管理職なら知っておくべき「NLP」の話

[最終更新日]2020/03/02

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管理職なら知っておくべき「NLP」のはなし

管理職の皆さんは、ふだん仕事をしている中で、こんなふうに感じたことはありませんか?

部下と今より円滑にコミュニケーションを図れたらいいのに
初対面の相手と早く打ち解けられたら仕事をしやすいだろうな・・・
プレゼンにもっと説得力を持たせたいが、どうすればいいのか分からない
ネガティブな考えや感情が湧いてくるのを何とかしたい

これらは、端的に言えば「心理」に関する問題です。
私たちは働いていく中で多くの人と関わり合いを持っています。他者はもちろんのこと、自分自身の心の動きが人間関係に及ぼす影響は大きく、その影響が仕事をはじめ生活全般にも及んでいるのです。

今回は、コミュニケーションスキルの研究から発展してきた心理学の技法の1つである「NLP」を取り上げます。人とのコミュニケーションをより円滑にするためにも、人や自身の心理に対する理解を深めたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。

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Index

目次

NLPとは? その歴史的背景と人生やビジネスで役立つと言われる理由

NLPはカウンセリングやコーチングの世界でとくに注目を集めている心理学の技法の1つです。

ビジネスだけでなく人生に役立つことを学びたいと考えたとき、「心理学」を学ぶのは何だか遠回りのような気がしてしまう人もいるかもしれません。

しかし、実はNLPは実生活や実社会での対人関係に関する解決策を探るとき、非常に役立つ理論として注目されているのです。

NLPがなぜ人生やビジネスで役立つと言われているのか、NLPが成立してきた歴史的背景や実際にNLPを学んできた著名人の例を見ていきましょう。




NLPとは何か

NLP-Neuro Linguistic Programing「神経言語プログラム」「脳と心の取扱説明書」

NLPはNeuro Linguistic Programingの略で、日本語では「神経言語プログラミング」と訳されます。「脳と心の取扱説明書」と表現されることもあります。

私たちは五感と呼ばれる「視覚」「聴覚」「味覚」「嗅覚」「触覚」を通じて外の世界を認知し、それらを言語あるいは非言語によって意味づけています。これらが体験となり、無意識のうちに刷り込まれていると考えられます。

たとえば、「自分は人と話すのが苦手だ」「自分のこの考えは正しいと思う」といった感じ方・考え方は、過去にその人が経験した物事によって法則化され、導き出されているパターンと捉えることができます。

これは一種のプログラムであり、私たちの心理や考え方は一種のプログラムによって法則化されていると考えられるわけです。

NLPは、私たちの中に形成されてきたプログラムを自覚すると同時に、どうすればリプログラムできるかを考える心理学の技法なのです。




NLPの歴史的背景

NLPの歴史的背景を知るにあたって、重要となるのが3人のセラピストの存在です。

ミルトン・エリクソンフリッツ・パールズバージニア・サティア
  • ミルトン・エリクソン(催眠療法家)
  • フリッツ・パールズ(ゲシュタルト・セラピスト)
  • バージニア・サティア(家族療法家)

これらの人物は「3人の天才」と呼ばれ、セラピーの分野でめざましい成果を挙げてきたことで知られていました。

なぜこの3人がセラピストとして劇的な成果を挙げられたのか、その過程で使われてきた言葉や非言語コミュニケーションの方法などをパターン分析し、法則化したのがNLPなのです。

つまり、NLPを学ぶことによってコミュニケーションの達人がごく自然に駆使してきたスキルを客観的に理解し、自身の対人コミュニケーションに取り入れることができるようになるのです。

このように、NLPは実際に結果を出してきた人々を分析することで成立してきた背景があります。

そのため、NLPは実践的なコミュニケーションスキルを得るための心理学であり、「使える心理学」と呼ばれることもあります。




NLPを学んだ著名人の例

NLPは近年、世界規模で注目を集めている心理学の技法ですが、これまでにも多くの著名人がNLPを学び、その仕事に影響を与えてきたことで知られています。

たとえば、政治の分野ではアメリカ元大統領のオバマ氏、クリントン氏、レーガン氏、あるいは英国の故ダイアナ妃、南アフリカ共和国のマンデラ元大統領などがNLPやその手法をベースとしたコーチングを受けたことで知られています。

俳優のアーノルド・シュワルツェネッガー、ミュージシャンのレディ・ガガ、ブリトニー・スピアーズ、プロゴルファーのタイガー・ウッズ、投資家のジョージ・ソロスといった世界で知らない人いないほどの著名人が、NLPを学ぶことでその技法を仕事内外で活かしているのです。

NLPを学ぶメリットとは?

NLPが実践的な心理学として対人コミュニケーションに役立つものであり、これまで多くの著名人がNLPを学んだりコーチングを受けたりしてきた実績があることについて触れてきました。

では、NLPを学ぶことによって具体的にどのようなメリットを得られるのでしょうか。
NLPはそもそも3人のセラピストが用いてきた手法を分析することから始まっていることは前述の通りですが、NLPを学ぶことで得られるメリットは表面的なコミュニケーションスキルだけではないという点が重要です。




他者とのコミュニケーションを円滑にし、信頼関係を築きやすくする

NLPの原点であるセラピーは対話が基本です。じっくりと対話することで患者が置かれている状況や抱えている課題を患者自身が理解していきます。

優れたセラピストは「聞く」ことに徹していると言われることがありますが、コミュニケーションが単純な情報伝達ではないことを分かりやすく示す一例とも見ることができるでしょう。

NLPは感情や思考、行動をコントロールする方法を理解し、それらが他者に対してどのように影響を及ぼすのかを客観的に認知することに役立ちます。

つまり、相手への伝わり方や印象を意識することができるようになり、コミュニケーションが円滑になるのです。これによって相手との信頼関係を築きやすくなり、人間関係が改善されることが期待できます。




自分の内面を整理し、人生の方向性を明確にする

NLPは心理学の理論を参考に構築されていますので、他人だけでなく自分自身の心の動きやメカニズムを理解することに役立ちます。

このことは自分や他者が抱えている問題や課題をどう解決していけばいいのかを具体的に考える際に役立ちます。

自分が重視していること、大切にしたいと考えている価値観について改めて知り、人生の方向性を明確にすることに役立つ場合もあります。

自分自身とのコミュニケーションの仕方を知ること、自分自身という人間を知るきっかけになる、と言い表すこともできるでしょう。

自身の内面を整理することは精神的な安定にも影響しており、穏やかな気持ちで人や物事に接していくことにつながります。結果的に人生の充実度や満足度が向上し、いわば「生きている実感」「いきいきと過ごせている実感」を得やすくなるのです。




心理的なマイナス要因を解消し、結果が出やすい状態を整える

セラピーやカウンセリングにおいて、患者が抱えているトラウマやコンプレックス、ストレスといった心理は重要な位置を占めます。

怒り・憎しみ・悲しみといったネガティブな感情に支配されていることが、プラス要素へと気持ちを切り替える上で障壁になっていることもあるため、心理的なマイナス要因を解消しておくことで結果が出やすい状態を作っておくことに結びつくことも少なくないのです。

心理的なマイナス要因を取り除くことは、悪習慣を改善したり感情的な葛藤を統合したりすることにも役立つことがあります。

結果的に思考がクリアになり、パフォーマンスが向上したり、結果を出すための思考へとよりシンプルな道筋でたどり着けるようになったりする可能性があります。




目標達成能力を向上させるためのセルフイメージを引き出す

人は過去の経験や体得してきた知識によって、自身の中に常識や判断基準を形成していきます。長年にわたって築いてきた「自分にとっての常識」を疑い、客観視するのは容易なことではありません。

ただ、こうした常識や判断基準は目標を達成しようとする際に制約や制限となることがあります。

たとえば、「市場調査の結果、売れる可能性が高い企画を考案できそうだ」と思っていても、「社内で前例がない」「競合他社とは全く違う動きをすることになる」「過去に斬新な企画を考案して失敗した人がいる」といった情報が、(たとえそれが正しい判断だったとしても)行動を阻む原因になることがあるのです

NLPではこうした経験則や既存の情報によって構築されてきたプログラムを書き換え、適切に対処できるようにすることで、目標達成へと向かう能力を高めたり、達成までの期間を早めたりする効果を狙います。

NLPにおける代表的な5つのスキル

NLPには代表的な5つのスキルがあります。これらはNLPの柱となるスキルですので、これからNLPを学んでみようと考えている人や、今後学ぶことを検討する可能性がある人は、これらの5つのスキルについて概要を知っておくと、どのような内容を学ぶことになるかが具体的に分かりやすくなるはずです。

《NLPにおける5つのスキル》

ラポール・スキルニューロ・ロジカル・レベルリフレーミングLABプロファイリングゴール設定アウトカムフレーム
  • ラポールスキル
  • ニューロ・ロジカル・レベル
  • リフレーミング
  • LABプロファイリング
  • ゴール設定アウトカムフレーム

それぞれ順を追って見ていきましょう。




ラポールスキル:信頼関係を築く

初対面の相手に対して、人は警戒心を持つことが少なくありません。警戒心が解けないままだったり、むしろ警戒心が高まってしまったりするようだと、信頼関係を築くことは難しくなります。

安心感や親近感を感じてもらい、警戒心を解くスキルのことを「ラポールスキル」と言います。

たとえば法人営業において、唐突に自社商品の説明を始めても相手は聞く体勢になっていません。

まずは自分という人間について知ってもらい、相手に心を開いてもらった上で、「ところであなたはどんな商品を扱っているの?」と興味を示してもらえたところで、ようやく商品説明に入ることができるのです。

こうしたスキルは営業職に限らず、対人関係において必要とされるものです。

話すスピードやリズム、声の強弱といったスキル面でのことから、話すときの表情、しぐさ、相手の話を聞くときの姿勢、雰囲気といったことが総合的に作用して、「この人と打ち解けられそうだろうか?」「信頼できそうな人だろうか?」といった判断へと行き着くのです。




ニューロ・ロジカル・レベル:自己成長や他者の変化に気づく

NLPの共同開発者の1人であるロバート・ディルツは、学習やそれによる変化にはレベルが存在すると提唱しました。これをニューロ・ロジカル・レベルと言います。

ニューロ・ロジカル・レベル自己認識信念・価値観能力行動環境

部下が思うように仕事を覚えてくれないとき、必要な情報を与えるなど環境を整えているかどうかをまず確認すべきです。

その上で、仕事の手順や目的といった行動レベルでの情報を伝えているかをたしかめます。

環境も行動も備わっているにも関わらず能力が発揮できないのであれば、知識やスキルを身につけるための研修などが必要になるかもしれません。

こうして自身の能力を発揮できる場面が増えていくことで、仕事における自身の信念や価値観が形成され、「自分はこの仕事を通じてこうありたい」といった自己認識へとつながり、いわゆる「自走できる」人材へと成長できるようになるのです

こうしたレベルが存在することを認識できていないと、必要な情報を与えず環境が整っていないところへ「気合いで乗り切れ」と叱責したり、能力を発揮できている実感を持てずにいる部下に「プロ意識を持ちなさい」と指導してしまったりと、相手の心理状態に対して適切でない行動を取ってしまう恐れがあるのです。




リフレーミング:心理的枠組みを変革する

リフレーミングとは、物事の捉え方や認識の仕方に一定の枠があることを理解し、その枠組みを意識的に変化させることで意識変革を図るスキルです。

たとえば、ソフトバンクグループの孫正義氏は「6割いけると思ったらゴー」と説いていますが、おそらく世の中の多くの人は「4割も失敗する可能性がある」「失敗するリスクをもっと減らしておくべきだ」と考えるでしょう

しかし、見方を変えれば「6割は勝算がある」「失敗するリスクよりも成功できるチャンスのほうが大きい」と受け取ることもできるわけです。

このように、人にとって物事の捉え方や認識の仕方が行動に与える影響は非常に大きく、ちょっとした思い込みに囚われてしまうことで行動できなくなってしまうことは決してめずらしくありません。




LABプロファイリング:無意識における認知を知る

人は多かれ少なかれ、自身の主観によって物事を色眼鏡で見ています。偏見や先入観はその最たるものですが、それ以外にも、物事に接したときの考え方や行動に一定の傾向が隠れていることがあるのです。

たとえば、取引先との間でトラブルが発生したとき、「何が起きているのか」という事実関係を詳細に確認することを重視する人と、「どのぐらい深刻な事態なのか」といった全体像をつかむことを重視する人がいますが、通常こうした傾向は無意識のうちに決定づけられています。

周囲の人がどちらの傾向にあるのかを見分けることで、相手のタイプに合わせた対応をしやすくなり、より適切なアドバイスができる確率も高まります。

LABプロファイリングでは、このほかにも「方向性」「主体性」「判断基準」「選択理由」など14のカテゴリに分類されたプロファイルが用意されており、自身や他者の考え方や行動の特性を知る上で役立てることができます。




ゴール設定アウトカムフレーム:望ましい結果に到達するためのマインドを知る

NLPが「使える心理学」と言われる理由の1つに、NLPが「あるべき姿」を設定した上で、そこに向かってどう到達したらいいかを考えるアプローチを取っている点が挙げられます。

従来、心理学はある行動や感じ方をした原因を突き止めることが重視されていたことから、NLPはただ分析や考察に終始するのでなく、実践に結びつく心理学として注目を集めたのです。

よく「できない理由ばかり並べていると、いつまで経ってもできない」と言われることがありますが、NLPではあえて肯定的な表現を使い、本当に手に入れたい状況はどうであるのか、その結果を得るために今できることは何か、といった問いを立てていきます。

これは、望ましい結果に到達するためのマインドを知ることとほとんど同義と言っていいでしょう。ゴール設定アウトカムフレームのスキルを身につけることで、ゴールを設定し、そこに向けて具体的な行動へと落とし込んでいくマインドを手に入れることができるのです。

NLP資格認定を取得するには?

NLPを学ぶ方法は数多くあります。NLPの入門書や、概要をマンガで分かりやすく解説した書籍なども出ていますので、まずはこうした本から知識を得ていくのもいいでしょう。

NLPに関するまとまった知識を得たい人や、本格的にNLPを学びたい人は、NLP認定資格を取得することでNLPについて専門知識を有していることを認定してもらうことができます。

NLP認定資格を取得するには、どのような方法があるのでしょうか。具体的な資格の取得方法について確認しておきましょう。




NLP資格認定は複数の団体が行っている

NLPの資格認定を行っている団体は、実は世界中に多数存在します。

《NLP資格認定を行っている団体の例》

  • 全米NLP協会
  • 日本NLP協会
  • 米国NLP協会(同名で2団体ある)
  • 国際NLP(スイスとアメリカに同名で別団体の本部がある)
  • NLPユニバーシティ
  • NLPコンプリヘンシブ
  • ニューコードNLP

どの団体の資格を取得してもいいのですが、最も多く普及しており広く知られているのは全米NLP協会の資格とされています。

日本NLP協会も全米NLP協会と同様の系統ですので、英語が得意でない人は日本NLP協会の資格認定を目指すのがおすすめです。

これらの団体による資格認定は、日本ではスクールやe-ラーニングで受講することができますので、下記のような認定スクールや認定講座での受講を検討するといいでしょう。

《NLP認定スクール》

  • ヒューマンアカデミー
  • Cocoloラーニングアカデミー

《認定講座を受講できるスクール等の例》

  • 東京ラーニングアカデミー
  • NLP-JAPANラーニング・センター
  • NLP-ラーニング
  • ニューコードNLPスクール
  • 日本コミュニケーショントレーナー協会



NLP認定スクールで講座を受講することで資格を得られる

NLPの資格認定を得るには、認定講座で所定の講座を修了する必要があります。

一般的には8〜12回のスクーリングが必要になります。見方を変えれば、所定の講座を修了さえすれば資格を得ることができるとも言えます。

ただし、NLPトレーナー資格(日本NLP協会認定資格)を得るには、認定試験に合格し課題を提出する必要があります。

このように、NLP資格認定そのものは難関試験があるわけではなく、きちんと講座を修了できれば取得可能なものです。

ただし、NLPはあくまで実践に重きを置く心理学ですので、資格を得ること自体が目的ではないという点に注意が必要です。資格認定を受けてからも、仕事や日常生活の中で存分にその知識を活かし、実践していくことで学んだ成果を実感できるはずです。

まとめ)NLPを学んで人生やビジネスを好転させるきっかけを作ろう

NLPは世界でも著名な人物がコーチングを受けるなど、人生やビジネスを好転させるきっかけを得るための技能として注目を集めています。

一方で、NLPは理論的根拠が薄いとして、専門家の間では疑問視されることもあります。
これはNLPが一貫して実践を重んじてきたことの証と見ることもできるでしょう。

理論として「正しい」ものであるかどうかという議論はともかく、実際に学び、実践した体験を通じて「役立った」「コミュニケーションが改善された」と言う人が増えつつあるのです。

対人コミュニケーション、さらには人の「心」に関することは、人と関わっていく以上は一生涯ついて回る問題です。仕事をより円滑に進めることはもとより、生活全般における対人関係やコミュニケーションの悩みを軽減するためのきっかけとして、NLPを学んでみてはいかがでしょうか。




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