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正しい評価面談、行えてますか? 部下への評価面談の際に、意識すべきポイント3点!

[最終更新日]2018/11/20

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管理職は「担当部署の目標達成」と「部下の育成」という2つの役割を担います。

そのため、定期的に部下の人事評価に関わることになります。

そして、人事評価が終了した後で面談を行うのが一般的です。

評価面談は、部下個人の目標達成状況を確認したうえで、現状の課題や今後の目標について、管理職とのコンセンサスを得る機会でもあります。

しかし、この評価面談がうまくいかず、部下との軋轢が生まれるケースも少なくないようです。

そこで今回は事例をあげながら、部下との評価面談の際に気をつけるべきポイントについて、お話ししたいと思います。

Index

目次

評価面談は、やり方次第で社員に悪影響を与えかねない?

人事評価には複数の方法があり、会社によって人事評価制度の透明性も異なります

また、部下を評価するにあたり、管理職自身の感情に左右されるケースも少なくありません

さらに、評価面談での部下に対する話し方が、相手に不信感を持たせることもあります。

評価面談のやり方によっては、部下の仕事へのモチベーションを下げてしまう可能性があるのです。

 

そこで、部下にマイナスな影響を与えた事例と、評価の際に気をつけるポイントについて、ご紹介します。

事例1 目標管理制度による評価基準に無理があったケース

私がかつて勤務していた中小の広告代理店では、社長の一存で決めた目標管理制度による人事評価が行われていました。

 

営業・制作ともに利益目標の数値が設定されたほか、会社のルールの順守や新規受注件数といった目標達成度と、「規律性」「責任制」「積極性」「協調性」「計画性」の5つからなる業務遂行能力で評価しており、職位によって評価ウエイトを変えていました。

 

一般職であれば目標の達成度が60%・業務遂行度が40%のウエイトでしたが、リーダーだと70%・30%、マネージャーだと90%・10%、部長は目標達成100%が評価基準でした。 つまり、職位があがればあがるほど、利益を出さなければ評価されない仕組みになっていたのです。

 

評価は計算式で求めていましたが、目標達成度が50%未満で1、100%達成しても5、140%を超えて9となっており、定められた係数をかけて算出したS・A・B・C・Dと設けられたランクによって、昇給や減給を決めていました。

 

そもそもの目標設定が部下の能力ではなく、会社が達成したい数字を職位に合わせて割り振っているだけなので、目標を達成すること自体が簡単なことではありません。 達成できる見込みや根拠がない状況だったこともあり、評価面談は人事評価制度そのものに不満を持つ部下から常に反発されることが常態化していました。

 

社長と人事部長が同席のうえで、部下と評価面談を行った際、本人が努力したプロセスをいくらアピールし、それを管理職として後押ししても、目標の達成率に加味されることはありませんでした。

 

さらに評価面談で部下側に立ち、経営サイドに合わせない発言をしたことで、私自身も降格させられるというオマケつきです。

プレイングマネージャーだった私は会社の方針に納得はしていませんでしたが、職務として数値目標は達成し続けました。

部下にも意識して数字は回しましたが、部署全体の目標をカバーできるものではなかったのです。

 

結果的に自分への評価に正当性を感じずにいた部下は、私が降格されたこともあり、会社に対する信頼を失って、その後退職してしまいました。 私自身もその後に転職して今に至りますが、社員が納得できない評価基準がある限り、評価面談で言葉を尽くしてもやる気を引き出すのは難しいと実感した出来事でした。

事例2 評価が厳罰化し評価面談が人格否定に及んだケース

昨年、勤務先の後輩の下に初めて新入社員が配属されました。

ウェブデザインを手掛ける部署だったのですが、国立大学の理学部を卒業した新人はウェブに関する知識がまるでなく、入社してから勉強を始めたというレベルでした。

 

初めて育成する立場にたった後輩は、自宅で勉強できるように自費で書籍を買い与え、新人が趣味で行っていた演劇の練習に行けるよう時間の調整にも協力的でした。 しかし、大学院に行くつもりで就職活動を一切していなかった新人には社会人基礎力がなく、電話応対や来客対応でクライアントからクレームが入ることも少なくありませんでした。

 

また、自分の仕事が終わらなくても、先輩が残業していても定時に帰るなど、自分の立場をわきまえず、周囲の目を気にしない行動が続き、ほかの社員から白い目でみられ、後輩も指導力を問われる事態に陥ったのです。

 

後輩は新人に社会人基礎力とは何か、仕事をするうえで何が大切かを新人に伝えたり、ウェブに関する資格取得を進めるなどの努力をしました。 しかし、話し方が穏やかなうえ、新人のフォローを自ら買って出ることも多いのに、それを相手が認識しない状況が長く続いたのです。

 

社内で浮き始めた新人を思って厳しめに注意した際、「仕事は生活のためにしていることで、会社から一歩出たらプライベートタイムだから勉強はしない」と言われたことをきっかけに2人の関係が悪化。 同じミスを何度もくり返したり、説明をきちんと聞かない新人に対して、後輩が悪感情を持つようになり、人事評価も厳しいものになっていきました。

 

そして、そのフィードバック面談で「キミは人としてなっていない」と人格を否定するような発言をするに至ります。 その言葉に新人は反発。「趣味の仲間にわかってもらえれば、会社の人とは一切口をきかなくても困らない」という趣旨の発言をし、後輩自身もフォローする気持ちをなくしてしまいました。

 

新人自身にも問題はありましたが、後輩は連携して仕事をする関係を築けず、結果的に入社1年を待たずに退職しました。 初めての部下をそういう形で失った後輩にとっても、心の傷となる出来事だったようです。

評価をする際は、こんなポイントに注意!

  • 部下に対する絶対評価の実施
  • 結果に至るまでのプロセスを重視
  • 評価に至る根拠の具体化
  • 会社の人事評価情報の明示

部下を評価する際に注意してほしいのは、上記4点です。

まず評価をするにあたり、一定の基準に基づいて部下をランク付けする「絶対評価」という方法を用いることです。 その際、ほかの部下と比べるのではなく、個々の能力や基準に基づいて査定することが重要です。

 

次に、目標達成するための行動特性(コンピテンシー)を評価することです。 最終的に結果が伴わなくても、そこに至るプロセスが次の仕事に生かせれば、部下にとって成長するきっかけが生まれます。

その点を評価することが、部下のモチベーションアップにつながるのです。

 

そして、評価に対するフィードバックを行う際には、総評を伝えるだけでなく、根拠を具体的に伝えることです。 部下が「自分のどんな行動が評価されたのか」「どの点の努力が足りなかったか」を理解できるよう、きちんと理由を説明する必要があります。

さらに、会社の人事評価情報がきちんと明示されていることが、とても大切です。

 

2016年にリクルートマネジメントソリューションズが正社員519名に対して行った調査でも、人事評価制度に不満を感じる理由に、「何をがんばったら評価されるのかが曖昧」「評価の手続きに公平さを感じられない」などが、上位にランクインしています。

部下に対し、明確な人事評価制度をわかりやすく共有することが、管理職の役目の一つといえるでしょう。

そもそも、評価は何のためにあるのか?

人事評価の目的を一般社員に問うと、大半は「昇給や賞与の査定のため」と答えることでしょう。

しかし管理職に同じ質問をすると回答には個人差があります。 人事評価の目的を「組織の目標達成のため」と答える管理職もいれば、「部下を育成するための指標」ととらえる人もいます。

 

そこで、そもそも人事評価は何のためにあるのかについて、一緒に考えてみたいと思います。

評価の目的を、「成長」よりで捉えるか、「評価」よりで捉えるかは、組織や対象の人によって変わっていく

そもそも人事評価には、複数の目的があります。

具体的には

 

① 評価基準を明示し、期待する成果や行動を社員に理解してもらう

② 適切な評価により、個々の成長や行動革新のための方向性を示す

③ 適切な評価とそれを踏まえた処遇により、社員のモチベーションアップをはかる

④ 評価の結果をフィードバックすることで、上司と部下のコミュニケーションをはかる

などです。

 

しかし、この4つのどこに重きを置くかは、企業理念や社風、将来のビジョンによって異なります。 つまり、人事評価には多様性があるということです。

その多様性について語るうえで、以下の評価の目的を位置づけるマトリックスが用いられています。

「成長」観点「組織」観点「成果」観点「人」観点

人事評価が組織の目標達成のためにある場合、右下に位置づけられます。 これは、人事評価の目的の①が重視されているということです。

 

一方、人事評価が部下を育成するための指標である場合、左上に位置づけられます。 これは、人事評価の②③が重視されることを意味します。

 

どちらが良い悪いということではなく、所属する会社や部署、対象となる人によって、人事評価の目的が変化していくのです。

「完璧な評価」というものは存在しない?

経営理念や計画、行動指針が明確な会社であれば、期待する成果や行動を徹底して評価することができるでしょう。

 

また、社内ルールや考課者・評価者の訓練、事後調査などがきちんと行われている会社であれば、組織間のコミュニケーションも評価の対象となります。 しかし、企業理念や社風に合わせた人事評価制度を設けたからといって、完璧な評価ができるとは限りません。

 

部下が自分で思っている成果と、管理職を含めた会社が求める評価基準とは、必ずしも一致しないからです。 ただし、人事評価をするにあたって、どの会社でも変わらない考え方もあります。

それは、

  • 評価がその対象である部下の現状をきちんとあらわす、鏡のような存在であること
  • 管理職が常に最適かつ最良の評価をするよう意識し、思考と対話ができること

の2つです。 部下を評価するうえで鏡に何が映し出されるかは、人事評価の優先順位によって変わります。

また、部下の現状を正しく映し出すためには、管理職自身が自分の感情に溺れることなく、客観的な判断をする姿勢が不可欠です。

評価面談をすることで、上司も部下もモチベーションアップができるよう、しっかり対話することが重要なのです。

評価の基本的な仕組み

管理職が部下の評価を行う場合、全体像ではなく、いくつかの軸に分けるのが基本です。

そして、人事評価を成功させるためには、

  • 事前に管理職と部下が個人目標を共有する面談を設定する
  • 部下は設定された目標をふまえて業務に取り組み、管理職はその行動を把握する
  • 評価期間が終わったら、部下自身が評価を自己申告する
  • そのうえで人事評価を行い、面談でフィードバックする

という流れが不可欠です。

それを前提として、評価をどのようにしていくのかについて、次章で詳しく説明します。

評価は大きく、「能力評価」、「態度(上位評価)」、「成果評価」に分かれる

大抵の会社では、人事評価における基本的な要素を3つに大別しています。 それは「能力評価」「態度(情意)評価」「成果評価」の3つです。

 

能力評価とは、業務を通して部下が身につけた知識やスキルを測るものです。 職務によって必要とされるスキルは異なりますが、技術力や交渉力、業務処理能力などが含まれます。

 

態度(情意)評価は「行動評価」や「態度評価」と呼ばれることもあり、勤務に対する意欲や態度をみるものです。 ここには、ルールの順守や責任感、向上心、協調性、協働する姿勢などが含まれます。

 

成果評価とは、一定期間内に行った部下の能力を測ります。 具体的には個々の仕事の質と量、目標達成度、業績とそこに至るプロセスなどで、数値化される項目が多く含まれます。

能力評価 態度(情意)評価 成果評価
Input ⇒ Through Put ⇒ Output
成果を出すために必要とされる能力の高低を評価 能力を成果達成へ向けて的確に方向付ける姿勢を評価 職務活動の取り組みによる成果の事実を評価

この3つの評価は、個々の能力差を踏まえたうえで仕事に対する姿勢をチェックし、その結果を踏まえて評価するという流れになっています。

そして、この3つのバランスを見て、賞与支給額や昇給、昇進・昇格などを判断するのです。

どの評価を重要視するかは、その組織の方針次第。

人事評価を行う方法は複数あります。

よく見られる人事の評価フォーマットの多くが、「目標管理制度(MBO)」を用いています。 この方法は、管理職と部下があらかじめ設定目標について合意し、その達成度に合わせて評価するというものです。 どちらかというと、成果評価に重きを置く制度になっています。

 

また、「多面評価(360度評価)」を取り入れる会社も増えているようです。 この方法は、管理職だけが評価するのではなく、同僚や部下、他部署のメンバー、クライアントなどから複数の意見を集めて評価するというものです。

その場合、能力評価や態度(情意)評価に傾きやすくなります。 この評価制度を取り入れるのは、業績アップより組織力やチームワークに重きを置く企業が多いようです。

 

そして、「コンピテンシー評価」です。 コンピテンシーとは、行動特性や業務遂行能力を指します。 この方法は、能力評価と態度(情意)評価を融合させながら、所属する部署が求める理想像と部下とを比較して評価を行います。

 

人によって評価する項目や基準が異なり、個々に目標設定を行ったうえで、本人や管理職、同僚などにも評価を依頼し、総合的に査定することが多いようです。

このように、評価制度も会社によって異なるので、会社の方針にそった評価をする必要があります。

評価面談を行う際に、大切なポイント3点

評価面談は、賞与や昇給などの待遇を決めるだけのものではありません。 部下に自分の強みや課題を認識させ、成長を促し、モチベーションアップを図ることも重要な目的です。

そのためには、管理職は部下との評価面談を行うのがセオリーです。

とはいえ、評価面談で管理職が伝え方を間違うと、部下のやる気をそいでしまいます。

そこで、管理職が部下と評価面談を行ううえで、大切なポイントについてお話ししたいと思います。

「今回の評価面談は、何の目的、何のために行うか」を言語化しておくこと

人事評価には多様性があると前述しました。

 

企業理念や社風によって、人事評価制度も評価のポイント、目的は異なります。 しかし、部署の目標を達成するため、部下の成長を促し、組織を活性化するという共通の目的があります。

そのためには、部下一人ひとりの評価結果を伝えるだけでなく、先につながる働きかけをすることが大切です。

そこで、評価面談で部下としっかりコミュニケーションをはかるためにも、どんな目的で何のために行うのかをあらかじめ言語化しておきましょう。

 

まず、評価結果を伝える際には、管理職と部下の認識が一致している事項についてから始めるのがおすすめです。

評価が悪かった事項については、そう判断した理由について説明したうえで、原因やプロセスを話し合い、現状の課題を見つけます。 必要があれば、課題解決の方法をアドバイスしてもよいですが、部下が自ら考えて行動するように促すのが望ましいでしょう。

 

また、部下にチャレンジしてほしいことがあれば、率直にそれを伝えてください。 そのうえ、部下がやる気を見せたら、それを実現するための方法について話し合い、目標設定してあげるとよいでしょう。

このように、伝えるべきあるいは共通認識としたい事柄を言語化しておくと、対話のポイントが見えてきます。

 

評価面談の結果を伝えるだけでなく、次の目標に向かうステップにするという意識で臨みましょう。

評価対象者の話を聴くこと

評価面談のそもそもの目的は、設定された目標に対する進捗状況を確認したうえで、管理職が部下に指導やアドバイスを行い、目標達成に向けた課題を可視化し、双方でコンセンサスを得ることです。 だからこそ、管理職が部下に対して一方的に話し続ける評価面談では意味はありません。

 

評価者である管理職が、評価対象者である部下の話を聴くことがとても重要なのです。

そのため評価面談では、まず部下が自己評価について説明するところから始めるのがおすすめです。 あらかじめ評価シートを作成し、部下が記入した結果に管理職の査定を加えたものを用意しておくと、双方の観点の違いについて説明しやすくなるはずです。

 

また、管理職と部下との間で評価が大きく異なる場合は、自己評価した理由について聴き、管理職あるいは会社の方針と認識が違う部分について話し合い、評価をすり合わせる必要があります。

 

評価面談は管理職と部下が一対一で話し合う場でもあるので、現状の問題や将来のビジョンについて、考えていることをすべて話してもらえるよう配慮したいところです。

直属の上司がきちんと話を聴いてくれたと部下が思うことで、信頼関係が深まれば組織の活性化にもつながります。

「これから先のこと」に目を向けていること

人事評価は、一定期間の実績を評価する側面があることは間違いありません。 ただし、その評価が部下をランクづけたり、悪い烙印を押すものであるべきではないのです。

 

管理職にとって部下の育成は業務の一環なのですから、評価面談は今の結果を踏まえ、それをこれからの成果につなげるためにどうしたらよいのかを双方で共有する場であると認識すべきでしょう。

 

管理職と部下の両方が現時点での立ち位置や課題を共有し、その後の努力や変化、成長を認めることは、モチベーションアップにもつながります。

 

上司が自分をきちんと見て評価してくれる、そしてその評価を部下が納得できることが、組織の活性化や個人の成長につながるはずです。

過去の実績にとらわれるのではなく、これからの成長を促す評価面談になるよう、しっかり部下と向き合って対話するよう意識してみましょう。

まとめ 正しい評価面談をして部下の成長を促そう!

今回は事例をあげながら、部下との評価面談の際に気をつけるべきポイントについて、お話ししました。

評価面談は

  • 進め方によってマイナスに作用する可能性がある
  • 評価が何のためにあるかを管理職は理解する必要がある
  • 評価の目的は違っても面談に際しては対話を重視する点は共通する

ことを念頭に置き、真摯に望むことが大切です。

部下が前向きに仕事に取り組むことで組織活性化につながるよう、この記事を参考に評価面談に臨んでいただけたら幸いです。

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この記事を書いた人

栗花落

プロデューサー・ライター。情報誌の編集を皮切りにライター・ディレクターを経て、現在はプロデューサーとして、主に教育関連の広報・PRを手掛ける、4人の子どもを持つシングルマザー。勤務先で初めて産休・育休を取得したり、育児中は定時で帰るために毎朝4時起きして自宅で仕事をするなどしながら仕事を続ける。26歳で初めて管理職につき、編集兼営業としてプレイングマネージャーなども経験。うつ病の部下の職場復帰させた実績もある。

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