「ロジカルシンキングって苦手…」という人向け「雲雨傘の論理」のススメ

[最終更新日]2019/12/02

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「雲雨傘の論理」のすすめ

論理的思考を意味する「ロジカルシンキング」は、仕事で役立つスキルのひとつとして広まっています。

その特徴と応用方法を学ぶことで、普段の業務の改善やさらなる成果への足掛かりにできます。
しかし、ロジカルシンキングを仕事に導入することは意外と難しく、思った通りに思考を実践できないこともあるでしょう。

そこでおすすめされるのが、「雲雨傘の論理」と呼ばれるフレームワークの活用です。

雲雨傘の論理を知ることでロジカルシンキングをより具体的に、そして実践的に身につけることができます。
ロジカルシンキングに興味があるけれど、上手く自分のものにできていないと感じる際には、雲雨傘の論理を軸に学習を進めてみてはいかがでしょうか。



Index

目次

論理的思考(ロジカルシンキング)と問題解決の関係性

ロジカルシンキングには、「物事を論理的に考えて、矛盾を無くした話の筋道を提示する」という意味があります。

論理的に考える力の基本スキルになるため、仕事における問題解決にも大きな影響を与える思考方法です。

その重要性は広く認知されていて、さまざまな仕事現場で多くの実績を作っています。

しかし、その一方で「ロジカルシンキングって結局何なの?」と、疑問に思ったままの方も多いのです。

まずはロジカルシンキングの実情を把握して、その魅力や課題を探ってみましょう。




できるビジネスパーソンは論理的思考(ロジカルシンキング)が身についている

仕事ができるビジネスパーソンほど、ロジカルシンキングを意識して身につけているものです。
それはロジカルシンキングが、「自分の意見や考え、想いををわかりやすく伝えるための手段」として使われることに関係しています。

ビジネスにおいて自分の意見や考えを理解してもらうことは、スムーズな問題解決につながるポイントです。
理解してもらうことで親近感が生まれ、仕事上の関係を構築できるため、協力して問題に取り組むことができます。

短い時間で問題を解決する必要のあるビジネスの世界において、こういった特徴を持つロジカルシンキングを学ぶことにはメリットがあるといえるでしょう。

同時に、ロジカルシンキングを深めることで、相手の意見や考え方も理解しやすくなります。

相手の言いたいことを引き出せれば、相互理解を深めながらビジネスの問題解決に取り組むことが可能です。

相手を知りながら仕事の問題解決にも応用できるロジカルシンキングは、今後もビジネスパーソンが身につけたいスキルの代表になるでしょう。




ロジカルシンキングが身についていないと感じている人は多い

魅力的なメリットを持つロジカルシンキングですが、「自分にはロジカルシンキングが身についていない」と感じている人は多いです。

Q.あなたは自身に対し「ロジカルシンキングが身についている」と感じますか?

引用:<あなたは自身に、「ロジカルシンキング」が身についていると感じますか。>

上のグラフを見てみると、ロジカルシンキングが身についていると実感している人はわずか16.8%に留まります。

身についてないと考える割合が21.1%なので、意欲はあっても実際にスキルを自分のものにできていない人の方が多いのです。

このことからロジカルシンキングの学習が、難しいものであることがわかるでしょう。

そもそも「ロジカルシンキングの意味がわからない」人が3割以上と1番多くなっていることが、学習の難しさを物語っています。

実際にロジカルシンキングの本やスピーチを見聞きしたけど、結局具体的なやり方はわかっていないという人もいるのではないでしょうか。

その「理解できなかった経験」は苦手意識を生み出し、ロジカルシンキングと距離を取る原因になってしまいます。
ロジカルシンキングに対しての苦手意識を克服できないと、仕事で活かすことは困難となるでしょう。

ロジカルシンキングが苦手でも大丈夫!「雲雨傘の論理」とは?

ロジカルシンキングが苦手だと感じている人におすすめしたいのが、冒頭でお話した「雲雨傘の論理」です。

段階を踏んでロジカルシンキングを実践できるこのフレームワークを知ることで、より論理的思考は身近なものになります。

苦手意識があっても比較的馴染みやすい内容となっているので、まずは雲雨傘の論理の基本を確認してみましょう。




「雲雨傘の論理」とは何か?

雲雨傘の論理雲が出てる!雨が降るかも傘を持ってこ!

雲雨傘の論理とは、論理的思考の流れを正しく導くフレームワークです。
物語における「起承転結」がひとつの基本であるように、「雲雨傘」も論理的思考においての基本の型となっています。

具体的には、

「雲」がでている

「雨」が降るかもしれない

「傘」を持って行こう

と思考する過程を指し、論理的に事実から行動を導き出すことが可能な方法です
この雲雨傘の論理の型を理解できているかどうかで、スムーズにロジカルシンキングを通して問題解決を行えるかが決まります。
特にロジカルシンキングに苦手意識を感じている人ほど、雲雨傘の論理のサポートが役に立つでしょう。




「雲」「雨」「傘」は、それぞれ何を表しているのか

「雲」…目の前にある「事実」「データ」

雲雨傘の論理「雲が出てる!」これは動かしようのない事実。では、どう対策をするべきか?主観に偏った事実・データではなく、客観的な視点で見るのがポイント!

「雲」にあたる部分は、「事実」「データ」といった明確な要素を表します。

「雲がでている」という動かしようのない事実を認識することで、それに必要な対応策を考えることにつなげられるのです。

主観に頼った事実や偏ったデータを雲に採用するのではなく、客観的な判断を盛り込むのもポイント。
自分に都合の良い内容だけを無理やり雲に取り入れないように、注意して事実やデータを見るのがコツです。



「雨」…事実から導き出される「解釈」「分析」

雲雨傘の論理「雲が出ている」という事実から「雨が降るかも」と分析具体的な対策へのヒントとなる

見つけた事実を基に導き出す「解釈」「分析」が、「雨」の表すポイントです。

「雲がでている」という事実から、「雨が降るかもしれない」と分析し、具体的な対策に進めるヒントを得ることが役割となっています。

注意点は、解釈や分析の結果はひとつであるとは限らないことです。

「雲がでている」からといって必ず雨が降るわけではないため、「晴れるかもしれない」「曇ったままかもしれない」と仮定することもできます。

いくつものパターンを想定した上で、実際の行動につなげていくのが雲雨傘の論理の基本です。



「傘」…解釈や分析の結果の「アクション」「提言」

雲雨傘の論理事実→分析の流れを経て、具体的なアクションを起こす論理的かつ効果的な方法「雲」「雨」を飛ばして傘に飛ぶのは、正しいアクションを妨げかねないため、要注意!

解釈や分析を通して、具体的な「アクション」「提言」を行うのが「傘」になります。

「雨が降るかもしれない」と解釈をしたのなら、「だから傘を持って行こう」と判断するのが傘です。

事実と解釈から論理的に結び付けられた行動になるので、問題に対して効果的なものになると考えられます。

雲や雨の部分を省略したり、雲からいきなり傘の部分に飛躍したりすることは、正しいアクションを妨げる原因にもなるのです。

もちろん傘の内容は解釈ごとに異なり、「豪雨になるかもしれないから出かけるのを止めよう」「気にしないで出かけよう」という行動が採用されることもあります。

論理的な思考による判断の帰結として、雲と雨の部分を参考にどのような傘を選ぶのかがロジカルシンキングのポイントになるでしょう。




「雲雨傘の論理」を使うことで、どのような効果が期待できるか

雲雨傘の論理を使うことで、周囲に説得力を持って行動(傘)の意味を理解させることができます。

その説得力は周りの協力を促し、問題解決に向けて進むのに効果的な環境を作ることに期待できるでしょう。

周りの理解が得られないと、行動を適切な形で終えたり、目標としていた効果を引き出したりといったことが難しくなります。

論理的な説得力で周囲の理解を深めることが、ビジネスシーンでも役に立たせることができるのです。

また、雲雨傘の論理で行動のための仮説を立てれば、次になすべき行動を明確にすることもできます。

Aという解釈が間違っていたとしても、「間違っていた事実」を認識できればその間違いを踏まえて次はBやCの解釈を基にした傘を選ぶことが可能になります。

こうしてどんどん問題を先に進めていける点が、雲雨傘の論理を使うことによって期待できる効果になるでしょう。

「雲雨傘の論理」を使いこなすための3つのポイント

雲雨傘の論理を使いこなすには、事前にいくつかのポイントを確認しておくことがおすすめされます。

ポイントを把握せずに雲雨傘の論理を仕事の中に導入しても、スムーズに使いこなすことは難しいです。むしろ中途半端に取り入れたせいで、職場に混乱を生じさせてしまうかもしれません。

雲雨傘の論理をうまく活用する為には、以下のようなポイントを意識しておくと良いでしょう。

自分の考えに「見出し」をつける「雲→雨→傘」を逆から考える「仮説→検証」のサイクルを繰り返す
  • 自分の考えに「見出し」をつけてみる
  • 「雲→雨→傘」を逆から考える
  • 「仮説→検証」のサイクルを繰り返す

それでは、各ポイントについて、詳しく解説していきましょう。




雲・雨・傘それぞれに、自分の考えた「見出し」をつけてみる

雲雨傘の論理をよりわかりやすい形にするためにも、自分で考えた「見出し」を作ってみましょう。
見出しを使って「雲雨傘」それぞれの内容を簡単に把握できるようにしておけば、頭の中ではっきりと論理の全体像を見渡せるようになります。

修正や改善もしやすくなるので、ロジカルシンキングに慣れていないときほど見出しの作成はおすすめです。
例えば雲の部分をただの「事実」とするのではなく、「〇〇に基づいた事実」と見出しをつけてみましょう。
たったそれだけでも、どのような内容を雲に設定したのかがわかりやすくなります。

相手に伝える際にもわかりやすい説明がしやすくなるので、まずは自分なりの見出しを雲雨傘の論理に付け加えてみてください。



「可視化」することで、より分かりやすくなる

ロジカルシンキングを視覚的に理解しながら使いこなすためにも、考えた内容を可視化することもひとつのポイントになります。

特にA4サイズのノートを横にして、雲雨傘それぞれの項目ごとに内容を記載するスペースを作る方法がおすすめです。

気づいたことや思いついたアイデアをメモするスペースを確保しておけば、その論理に至るまでに考えた全ての「きっかけ」を保存しておけます。

それは次の雲雨傘の論理を構築する際の参考にできるため、ノートの可視化は積極的に行っておきましょう。




「雲→雨→傘」を逆から考える

雲雨傘の論理を使いこなすには、考える順番を逆にしてみることも重要です。
常に「雲(事実)→雨(解釈)→傘(行動)の順で考えなければならない」という思い込みは、論理の幅を狭めてしまいます。

ときには「傘(行動)→雨(解釈)→雲(事実)」の逆順を使って発想の転換を行うことが、ロジカルシンキングに慣れるポイントです。

逆から雲雨傘の論理を確認してみることで、どうしてその論理が成立しているのかを追求することができます。

「なぜ傘が必要なのか」→「雨が降りそうだから」「なぜ雨が降りそうなのか」→「雲がでているから」という流れの中に出てくる複数の「なぜ」は、論理的な思考を組み立てるポイントです。

この「なぜ」は雲雨傘の論理を考える際の軸になるので、逆順から考える際には意識してチェックしてみましょう。




「仮説→検証」のサイクルを繰り返す

仮説・検証

仮の結論として「仮説」を作り出し、その検証を行うサイクルを基本とすることも、雲雨傘の論理を使いこなすコツになります。

「仮説→検証」の流れを何度も繰り返すことを意識すれば、より強固な論理によって構築されたロジカルシンキングを実行可能です。

例えば「問題解決にはAが必要」という仮説を立てて検証してみた結果、「Bも必要であることがわかった」とします。

すると次の仮説は、「問題解決にはAとBが必要」という仮説を立てて、再検証を行うことができるのです。
そうやって少しずつ仮説を固めていくことで、本当に求める結論を導き出すことができます。

雲雨傘の論理の中でこの仮説にあたるのが、「雨」の部分です。
雲の事実に基づいて問題解決における仮説を作り出し、傘の行動という検証に移していくのがポイント。
間違っていたとしても再検証によって修正を重ねていけるので、臆せずさまざまな仮説を立ててみましょう。

「雲雨傘の論理」を使った問題解決の事例

社員が遅刻を繰り返す問題に対しての「雲」と「雨」

例えば雲雨傘の論理は、「社員が遅刻を繰り返す」という問題を抱えている職場でも利用できています。
この事例の場合、まず事実となる雲にあたる部分が、「繰り返し遅刻をする社員がいる」という点です。
これを軸に雨の解釈を行うと、

よく遅刻する社員仮説・自己管理が不十分・指導の仕方がよくない
  • 社員の自己管理に問題がある
  • 指導の仕方が適切ではない(勤怠の重要性が社員に伝わっていない)

などが仮説として立てられます。




解釈から傘を導き出す

仮説を理解した上で、今一度現状の把握を行ってみると、「遅刻をしている社員に対して上司が冗談半分のような伝え方(遅刻した社員からすると、そこまで悪いことをしたとは感じられないような様相)で指導していた」ことがわかりました。

すると問題の解釈は、「指導の仕方が適切ではない(勤怠の重要性が社員に伝わっていない)」という仮説が有力となってきます。

そこでこの解釈を軸に傘の部分を考えてみると、「上司側で社員への適切な指導方法を振り返る」であったり、「組織全体で、勤怠の重要性について話しあってみる」が解決方法として挙げられるでしょう。




実際に雲雨傘の論理を検証する

このケースでは、

今回のケース遅刻を繰り返す社員がいる組織や上司の指導の仕方がよくない指導方法の見直しもしくは組織で勤怠について話し合う

雲(事実):遅刻を繰り返す社員がいる

雨(解釈):勤怠について、組織(上司)の指導が適切ではない(勤怠の重要性が社員に伝わっていない)

傘(行動):上司側で社員への適切な指導方法を振り返る・組織全体で、勤怠の重要性について話し合う

というロジカルシンキングが実現されました。

社員とは別の部分に問題の原因があったことは、雲雨傘の論理を利用したからこそわかったポイントです。

このように、雲雨傘の論理を実施することではじめて見えてくる要素はたくさんあります。

こちらを参考に雲、雨、傘の3段構成に問題を当てはめて、具体的なロジカルシンキングを実行してみてはいかがでしょうか。

まとめ)雲雨傘の論理からロジカルシンキングを知ろう!

雲雨傘の論理を知ることで、理解が難しかったロジカルシンキングの全体像がわかりやすくなります。

一度はロジカルシンキングの学習に挫折してしまった人も、今度は雲雨傘の論理という考え方を軸にして、ぜひ再挑戦してみていただきたいです。

雲雨傘の論理のフレームワークは、さまざまな事例に当てはめて応用することができます。
問題の所在を確かめて、解決方法を導き出すにはうってつけのツールになるので、手軽にロジカルシンキングを扱える感覚を持てることでしょう。

日常生活でちょっとした疑問や課題・問題がおきたときに、ぜひ雲雨傘の論理からのロジカルシンキングを試してみてください。