【朝礼のネタ】「苦手」を克服する方法
[最終更新日]2022/12/15
誰にでも得意・不得意があるように、仕事においても「この業務はどうにも苦手」という分野が1つはあるものです。
十分に注意しているはずなのにミスが発生してしまったり、人よりも時間がかかってしまったりする——。このような状況に、思い当たる節のある人もいることでしょう。
この記事では、「苦手」と感じていることに対して、どうすれば克服できるかを3つのパターンのスピーチで紹介しています。朝礼スピーチで苦手の克服方法について取り上げる際は、ぜひ参考にしてください。
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朝礼のネタ:苦手意識を持つと、もっと苦手になってしまう?
皆さんには、苦手なことがありますか?苦手なことを避けているうちに取り組む機会が少なくなり、ますます苦手になってしまった・・・などといった経験がある人はいませんか?今日は、苦手意識を持つとさらに苦手になってしまうという「マタイ効果」についてお話しします。
マタイ効果は、新約聖書の「マタイの福音書」に登場する「富める者はますます富み、奪われる者はますます奪われる」という言葉に由来しています。つまり、得意なことは好きになってさらに得意になるけれども、苦手なことはつい避けてしまい、ますます苦手になっていく、といった意味で使われているのです。
私は今でこそPCなどのIT機器を使うのが割と好きなほうですが、学生時代は全く興味がなく、分からないことだらけでした。PCで作成することが義務付けられていたレポートも、PCが得意な友人に雛型を作ってもらい、自分は入力だけすれば済むようにしていたのです。
そんなことをしているうちに、「自分はPCが苦手なんだ」と思い込むようになり、PCを使わなくてはならない場面を避けたり、どうしても使わなくてはならないときは人にお願いして代行してもらったりしていました。
結局、就職活動でエントリーシートを作成しなくてはならないため、PCを使わざるを得ない状況になったのですが、分からないことがあれば人に聞けば済むわけですし、ネットを検索すればいいことが分かり、使い始めてみればそう苦手でもないと思うようになりました。
もしあのまま「苦手だ」と思い込んでいたら、いつまで経っても使えるようにならなかったでしょう。
苦手意識は、結局は自分の思い込みによるところが大きいようです。苦手意識を持つことでかえって習得の機会を逃してしまうようでは本末転倒ですね。今後も、何か他のことでマタイ効果に陥っていると感じたときは、思い切ってやってみる、分からないことを聞く、といったことから取り組んでいきたいです。
朝礼スピーチのコツ)スピーチの印象を決めるのは聴覚だけじゃない
スピーチと聞くと、どうしても「言葉で伝える」イメージが先行し、聴覚のみに訴えるという認識になりがちです。しかし、印象に残るスピーチにするためには、五感に訴えるポイントを作ったほうが効果的です。
具体的には、形や動きを身振り手振りで表現して視覚に訴える、特徴のある擬声語や擬態語で聴覚に訴える、実際の香りを彷彿とさせる表現を盛り込んで嗅覚に訴える、想像しやすい味の話題で味覚に訴える、スピーチの最後に握手を求めるなどして触覚に訴える、といった方法が考えられます。
このように聞き手の五感に訴えることによって、言葉で聞くだけの場合と比べて記憶に残りやすく、思い出してもらいやすいスピーチにすることができるでしょう。
朝礼のネタ:苦手は強みと紙一重
皆さんは、自分が苦手なことをどのようにして克服してきましたか?
あるいは、苦手なことがあるのは誰にとってもあり得ることですので、持って生まれた性格の問題だと考えて諦めていませんか?今日は、苦手なことこそ「強み」になるかもしれないというお話をします。
さきほど、持って生まれた性格と言いましたが、人のパーソナリティを5つの要素に分解する「ビッグファイブ」という手法があるそうです。それによれば、人の性格は「外向性」「情緒安定性」「誠実性」「協調性」「開放性」の5つの要素から成っています。
人によって、たとえば外向性は低いけれども誠実性が高く出たり、情緒安定性が高い一方で開放性が低いといった傾向が現われたりするわけです。
このビッグファイブの面白いところは、ある要素の点数が低いことが必ずしも悪いわけではない点です。数学者の秋山仁先生は、幼い頃に落ち着きがないことを心配され、知能テストのような試験を受けたことがあるそうです。
秋山少年はガラスのコップを手渡され、「この中に水を入れてください」と言われたそうです。秋山少年は考えます。
「コップの中と言われたけれど、コップの中と外はつながっている。ということは、ガラスの中に空洞があって、そこに水を入れるにちがいない」——そう思って取った行動は、「コップを叩きつけて割ってみる」というものでした。
このとき、秋山少年は「行動が予測できない」といったネガティブな判断をされてしまったかもしれません。しかし、裏を返せば開放性が高く、創造的で感性が豊かな証拠とも言えるのです。
私たちは「苦手」と感じることをネガティブに捉えがちです。しかし、苦手なことこそ、マネできない強みとして周囲には映っているかもしれません。苦手は強みと紙一重なのです。
朝礼スピーチのコツ)ボディランゲージでスピーチのポイントを印象づける
朝礼スピーチは短時間で行われることがほとんどですので、ボディランゲージを意識する暇もないと感じるかもしれません。しかし、話の山場となる箇所で意識的に手を動かすだけでも、聞き手にとって印象深くなる効果を得られますので、ぜひ取り入れたいところです。
たとえば、「今日お話ししたことのポイントは2つあります」と言いながら指を二本示す、「こうして状況はゆっくりと改善されていったのです」と言いながら手を右から左へとゆっくりと動かす、「とても感動的な出来事でした」と言いながらガッツポーズをする、といったジェスチャーを交えるのです。
ボディランゲージによって聞き手の視覚に訴え、言葉をよりイメージしやすくなります。仕草が視覚的に記憶に残りやすくなるので、結果的に印象深いスピーチにすることができるというわけです。
朝礼のネタ:苦手なことをするときに意識したい、グロース・マインドセット
皆さんは、どうしても苦手なことがあったらどうしますか?仕方ないと考えて諦めてしまう、という人もいるかもしれません。今日は、苦手意識を持った状態から抜け出せなくなったとき、どのような考え方をすれば抜け出せるかをお話ししたいと思います。
苦手意識から抜け出せない状態は、「次もまた失敗するだろう」とか「人は変われない」といった思いに囚われている状態です。これをフィックスト・マインドセットと呼ぶそうです。思考が固定化されてしまっているとうわけですね。
一方、「失敗を怖がる必要はない」「やり方次第で人は変わることができる」といった考え方をグロース・マインドセットと呼びます。成長を志向するというわけです。
プルデンシャル生命の創業者である坂口陽史氏は、次の言葉を遺しています。
考えが変われば行動が変わる
行動が変われば習慣が変わる
習慣が変われば性格が変わる
性格が変われば人格が変わる
人格が変われば人生が変わる一気に人生を変えようとするのは難しくても、「考え」ひとつを変えるのはそれほど難しくないと思います。それによって小さな行動レベルから変えていき、習慣化していくことの大切さを説いているのです。
私もどちらかと言えば苦手なことを諦めてしまいやすいタイプですが、ついネガティブに捉えて避けがちになってしまう苦手なことを、考え方を少しだけ変えることで前向きに取り組み、少しずつでもいいので克服に近づけていきたいと思います。
朝礼スピーチのコツ)聞き手とのやりとりを入れてスピーチのテーマを印象づける
印象に残りづらいスピーチには「結局何の話だったのか覚えていない」という特徴があります。そもそも聞き手が興味を惹き付けられていないので、何の話だったのかさえ記憶に残らないのです。
そこで、スピーチのテーマを印象付けるために聞き手とのやりとりを導入することをおすすめします。具体的には、「今までに〇〇と感じたことのある方、いらっしゃいますか?」と言って手を挙げてもらう、といった方法があります。
こうすることで、聞き手も自分に問いかけられた問題として捉え、スピーチに参加しているという意識を持ってくれますので、その日に話されたテーマがより強く印象付けられます。
積極的に手を挙げたがらない雰囲気がある場合は、あえてほぼ全員が当てはまる質問を投げかけて挙手の練習をしてもらい、次に本物の質問をするという方法もあります。
朝礼スピーチで「苦手の克服」をネタにするとき知っておきたいこと
スピーチで苦手の克服をテーマとして話す場合、まず意識しておきたいのが「ネガティブな話題と思われやすい」という点です。
そもそも人は苦手なもののことを積極的に考えたがらないので、苦手を克服するために本当に役立ちそうな内容のスピーチでなければ熱心に聞いてくれないでしょう。
苦手を克服する上で、「なぜ苦手になるのか」「どうすれば解決できるのか」を論理的に理解しておくことは非常に大切です。「苦手を思わないように努力しましょう」といった精神論に走らないよう、まずは「苦手」という状態について理解を深めておきましょう。
なぜ「苦手」ができるのか
たとえば、ある仕事を初めて任されたとき、自分が想像した以上にうまくいかず、周囲のメンバーに迷惑をかけてしまったとします。
この仕事についての記憶は「うまくいかなかった」という印象によって形成されます。そして、「周囲に迷惑をかけた」「上司から注意を受けた」といった情報が紐付き、「この仕事はうまくできない」「周囲に迷惑をかけてしまう」「だから苦手だ」という意識が形成されていくのです。
ここで注目すべきは、事実として起きたことは「うまくいかなかった」ことと、「周囲に迷惑をかけたこと」だけだった点です。最初にうまくいかなかったのは、不慣れなせいだったかもしれませんし、細かな点で確認が足りなかったせいかもしれません。
いずれにしても、「次もうまくいかない」ことを実証する情報は1つもありません。つまり、最初にうまくいかなかったからという理由で「次もうまくいかない」「自分はこの仕事が苦手だ」と考えるに至っているのは、自分自身の「苦手意識」から来る思い込みによるところが大きいのです。
このように苦手意識が固定化されてしまうと、その行動を避けるようになり、本来うまくできるはずのことでも期待する結果が出づらい状況を自分で作り出してしまうといった事態にもなりかねません。
苦手克服には互いに認め合う「コミュニケーション風土」が必要
仕事において苦手意識を克服しにくくなる原因の1つとして、「失敗すると責められるのではないか」という恐怖心が挙げられます。
実際には失敗した人を責めているつもりがなくても、誰かが失敗することで空気がピリピリしたように感じたり、陰口を言われているのではないかと邪推したりする雰囲気があれば、失敗したときの代償を想像して恐怖心を抱くのはごく自然な心理と言えるでしょう。
苦手を克服しやすい環境にするには、お互いに認め合い、失敗を批判しない風土を築いていくことが重要です。
具体的には、誰かがミスをした場合にも「誰がミスをしたのか」を追及するのではなく、「なぜミスが発生したのか」「原因は何だったのか」「どうすれば再発を防げるのか」といった建設的な方向に自然と話が進むような雰囲気にしていくのです。
前提として、「ミスは誰にでも起こり得る」「他の人が失敗していたかもしれない」という共通認識を持つことを習慣化していく必要があります。こうしたことを踏まえて朝礼スピーチを考えると、「苦手」や「失敗」といったネガティブな話題をポジティブな方向で伝えやすくなるでしょう。
朝礼スピーチのコツ)魅力的なスピーチは「目力」から
朝礼スピーチの良し悪しを決めているのは、案外「印象」であることが少なくありません。とくに話し方や話すときの表情しだいでスピーチの内容までもが良く思えたり、思えなかったりといったように、印象を大きく左右することがあるのです。
聞き手はスピーチをする人の様子をよく見ています。
顔を上げ、表情がよく見えるようにすること、明るい表情で自信を持って話しているように見せること、キョロキョロと視線を動かさずある程度固定させること、などを意識することで、「自信を持って堂々と話していた」「説得力のあるスピーチだった」と言ってもらえたりするものです。
顔を上げて話すためにも、原稿を見ずに話せるようスピーチの内容を頭に入れておくようにしましょう。
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