無駄な会議、多くないですか?会議の時間短縮、効率化を促進するポイント3つ!
[最終更新日]2022/12/15
組織が大きくなれば大きくなるほど、さまざまな会議が行われる傾向が強いです。
しかし、働き方改革が声高に叫ばれる現代、生産性の向上や残業時間の削減を進めるため、業務の見直しを行う企業が増えています。
そこで注目されているのが、無駄といわれることも多い「会議」の進め方です。
そこで今回は、会議の時間短縮や効率化を促進する方法について、お話ししたいと思います。
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目次
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なぜ会議が長くなったり、無駄に感じるのか
企業のなかには、管理職だけでなく、一般社員も参加する会議が定例になっているところが少なくありません。
業務の方向性を考えたり、アイデアを出し合う場として、会議は有効なものです。
しかし、一般社員は経営陣や管理職とは視点が異なりますし、参加者のなかには会議が長い、あるいは無駄に感じている人もいることでしょう。
そこで、会議が長引いたり、無駄に感じる原因を以下にまとめてみました。
会議が長くなったり、無駄に感じる、4つの主な原因
- メンバーの参加意識が低い
- 参加メンバーの時間に対する感覚がルーズ
- 目的・議題が明確になっていない
- そもそも、会議で話すべきではない内容を議論している
それぞれ、順を追って見ていきましょう
メンバーの参加意識が低い
まず、会議が長引くあるいは無駄と感じる筆頭の原因は、メンバーの参加意識が低いことです。
そもそも会議は、行った業務の報告をする場ではありません。
会社あるいは部署の未来を見据えて、参加者全員で建設的な議論を行ったうえで意思決定をする場が会議なのです。
そのため、当事者意識が低く、会議で発言や議論を行わない参加者は、いてもいなくても同じということになります。
また、会議で出た意見に対し、最終的な結論を出せる権限のある人がいなければ、行う意味がありません。
会議に出席するからには、参加者全員が自分の意見を持ち、それを発表できる場であることが必要なのです。
会議の場で参加者が意見を述べなければ、無駄に時間が過ぎていくことになります。
参加メンバーの時間に対する感覚がルーズ
2つめの原因は、会議に参加するメンバーの時間に対する感覚の問題です。
というのも、会議を行う際に終了時間を決めずに始めるケースが意外に多いからです。
開始時間と終了時間と、その会議で意思決定しなければならないテーマが明確であれば、時間を意識しながら議論を進めることができます。
また、終了時間の目安は設けていても、その時間がきても会議を終わらせずに議論を続ける習慣があるのも、時間に対する感覚がルーズといわざるをえません。
「議論が白熱しているのだから仕方がない」と考える人もいそうですが、会議に参加しているメンバー全員がその気持ちを共有しているわけではないのです。
参加者が多くなればなるほど、時間が長引くことで集中力が途切れてしまい、本当の意味での意思決定が行われない可能性が高まることも、念頭に置いておく必要がありそうです。
目的・議題が明確になっていない
会議は参加者全員による意思決定の場であることは、前述しました。
ですが、企業のなかには目的や議題が不明確な会議を行っているところが少なくないようです。
例えば、定例会議を定期的に行っている企業は多いと思いますが、その目的が業務の報告や連絡事項を通達することであれば無駄といっても過言ではありません。
メールなどで情報共有できることを、時間を拘束される会議で行う必要はないのです。
同様に、意思決定が必要なテーマがない会議も行う必要はありません。
「今日の会議では、プロジェクトの方針を決める」など、目的や議題が明確であれば、参加者も活発な意見交換をするための事前準備が行えます。
自社で行われているさまざまな会議について、それを行うことが目的になっていないか、一度振り返ってみることをおすすめします。
そもそも、会議で話すべきではない内容を議論している
新規事業やプロジェクトの立ち上げや、クライアントにプレゼンテーションを行う際には、企画・プランニングのための会議を行うものです。
その場合、さまざまな立場や役割を果たすメンバーが集められ、いくつものプロセスが並行して進むのが一般的です。
コンセプトや方向性を決めることが会議の目的なら、参加するメンバーを一堂に会して行う方が効率がよさそうです。
ですが、プロジェクトなどの進行にあたり、分業されている役割や業務内容、進行方法について、ゼロベースで検討するのは、メンバーを集めて行う内容ではありません。
というのも、会議で意思決定するためには、客観的な事実を一定数積み重ねなければ、判断ができないからです。
たくさんの参加メンバーがいて、複数のプロセスが関わり合いながら進行する仕事について会議をする時には、何を決めなければならないのかを明確にすることを意識するとよいでしょう。
会議の時間短縮・効率化を促進するために、まずは「最高の」アジェンダ(議事案)を創ろう
会議の時間を短縮したり、効率よく進行するためには、開催する目的や意思決定しなければならない事案、進め方などが、参加者全員で共有されている必要があります。
そんな時に活用してほしいのが、「アジェンダ(議事案)」です。
ここでは、アジェンダとは何か、なぜ重要なのか、作成する効果について、説明しておきましょう。
アジェンダとは
会議で使用する「アジェンダ」と「レジュメ」を混同している人も、少なくないようです。
アジェンダとは、実施すべき計画や議事日程、議題という意味で使われる言葉です。
一方のレジュメは、論文の概略を簡潔にまとめたもの、あるいは講義などで発表者が参加者に配布する発表内容を簡略してまとめたものをいいます。
会議で用意すべきなのは、アジェンダです。
アジェンダでまとめておくべき内容は、議題と時間配分を含めた進行表、場合によっては役割や出席予定者も記載します。
ここで大切なのは、会議の目的を明確にすることです。 その会議で何について決定しなければならないのか、あるいは情報共有しなければならないのかを、具体的に書くのがポイントです。
以下にアジェンダの雛形を用意しておきますので、参考にしてみてください。
- ●●会議のアジェンダ
- 日時:20XX年X月X日 13:00~14:30
開催場所:△△会議室
参加者名:参加者の名前を列記。少人数の場合は入れなくても可 - 会議の目的:プロジェクトの進行方法を決定すること
- 議題① 進行スケジュールの決定 13:00~13:20
議題② 作業分担の決定 13:20~14:00
議題③ クライアントの意向の情報共有 14:00~14:15
質疑応答 14:15~14:25
次回の会議日程の決定 14:25~14:30 - 配布資料:資料名をナンバリングしたうえで列記
- メモ:
アジェンダの重要性と効果
では、会議の時間短縮や効率化のために、なぜアジェンダが必要なのでしょうか。
それは、アジェンダが
- 会議の目的
- 会議の決定事項
- 会議の進行方法
の3つを明確にするという役割を担っているからです。
会議の目的は、参加者がいつも同じ顔触れの時こそ効果を発揮します。
何をするための会議かが事前にわかっていれば、参加者も事前準備できるというメリットがあります。
次に会議で何を決めなければならないかが明確であれば、その議題に関してだけを集中して議論すればよいので、話が脱線して長引くことがなくなります。
最後の進行方法については、誰が何を説明し、どのように参加者の意見をヒアリングしていくかを明確にするのがポイントです。
意思決定にあたって質問したいことがある参加者もいますので、どのタイミングで発言できるかを知らせておくことで、発言者の話の腰を折ることもなくなるはずです。
また、アジェンダを使用して会議を行うと
- 会議にあたって、参加者の前提の認識が統一される
- 会議で決めるべきこと、やるべきことを忘れずに済む
- 会議後の行動計画を明確化しやすい
という効果があります。
会議の進行役「ファシリテータ」を立てよう
企業によっては、会議の際に役職者や発言力が高い人だけが発言し、その人の思惑通りに意思決定がなされてしまうという現実があります。
ですが、それでは関係者を集めて、会議を行う意味がありません。
参加者全員が納得のいく意思決定を、会議を長引かせず、効率的に進行するためには、ファシリテータが不可欠です。
そこで、ファシリテータとは何か、その重要性と効果についても、お話ししておきます。
ファシリテータとは
ファシリテータについて説明する前に、ファシリテーションとは何かについて、お話しします。
ファシリテーションは明確に定義づけされた言葉ではありませんが、一般的には「複数の人が集まって行動するにあたり、どうしたら協働しながら創造的な成果を生み出せるかという答えを出す技法」と解釈されています。
これを会議に置き換えると、議題に関する意思決定を行うにあたり、複数の参加者から出るさまざまな意見を取りまとめ、それらを生かしながら、当初の目的に導く技法といえます。
このファシリテーション能力が高い人のことを、「ファシリテータ」といいます。
会議におけるファシリテータと聞くと「進行役」をイメージする人が多いですが、役割はそれだけではありません。
アジェンダに記載された議題を時間内にクリアするための「タイムキーパー」、参加者から発言がない時にアイスブレイクを設けるなど「会議のかじ取り役」なども、ファシリテータの役割です。
ファシリテータの重要性と効果
会議においてなぜファシリテータが重要かというと、会議の目的を達成するために、参加者の意見を引き出しながら、会議が長引いたり、無駄にならないよう誘導する役割を担っているからです。
会議時にファシリテータが気をつけるべきポイントは、以下の4つです。
- 会議の場をつくる
- 参加者からまんべんなく意見を引き出す
- 出された意見を整理して絞り込む
- 会議で決まったことをまとめて振り返る
会議の場をつくることには、参加者や場所の選定、時間管理、話しやすい雰囲気づくりなどが含まれます。
そのうえで、発言力が強い人に引っ張られがちな会議を参加者全員から意見を引き出すように進行したり、発言を受け止め、双方で質問や合意をしながら、アイデアを掘り下げるよう誘導するのです。
さらに、複数から出された意見を理論的に整理し、意思決定するためのアイデアを絞り込めるよう進行します。
最後は、その会議で合意形成された意志を確認し、会議を振り返ります。
ファシリテータを置いた会議の効果には、
- アジェンダを事前配布することで、会議を効率よく進められる
- 部署ごとに異なる意見をまとめ、企業の目標に向けた意思決定を行える
- メンバー間の意見交換がスムーズに行える
などがあげられます。
人は、楽しくなれば熱量も高まる。適度な「遊び心」も取り入れて
会議に参加する際、面倒だと感じる人と前向きに取り組む人に分かれます。
報告や連絡がメインの会議を無意味に感じるのは仕方がありませんが、仕事のやりがいや業績アップにつながるものであれば、参加意欲が高まる人が多いことでしょう。
また、会議が楽しい雰囲気で進行すれば、議論にも熱が入ります。
そこで、会議を活性化させる方法を4つ、取り上げてみました。
- チェックイン・チェックアウトの仕組みを取り入れる
- ポストイット等を使って、アウトプットを可視化する
- 会議のルールをつくる
- 会議の参加者を厳選する
それぞれ、順を追って見ていきましょう
チェックイン・チェックアウトの仕組みを取り入れる
みなさんは、「チェックイン・チェックアウト」という技法を知っていますか?
これは、会議やセミナー、イベントを行う際に、始めと終わりに行う場づくりのことをいいます。
具体的には、参加したメンバー間の気持ちを調整することを目的に、話し合いの始めと終わりに、参加者全員に自分がおかれた状態や気持ちを一言ずつ話してもらい、共有する時間をとるという方法です。
チェックイン・チェックアウトを取り入れる目的は、
- お互いの今の状況や気持ちを理解し合い気遣い合うことで、話しやすくする
- 最初に話をすることで、会議中に発言するという心理的なハードルを下げる
- 小さなコミュニケーションを重ねることで、参加メンバー間の良好な関係構築が目指せる
などです。
特にプロジェクトなど、さまざまな部署から役割の異なるメンバーが参加する会議で、チェックイン・チェックアウトを取り入れると、前向きな意見交換がしやすくなる傾向が強いようです。
ポストイット等を使って、アウトプットを可視化する
会議は意思決定の場ですが、結論を出すまでに、いろいろな立場の人が異なる意見を述べるものです。
会議終了前には、複数の意見を集約してまとめる必要がありますので、参加者全員が話し合われている内容を理解する必要があります。
そのため、会議の際には道具を用意しておくことをおすすめします。
具体的には、ホワイトボードを用いて、参加者の意見をポストイットに書いてもらい、それをカテゴライズするなどです。
会議中の発言を可視化することで、参加者全員が共通認識を持ち、意思統一がしやすくなります。
また、さまざまなアイデアについて、評価から選択まで一度に行う手法に「バタフライテスト」があります。
あらかじめ「容易に実行できる」「集客に役立つ」「ほかの施策につながる」などの評価軸をつくっておき、それを色別にしておき、発表されたアイデアに色付けをすることで、評価を可視化するという方法です。
議論する内容によって、使い分けるとよいでしょう。
会議のルールをつくる
時間内に目的を達成する会議を行うためには、建設的に議論を進める必要があります。
そのため、会議の進行にあたって、あらかじめルールを課しておくのも一つの方法です。
というのも、会議の参加者が定例化している場合、他者の発言を遮って質問したり、自分の意見を発表するケースが少なくないからです。
そこで、会議のルールの具体例をいくつか紹介しておきましょう。
- 質問や発言は発表が終わってからする
- 発言は挙手のうえ、ファシリテータに指名されてから行う
- 他者が傷つくような発言は禁止
- 発言は結論を言ってから、その理由を説明する
- 「できない」「わからない」という言葉を使わない
などです。
会議前にアジェンダに目を通す、携帯電話を切るなども、取り入れたいルールです。
こうしたルールを設けることで否定的な感情を排し、参加者が率直な意見を言い合える環境ができると、議論が活性化するはずです。
会議の参加者を厳選する
そして最後は、会議に参加するメンバーを厳選することです。
複数の部署が関わるプロジェクトの場合、実作業を行うメンバーが多くなってしまうことがあります。
その全員を集めて会議を行おうとしても、日程の調整や意見のヒアリングに手間がかかりますし、発言できない人がいたり、意思決定に時間がかかるのも好ましくありません。
決裁権のある人や、その仕事に前向きに取り組みたい人を選抜して会議を行えば、効率よく時間を短縮した議論が実現できるはずです。
アジェンダを作成する際に、会議に必ず参加すべき人、可能なら参加してほしい人、参加したい人などを設定し、参加の意思確認をするのもおすすめです。
ただし、アジェンダがきちんとまとまっていることが前提なので、きちんと準備しましょう。
まとめ 会議の時間短縮&効率化を進めよう!
今回は、会議の時間短縮や効率化を促進する方法について、お話ししました。
この記事のポイントは
- 会議が長引いたり、無駄だと感じるには理由がある
- 効率よく会議を行うためにはアジェンダとファシリテータが必要
- 会議への参加意欲を高める遊び心も大切
の3つです。
やり方を変えれば、会議が業績やモチベーションのアップにつながる可能性が高いのです。
この記事を読むことで、効率よく時間短縮した会議を実践する人が増えてくれたらうれしいです。
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