上司からの心に響いたひと言:「仕事というのは、必ずしも、白と黒だけでは成り立たないこともあるんだよ」
[最終更新日]2022/12/15
「仕事は必ずしも白と黒だけとは限らないんだよ」
ヤマさん(男性 55歳)
- 職業
- 経理課長
- 職種
- 小売業
- 年収
- 非公開
- 従業員規模
- 非公開
- 地域
- 青森県
Index
目次
融通の利かない性格ゆえに。
私は経理事務として働いています。
性格的には、どちらかというと融通がきかないタイプだと思います。
もちろんなるべくは営業や顧客の要望を通すようにしています。
しかし、納期などに関しては厳しいほうだったと自分でも思っています。
入社当時、上司から
- 上司
-
「経理の仕事は、正確かつスピードも重要だし、きっちり納期を守って回収しなきゃいけないよ」
と言われました。
そのため、それを頑なに守ろうとしていたのです。
そういった融通の利かない性格ゆえ、年に1~2回、営業や上司と衝突することがありました。
生真面目に仕事をすることを評価してくれる方も多数おられましたが、逆に疎ましく思っていた人も多かったことと思います。
ダブルスタンダードな上司。
私に、忘れられない一言をかけてくださったのは、ヤマさんという50代の男性上司です。
かなり温厚なタイプで、怒っている姿を見かけたことも、ほとんどありません。
入社してすぐに言われた「経理の仕事は、正確かつスピードも重要だし、営業などから提出される書類もきっちり納期を守って回収しなければならない」という言葉も、ヤマさんから聞いたものです。
しかし実際には、ヤマさんは、かなり融通を利かせるタイプでした。
そのため
- 私
-
(言っていることと、やっていることが違くない?)
という印象もあり、やきもきしたことも少なくはありません。
ただし、そういう温厚な性格であるがゆえに、社内での敵も少ない人で、みんなとうまくやっていました。
私とは、どちらかというと、真逆の性格であると感じます。
心に響いたあのひと言。
あるとき営業社員で、提出すべき書類を提出せずに、数ヶ月が経過している社員がいました。
その件で、顧客や上司から注意を受けるのは私です。
大幅に納期を過ぎていたことから業を煮やした私は、その社員に対して、かなりきつく書類の提出を依頼したのです。
すると、書類を提出していないことは棚に上げた状態で、「私の性格がきつい」、というクレームが社員から入ってしまいました。
本題の問題点は横に置かれ、私の性格の問題に論点がずれてしまったのです。
私は怒りと同時に、「私は何も間違ったことはしていないのに」という理不尽さで、悲しくもありました。
落ち込んでいる私を見て、ヤマさんから
- ヤマさん
-
「仕事というのは、必ずしも、白と黒だけでは成り立たないこともあるんだよ。まずはどうして遅れてしまっているのか、相手の状況も受け入れてあげないと。そういう状態を受け入れられるようになることも、あなたの成長じゃないかな」
と言われました。
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そのひと言のおかげで、私は。
正直なところ、とばっちりを全面に受けていたのは私ですし納期は守るべきだとは思います。
実際それほどに私の発言に問題があったなら、上司が代わりにその仕事について相手に催促をするのが筋だったのではないかなとも考えています。
ただし、「白と黒だけでは成り立たないこともある」という考え方については、非常に参考になりました。
それまでの私は「白」か「黒」かその二つでしか物事苦を判断していませんでした。
もっと曖昧でいい部分もあり、そのほうが周囲との折り合いもつけやすいのだと感じました。
ヤマさんからその言葉を言われた当初は不満に感じたものの、年月を経るごとに
- 私
-
「なるほど、確かにそうかもしれない」
と感じることが増えています。
私の仕事や人生に、かなり大きな影響を与えた一言だと思っています。
今後、私が目指したいこと。
その会社には、それから数年勤務しました。
正社員ではなかったので最終的には退職しましたが、退職までの数年間は、腹立たしいことがあっても上司の言葉を思い出して、広い視野で物事を考えるようになりました。
当時の上司と私の関係は、特に良くもなく、悪くもない、という状況です。
根本的な性格が違うため、仕方がないとは思うのですが、とてもお世話になったと感じています。
仕事というのは、とても難しいことです。
納期などに限らず「白か黒か」で決められる話ばかりではありません。
かつては、「ルールは遵守する」ということに縛られていた私ですが、上司の言葉や、いろいろな経験により、だいぶ考え方も変わり、穏やかになりました。
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