上司からのひと言:上司からの「犯人扱い」。結局、身の潔白は証明できないまま……。

[最終更新日]2019/08/30

体験談
10
上司からの忘れられないひとこと。忘れないでね、自分がしたこと

「忘れないでね、自分がしたこと」

ぶるーさん(女性 29歳)
職業
編集アシスタント(当時)
職種
出版
年収
秘匿
従業員規模
秘匿
地域
大阪府

Index

目次

私の仕事。

現在は別会社に勤務していますが、前の職場での上司の話をさせてください。
気分の良い話ではないかもしれませんが……。

当時私はある出版社に勤めていました。

新卒で入社した会社で、学生時代から本に関わりたいと思っていた私にとって、夢の職場でした。

肩書きは「編集アシスタント」になります。

「アシスタント」と付くことから、社内での地位も低く(おまけに新入社員でしたから)、
雑務はほとんど私に回されてきましたし、中には「ちょっとお茶買ってきて!」なんていうレベルのことまで……

でも、仕事はとても楽しかったです。
時にはアシスタントの立場でありながらも、企画案を考えさせてくれたりもして。

(いつかアシスタントから昇格して、自分で企画を立てるぞ!)

そう意気込んで、仕事に取り組んでいました。

私の上司。

そんな私が、退職にまで追いやられたのは、ある上司からのパワハラが原因です。

編集部の男性マネージャーで、年齢は50代半ば、バツイチの方でした。
元々は編集とは違う部署にいた方だったようで、

同僚

「あの人は全然、編集の仕事を分かってない」

などと、社内でもあまり良い噂は聞かない方でした。

実際、新入社員の私の目で見ても、

(あれ? この人は一日、何をしているんだろう?)

と疑問に思うくらい、仕事をしている姿を見ない方でした。
今になって思えば、「あの人には仕事を頼みたくない」と思われていたんでしょうね。

いわゆる「名ばかり上司」です。

まったく信用してくれない上司。

以前から、チクチクと嫌なことを言ってくる人だな、とは思っていました。

たとえば私が休日出勤をした分の代休を、その上司に申請に行ったとき、

上司

「みんな休日出勤でも、代休なんて取らずに頑張ってるぞ? 君だけ、しかも一番の若手なのに、休んじゃうの?」

そんなことを言われました。

(自分はほとんど仕事してないくせに……!)

なんとか我慢して仕事を続けていたのですが。

ある日の事。
社内で重要書類が紛失するという事件が起こりました。

私は関わったことがない案件でしたので、私の手によって紛失したのではない、と安心していたのですが。

その上司は私を別室へ呼び出し、

上司

「今、社内の雑務は君が全部任されてるよね? 書類の保管も当然そこに含まれてるんだろうけど、思い当たるところはない?」

「いえ、私は関わっていない案件ですので、書類を手に取ったこともありません」

上司

「なんで即答できるの? ちゃんとよく思い出してみた?」



上司からのひと言。

上司は頭から私の言い分を聞く気はないようでした。

そればかりか、社長に対し「書類が紛失したのは新入社員のぶるーさんの不注意によるものです」と
有りもしない罪を、私に着せたのでした。

上層部の結論は「上司と私で、賠償金を折半しなさい」というもの。
理不尽な要求に私は耐えられず、退職する決意をしました。

最後まで、私の潔白を証明することは叶いませんでした。

退職日、本当はひと言だって口を利きたくはありませんでしたが、形式的に上司に挨拶に行きました。

「お世話になりました」

上司

「賠償金は俺が全額払うことになったよ。忘れないでね、自分がしたこと」

私は何も言わず、職場を後にしました。

帰り道、私は涙が止まりませんでした。

それからの私。

その上司はもちろんのこと、会社の他の社員の方まで「もう二度と顔を見たくない」と思ってしまいました。

私はその後、今の会社へ転職しましたが、とても良い上司に囲まれ過ごしています。

しかしある日、現在の会社の同僚と飲み屋へ入った時に、以前の会社の社員の方と鉢合わせになったことがありました。
その中には、私に良くしてくださっていた女性の先輩もいました。

私はすぐに目を反らしましたが、お手洗いに立った先で、後からその先輩が入ってきました。

先輩

「久しぶり~。元気にしてた?」

「……はい。すみません、大したご挨拶もできないまま辞めてしまって」

先輩

「ううん。書類の件なら、あの後どうにかなったから、もう責任感じなくてもいいからね」

先輩の言葉から、おそらく今でもあの会社では、私だけが悪者として扱われているのだろうと思いました。

今は遠い昔のできごとに思いますが、あの時の上司のひと言は、もうしばらくは忘れられそうにありません。