私の管理職体験談:部下の育成が、苦手。「言っていることが全然分からない」と言われて。
[最終更新日]2023/03/11
金属加工の工場にて、総務や経理、生産管理業務を一括して行っています。
通常これら業務はそれぞれ専門の部署があるものですが、私の会社は30人弱の中小企業ですので、ひとりひとりが守備範囲を広げていく必要があり、私も手広く業務を担っています。
仕事はなかなか忙しくて、休日にそのストレスを「効率よく」発散することを心がけています笑。
特に食べることが好きなので、近所に新しくできたお店をチェックし、美味しいものを食べて過ごしています。
仕事では、几帳面な性格ということもあって周りの人の「だいたいこれくらいだろう」が気になって仕方がないです。
もしかしたら、少し潔癖症な部分があるのかもしれません。
「趣味は掃除」といっても過言ではありませんし、他人が作る料理には抵抗があったりします。
それで、たまに自分で自分の性格に嫌気がさすときもあります。
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ゆうりさん(女性 30歳)
- 職業
- 金属加工
- 職種
- 総務・経理・生産管理
- 年収
- 約380万円
- 従業員規模
- 28人(うち部下6人)
- 地域
- 福島県
Index
目次
これまで私の仕事のモチベーションは、「お客様からの感謝」をもらえること。
私は高卒で就職し、最初の2年はサービス業(アパレル関係)、そこから7年ほど現在の会社(金属加工業)の営業および事務職に勤めた後、経営側(管理職)へ昇任しました。
今思えば、そのときどきの先輩方の指導や支援、そしてお客様のご指摘があって、スキルアップに繋がっていたと思います。
何よりもお客様に喜ばれる、頼りにされることを求め(時には社内の作業員に無理をお願いしたこともあります)、今まで業務に努めてきました。
今の会社に入ってからは、最初は業界用語や機械の特性など覚えることが多く、まず知識をつけるのが大変でした。
参考書に乗っていないことも多く、経験からでないと得られないような知識も少なくありませんでした。
しかし、何よりお客様から頂ける「ありがとう」という言葉が嬉しく、お客様の為にまた頑張ろうと思えたから、(あとは休日の美味しいごはんやスイーツの楽しみもあったから、)ここまでやって来れたんだと思います。
サポート役に徹していた私が、「管理職にならないか」と言われて。
私はもともと「自分でどんどんリーダーシップを取る」よりは「誰かのサポートをする業務」の方にやりがいを感じるタイプでした。
それで、管理職になる前は営業メンバーの下でのサポート業務をすることが多かったです。
緊急の時は得意先へお伺いしたり、社内現場の方とやり取りをして(製造工程や優先製品を組み替えたり)、いつも「この状況で自分ができることはなんだろう」と考えながら仕事をしてきました。
そうしていくうちに、段々とお客様や社内現場の方たちとの信頼関係を築けるようになって、自然と「この会社をより良くしたい」という思いが強くなりました。
一方で、「出世したい」という思いはそこまでありませんでした。
ある時、当時担当していた総務・経理をしていた上司が定年退職するという事で、その後任をお願いできないかというお話を頂きました。
その時は、予想外だったということもあったのと、
- 私
-
(今のままの働き方が良かったのに…)
という気持ちもあって、ですがさすがに即答で断るのも良くないと思い、「3日間、時間を下さい」と言って時間を貰いました。
最初のうちは「どうやって断ろう」ということばかり考えていたのですが、どう断ってもあまり良い印象にはならなそうだと思いはじめ、また「せっかくだから、新しい経験としてチャレンジしても良いかもしれない」という考えも出始めて、結局管理職を承諾することにしました。
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年上の部下から、「言ってることが全然分からない」と言われた!
管理職に就いたのは、今から3年前のことです。なりはじめてすぐの頃もっとも大変だったのは、「新人教育」でした。
新人といえど、大抵は私よりも年上です。
「年下のくせに生意気だ」と思っていた人もきっと多かったと思います。皆、私に対してあまり良い態度を取ってくれませんでしたから。
ある時なんて、
- 年上の部下
-
「あの、あなたの言っていることが全然分からないんですけど」
と、強い言葉で言われたこともありました。
これまでの社会人生活においても、言葉の選び方や使い方が大切だということは散々学んできたつもりですが、それでも出来ていないことは沢山ありました。
加えて、私自身「人にものを教える」というのがあまり得意ではなかったことにも気づかされました。
特に「私が当たり前のように知っていること」を、「それを当たり前のように知らない人」に教えるのがとても難しく、うまく伝えられなくて相手から怪訝そうな顔をされたりして。
いつも悩みました。業務説明のときによく声が震えたり、前の晩に眠れなくなることもありました。
そんなある日、いつも私に対して苦い顔をしていた新人さんが、リフレッシュルームで嬉しそうな顔をしながら他部署の同僚と話しているのを見かけました。
同僚の人は、私が教え中だった業務フローについて新人さんにより分かりやすく紙に書いてアドバイスをしてくれていたのです。
それを見て、なんだかいやーーな気持ちになって笑。
でも、それから新人さんはその業務をしっかりこなしてくれるようになりました。
あとで同僚の人にお礼にいったところ、
- 他部署の
同僚 -
「ああ、全然いいですよ。あの業務って結構複雑ですからね。ひとりで教えるより、何人かの人がいろんな角度から伝えていった方がイメージ掴みやすくなるんですよね。私もそうでしたし」
私は丁寧に御礼を伝えつつ、
- 私
-
(なんて完璧な受け答えをする人なんだろう…!)
──と、返答の素晴らしさに舌を巻きました。
その人は、育成担当である私を立てつつ、同時に「ひとりでやるよりも、みんなで協力しながらやったほうが効率的ですよ」と暗に教えてくれたのです。
それで私も、(なにも私一人でやらなくてよかったんだな)ということに、初めて気づきました。
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私を、支えてくれている人。
管理職になる前の私は、私のモチベーションは「いつもお客さんに支えてもらっているから」でした。
ですが、管理職になって部下と接する機会が増えて、そして同僚からの一言があってから、「知らないところで、社内の人にも支えてもらっていたんだ」ということを気づきました。
そして、その気づきは仕事中に力んでいた身体をすこしだけ、緩ませてくれたと思います。
自分一人では無理だと思ったときには、役職に関わらず同僚や部下にも支えてもらっていいんだと思うだけで、自然と気持ちが楽になります。
もちろん、私一人でできるのが理想なんでしょうけれど、でもそれに固執してしまって私の拙い育成でなんとかしようとしたままでは、結局新人さんたちに迷惑をかけてしまうこともあるでしょう。
何よりそういったときに支えてくれる人達を、私も大切にしようと思いましたし、そういった支え合いで仕事が成り立っているんだと知ることができました。
今では、育成業務で頭を悩ませることはほとんどありません。
私ひとりでは育成しきれないところは、「この部分は●●さんにも聞いてみるといいですよ」と言って他の社員の方にも育成を頼んだり、
- 私
-
「私の説明で分かりにくいところもあると思いますので、どんどん言ってくださいね。質問されると、私も勉強になりますから」
と言って互いに学びあう意思を示したり、すると大抵相手も納得しながら、リラックスして話を聴いてくれます。
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これからの管理職業務で、大切にしていきたいこと。
管理職やマネージャー業務に関わらず、仕事を一緒にやっていく上で一番大切なものは、信頼関係だと思います。
仕事と言えど、結局は人対人、そしていつも助けてくれるのは何より人です。
そして嫌な思いをするのも、信頼をなくすのも、原因は人です。
会社の業績ももちろん大切ですが、そうした関わる人同士の信頼があってこそ業績は積みあがっていくものだと信じています。
だから、私のモットーは、「業績No.1よりも信頼No.1」。
それを目指して、日々努力していきます。
また、新人教育の面でも、私なりのやり方で、より良い教育ができるように進めていこうと考えています。
具体的には、「マニュアルの整備」ですね。
マニュアル作成は、「なんとなく」「大体こんな感じ」を許さない私の神経質な性格がめずらしく役立ちやすく、きちんとしたものを作れている実感があります。
もちろん、それも「一人で全部作ろう」ではなく、いろんな人に見てもらって読みやすさや理解しやすさをチェックしつつ、皆の支えあいも受けながら、作成していく予定です。
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