「ペットの癒しがほしい…」という会社勤めの人が、事前に知っておきたい知識、費用、トラブル等
[最終更新日]2022/12/15
仕事で溜まったストレスを癒すことを目的に、ペットの飼育を考える人も多いでしょう。
しかし、ペットを飼うという行為はただの買い物とは違い、多くの責任が付き纏います。
安直な気持ちで飼育することになれば、それは自分とペットにより多くの負担を強いることになるでしょう。
この記事では、社会人として働いている人に向けて、ペットを飼うために必要な情報や心構えを解説していきます。
自分とペットが幸せな毎日を過ごせるように、事前に注意しておくべきポイントを把握しておきましょう。
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Index
目次
会社勤めしながら、ペットを飼うということは
ペットを飼う=「その生き物の一生に責任を持つ」ということ
ペットを飼うということは、そのペットの一生に責任を持つことと同義です。
そのペットの飼育に必要な環境を作り、必要な世話を欠かさずに行うこと。
飼育に関するすべてに責任が持てると確信できて初めて、ペットを飼うことができます。
勢いで決めるのではなく、まずはその責任をきちんと意識することが重要です。
ペットの飼育に関する責任とは、「投げ出さないこと」が基本となります。
その他の趣味などと違い、ペットの飼育は途中で辞めることができません。
「自分には合わなかった」「思っていたのとは違った」となっても、決して投げ出すことはできないのです。
たとえ理想とは違ったとしても、最後まで面倒を見ることができる。
それがペットの飼うときに求められる、基本的な責任となります。
ペットのことで「言い訳」はしないこと
会社勤めをしながら、ペットを飼育するケースは珍しくありません。
しかし、会社勤めをしている社会人ならではの「言い訳」をしないように注意する必要はあります。
実は会社勤めをしていると、ペットの世話をサボる口実を見つけやすいのです。
たとえば「疲れているからできない」「忙しいから難しい」といったものが、言い訳の一例になります。
怖いのが、言い訳をしてしまうことがペットへの責任を放棄するきっかけにもなるということです。
仕事を理由にした言い訳ができてしまうからこそ、会社勤めの社会人はより強くペットを飼う責任を意識する必要があるでしょう。
特に一人暮らしをしている社会人は、自分以外に世話をする人はもちろん、言い訳を叱ってくれる人もいません。
自分ひとりで責任を受け止めることができるかどうかを、きちんと考えてからペットの飼育を行うようにしましょう。
「犬の十戒」は、ペットを飼う人は必ず知っておきたいことのひとつ
以下の引用は、犬を飼うときに人が意識するべきものとして広まっている「犬の十戒」です。
1.私の一生はだいたい10年から15年です。あなたと離れるのが一番つらいことです。どうか、私と暮らす前にそのことを覚えておいて欲しいのです。
2.あなたが私に何を求めているのか、私がそれを理解するまで待って欲しいのです。
3.私を信頼して欲しい、それが私にとってあなたと共に生活できる幸せなのですから。
4.私を長い間叱ったり、罰として閉じ込めたりしないで下さい。あなたには他にやる事があって、楽しみがあって、友達もいるかもしれない。でも、私にはあなたしかいないのです。
5.時々話しかけて欲しい。言葉は分からなくても、あなたの心は十分私に届いています。
6.あなたがどのように私を扱ったか、私はそれを決して忘れません。
7.私を殴ったり、いじめたりする前に覚えておいて欲しいのです。私は鋭い歯であなたを傷つけることができるにもかかわらず、あなたを傷つけないと決めているのです。
8.私が言うことを聞かないだとか、頑固だとか、怠けているからといって叱る前に、私が何かで苦しんでいないか気づいて下さい。もしかしたら、食事に問題があるかもしれないし、長い間日に照らされているかもしれない。それとも、もう体が老いて、弱ってきているのかもしれません。
9.私が年を取っても、私の世話はして下さい。あなたもまた同じように年を取るのですから。
10.最後のその時まで一緒に側にいて欲しいのです。このようなことは言わないで下さい、「もう見てはいられない。」、「居たたまれない。」などと。あなたが側にいてくれるから最後の日も安らかに逝けるのですから。忘れないで下さい、私は生涯あなたを一番愛しているのです。
こちらは犬の飼育に関する十戒ですが、その内容は猫やうさぎといった他のペットにも当てはめることができます。
もとは海外から広まった短編詩であるこの十戒は、ペットを飼う責任についてイメージしやすい内容です。
特に初めてペットを飼育するという場合には、まずこの十戒で責任の重さを意識できるようにしておきましょう。
ペットにかかる費用について
ペットの飼育には費用がかかります。
購入費はもちろん、食費や医療費などのランニングコストを考えると、多くのお金が必要になるのです。
今回は小型犬と一般的な猫の場合を参考に、必要な費用項目をチェックします。
途中で費用が負担にならないように、飼育に必要な大まかな金額を確認しておきましょう。
犬(小型犬)にかかる費用
初期費用
ペット購入費用 | おおよそ10万円~30万円 |
---|---|
設備・生活用具にかかる費用 | おおよそ3万円 |
医療費用(ワクチン、避妊等) | おおよそ2万円 |
その他初期費用 | おおよそ2万円 |
合計 | おおよそ17万円〜37万円 |
年間費用
食費 | おおよそ6万円(月間5千円) |
---|---|
医療・保険費用 | おおよそ3万円 |
トリミング費用 | おおよそ4万円 |
設備・生活用具にかかる費用 | おおよそ3万円 |
合計 | おおよそ16万円 |
上記はあくまで小型犬を飼育する際の一例ですが、最低でもこれくらいの費用はかかると考えられます。
初期費用はペットの購入費にばかり目が行きがちですが、狂犬病の予防注射やワクチン接種等の欠かせない出費もあるのです。
犬のために絶対に必要なものとなるので、飼育の際にはペットの健康にかかる費用もチェックしておきましょう。
年間費用は食費や医療費に加えて、生活用具にかかるお金も重要です。
犬の生活用具とは、たとえばトイレシーツやおもちゃのようなものが当てはまります。
主に消耗品が含まれるので、壊れたときなどは予想以上の費用がかかる可能性もあります。
さらに、ペットホテルの利用費や病気になったときの治療費なども、年間の出費に換算されることも多いです。
急な出費があっても問題ないように、余裕を持って飼育資金を準備するのがおすすめされます。
もちろん小型犬の種類や大きさ、トリミングの必要性や使う生活用品の質などによっても、費用は変動します。
金額は目安として捉え、まずはどのような項目があるのかを確認しておきましょう。
猫にかかる費用
初期費用
ペット購入費用 | おおよそ10万円~20万円 |
---|---|
設備・生活用具にかかる費用 | おおよそ1万円 |
医療費用(ワクチン、避妊等) | おおよそ5万円 |
その他初期費用 | おおよそ2万円 |
合計 | おおよそ18万円〜28万円 |
年間費用
食費 | おおよそ6万円(月間約5千円) |
---|---|
医療・保険費用 | おおよそ2万円 |
設備・生活用具にかかる費用 | おおよそ4万円 |
合計 | おおよそ12万円 |
こちらもあくまで一例ですが、猫の飼育にかかる基本的な費用項目です。
猫の購入費に加えて、ワクチン摂取や避妊費用が初期費用としてかかります。
病院に連れて行くためのキャリーケースや、運動不足を解消するためのキャットタワーなど、初期設備として考えられるものは多いです。
必要なものに応じて費用は増減するので、飼育前にリストを作って計算してみましょう。
年間にかかる費用は、食費やトイレ砂、おもちゃなどが主になります。
その他猫の健康状態によっては、通院費や治療費がかかるでしょう。
また、夏や冬には温度を一定に保つためにエアコンや暖房の利用が欠かせません。そのため、多くの光熱費(電気代)がかかることもあります。
猫が自宅で快適に暮らせるように、ランニングコストはしっかりとかけるようにしてください。
ペットの世話等にかかる時間・手間について
ペットを飼育するのなら、世話に必要な時間や手間についても考えなければなりません。
会社勤めをしながらでもきちんと世話ができるかどうかは、飼育を決める基準になるでしょう。
ペットごとに「どのような世話が必要になるか」を確認する
まずは飼育する予定のペットに、どのような世話が必要となるのかを確認しましょう。
たとえば犬と猫の場合、主に以下のような世話が求められます。
犬の飼育に必要な世話
- 食事
- トイレ掃除
- 毎日の散歩
- ブラッシングやトリミング
- しつけやトレーニング
- 基本的な健康管理
食事やトイレの世話に加えて、犬の飼育には散歩が欠かせないものになります。
運動不足解消とストレス発散のためにも、外を歩かせる時間は設ける必要があるでしょう。
散歩は基本的に1日2回、30分から1時間程度は行う必要があります。
そのため仕事をしながらでも、この散歩の時間を確保できるかどうかが重要になるのです。
また、犬によってはしつけやトレーニングに時間がかかることもあります。
時間の確保が難しいときには、プロのドッグトレーナーなどに依頼してしつけの手間を簡略化することも考えられるでしょう。
猫の飼育に必要な世話
- 食事
- トイレ掃除
- ブラッシングや爪切り
- 基本的な健康管理
猫は犬と比べると世話が楽と言われることがありますが、それでも基本的な世話には手間と時間がかかります。
しつけが難しく根気よく接することが求められるので、時間的にも精神的にも余裕を持った対応が重要です。
また、どのペットの場合も健康状態を確認するために、動物病院へ定期的に通うことが理想となります。
最寄りの病院を確認し、必要に応じて車を出すなどの手間も求められるでしょう。
自分の生活内できちんと世話をしきれるかシミュレートする
必要な世話を確認した後は、続いて「自分の生活にその内容を取り入れて」みましょう。
今現在の生活サイクルの中に、「ペットの食事の用意」「散歩やブラッシング」といった時間を確保できるのか。
そういった具体的な内容をもとに、実際にペットを飼ったときの生活をシミュレートをしてみましょう。
ここでポイントなのが、ペットの世話は「ずっと続けなければならない」ということです。
一時的に世話が忙しい時期があるわけではなく、基本的にその大変さがずっと続くことになります。
そのため飼育をシミュレートする際には、「毎日続けられるだろうか」「仕事が急に忙しくなっても大丈夫だろうか」という点をじっくりと考えるのが大切です。
犬や猫の寿命は少しずつ延びてきていて、平均で14歳以上は生きることが多くなっています。
つまりは14年以上の間、世話を継続する必要があるのです。
老年になれば犬や猫にも介護が必要になるので、世話にかかる時間や手間はさらに増えることが予想されます。
その点も考慮した上で、ペットを飼うことを決断する必要があります。
会社勤めをしている場合には、「ペットの世話と仕事の両立」が重要な命題になります。
仕事に集中しすぎてペットの世話が疎かになるのはもちろん問題ですが、ペットを理由に仕事が中途半端になっても問題です。
あくまでもこれまでの仕事ぶりを変えることなく、ペットの飼育を生活に取り入れるのがポイントになります。
かわいがるだけが世話ではない
ペットを飼うときにイメージするのは、かわいらしい犬や猫と楽しく遊ぶシーンでしょう。
しかし、その裏には毎日の地道な世話やしつけがあり、手間と時間がかかっているのです。
たとえば室内で猫を飼う場合、食事時に猫はあなた達の食べものが並んでいるテーブルに登りたがり、実際に何度も登ろうと試みるでしょう。
その際に、繰り返し「登ってはダメだよ」としつけて猫に覚えさせるか、思い切って食事中はゲージに入れてしまうか──、どうするかは飼い主の判断に委ねられますが、どちらも決して楽しい作業ではありません。
そのほか、ペットが催促するままにご飯をあげていると、数年と経たないうちに肥満が進み健康にも支障をきたしてしまうこともあります。
どんなに彼・彼女たちが「今、ご飯がほしいです」とせがんだとしても、飼い主は一日にどれだけのご飯をあげるのが適切か、また健康状態はどうかをを考えながら、ときに我慢することを覚えさせる必要があるのです。
ただかわいがればいいというわけではないことを、まずはきちんと把握しておきましょう。
ペットに関するトラブルやアクシデント
ペットの飼育時には、トラブルやアクシデントに見舞われる可能性があります。
考えられるトラブルを想定し、対処方法を確認しておく必要もあるでしょう。
特に会社勤めをしている場合は、いざトラブルが起こってからでは冷静に対処する時間が取れないこともあります。
以下のようなケースはどの家庭にも考えられるので、飼育前にチェックを行っておきましょう。
留守番中のトラブル
会社勤めをしていて、かつ一人暮らし中の場合には、ペットの留守番中にトラブルが起きやすくなります。
たとえば寂しさのあまり何時間も吠え続けてしまったり、カーテンやソファといった家具を壊してしまったりといった行動を起こす可能性があるのです。
ペットがまだ子供のうちは、更には誤飲や負傷といった大きなトラブルにつながることもあります。
留守番中のトラブルについては事前に様々な可能性を見据えて、気を配っておくべきでしょう。
対策としては、
- 留守番中のペットの移動可能スペースを制限しておく
- 留守中のトラブルになりやすい物(横転による破損や誤飲に繋がりそうなもの)は仕舞っておく
- Webカメラで、外出先でもペットの状態を確認できるようする
などがあります。
家族にアレルギー持ちなどがいないか
自分以外の家族がいる場合、同居人にアレルギーなどがないか事前に確認する必要もあります。
飼ってからアレルギーが分かっても、ペットを返すわけにはいかないので、お互いに辛い環境となってしまうでしょう。
必ずペットを飼う前にアレルギーの有無と、ペットを飼育することへの同意を家族から得ておいてください。
鳴き声や足音による騒音トラブル
マンションなどの集合住宅でペットを飼う場合、鳴き声や足音を原因とした騒音トラブルにも注意が必要です。
住居の規約などによっては退去を迫られる可能性もあるので、しつけをしたりマットを敷くなどの騒音対策が肝心となります。
また、きちんとトイレの世話やトリミングを行わないと、ペットの臭いによるトラブルも起こりえます。
いつでも清潔にすることはペットの健康を守ることにもつながるので、トラブル防止のためにもきちんとした世話を実践しましょう。
他の人や物を傷つけてしまう
散歩中にペットが他の人にじゃれついて衣服を汚してしまったり、または噛んでしまったりといったトラブルもあります。
ペットが誰かに怪我を負わせればそれは飼い主の責任となり、傷害罪に問われたり賠償責任を負ったりする可能性もあります。
そういった大きなトラブルを避けられるように、日頃からペットのしつけを行いつつ、散歩中はしっかりとリードで管理するなどの対策が求められます。
ペットが起こすトラブルの対応策として、賠償責任に対するペット保険を利用するのもひとつの手です。
会社のトラブルはペットのトラブルにつながる
会社に勤めていると、会社でもさまざまなトラブルに見舞われることでしょう。
たとえば急に帰れなくなった、休みの予定がなくなったといったことになれば、当然ペットにも影響ができます。
自分ひとりで世話をする場合には、そういった仕事のトラブルがペットの生活を変えないように注意する必要があるでしょう。
対策としては、万が一の場合に世話を頼める家族や友人を用意したり、緊急用のペットホテルなどを見つけておいたりといったことが考えられます。
また、会社にペットを飼っていることを知らせて、最悪の場合には便宜を図ってもらえるようにしておくのもポイントです。
まとめ)ペットからの癒しを正しい飼育から獲得しよう!
ペットから得られる癒しの効果は、仕事のストレスを軽減してくれます。
しかし、軽い気持ちでの飼育は逆に負担となり、生活を乱す原因になってしまうでしょう。
ペットと自分の幸福のためにも、飼育前に責任を持って飼えるように準備をしておいてください。
特に会社勤めをしながらの場合は、世話をするのが人一倍大変となります。
しかし、大変な分ペットから得られるリターンもまた、大きなものとなるでしょう。
しっかりと準備ができていれば働きながらでもペットを飼うことは十分可能なはずです。
現在ペットを飼おうとお考えの方は、一度本記事の内容を参考にしながら、ペットとの暮らしのシミュレーションをしてみましょう。
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