管理職・マネージャーの会食接待において、必ず押さえておきたいマナー9か条!

[最終更新日]2023/11/06

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デートを理由に上司からの誘いを断る“ゆとり世代”が出現し、イマドキの若者たちにとって「接待」は泥臭いだけの不要なものと受け取られがちです。ライフワークバランスが重視される昨今、時間外勤務についての美徳は古いという考え方が主流となりつつあります。

しかし、「接待」は「会食」という名に変わり、ビジネスには欠かせないという見方は根強くあります
コミュニケーション能力が問われる時代だからこそ、スムーズに「会食」の場回しが出来るマナーを知っておくべきなのです。

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目次

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そもそも、「接待」とは何のためにあるのか?

接待」という言葉を聞くと、高級料亭や政治的なイメージが拭えず、不信感を抱く人もいるでしょう。
休日返上、精神的負担といった不満や不安もつきまといます。

ですが、なにも「接待」は特別なものではありません。

ビジネスにおいて、接待は「おもてなし」。
円滑なコミュニケーションを可能にし、信用・信頼を得るために有効な潤滑油のひとつだと心得てください。
そこで必要なのが、相手を不快にさせないマナーと感謝の気持ちなのです。

ビジネスにおける会食&接待の必要性

会食接待のメリットは、相手をより深く知ることができる点にあります。

不必要に相手を持ち上げ、いい気持ちにさせるためのものではなく、相互親交のもと信頼関係を高めるという目的があるのです。

取引先やクライアントの担当者をもっと知りたいと思っても、限られた時間の中ではなかなか込み入った話をすることは難しく、その人となりや主義主張を把握できません。

ですが、会食接待の場においては、ふだんよりはゆっくりと腹を割って話をしたり、プライベートな話題で盛り上がったりすることも可能です。

仕事抜きの付き合いが、新たな仕事をもたらしてくれることも少なくないのです。

互いを理解し、親交を深めることで、ストレスなく効果的に仕事を進めていくことができれば、引いては会社の収益を上げることへと繋がります。その社会貢献こそが、会食接待が必要とされる理由です。

「接待は不要」と考える人もいる

人付き合いが不得手で、お酒が苦手な人にとっては、会食接待は苦痛でしかないでしょう。

「ノミュニケーション」文化を不毛だとする声も時代とともに増えつつあります。

外資的な考え方の強い会社では、時代錯誤な慣習だと受け取られ、プライベートな時間を削る必要はないとするケースも珍しくありません。

たしかに、会食接待をせずとも商品自体のポテンシャルで勝負できるなら、それに越したことはないのです。

また、会食接待は、内閣府が推進する『ゆう活』(昼の時間が長い夏、朝型勤務にシフトチェンジすることで夕方を愉しく活かす働き方のこと)の妨げになる恐れもあると懸念されています。

仕事の延長線上で必要以上に気を遣いながらお酒を酌み交わすことに魅力を感じないという意見があることも念頭に置いて、会食接待に臨んでください。

顧客や上司から会食接待に「誘われた」ときに意識したいマナー4つ

おもてなしを受ける側として、最も大切なのは「美味しく食べて(呑んで)、場を楽しむこと」。

料理を多く残したり、場の空気を悪くしたり、吞み過ぎて迷惑をかけるようなことがあってはいけません。

「第二印象」のための事前準備を怠らない

見た目の第一印象はもちろんのこと、会食接待においては「第二印象」も大変重要です。

第二印象は、情報の把握と現場での気遣いに尽きます。先方の会社の近況や体調、当日の天候および交通状況などを事前に調べておくと、会話のネタに困りませし、知らずに口にしたことで相手を不快にさせる心配もなくなります。

たとえば、夜半から雨の予報であれば予め傘を用意しておけて、濃やかな心配りで好印象を与えられます。

TPOに合った身嗜み

身嗜みは基本中の基本。お呼ばれする場合は、とくに招待者に失礼のないよう同席者や会場に相応しい恰好を意識することが大切です。

男性はもちろん、女性も基本的にはダーク系スーツを着用(その場合、ジャケットの釦はすべて留めること)。

清潔感のある装いで、アクセサリーは控えめに。先方より高級なものは身につけないのが暗黙の了解です。

とはいえ、クーズビズなどを採用しているなど、季節や業種によっても異なりますので、あくまでも目安として知っておきましょう。

相手の予算を慮る

会食接待には、予算がつきもの。

相手の立場に立って、ほどほどの価格と量に収める節度ある注文を心がけてください。

時価の旬の食材やワインなど価格が分からないものを選ぶときには、相手や店側にお任せするのが安全

ワインなら、「お料理に合うおすすめのものを」とソムリエに伝えるのもスマートです。

ソムリエ不在の場合は、極端に高額なものを除いてメニューリストにある価格の真ん中くらいのものを選ぶといいでしょう。

自己判断は要注意

顧客から会食接待としてお誘いを受けた場合、まず上司に相談しましょう。

出欠の返答について自己判断は避けること。また、決定権を持たない事項について口約束を交わして後で問題になっては大変ですから、接待中の軽率な判断にも注意が必要です。

さらには、丁寧な扱いを受けても謙虚さを失わないように気をつけておきましょう。また、接待後はその場での出来事や手土産について上司への報告も忘れないでください。

顧客や上司を会食接待に「誘う」ときに意識したいマナー4つ

おもてなしを供する側として忘れてはならないのが、「いかに相手に心地よく過ごしてもらえるか」ということ。ホストとして和やかな雰囲気づくりを心がけ、そのために必要な準備は整えておきましょう。

お店選びは慎重に

会食接待においては、「店=自社」という意識を持っておかなければいけません。

お店選びの失敗は、思わぬ悪評価を招くことにもなりかねません。そのため、事前リサーチは必須です。

料理の味だけでなく、駅からのルート、客層、照明やBGM、個室の有無、サービスの質にお化粧室の環境など、行ってみないと分からないことを確認しておくと安心です。
どうしても実際に足を運べない場合は電話での問い合わせを。

場を盛り上げる段取りを

少なくとも2時間以上は空間を共にする会食接待の場において、食事中の会話は何より重要です。

メンバーや目的によっても異なりますが、大事なのは「喜んでいただくこと」。

失礼のない言葉遣いは当然のことながら、その場を盛り上げる話し方や会話の選び方を身につけましょう。

誰もが知っている話題から入り、共通の話で共感を生み、そこから個人的な趣味や好きなものなどについて語り、心開き合うことで信頼関係を構築しましょう。

飲み過ぎ注意!

会食接待の場は、友人との飲み会とは違います。

自身がお酒を楽しむ場ではなく、あくまでも接待相手を楽しませることが役割です。

どんなにフランクな間柄でも、「接待は仕事」という意識で臨み、飲み過ぎてしまったり、自分の言いたいことばかりしゃべったりしないように気をつけましょう。

また、接待中は最初から最後まで、相手への目配りや気働きが大事です。食事やお酒のの進み具合には常に気にかけて行動することが求められます。

お会計はスマートに

デザートを食べ終える頃、タイミングを見計らってトイレに立つふりをしてお会計を済ませます。

戻ってきて、10~15分ほど食後のお茶をいただきながら歓談し、お開きにするのがいいでしょう。

その際、「みなさん、明日のご予定もあるかと思いますのでそろそろお開きといたしましょう。今日は貴重なお時間を頂戴し、ありがとうございました」といった終了の挨拶を忘れずに。別れ際に渡せるように、お手土産を用意しておくと完璧です。

翌日のお礼メールを忘れない!

お礼のメールやメッセージは、感謝の気持ちを伝える手段。

接待から日が開いてしまっては、伝えたい想いも伝わりづらくなってしまいます。

昼間に接待を受けた場合は当日中に、夜の場合なら翌日には届くように送っておくのが肝心です。

そもそも、会食接待のお礼は正式には手紙で伝えるもの。
ですがビジネスシーンにおいては、タイムラグがなく、すぐに相手に届くメールが最適。とはいえ、文面はお礼状に沿ったものにするのがマナーですが、内容は少し大げさに感じるくらいにうれしい気持ちを表現しても、メールであればあまり違和感がありません

加えて、近年ではオフィスのパソコンよりも出先のスマートフォンやタブレットで確認するというケースも少なくないため、簡潔に読みやすくて伝わりやすい文章を心がけてください。

会食接待後のお礼メールサンプル

相手から誘われて、ごちそうになった場合

 【お招きの御礼】

 いつもお世話になっております。
 株式会社○○○○の××でございます。

 さて、昨晩は本当にありがとうございました。
 貴重なお話をお聞かせくださり、新プロジェクトの方向性が
 掴めてきて、心強い限りです。
 すっかりごちそうになってしまい、重ねて御礼申し上げます。
伺っていた通り、とろけるように柔らかいお肉の食感が
 まだ口の中に残っているようです。

 帰って家人にそのことを話したところ、
 大変うらやましがっておりましたので、
 今度は家族揃って訪れたいと思います。

 本来は、直接お会いして感謝の念をお伝えすべきですが、
 昨晩の感動をすぐに言葉にしたくメールを差し上げました。
 まずは取り急ぎ、御礼まで。
 またご一緒できる日を楽しみにしております。

 酷暑が続きます。どうぞお身体、ご自愛くださいませ。

自分が誘って、割り勘になった場合

 【お招きの御礼】

【食事会の御礼】

いつもお世話になっております。
株式会社○○○○の××でございます。

昨晩は長々とお付き合いくださり、ありがとうございました。
 貴重なお話をお伺いすることができ、大変勉強になりました。
とても有意義な夜を過ごせたこと、本当にうれしく思っております。

●●様のご趣味が登山とは存じ上げませんでした。
お話ししましたように私も最近マラソンを始め、
アウトドアにも興味があります。
ぜひ次回は、もっと詳しい体験談をお聞かせください。  

メールにて恐縮ですが、取り急ぎ御礼まで。
引き続き、何卒よろしくお願いいたします。

接待マナーを身につけてビジネスを円滑に進めよう

いかがですか? 少しは「接待」に対するマイナスイメージが払拭されたでしょうか。

会食接待は、仕事関係者と親密な信頼性を築くために欠かすことのできないコミュニケーションツールのひとつ。基本的なマナーを知っておくと、いざというとき心強いものです。

とはいえ、接待を苦手とする人に決して強要はしないこと。同席するすべての人が心地よく過ごせることを第一に考え、常に目的を忘れることなく、楽しく親睦を深めてください。

本記事が、みなさまの日々の業務遂行の参考となれば幸いです。

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