管理職体験談:新・経理部長の残酷な政策。
[最終更新日]2022/12/15
私は自動車部品を作る会社の人事部責任者です。
現場で働く従業員の人員・生産管理が主な仕事です。
リンカーンさん(男性 44歳)
- 職業
- 人事部
- 職種
- 製造業
- 年収
- 600万円
- 従業員規模
- 100人
- 地域
- 東京都
Index
目次
管理職としての私の仕事。
比較的穏やかな性格で、部下を執拗に責めるようなことはまずしません。
職場では人間関係のトラブルが起きた時のバランサーとして重宝されています。
その性格が転じて、少々ナメられ気味な部分も否めませんが、とても良い環境で仕事ができています。
管理職になる前は、「偉そうなポジション」だと思っていましたが、
なってみたらなってみたで、様々な苦労が絶えない仕事だと思い知りました。
新しい経理部長は鬼のコストカッター。
我が社には悪しき習慣があって、それは、現場で働く従業員のほとんどが生活残業を行なっていることです。
経営陣が甘いこともあって、長い間、許されていました。
しかし、去年の10月に中途採用で入社し、経理部に配属された経理部長がバリバリのコストカッターで、人件費を削る方針を打ち立てたことから事態は急変。
更に運も悪く、米中貿易摩擦が激しくなり、自動車部品メーカーさんからの受注が急激に減り始めた時期と重なったのです。
そのため、残業代カットからボーナス減給と、従業員からすると「ちょっと待ってくれよ」と思うような強硬措置を取ったのです。
今まで当たり前に出ていた残業代がカットされ、現場の従業員達は当然大騒ぎです。
私も人事管理者としてどのように説得したらいいか頭を抱えました。
上司からはコストカットを強要され、部下からは総スカン。
完全な板挟みになり、精神的にも不安定な状態に陥りました。
乱れ行くチームワーク。
「コストカット、リストラ、生産性をあげろ、ボーナスカット!」
経理部長の方針に、職場の雰囲気は常時ギスギスしていて、やる気も活気も全く感じられませんでした。
一時期は「倒産」という言葉が何度も頭をよぎりました。
経理部長は会社の利益の為に、私は従業員の仕事と会社の為に、従業員は自分達の生活を守るために。
目的は違うけれど、「何かの為に」という本質は同じです。
なんとか団結して一枚岩になって、この難局を乗り越えられないかと必死にもがき続けました。
そんな時、常務のある言葉が脳裏に浮かんだのです。
- 常務
-
「会社にとって1番の財産は売り上げでも利益でもない。人なんだよ」
その言葉によって、視界が広がった気がしました。
その後、必死になって経理部長と現場の従業員に
- 私
-
「結局、立場は違えど、ここで働く誰もが、何かの為に一生懸命に頑張ってくれています。だからこそ、全員にとって最良の選択がしたい。今こそ一致団結して、今を乗り越えましょう!」
と説得しました。
私の言葉があってか、その後崩れかけていた団結力は次第に戻っていき、業績も一時期頃まで回復しました。
残業代も一時的なカットで済み、従業員のリストラも回避されました。
この出来事を通じて改めて、管理職の大変さ、重要性を思い知りました。
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私の理想の管理職像。
上司と部下の間に立ち、一方の価値観や考え方に偏らず、あくまでも公正・平等に双方の主張や考え方を隅々まで取り入れ、お互いが納得する着地点を見つけ、組織をまとめる。
そんな、組織のよりよい未来へ向け舵を切ることができる船頭のような存在が、管理職としてのあるべき姿だと思います。
部下の教育に対しても、個人の性格、「褒めて伸ばすのか? 厳しくした方が伸びるのか?」、
その時の健康状態も全てを考慮して、臨機応変に対応できる管理職になれるよう心掛けています。
しかし、実際はまだまだ程遠い、道半ばです。
褒めるところは褒める。厳しくするときは厳しくする。
そんなメリハリのある人事管理が、私はまだできていません。
これからは「愛情を持って厳しく接することは優しさである」と心の片隅に誓い、努めていきたいです。
今後、私が目指したいこと。
今後も、社で働くすべての従業員にとって明るい将来になるように、私も貢献していきたいです。
仕事を一生懸命に頑張って会社に恩返しする。どんな形でもいいから、今できることを一生懸命頑張って社会を明るくすることに少しでも力になれたらいいと思います。
プライベートでチャレンジしたい事は、語学を学び、外国人訪問客に日本の素晴らしさを伝えること。
日本の安全・安心、人を思いやる心を世界に発信していきたいです。
もちろん、我が社で生産している自動車部品が、交通事故撲滅に貢献していくことも、目標の一つです。
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