【おすすめ映画#16】『ザ・サークル』が無料で配信されているVODサービスは?
[最終更新日]2023/03/11
TwitterやInstagram、facebookに代表されるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は、今や私たちの生活において無くてはならない存在となっています。
携帯電話も無かった時代からは想像できない、世界中の誰とでも、気軽に繋がれるこれらのツールは、コミュニケーションの輪を大きく広げる可能性に満ちています。
一方で、SNSによる誹謗・中傷やトラブルなども、日々ニュースなどで取り上げられるようになりました。
自分の意見を簡単に世の中へ発信できるようになった現代だからこそ、自身の言葉への責任が個々人に問われています。
今回は、SNSによるディストピアを描いたSFサスペンス『ザ・サークル』の見どころと、無料で視聴が可能な動画配信サービスについてご紹介します。
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目次
ザ・サークル
調査日:2021/02/17
○印は見放題配信。金額表示はレンタル料金です。動画の配信状況はマネージャーライフが調査した時点での情報です。詳細は各公式サイトでご確認頂けますようお願いします。
映画『ザ・サークル』の概要
タイトル | ザ・サークル |
---|---|
公開日 | 2017年11月10日 |
上映時間 | 110分 |
映倫区分 | G |
オフィシャルサイト | https://gaga.ne.jp/circle/ |
スタッフ | 監督:ジェームズ・ポンソルト 脚本:ゲイリー・ゴーツマン アンソニー・ブレグマン |
キャスト | エマ・ワトソン トム・ハンクス ジョン・ボイエガ カレン・ギラン |
映画『ザ・サークル』のあらすじ・見どころ
映画『ザ・サークル』のあらすじ(一部ネタバレあり)
片田舎の水道会社で派遣社員をしているメイ(エマ・ワトソン)は、コールセンターでの単調な業務内容に不満を抱えながら暮らしていた。
週末には両親の元へ向かい、要介護者である父の世話をして休日が終わる。
そんなある日、大学時代の友人で、世界最大手のSNS企業「サークル」に勤めるアニー(カレン・ギラン)から「うちの会社で人員の空きが出たんだけど、働いてみない?」との誘いが。
都会の、夢にまで見た巨大企業で働ける千載一遇のチャンスに、メイは二つ返事で「働きたい!」と言う。
地元の幼なじみで、おそらく自分に好意を抱いているマーサ(エラー・コルトレーン)には引き留められたものの、福利厚生の整った企業に勤めれば、要介護者である両親の生活も支えられるかもしれず、メイは「サークル」のコールセンター業務へ転職する。
前職と同じコール業務ではあるものの、「サークル」での業務はやりがいに満ちていた。
顧客との会話はすべて数値化され、従業員は100点満点のうち何点を獲得できるかで評価が決められる。
メイは前職での経験も活かし、初週から86点を獲得するまずまずのスタートを切った。
ある時、「サークル」の経営者であるベイリー(トム・ハンクス)による社内発表会が催され、新プロジェクト「シーチェンジ」の開発が発表される。
「シーチェンジ」とは、超小型のワイヤレスカメラを世界中に設置し、世界中のユーザーとその映像をシェアするというもの。
全社員から羨望の眼差しで見られるベイリーのカリスマ的な弁舌にメイもまた魅了され、ますます「サークル」への愛着を深めていく。
ある日、社内の人事係に呼び出されたメイは「社内用のソーシャルネットワークを開設して」と迫られる。
「あなたが週末に何をして過ごしているか分からないのは、ちょっと不気味だわ」
言われるままに社内用SNSアカウントを取得するメイだったが、自らの生活のほぼ全てを逐一報告し合う社員たちの姿に、次第に不信感を募らせていく……。
映画『ザ・サークル』の見どころ:「いいね!」のその先にあるもの――
原作は2013年に発行された作家デイヴ・エガーズによる小説『ザ・サークル』。
SNSの発展により人と人の高度なコミュニケーションツールが築かれる一方で、待ち受けるであろう”闇”の部分にもフォーカスしたベストセラーです。
世界No.1のシェアを誇るSNS企業「サークル」で働く従業員らは、社内SNSにより「いつ・どこで・誰が・何をしているか」が一目で分かる監視環境に置かれています。
しかし、カリスマ的な魅力を放つ経営者ベイリーの理念を共有し、もはや彼らはその状況に慣れ切ってしまっている。
そこにやって来たのが、外部からの転職者であるメイ。
新プロジェクト「シーチェンジ」による、「全人類の透明化」を掲げるベイリーの理想に心打たれる傍ら、一抹の不安も抱えているいわば観客の代弁者となるべき人物です。
自らの生活の一挙手一投足が監視され、「いいね!」によって評価される世界は果たして幸福か?
日々進化を続けるネット文化に順応している私たちに、本作は警鐘を鳴らしています。
豪華キャスト陣によるリアルな人物造形
(C)https://gaga.ne.jp/circle/about.html
本作の主人公・メイを演じるのは『ハリー・ポッター』シリーズのハーマイオニー役でもおなじみのエマ・ワトソン。
自身もTwitterで2,500万人以上のフォロワーを持つインフルエンサーとして、本作のメイというキャラクターに説得力を持たせています。
また、「サークル」の経営者で、全社員からの尊敬を一身に集めるベイリー役を、『フォレスト・ガンプ/一期一会』や『プライベート・ライアン』などの名優・トム・ハンクスが怪しげな魅力で熱演しています。
その他にも、メイの大学時代の友人で、彼女を「サークル」へ誘うきっかけを作る人物アニー役に『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのカレン・ギラン。
「サークル」のサービス開発者でありながら、「サークル」とは距離を置いている謎のプログラマー、タイ・ラフィート役に『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』でフィン役を演じたジョン・ボイエガが扮します。
人気・実力ともに兼ね備えた豪華キャスト陣がその実在感のある演技力によって、「来るかもしれない未来」の物語に説得力を与えています。
ザ・サークル
調査日:2021/02/17
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社会人として観る『ザ・サークル』
その仕事は、自分のため? それとも誰かのため?
メイは「サークル」に転職する前は、介護が必要な父と、その生活を支える母のために自分も何か力になろうと、派遣社員としてコツコツと多くはない生活費を稼いでいました。つまり、「サークル」に入る以前の彼女は利他的な目的により働く人間でした。
しかし、「サークル」に入社してからは一転して、彼女は利己的な人間へと変貌していきます。
「サークル」でのコール業務は厳しいノルマが課されており、全ては顧客からの点数によって評価される制度を敷いています。
メイははじめのうち、前職でのコール業務と同様、一人一人の顧客と真摯に向き合い、要望に応えようと努力しますが、それでは業務効率が悪く多くの案件を裁けないことに気づきます。
それからはほとんどマニュアル的な対応により顧客と接していくのですが、ある程度の会話のパターンが見えてくるため、半ば機械的に業務をこなすようになり、結果として「サークル」で求められている人物像へと近づき、評価を上げていくのです。
仕事の目的は人によって様々であり、「自らの評価を上げるため」を名目とし業務をこなすことも間違いではありません。
しかし、通話口の向こうにいる生身の人間(顧客)の姿を失念し、ただ機械的に効率だけを重視した働き方は、「サークル」のオフィス構造(鳥瞰するとアルファベットの「C」のような形になっており、入口以外は閉じられた空間になっています)のように、どこか冷徹な印象を観客に与えます。
また、「サークル」へ入社する前は毎週末両親の元へ通っていたメイでしたが、業務の忙しさを口実に徐々に電話での会話で済ますようになり、そこでの両親とのやり取りも、どこか業務めいた色合いを帯びていきます。
本作はこうした主人公の変化を通じて、改めて私たち一人一人に、「働くことの本分」を問いかける内容になっています。
「承認欲求」が曇らせていく、本当に大切にすべきものの存在
(C)https://gaga.ne.jp/circle/about.html
社内SNSにより、自身の生活を他者へ向けて発信する義務を負うこととなったメイは、ある日、実家のシャンデリアを写真に撮り、投稿します。
これは幼なじみのマーサが鹿の角を用いて作成した手製のシャンデリアだったのですが、メイの何気ない投稿がきっかけで、マーサはネット上で「鹿殺し」という中傷を受けてしまいます。
実際には、マーサ自身が鹿を殺したわけではなく、あくまで死んだ鹿の角を再活用しようという試みであり、そのことを知るメイも釈明文を挙げますが、世間の非難の声は火消しが困難なまでに拡散され、マーサを追い込んでいきます。
そしてついにマーサ自身から、メイは関係を絶たれてしまうのです。
メイがシャンデリアの写真をアップしたのは、単に他者からの「いいね!」を貰いたいがための気軽な動機によるものでした。
しかし結果として、第三者を傷つけるきっかけへと発展し、古くからの友人関係の破綻へと至ってしまいます。
本作ではこうした「承認欲求が原因での破綻」が幾度となく描かれていくこととなります。
メイは、自らを「サークル」へと誘ってくれた大学生時代の友人アニーが日に日に元気をなくしていくのに気が付くものの、自らの成績向上のために話を聞いてあげずにいました。
しかし、アニーの悩みとは他でもない、メイの躍進により自身のポジションが危ぶまれていることだったのです。
いずれの件も、メイ自身に悪意があって行われた行為ではありません。
しかし彼女の「いいね!をもらいたい」「上司に認められたい」という思いが、結果として身近な人の心の声を聞く余裕を失わせていったのでした。
これらの出来事を通じて、メイは次第に「本当に大切にすべきものの存在」について思いを馳せていくようになります。
「影響力のある人物」が、必ずしも正しいとは限らない
「サークル」の経営者ベイリーは、溢れる才能とカリスマ性によって全社員の信頼を得ている人物です。
しかし一方で、世界中を小型カメラで監視するという突飛なアイデアに異を唱える人物すらも、もはや彼の周りにはいなくなっています。
マーサとアニーの一件で意気消沈していたメイは、ある夜、趣味のカヌーで荒れた海に漕ぎだし、転覆してしまいます。
真夜中とあり周りには人目も無く、メイは死を覚悟しましたが、試験的に導入されていた「シーチェンジ」の小型カメラがメイの姿を捉えたために、彼女は一命を取り留めます。
後日、メイはベイリーから「シーチェンジ」のモデルケースとして、「24時間の生活すべてを小型カメラで全世界に配信する役目を担わないか」と持ち掛けられます。
彼女はさすがに戸惑いを隠せないものの、命を助けられた恩と、ベイリーに対する半ば狂信的な信頼感に任せ「YES」と答えてしまう。
本作では、いかに影響力のある人物が放った言葉であっても、「それが正しいかどうかの判断は最終的には自分で下す」ことの重要性を説いています。
ベイリーの指示により翌日から小型カメラを片手に自らの生活すべてを世界中に晒すこととなったメイでしたが、どこにいようと「誰かに見られている」という環境に次第に疲弊していくこととなります。
果たして彼女がどのような運命を辿るのかは、ぜひ本編をご覧になって確かめてみてください。
ザ・サークル
調査日:2021/02/17
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まとめ)手軽に意見を発信することができるからこそ、自身の言葉に責任を持つこと。
『ザ・サークル』はSNSの暗部にスポットを与えた作品ですが、SNS自体はコミュニケーションの可能性を広げるうえで大きな希望を持っていると言えるでしょう。
最近ではclubhouseの人気により、国内でも著名人や同じ趣味嗜好を持ち合わせる他人同士が、気軽に会話をできる時代になりました。
だからこそ、自身の放つ言葉が誰かを傷つける危険は無いか、精査する能力が一人一人に問われています。
SNSを正しく使い、充実した毎日を送れるように、本作を参考にしてみると良いかもしれません。
ザ・サークル
調査日:2021/02/17
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