PC関連の知識が身につく資格・検定にはどんなものがある? 役立つ・実用的な資格を解説
[最終更新日]2023/03/11
現代社会では、ビジネスシーンでPCを活用することはほとんど常識になっています。管理職の皆さんも、日常業務でPCを扱っている人が大半でしょう。
しかし、本音では「PCにあまり詳しいほうではない」「技術的な話についていく自信がない」と感じている人も多いのではないでしょうか。
PCが得意なタイプの部下や同僚に、内心引け目を感じている人も少なからずいるはずです。だからと言って、今からPCに詳しくなるにはどうすればいいのか分からないこともあるでしょう。
今回は、PC関連の知識を身につける上で有効な資格について解説していきます。PCの基礎的な知識が身につき、かつ実務で役立てやすい資格を厳選しましたので、ぜひ参考にしてください。
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Index
目次
PC関連の知識を身につける上で資格が役立つ3つの理由
PC関連の知識を身につけると言っても、資格取得が本当にベストな選択肢なのだろうか——。
こんな疑問を抱く人も多いでしょう。
PC関連の知識を習得するための方法は、資格取得しかないわけではありません。
しかし、資格取得に向けて勉強する過程で得られる知識は、PCに詳しくなる上で大いに役立ちます。とくに次に挙げる3点は、資格取得によって得られる代表的なメリットと言えるでしょう。
実務で断片的に体得した知識が体系化される
日常業務でPCを使っている人でも、実務では特定の機能を集中的に使うケースがほとんどです。
そのため、普段はあまり使わない機能を活用する必要に迫られたとき、対処法が分からず戸惑ってしまう人が多いのです。
資格取得に向けて勉強する過程で、日頃あまり触れてこなかった知識も万遍なく学ぶことができ、断片的に体得してきた知識を改めて体系化できるというメリットがあります。
これまで感覚で使っていた機能を論理的に理解できる場合もありますので、PCを使いこなす能力がより確実に身につきます。「資格取得で学んだ知識は実務で役立つのだろうか?」と疑問を感じる人もいるはずですが、習得した知識は十分に生かせると考えていいでしょう。
ITに関する基本的な用語を幅広く学べる
PC関連の知識やスキルに自信が持てない理由の1つに、技術的な用語が独特で難解に感じられることが挙げられます。
分からないことを調べようとしても、インターネットで検索するための適切な用語が思い浮かばず、調べようがなかったという経験をした人もいるのではないでしょうか。
PC関連の資格取得に向けて勉強する中で、ITに関する用語を幅広く学ぶことができます。
用語が分かるようになると、調べる際の効率が高まるだけでなく、人に質問する場合にも適切な用語で伝えやすくなります。
また、IT系の用語は業界を問わず共通のものですので、顧客や取引先など社外の担当者と話をする場面においても的確な表現を選んで説明することができるのです。
実践に近い形で試験が行われる資格が多い
PC関連の資格には、実際にソフトを操作する形式で試験が行われるものがあります。
どれだけ知識を身につけても実践で活用できなければ意味がないのでは?と感じる人もいるはずですが、試験そのものが実践的な方法で行われる資格であれば、その心配は無用です。実務ですぐに生かせる知識やスキルが身につくでしょう。
とくにExcelやWordといったソフトはシェアが高く、ビジネスの現場で広く活用されています。
将来的に部署異動や転職によって働く環境が変わったとしても通用する、汎用的なスキルを身につける意味においてもPC関連の資格は有効です。実践的なスキルを身につけたいと考えている人にとって、PC関連の資格は有力な選択肢の1つとなるはずです。
PCを扱うための基本的な知識・スキルを証明する資格
まずは、PCを扱う上で必要とされる基本的な知識・スキルを問う資格について見ていきます。次に挙げる条件に当てはまる人に適した資格と言えます。
- PCが全般的に苦手
- タイピングが得意ではない
- 必要最小限の知識を習得したい
基本的な知識・スキルが身についていることを証明する代表的なものとして、3つの資格を紹介します。
いずれもPC関連の知識が幅広く問われますので、入門的な位置づけの資格からチャレンジしたい人はこれらの資格取得を目指しましょう。
タッチタイピング検定
資格名称 | タッチタイピング検定 |
---|---|
難易度 | ★☆☆☆☆ |
級 | 1級・準1級・2級・準2級・3級・4級・5級 |
受験資格 | なし |
運営団体 | 一般社団法人 人間力認定協会 |
公式サイト | https://www.manacal.co.jp/typing-license/ |
キーボードのタイピングは基本的なPCスキルの1つです。タイピングが速くなることによって、文字の入力スピードが上がり、日常のメールや文書作成の効率を高めることにつながります。
長年PCを使っているものの、キーボードの操作は我流で覚えたままという人も少なくないはずです。
「F」と「J」キーに左右の人差し指を置く、いわゆるホームポジションを覚えることで、キーボードを見ないで入力するタッチタイピングを体得することができます。
視線を画面に向けて入力することができるようになると、タイプミスや誤変換を減らせる効果も期待できます。
タッチタイピング検定では、日本語のほか数字を入力するスピードも評価の対象になりますので、ビジネス文書やメールを作成する時間を大幅に短縮することにつながるでしょう。
ICTプロフィシエンシー検定試験(P検)
資格名称 | ICTプロフィシエンシー検定試験(P検) |
---|---|
難易度 | ★☆☆☆☆ |
級 | 1級・2級・準2級・3級・4級・5級 |
受験資格 | なし |
運営団体 | 株式会社ベネッセコーポレーション |
公式サイト | https://www.pken.com/index.html |
ICTを活用した問題解決能力全般に焦点を当てた検定です。問われる知識は幅広く、コンピュータに関する基礎知識、情報通信ネットワーク、情報モラルとセキュリティ、タイピング、ワープロ、表計算、業務プロセス改革など多岐にわたります。PCスキルをいかに仕事につなげるかという部分が重視されているのが特徴です。
知識に関しては選択式テストや論述式テストで問われ、ワープロや表計算といったソフトを活用するスキルは実技試験で測定されます。公式テキスト「P検合格シリーズ」が販売されていますので、テキストに沿って勉強していくといいでしょう。
中高生が受験することも想定した検定ですが、上位級になるにつれて社会人向けの内容が増えていきますので、PC関連の知識を幅広く学びたい人におすすめです。
パソコン検定
資格名称 | パソコン検定・パソコン技能検定Ⅱ種 |
---|---|
難易度 | ★☆☆☆☆ |
級 | 1級〜6級・インストラクター資格認定 |
受験資格 | なし |
運営団体 | 一般財団法人 全日本情報学習振興協会 |
公式サイト | http://www.joho-gakushu.or.jp/approval/bunsho_index.html |
「パソコン検定文書試験」「パソコン技能検定Ⅱ種試験」「パソコン技能検定ビジネス実務試験」など、複数の試験群からなる検定です。
ビジネス文書の作成やタイピングスキルなど、PCを扱う上で必要とされる基礎的な知識・スキルを学ぶことができます。事務職などPC入力の機会が多い職種を想定した検定ですが、PC関連の基礎を学びたい人にもおすすめです。
パソコン技能検定Ⅱ種にはインストラクター資格認定制度が設けられており、合格するとインストラクターの認定証を授与されます。
PCの操作に留まらず、情報セキュリティや個人情報保護といったビジネスシーンでも重要な意味を持つ知識を得られます。特定のソフトに特化するのではなく、PCを扱う業務で生かせる幅広い知識を得たい人は、パソコン技能検定Ⅱ種を受験するといいでしょう。
Office系ソフトのスキルを証明する資格
ビジネスシーンでPCを活用する際、最もよく使われているのがExcelやWordといったOffice系ソフトです。一般的なオフィスワークであれば、Office系ソフトへの精通度がPCスキルに直結すると言っても過言ではありません。
そこで、Office系ソフトのスキルを証明できる資格についてまとめました。次に挙げる条件に当てはまる人に適した資格と言えます。
- 日常業務でExcelやWordをよく使う
- PowerPointでプレゼン資料を作ることがある
- Office系ソフトは一応扱えるものの複雑なことはできない
Microsoft Office Specialist(MOS)
資格名称 | Microsoft Office Specialist(MOS) |
---|---|
難易度 | ★★★☆☆ |
級 | 一般レベル(スペシャリスト・アソシエイト) 上級レベル(エキスパート) |
受験資格 | なし |
運営団体 | 株式会社 オデッセイ コミュニケーションズ |
公式サイト | https://mos.odyssey-com.co.jp/index.html |
Office系ソフトの開発元であるMicrosoft社が認定する資格として広く知られています。PC関連の資格と言えば、筆頭に挙げる人も少なくありません。
試験科目にはWord、Excel、PowerPoint、Access、Outlookがあり、それぞれ単独で受験することができます。それぞれ2013・2016・2019・Office365のバーションを選んで受験することができますので、ふだん使っているソフトのバージョンに合わせて受験するといいでしょう。
試験はPCを使い、実際にソフトを操作して行われます。合格基準は正答率でおよそ70%、合格率は約80%ですので、しっかりと勉強すれば独学で合格を目指すことができます。参考書籍や問題集も数多く刊行されており、勉強に必要な書籍をそろえやすいはずです。
また、パソコン教室などでもMOS対策の講座を開講していることがありますので、独学では対策が難しいと感じる人はこうした講座を活用するといいでしょう。
日商PC検定
資格名称 | 日商PC検定 |
---|---|
難易度 | ★★★☆☆ |
級 | 1級・2級・3級・ベーシック |
受験資格 | なし |
運営団体 | 日本商工会議所 |
公式サイト | https://www.kentei.ne.jp/pcl |
MOSがソフトそのものの扱い方を問うのに対して、日商PC検定はビジネス用途の知識や技能が身についているかどうかを重視する傾向があります。
試験科目は文書作成(Word)、データ活用(Excel)、プレゼン資料作成(PowerPoint)の3分野で、知識・実技の試験が行われます(ベーシックは実技のみ)。
合格ラインは正答率70%で、合格率はベーシック・3級:約80%、2級:約65%、1級:約30%となっています。一般的に資格として評価されるのは2級以上ですが、ソフトの扱いに慣れていない人は3級やベーシックから挑戦することも可能です。
公式テキスト・問題集が販売されていますので、独学で合格を目指せるでしょう。
MOSと同様、パソコン教室などで講座が用意されていることもありますので、独学では不安な人は教室に通うとより確実に合格を目指せるはずです。
サーティファイビジネス能力検定
資格名称 | Excel表計算処理技能認定試験 Word文書処理技能認定試験 PowerPointプレゼンテーション技能認定試験 |
---|---|
難易度 | ★★☆☆☆ |
級 | 1級〜3級 |
受験資格 | なし |
運営団体 | 株式会社サーティファイ |
公式サイト | https://www.sikaku.gr.jp/ns/ |
MOSがすでに用意されたフォーマットを加工・修正する技能を問うのに対して、サーティファイビジネス能力検定では新規文書の段階から作成する能力を問うのが特徴です。知名度ではMOSや日商PC検定に劣りますが、実用性の面ではサーティファイビジネス能力検定が優れていると言われることがあります。
試験には知識問題と実技問題があり、3級は実技問題のみとなります。各級の合格ラインは正答率70%以上です。
級別の合格率は公表されていませんが、全体での累計は約80%です。MOSと同様、ソフトごとに単独で受験することができますので、特定のソフトに絞ってスキルアップしたい人にとって有力な選択肢となるでしょう。
資格の知名度にこだわらないのであれば、サーティファイビジネス能力検定から挑戦してみるのも1つの方法です。
IT関連の基礎知識を証明する資格
管理職にとって必要なPC関連の知識はソフトの扱い方に留まりません。セキュリティやネットワークなど、部署や会社全体に関わる技術的な知識を体得しておくことも重要です。
ただ、IT全般の知識となると学ぶべき内容は膨大な量に及びます。そこで、IT技術者にとってエントリーレベルと言われる資格を2つ紹介します。次に挙げる条件に当てはまる人に適した資格と言えます。
- IT関連の幅広い知識を身につけたい
- セキュリティなど管理面の知識を得たい
- 知名度の高い国家資格を取得しておきたい
ITパスポート
資格名称 | ITパスポート試験(iパス) |
---|---|
難易度 | ★★★★☆ |
級 | ― |
受験資格 | なし |
運営団体 | 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA) |
公式サイト | https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/index.html |
ITパスポートは「情報処理技術者試験」のうち、エントリーレベルに位置づけられる資格です。IT関連の国家資格として広く知られています。
出題分野は「ストラテジ系」「マネジメント系」「テクノロジ系」に分かれており、IT技術だけでなくIT管理や経営全般に至るまで、幅広い知識を問われます。合格ラインは1000点満点中600点で、3分野すべてで30%以上得点できていることが合格の条件です。
合格率は約50%と、やや難しい試験と言えます。情報系の勉強をしたことのない人にとっては100時間近くの勉強時間が必要になるでしょう。
特定のソフトを扱うスキルを証明する資格と比べて取得難易度は高くなりますが、IT全般の基礎的な知識を身につけられるメリットがあります。
情報セキュリティマネジメント試験
資格名称 | 情報セキュリティマネジメント試験 |
---|---|
難易度 | ★★★★☆ |
級 | ― |
受験資格 | なし |
運営団体 | 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA) |
公式サイト | https://www.jitec.ipa.go.jp/sg/ |
2016年から始まった、比較的新しいIT系の国家資格です。企業のネットワークをサイバー攻撃から守ったり、情報漏洩のリスクを低減させたりするセキュリティマネジメントの基礎的な知識が問われます。
試験は午前・午後のそれぞれ90分ずつ行われ、午前は四肢択一式50問、午後は多肢選択式3問が出題されます。
技術的な問いだけでなく知的財産権などの法務についても問われますので、試験の難易度としては決して易しくありません。合格ラインは午前午後とも100点満点中60点です。合格率は50%前後と、IT系の資格に初めて挑戦する人にとってやや難しめの資格と言えるでしょう。
情報セキュリティマネジメント試験に合格すると、さらに上級の資格である情報処理安全確保支援士の資格取得も視野に入るようになります。管理職として必須のセキュリティに関する知識を得たい人におすすめの資格です。
PC関連の資格取得に向けて勉強する際の注意点
PC関連の資格について、理解が深まったでしょうか。
では最後に、PC関連の資格取得に向けて勉強していくにあたり、注意しておきたい点について解説します。
せっかく資格を取得するのであれば、実務でも生かせるようにしっかりと知識や技能を身につけたいですよね。実践的な知識を身につけるためにも、とくに次の3つの点に留意して資格取得を目指していきましょう。
まずは「合格すること」を目指す
資格取得のための勉強を始めると、想像以上に幅広い知識を習得する必要があると気づくことがあります。
たとえばExcelのあらゆる関数を網羅しようと思うと、480種類以上の関数を習得しなくてはなりません。
できるだけ幅広い知識を身につけておきたいと考えるのは良いことですが、そもそも資格や検定はとくに重要な知識・技能に絞って能力を判定できるように作られています。
まずは取得を目指す資格に「合格すること」を目標にすることで、必要な知識や技能を効率よく学べるはずです。
それ以外の周辺的な知識に関しては、資格合格後にじっくりと理解を深めていくこともできるでしょう。
あまり欲張りすぎず、試験に合格することを目指して勉強したほうが、結果的に学習効果を高められることも少なくないのです。
試験の出題形式に合わせて学習を進める
PC関連の資格には、CBT(Computer Based Testing)や実際のPCソフトを使った試験など、特有の出題形式のものがあります。
参考書で学習を進めているだけでは実感が湧きにくい場合もありますので、試験の出題形式に合った学習方法を選ぶことが大切です。
資格によっては、模擬試験やサンプル問題に挑戦することができるものもあります。試験前に力試しをしておく意味でも、こうした問題に取り組むことは有効な方法と言えるでしょう。
また、実際にソフトを操作する形式で出題される試験であれば、自分が日頃使っているソフトのバージョンに合ったものを選んだほうが、実務に生かしやすいはずです。
資格によっては対応しているソフトのバージョンが限定されていることがありますので、自分に合った試験方式が用意されている資格かどうか、事前に確認しておくことをおすすめします。
勉強には最新の教材を活用する
技術は日々進歩しています。とくにIT関連の知識は更新のサイクルが短いため、古い教材を使って学習を進めてしまうと最新の試験内容に合っていないことが考えられます。
公式テキスト・問題集を購入する場合はもちろんのこと、書店などで参考書や問題集を購入する際にも、できるだけ最新の教材を選ぶようにしましょう。
参考書や問題集の発行年月は、本の奥付に記載されています。問題集によっては、どの時期の技術に適合した内容になっているか注意書きが記されていることもありますので、購入時によく確認しておきましょう。
過去問題集を用意する場合も同様で、できるだけ直近の試験問題が収録されている問題集を選ぶことが重要です。
発刊年度が古い参考書や、実施年度が離れすぎている過去問題集を選んでしまわないように注意しましょう。
まとめ)PC関連の資格を取得して「PCが苦手」を克服しよう
PC関連の資格にはさまざまな難易度のものがあります。
比較的取得しやすいレベルの資格であれば、少し心がけて勉強時間を確保することで仕事の合間に勉強を進めても十分に合格を目指せるものもあります。
資格を取得することで自信につながりますので、目的に合った資格が見つかった人は積極的にチャレンジしていくことをおすすめします。
PCに関する知識は一朝一夕に身につくものではありませんが、自分に合った難易度の資格取得に向けて学習していけば、確実にレベルアップしていきます。
PCスキルを高めていくには、意識的に勉強する機会を作ることが大切です。PC関連の資格取得を通して、PCを扱うことへの苦手意識を克服するきっかけにしていきましょう。
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