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リモートワークは、本当に未来の働き方になりえるか? 事例付きリモートワーク業務のいろは

[最終更新日]2018/11/20

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日本政府が働き方改革を進めている今、働き場所に縛られない「リモートワーク」が注目を集めています。

日本企業ではリモートワークの導入を進める会社が増えている一方、アメリカではYahoo!やIBMがその廃止を発表しました。

そこで今回は、リモートワークとは何か、未来の働き方として期待ができるのかについて、事例紹介しながら一緒に考えていきたいと思います。

リモートワークのメリットとデメリットを理解したうえで、導入するか否か、効果的に運用する方法について考えるきっかけにしてみてください。

Index

目次

そもそも、リモートワークとはどんなもの?

リモートワークとは

そもそもリモートワークとは、遠隔を意味するRemoteと働くWorkという言葉を使った造語で遠隔で働くことを指します。

具体的には、会社に出勤して仕事をするのではなく、自宅や外部のコワーキングスペースなどを利用して、仕事をすることです。

つまり、企業に勤務する会社員が、社外で働くという労働形態を意味します。

そう聞くと、「在宅勤務」や「テレワーク」「ノマドワーク」「クライドソーシング」とはどう違うのか、気になる人もいることでしょう。

在宅勤務は、実はテレワークに含まれる働き方です。

総務省ではテレワークを、「ICTを活用することで、場所や次男に捉われない働き方」と定義しています。

そしてテレワークは、会社に在籍して行う「雇用型テレワーク」と、個人が行う「自営型テレワーク」に分かれます。

在宅勤務は、雇用型テレワークに含まれ、就業場所が自宅となります。

雇用型テレワークには、いつでもどこでも仕事ができる「モバイルワーク」や、サテライトオフィスなどで働く「施設利用型勤務」があります。

ノマドワークは、パソコンやタブレットなどの端末を携帯し、Wi-Fiのあるスペースで仕事をすることをいい、企業に雇用されているか否かは関係ありません。

クラウドソーシングは、仕事の委託を不特定多数の人に行うもので、勤務形態は外部宅業務になります。

リモートワークとは異なるので、違いを覚えておきましょう。

リモートワークの導入イメージ

働き方改革にはいろいろな内容が持ち込まれていますが、リモートワークはなかでも、働き場所を自由にする方法として注目されています。

電話やメールを利用することで、オフィス以外の場所でもコミュニケーションをはかれる今、出勤しなくても業務を行うのは難しいことではありません。

出勤の義務がなくなれば、遠隔地での就業も可能で、労働者が都市部に集中することもなくなり、地域活性化につながるのではないかと期待されています。

そこで、実際のリモートワークの導入例をいくつかご紹介しておきましょう。

リモートワーク導入例#1 トヨタ自動車

トヨタ自動車は2016年6月より、在宅勤務制度を拡充させています。

それまでも在宅勤務制度はあったのですが、対象者が妊娠中並びに1歳未満の子どもを持つ女子社員に限定されていました。

これは福利厚生という意味合いの強い制度でしたが、発表後は総合職社員を対象に、全社員の半数にものぼる2万人が対象となっています。

出勤しなくても業務が行える事務職や技術職は、リモートワークを行うことで生産性向上が期待されています。

また、職種としては長期的にコストの削減が見込めるという意味もあるようです。

さらに、育児や介護で自宅から離れにくい社員を確保できる環境を整えることで、優秀な人材の流出を防ぐ一助にもなると考えられています。

リモートワーク導入例#2 味の素

3万人以上の社員がいる味の素でも、2017年度から働き方改革に取り組んでいます。

その内容は、2020年までに1日の所定労働時間を35分減少させて7時間にすることです。

それを実現するために、「そこでもオフィス化」というテーマを掲げて、テレワーク制度を導入したのです。

これは、全社員に画像認識機能が付いたパソコンを付与することで、在宅勤務を可能にするというものです。

在宅勤務の日数制限がなく、当日に申請しても認められるほか、管理職については週1回以上の制度利用を推奨しているといいます。

また、会議時間を最小限にする目的で、情報共有はパソコン上で行い、対面の打ち合わせは原則として廃止にする方針だそうです。

投資額は10億円ほどといわれていますが、出張費やクライアントへの営業費、接待費などの削減につながることから、中長期的にはコストカットにつながりそうです。

リモートワークのメリット・デメリット

近年注目を集めるリモートワークですが、前述したようにアメリカでは廃止する企業が出てきています。

リモートワークにもメリットとデメリットがあり、企業によっては向かない可能性もあるからです。

そこで、リモートワークのメリットとデメリットについて、具体例をあげて考えてみたいと思います。

リモートワークのメリット

まず、リモートワークのメリットについて考えてみましょう。

  • 社員の業務生産性向上につながる
  • 社員の通勤の負担を軽減できる
  • 優秀な人材を確保しやすくなる
  • ITを活用することで組織の連帯感が強まる
  • 企業のコスト削減につながる

オフィスで仕事をしていると、打ち合わせや会議の機会が多くあるほか、同僚との世間話、クライアントの接待など、個人の業務を妨げる機会が少なくありません。リモートワークにより、そうした機会がなくなれば、個人の業務の生産性は向上します

首都圏の場合、通勤時間の長さやラッシュ時の心身の消耗を避けるのは難しいものです。リモートワークであれば、こうした通勤の負担が軽減され、余った時間をプライベートや睡眠に充てることができます

優秀な人材であっても、育児や介護の問題を抱えたり、転勤の内示が出てもお子さんの学校の関係で家族全員での転居が難しく、退職するケースが多々あります。リモートワークであれば、こうした理由での離職を防止することも可能で、社員もキャリアアップを諦めずに済みます

リモートワークでは、関連部署との情報共有はITツールを活用して行います。バラバラな場所にいる社員でも、統一かされたシステムを活用して仕事をすることで、連帯感が強まるという報告があります。リモートワーカーの80%が以前より同僚との関係が強まったという回答を得た調査もあったそうです。

リモートワーカーが増えれば、オフィスの規模を縮小できます。家賃や光熱費、デスクやイス、キャビネットなどの備品費、社員の通勤交通費などを減らすことはできます。つまり、企業のコスト削減にもつながるのです。

リモートワークのデメリット

では、リモートワークのデメリットについても、整理しておきましょう。

  • 社員間のコミュニケーションの機会が減る
  • 社員の勤怠管理や個々の業務の進捗状況を把握しにくい
  • 人によっては業務生産性が下がる可能性がある
  • データを含めた情報管理の点でリスクがある
  • 環境を整備するのが大変

前章で、ITツールを活用することで、業務に関する社員同士の連帯感が深まると紹介しました。しかし、業種によってはアイデアを出し合う意味で会議でのブレストが重視されたり、社員が悩みを抱えた時に相談しにくいなど、顔を合わせることでしかできないコミュニケーションが取れない点が指摘されています。

また、リモートワークには労働時間が簡単にわかるタイムカードなどがありません。社員一人ひとりの労働環境や時間が見えにくく、勤怠管理が難しいというデメリットがあります。同様に、社員一人ひとりの業務の進捗状況も把握しにくいという実情があります。

リモートワークは自発的に仕事をする人にとっては、業務生産性を向上できる働き方です。しかし、スケジュールや自己管理が甘い社員の場合、遊びすぎて仕事が進まなかったり、仕事に集中するあまりに休日返上で作業をすすめるなど、かえって業務生産性が下がるケースも考えられます。

業務上、会社の秘匿情報を遠隔でやりとりしなければならない可能性があります。そんな時に、外部でWi-Fiを使って作業を行ったり、ウイルス感染によりデータや情報が洩れるリスクはゼロではありません。

企業で一番大変なのは、リモートワークができる環境を整えることです。業務内容や種類を可視化するとともに、進行フローの見直しや、紙のツールをデジタル化するなど、さまざまな準備を行わなければならないからです。またセキュリティ面を考えると、企業が社員のパソコンを付与するのが望ましく、そのコストは膨大なものになる可能性が高いです。

リモートワークが向いている職種・向いていない職種

リモートワークのメリットやデメリットをまとめてみると、どうやら向いている職種と向いていないものがあるようです。

リモートワークの前提として、仕事の成果が見えやすい、まとまった業務時間を必要とする職種は向いており、確認や打ち合わせが不可欠なものは向かない傾向があるからです。

そこで、リモートワークが向くあるいは向かない職種とその理由について、まとめてみたいと思います。

リモートワークが向いている職種

まず、リモートワークに向いている職種をまとめてみましょう。

  • Webやモバイル、インフラなどのエンジニア
  • Webやグラフィック、UI/UXなどのデザイナー
  • エディター、ライター
  • 営業職
  • Webを中心とするマーケター

プログラマーを含めたWebやモバイル、インフラなどのエンジニアは、仕様書などに基づいてパソコンで作業をする仕事です。そのため、必要なスキルを持ち、作業環境が整っていれば、いつどこででも仕事ができるため、出社の必要がありません。

Webやグラフィック、UI/UXなどのデザイナーも、必要な原稿や画像をメールで受け取り、校正確認や納品もネット通信で完結できるため、作業環境が整っていればいつどこででも仕事ができます。打ち合わせが必要な時だけで外出しながら、リモートワークをする人が多い職種です。

Webメディアのエディターやライターも、リモートワークがしやすい職種の一つです。クラウドソーシングの依頼も多い職種で、情報をネットなどで収集しながら、規定の成果物で納品することが可能なことも理由の一つです。

クライアントに足を運ぶことの多い営業職も、リモートワークしやすいと考えられます。1日に複数のアポイントが入っている場合などは、合間に会社に戻らず、外出先で事務処理を進める方が効率はよくなる可能性が高いです。

近年は、SNSやリスティング広告の運用のほか、SEO・SEMといったWebマーケティングの需要が多くなっています。そうしたマーケターの仕事も、ネット環境が整っていればリモートワークで行うことが可能です。

リモートワークが向いていない職種

では、リモートワークが向いていないと考えられる職種をまとめてみましょう。

  • 人事や財務、総務などのバックオフィス職
  • トラブル対応が必要な職種
  • 営業アシスタント職
  • チーム連携が必要な職種
  • サービス業

バックオフィス職とは、営業やマーケティングといった顧客対応を行う部署を後方から支援する仕事のことです。なかでも人事や財務、総務などのバックオフィス職の場合、企業や個人の秘匿情報を扱います。そのため、業務で使うパソコンのセキュリティを万全にしておかなければなりません。情報漏洩を防いだり、顧客対応を円滑に行ううえで、リモートワークには向かない職種といえます。

システムやインフラのエンジニアなどの場合、クライアントで不具合が発生した際に、24時間対応をしなければならないケースがあります。その際、納品先での作業を余儀なくされることが多く、リモートワークには向かないと考えられています。

営業アシスタント職は、外勤の多い営業職に変わって、事務作業や電話応対をする必要があります。そのため、オフィスで情報共有しながら働ける環境の方が業務効率はあがると考えられます。

医療や介護、保育などの仕事は、チームで働く仕事です。リモートワークは1人で行える職種に適しているので、対面や連携が前提の仕事には適していません。

同様に人と接するサービス業はもちろん、クレーム対応を行うコールセンターなども、リモートワークには向かないと考えられます。

リモートワークを推進する際に、注意したいポイント3点

リモートワークのメリットとデメリットを検討し、自社の職種であれば導入が可能と考える企業もあることでしょう。

コスト削減という意味でもリモートワークを推進したいと考えているなら、失敗しないために注意しておきたいポイントが3つあります。

その3つのポイントについて、具体的にご紹介しておきましょう。

ポイント#1 社員間のコミュニケーションをとれる環境を整える

同じオフィスで働いていれば、業務以外の会話を交わす機会も多く、それぞれの人となりを理解したうえで組織運営されていきます。

ですがリモートワークの場合は、業務で関係するほかの社員と顔を合わせる機会が格段に少なくなります。

その結果、コミュニケーションをとる機会が減ることで、業務が円滑に進まないケースも見られるようです。

そうした懸念事項を排除するためにも、Skypeやビデオチャットサービスを活用し、遠隔でも顔を見ながら会議を行えるよう、環境を整備することが大切です。

メールや電話だけでコミュニケーションを図ろうとして、失敗している会社は複数あります。

また、情報共有がきちんと行われるように、コミュニケーションツールや運用ルールを用意しておくようにしましょう。

コミュニケーションツールのなかでは、チャットワークの人気が高いようです。

ポイント#2 勤怠管理を適切に行える環境を整える

オフィスで働く管理職は、部下の仕事ぶりを見ることで、勤務態度や作業の進捗をある程度把握することができます。

しかしリモートワークでは、それぞれの社員が何時から何時まで、どのような作業を行っているかをその目で確かめることができません。

複数で行うプロジェクトの場合、個々の進捗状況が把握しきれなかったことで納期に間に合わず、リカバーもできない状況になるケースも少なくないようです。

そのため、オンライン上でタイムカードの打刻ができる勤怠管理システムバーチャルオフィスツールを導入することで、業務に関連するスタッフがお互いの進捗状況を把握できる環境を整えるのも大切です。

また、管理職が部下の工数管理と個々の進捗状況を把握できるよう、連絡や報告に関するルールを設けるのも有効です。

プロジェクトを管理するためのツールとしては、Backlogがおすすめです。

ポイント#3 企業のナレッジを共有できるシステムを用意する

仕事を行ううえで重要なのは、作業スキルだけではありません。

自社のナレッジを共有し、仕事を進めていく必要があります。

ビジネスにおけるナレッジとは、組織において有益な情報や付加価値のある知識・経験を指すことが多いです。

事業や所属する組織、個人のナレッジを共有することで、個人あるいは組織のスキルアップに役立つため、ナレッジマネジメントやナレッジコミュニケーションに力を入れている企業も多いのです。

オフィスであれば、会議や研修などを通してナレッジを共有することができますが、リモートワークでそれを行うのは難しいです。

メールやチャット、動画、ビデオ会議などで情報を提供しても、それが蓄積されるとは考えにくいです。

自社ならではのナレッジを積み上げていくためには、それを共有するためのツールや機会を設ける必要があります。

ナレッジ共有ツールでおすすめなのは、G Suiteです。

リモートワークの導入は慎重に行おう

今回は、リモートワークとは何か、未来の働き方として期待ができるのかについてお話ししました。

  • リモートワークを導入する企業が増えているがメリットとデメリットがある
  • リモートワークに向く職種と向かない職種がある
  • リモートワークを導入する際には環境整備が重要である

ことは、理解していただけたと思います。

今後リモートワークの導入を検討するうえで、自社の職種に適しているのか、導入のための投資費用と中長期的なコスト削減のバランスはとれているのかも重要な要素です。

この記事を参考に、多角的な視点でリモートワーク導入について検討していただけたら幸いです。

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この記事を書いた人

栗花落

プロデューサー・ライター。情報誌の編集を皮切りにライター・ディレクターを経て、現在はプロデューサーとして、主に教育関連の広報・PRを手掛ける、4人の子どもを持つシングルマザー。勤務先で初めて産休・育休を取得したり、育児中は定時で帰るために毎朝4時起きして自宅で仕事をするなどしながら仕事を続ける。26歳で初めて管理職につき、編集兼営業としてプレイングマネージャーなども経験。うつ病の部下の職場復帰させた実績もある。

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