「プレゼン」「人前で話す」が苦手…という方のためのプレゼン上達の対策ポイント3点
[最終更新日]2023/11/06
管理職・マネージャーの方々といえども、「プレゼンが苦手」「たまにプレゼンで失敗するときがある」という方は少なくないのではないでしょうか。
また、プレゼンという業務は、上司やトレーナーから学びながら覚えるというよりは、「場数や経験を踏みながら、感覚を養っていく」形で覚えるという人のほうが多いようです。
ですが一方で、誤った形であったり、非効率的な形でプレゼンの型を持ってしまうと、なかなかその癖は抜けられず、結果プレゼン力がなかなか上達しない…ということにもなりかねません。
そこで今回は、プレゼンに苦手意識のある人が上達するための3つのポイントについて、お話したいと思います。
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あなただけじゃない!ほとんどの人が「プレゼン苦手」
株式会社インテーンは2017年、20歳から59歳のビジネスパーソン826名を対象にインターネット調査を行いました。
調査対象の35.9%が仕事の中でプレゼンテーションを行う機会があると答えていたのですが、そのうちプレゼンが「得意」あるいは「どちらかというと得意」と回答したのは30.3%にとどまりました。
つまり、70%近くの人がプレゼンは苦手だと感じているのです。
プレゼント苦手とする理由として
- 人前で話すことに緊張する
- 資料をわかりやすくまとめられない
- ユーモアを織り交ぜられない
- 時間配分が難しい
- 表現をするのが得意ではない
などがあげられていました。
自分にも当てはまると感じている人も多いはずです。
とはいえ、実はビジネスパーソンの大半がプレゼンを苦手だと感じていることがわかると、少し気が楽になりますよね。
また、自分の周囲にプレゼンが上手だと思う同僚や先輩がいたとしても、本人はプレゼンが苦手だと思っているのかもしれません。
必要以上に苦手意識を持ちすぎないように
仕事をしていく中で、自分が苦手だと思うことは人それぞれです。
プレゼンが苦手な人もいれば、事務作業を不得手とする人、複数の案件を同時進行できないと悩んでいる人もいることでしょう。
新入社員のうちは苦手な業務が遅れたり、多少のミスが合っても、お目こぼししてもらえるかもしれません。
しかし、キャリアを積むにつれて苦手なことを避けて通れなくなるのは必然です。
また人間には、得意あるいは好きなことには前向きに取り組み、ノウハウが蓄積されることで上達していく一方、苦手なことには積極的に手を出そうとしないためスキルアップが叶わず、周囲の評判を下げてしまうケースがよく見られます。
プレゼンにおいても、苦手意識を強く持ちすぎることで、このネガティブなスパイラルに入り込んでしまう可能性が高いです。
プレゼンに限らず、不得手な業務に関して苦手意識を持ちすぎないことが大事なポイントなのです。
プレゼン成功のポイントは、「事前準備」、「説明の型」、「目線を意識する」の3つ
プレゼンに苦手意識を持つ一番の理由に、「人前でわかりやすい説明をする自信がない」ことがあげられます。
ですがこの理由による苦手意識は、心の持ちようと行動を変えることで克服可能です。
プレゼンに対する苦手意識がなくなれば仕事の幅も広がり、自信が持てるようになるかもしれません。
そして、プレゼンの苦手意識を払しょくするのは、それほど難しくないとしたら試してみたくなりますよね。
プレゼンに成功したいなら、以下の3つのポイントを守ればよいのです。
- 事前準備はしっかり、丁寧に。
- 説明の「型」を持つ。
- プレゼン時の目線を意識する。
それぞれ、順を追って見ていきましょう。
「準備8割、本番2割」──事前準備は、しっかりかつ丁寧に。
プレゼンの本番を余裕を持って行うためには、事前の準備が欠かせません。
プレゼンの準備で行うべきことは、以下の5つです。
- クライアントのニーズを把握する
- プレゼンのストーリーをまとめる
- 発表の練習はできるだけ多くする
- プレゼン当日は早めに現地に行き担当者と話す
- 本番直前まで発表内容を推敲する
プレゼンは事前に、聴講者数や会場、制限時間などが明示されます。
そのため、実際に資料提示を行いながら、発表の練習を何度もくり返すのがベストです。
特に資料が膨大な場合は、どのページのどの部分に時間を割いて相手に納得してもらうのか、上司や同僚の協力を得ながら発表に改善点がないかのアドバイスをもらいながら、ギリギリまで改稿すべきです。
そうやって事前準備をしておくことで、本番は気持ちに余裕を持って臨めます。
本番では肩の力を入れすぎずに、「ここまでの準備を活かそう」の意識で臨むくらいがちょうど良いのです。
説明する際の、代表的な「型」を知っておく
インターネットを検索すると、様々なプレゼン用のテンプレートがヒットします。
実はプレゼンにはいろいろな型があり、それをベースに内容を組み立てることで、ストーリー展開しやすくなるのです。
プレゼンしたい内容や説明しやすさを考慮して、自分なりの型を見つけておくとよいでしょう。
代表的なプレゼンの型といえば、以下の4つです。
- 2W1H
- ホールパート法
- PREP(プレップ)法
- FABE分析
それぞれ、順を追って見ていきましょう。
2W1H
プレゼン初心者にまず覚えてほしい型といえば、「2W1H」です。
「What(何を)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」を使って、わかりやすく明確な説明をしていく方法で、汎用性が高いです。
中でも重要といわれるのが「Why(なぜ)」です。プレゼンの冒頭に「Why(なぜ)」を持ってくることで、聴き手の興味を喚起します。
次に自分あるいは自社が持っている特徴や強みなど、どんな「What(何を)」を用いるかを説明します。
そしてプレゼンは「How(どのように)」で結びます。ここで聴き手が納得できる具体案を明示するのです。
この3つがあれば、現状の課題とアピールポイント、具体的な改善案を明示できます。
ホールパート法
「ホールパート法」とは、話の「Whole(全体)」を説明してから、「Part(部分)」を話していく手法です。つまりプレゼンが、結論から本論、最終結論という構成になるということです。
プレゼンの全体内容を説明したうえで、各論に落としていくので、聴き手が内容を理解しやすくなるといわれています。
具体的に説明すると、プレゼンの冒頭で「本日は●●について、3つの観点からお話しさせていただきたいと思います」というように、まず結論を話します。
そのうえで、「1つめは」「2つめは」「3つめは」という各論それぞれを、根拠に基づく詳しい説明を行います。
そして最後は、本論より最終結論へ導き、プレゼンの目的を再認識してもらいます。
話し下手の人には、活用しやすいプレゼン方法です。
PREP(プレップ)法
「PREP(プレップ)法」は、「POINT(結論)」「REASON(理由)」「EXAMPLE(具体的な事例紹介あるいは証明)」「POINT(最終結論)」の頭文字をとったプレゼン手法です。「ハイテクニックな論述法」といわれることもあります。
PREP(プレップ)法では論述式に企画提案を行っていくので、わかりやすいのはもちろん、説得力を高めることができます。
PREP(プレップ)法も結論から始まることに変わりはありませんが、理由と具体的な事例紹介あるいは証明が結びついているので、論拠が明確になり、聴き手が理解しやすいというメリットがあります。
ただし、論拠となる具体的な事例紹介あるいは証明をきちんと集められることが前提です。
就職活動の際に提出する書類にある、志望動機の書き方としてなじみ深い方法です。
FABE分析
FABE(ファブ)分析は、セールストークの際にも用いられる手法です。「Feature(特徴)」「Advantage(利点)」「Benefit(利益)」「Evidence(証拠)」の頭文字をとった、名前となっています。
この手法では、プレゼン内容の特徴から始まり、優位性や利点、それによって得られるメリット、その根拠あるいは証拠という順で話を展開していきます。
プレゼン内容における特徴とは、企画概要を指します。
企画概要を説明したうえで、それを実行したことによる市場での優位性や強み、差別化のポイントなどを整理して伝えます。
さらに、提案した企画によって得られる、クライアントやエンドユーザーのメリットについて説明します。
その際には、メリットの根拠となるデータや導入実績、調査結果が明示されている必要があります。
この流れにそってプレゼンを行うことで、よりわかりやすい説明ができるはずです。
プレゼン中は「向ける目線」次第で、緊張は和らぐ
プレゼンテーションは、複数を相手に行うのが一般的です。
そして、スライドや手元の資料を読み上げるだけでなく、聴き手に目を向け、訴えかけることが必要な場面もあります。
とはいえ、プレゼンが苦手な人にとって、聴き手一人ひとりに目を向けるのはハードルが高いことでしょう。
その場合、プレゼン会場の奥の壁を見たり、会場全体を見回すように意識するのがおすすめです。
また、時間が経ってその場・環境に少しずつなれてきたら、冷静に会場を見回してみると良いでしょう。何人かの人が、自分の発表に頷いてくれることに気づくはずです。
きちんと説明を聞いてくれる人、自分の話に納得してくれている味方がいると思うことで、自信をもってプレゼンができる人もいます。
プレゼン中に聴き手と目が合うと緊張してしまうものですが、その人が熱心に話を聞いてくれると感じたなら、その相手に伝えることを意識した方がうまくいくものです。
「それでもプレゼンがうまく行かない…」という人は、とにかく場数を踏んでいこう
プレゼンの準備もしっかりして、本番でも会場内の人を見るように努力はしたものの、納得のいく出来にはならないと落ち込む人もいることでしょう。
プレゼンといっても、相手や内容が変われば雰囲気が異なるので、いつも同じように進むわけでもありません。
つまり、プレゼンに慣れるためには、当然ながら「場数を踏むこと」も求められるのです。
また、先にお伝えした通り、プレゼンの練習を何度もくり返すことで、自分の気持ちに余裕をつくることができます。
スライドには要点のみを記載し、そこに書かれていないことを説明するのが、プレゼンのセオリーです。
本番と同じようにスライドを使い、時間計測をしながら話す練習をすることで話す内容を整理したり、発表用のメモを見なくても自然にセリフが言えるようになります。
プレゼン前には、最低3回は全体を通した練習をしておくことをおすすめします。
参考:私のプレゼン対策
企画営業職の私は既存のクライアントには最低年1回、次年度提案のプレゼンを行っていますが、今では一番好きな業務です。
そんな私でも、初めてのプレゼンの時は聴き手の人数の多さと受注しなければというプレッシャーで、足が震えたものでした。
練習してプレゼンに臨んでも実際に聴き手を前にすると、その反応に引きずられて予定していた以外の話をしてしまい、時間切れになったこともあります。
そこで、制限時間の30秒前に伝えるべきことを話せるように、練習することを徹底しました。
また、何度も時間計測しながらプレゼン練習をするうちに、話すべきポイントを絞り込むコツがつかめるようになったのです。
聴き手が自分の話に真剣に聞き入ってくれる、頷いてくれる、プレゼン後に熱心に質問してくれることがうれしいと感じると、より深い説明をしたくなりますが、興味があれば質疑応答の時に質問が出るはずと割り切るようになりました。
すべてをプレゼンで伝えるのではなく、相手に質問を促す余地を残すと決めれば、プレッシャーは軽減すると思います。
苦手意識を捨ててチャレンジしてみよう
今回は、プレゼンに苦手意識のある人が上達するための3つのポイントについて、お話ししました。
この記事をまとめると
- プレゼンに苦手意識を持ち過ぎない方がよい
- 3つのポイントを意識するとプレゼンに成功しやすい
- プレゼンに慣れるためには場数を踏むのが一番
ということです。
プレゼンはあなたの話し方や表現力をはかる場ではなく、企画提案を受け入れてもらうために行うものです。
相手の立場にたった企画提案であれば、きっと受け入れてもらえます。
この記事を、失敗を恐れずチャレンジするきっかけにしてくれたらうれしいです。
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