいこと、今までケアが不足していたことへの反省などを伝えました。
しかし本人は、憂さ晴らしで書いた悪口への罪悪感と羞恥心もあったのか、そのまま退職をしていきました。
結果として原因は「管理職としての自分」にある。
その部下は、私の知り合いがいる会社に転職をしていきましたが、後日その知り合いから
- 知人
-
「お前のとこの会社にいた彼さ、SNSで会社の悪口書いてクビになったよ」
と聞かされました。
どうやら彼は、新しい場所でも気持ちの折り合いをつけることができなかったようです。
その出来事から、チームのマネジメントを司る人間としては、やはり一緒に働くメンバーのケアをちゃんとしないといけない、ちゃんとその人の立場に立って接してあげなければいけないなと学びました。
このような事態が発生した要因は、彼のプライベートが起因であっても、仕事のケアをできてなかった事については私に責任があります。
私がもう少し彼のことを気にかけてあげていれば、状況も少しは変わったのではないかと思ってしまいます。
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私の理想の管理職。
最終的には、組織のメンバー皆が幸せに働けることが一番大事で、そのような環境を作り上げられる人、提供できる人が理想的な管理職だと思っています。
皆それぞれの動機や理由で会社に入り、たまたま私と一緒に働くことになったわけです。
その人生の偶然の中で何かしら得るものを感じてもらい、自分が仕事へやりがいを感じてほしい。
そして今後の人生に彩りを加えていってほしい。
それが、私が管理職としてやっていくべき務めだと思っています。
そんな環境を作り上げるためには、各メンバーを信頼することがとても大事だと思っています。
山本五十六が
- 山本五十六
-
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」
という言葉を残していますが、これは私の理想と限りなく近く、こんな感じでメンバー皆をモチベートして、自律的に動くようにできる管理職を目指したいものです。
今後、私が目指したいこと。
今後取り組もうと思っていることがあります。
それは、強い組織を作ること。
エンジニアの世界は、一人の優秀なエンジニアが他の100人が束になってもかなわないような成果を出すことがあったりします。
それが故に、優秀な人になればなるほど、我が強く協調性がなく、他人に対して攻撃的な人が多くなる傾向があるのです。
本人もそれが当たり前だと思ったりしています。
ただ、そういう人に依存すると、チームが疲弊し、離職者も増えますし、チームも長続きしません。
そしてその優秀な人が辞めたとしたら、瞬く間ににチームが壊れてしまいます。
強い特定の個人に依存するのではなく、皆が自律的に物事を考え、自然と協力し支え合い、前向きに働けるチームこそが、大きな成果を安定して出せると、私は信じています。
ですので、そのような組織を作り上げていけるよう、管理職として働きかけていこうと思います。
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