アイデアが欲しいけど、アイデアが出ない…という時に意識したい、鉄板の発想活性術!
[最終更新日]2023/11/06
仕事をしているなかで、アイデアを求められる機会は多々あります。
その際、アイデアとはそれまでにない斬新なものという考えにとらわれたり、期限に追われて考えたり、ひらめいたものの日が経つにつれて色あせて感じるなど、形にできずに終わることも少なくないようです。
ですが、アイデアは発想することが大事なのではありません。
アイデアを実現して、求める結果を出すことが重要です。
そこで今回は、実現できるアイデアを発想するための方法について、お話ししたいと思います。
Index
目次
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「アイデア」=「ゼロから1を創る」ではない
まず、アイデアの前提について、考えてみましょう。
アイデアとは、突然ひらめくものだと思い込んでいる人も少なくないようです。
しかし、ひらめきは突然湧いてくることがありますが、これは思いつきでしかありません。
そして、ひらめきや思いつきは、偶然に依存する傾向がる良いです。
アイデアとして他者に披露するためには、その根拠も含めて、論理的に説明できるようになっている必要があります。
その違いを、理解しておくことが大切です。
1965年に広告代理店での勤務経験があるジェームス・ヤング氏が、豊富な経験に基づいて執筆した「アイデアのつくり方」という本が出版されました。
そこでジェームス・ヤング氏は、アイデアの原理について、以下のように語っています。
- アイデアとは、既存の要素の新しい組み合わせである
- 新しい組み合わせをつくり出すには、事物の関連性を見つけ出す必要がある
つまり、アイデアは「誰もが知っているものを、どう組み合わせるか」から生まれるということです。
アイデアを産み出す5つの段階
そもそもアイデアは、企画を考える際に必要なものです。
そして企画は、問題や課題を解決するための対策といえます。
そのため、アイデア出しをする時点で、解決すべき問題や課題を把握することがスタートなのです。
この前提を理解したうえで、アイデアを出すための活性方法を実践しましょう。
前述したジェームス・ヤング氏の「アイデアのつくり方」では、アイデアを生成するプロセスが5段階あるとしています。
- 1)情報を集める
- 2)咀嚼する
- 3)孵化させる(時の流れに任せる)
- 4)ひらめきを得る
- 5)実現を促す
それぞれ、順を追って見ていきましょう
情報を集める
まず、解決したい問題や課題に関連する情報収集をすることです。
これは、特殊資料と呼ばれる、企画に直接関係するものを指します。
それ以外にも、一般的資料を収集するのが、アイデア生成のポイントです。
一般的資料には、そのときの企画には直接関係しない、流行っているものや興味をもっているものなどが含まれます。
この特殊資料と一般的資料を組み合わせることで、関連のある新しい切り口を探すのです。
そのため、データとなる資料をいかに集められるかも、企画の精度に関わります。
咀嚼する
次は、収集した資料やデータを自分なりに咀嚼、つまり理解することです。
そのため、収集した情報を単独で読み込むのはもちろん、全部を並べたり、組み合わせたり、視点を変えるなどして、内容を消化します。
この時点では、無関係だと思っていた情報に関係がないか、共通点はないかに着目し、情報を組み立てるだけで十分です。
その時点で何か思いついたら、とりあえずメモして、後のプロセスに進みましょう。
孵化させる(時の流れに任せる)
収集した情報を自分なりに咀嚼したら、いったん手を止めて、気分転換に別なことをしましょう。
これは、同じテーマについて長時間考えることで、思考パターンが決まってしまうことが多いからです。
音楽を聴いたり、映画を観たり、散歩したりと、情報を咀嚼していたときと、まったく違うことを意図的にすることで、リフレッシュできます。
すると、アイデア生成のプロセスで使っていた部分とは違う部分の脳が刺激を受けます。
これは、アイデア生成をしない時間に潜在意識でアイデア生成を進めるうえで、有効な方法なのです。
孵化させるときのポイントは、テーマについて考えないことです。
ヒントが自然と浮かぶのを待つのです。
ひらめきを得る
孵化させるためのリフレッシュタイムを取った後は、何をしていても生み出すアイデアについて考えるように意識します。
すると、突然にオリジナルの解決方法がひらめくことがあります。
これは、デスクでアイデアを考えているときではなく、起床したばかりや入浴中など、まったく関係のないことをしているときが多いかもしれません。
その際、収集した情報とひらめいたアイデアが、きちんと紐づいているかどうかを、検証することが大事です。
そのうえで、役に立ちそうだという思えたひらめきは、メモに残しましょう。
実現を促す
アイデアがひらめいたら、実現できるかどうか、まず検証します。
ひらめいたアイデアが、問題や課題を解決する方法として有効かどうか、妥当性も含めて考えるのです。
アイデアがどんなに良いものであっても、社会で実装できるかどうかは別です。
アイデア実現のための仮説を立て、試し、結果を検証することをくり返します。
ここで実社会で具現化できないアイデアが、淘汰されていくのです。
このプロセスをくり返すことで、実際に展開できる方法が見つかります。
それが、アイデアの実現につながるのです。
「どうしてもアイデアが浮かばない…」という時に意識したい、3つのポイント
とはいえ、アイデア生成の5段階を経ても、なかなか浮かばないということもあります。
それは、収集した情報量が同じでも、アイデアにつながるまでに時間がかかる人と、かからない人に分かれるからです。
ですが、アイデア活性は才能によるものではありません。
スピーディーにアイデアを出せるようになるために、できることがあります。
その活性方法について、説明していきましょう。
「調査・観察」の時間を充分に持つ
そもそもアイデアは、問題や課題を解決するための企画立案に必要だと前述しました。
そのため、出発点である問題や課題の状況について、調査・観察する時間を十分に持つことが、とても大切です。
アイデア生成を始める前に、問題や課題が起きている現場に赴き、その状況を自分の目で確かめ、実際に利用しているユーザーからヒアリングをすることで、何を実現すべきかを見つけやすくなります。
ここで大事なのは、ユーザーに共感する意識を持つことです。
想定するユーザーの日常生活や置かれている状況、行動と思考の流れなどを調べることで、気づくことがあります。
また、人間の行動には、必ず心が伴います。
例えばITサービスのアイデアを出したいときには、ユーザーが現在利用しているサービスのどの点に不満を感じているのか、どんな使い方をしているときに不具合を感じるのかをヒアリングすると、根底にある心情や価値観を知る機会となります。
知りえた心情や価値観を考慮した解決方法を探せば、より実現性の高いアイデアを生成できるはずです。
「トライ&エラー」の機会を多く取る
ヒアリングを十分に行い、アイデアを生成したとしても、それがすんなり実現できるとは限りません。
サービスの提供や商品化をする前に、立てた仮説を検証する期間を設ける必要があります。
そのため、アイデアのトライ&エラーを確かめる機会をより多く取ることをおすすめします。
モニターを募集するなどして、ユーザーに実際にサービスや商品を利用してもらい、立てた仮説の目的が達成できているか、想定した機能がきちんと作動しているかを、まず確認します。
そのうえで、使用したユーザーにヒアリングを行い、アイデアの検証だけでなく、ブラッシュアップのヒントをつかむのです。
想定外のことが起こったときにはそれを改善し、追加した方がよい機能は実装するなど、アイデアの具体化をどうするのかの道筋が見えるようになります。
このトライ&エラーを何度もくり返すことで、より完成に近づいていくはずです。
「時間」を味方に付ける
仕事でアイデアを出す必要があるときは、大抵は期限が決められています。
新しいサービスや製品の開発だったり、広告・PRプランのコンペティションだったり、シチュエーションは違っても、アイデアは出したいときにすぐに思いつくものではありません。
アイデア生成の時間を短縮するためには、日ごろからイメージを具現化する訓練をしたり、経験を積むことが必要です。
また、さまざまな情報を関連づけたり、整理できる能力も必要とされるでしょう。
しかし、期限があるからといって、急いでアイデアを出そうとしても、うまくいかなくてあたりまえです。
ひらめきや思いつきを、他者に説明できるアイデアにするまでには、時間がかかるからです。
実現可能で問題・課題を解決できるアイデアを見つけるためには、自分のひらめきや思いつきを精査する時間が不可欠です。
また、自分のひらめきや思いつきに固執して、同じ考え方しかできなくなっている状態では、成果につなげるのが難しい現実があります。
だからこそ、アイデアを孵化させる時間を、意識して設けるのがおすすめなのです。
事例:アイデアひらめきのケース
では、私自身のアイデアのケースを紹介しましょう。
私が、小学生向けの情報紙の編集を行っていたときの体験談です。
私が編集の仕事を引き継ぐ前、情報紙のデザイン制作は外注で、パートの編集担当が2名が編集記事の制作とともに、営業からもらう広告素材をメールで入稿するという方法で進行していました。
そのため、営業が遅れれば広告素材の入稿も遅れ、色校正の段階で広告が半分以上入っていないことも珍しくありませんでした。
外注先のデザイン会社の負担も大きく、特急進行料が発生するなど、コストにも悪影響が及んでいたのです。
そこで私が編集担当になった時点で、営業とミーティングを行い、なぜ入稿が遅れるかのヒアリングを行いました。
その結果、受注は済んでいるのに入稿を忘れる、ギリギリのタイミングまで営業せざるをえないなど、複数の課題が見えてきました。
そこで私は、営業の負担を軽減するために、過去に掲載があるクライアントは、その広告に修正点だけを赤字で書き加え、編集に渡すように伝えるとともに、新規の広告については何を伝えたいのか、どんな素材が用意できそうかをヒアリングしたうえで、編集がデザイン見本をまとめてから入稿するようにしたのです。
在版流用が増えればデザイン会社の負担は減りますし、デザイン見本をクライアントに見せておくことで、入稿前に原稿内容を詰めることができます。
そのうえ、受注日から5日以内で入稿するというルールを設け、入稿締め日に集中しないように、締め切りも何度かにわけて設定するようにしました。
その結果、営業の業務も多少軽減され、締め切りギリギリに入稿が固まることもなくなったのです。
こうした業務効率アップのアイデアを考えたのは、自分の仕事を軽減するためでした。
ですが結果的に、営業・編集が連携する方法が定着したことで、その後の新規の広告企画書を編集が書いて提案するといった連係プレーにつながり、売上アップにも貢献できたと自負しています。
アイデアを発想する訓練をしよう
今回は、実現できるアイデア活性の方法について、お話ししました。
この記事をまとめると
- アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせである
- アイデア生成のプロセスを経ることで発想しやすくなる
- アイデア出しにはある程度の時間が必要
の3つです。
日ごろからいろいろなことに興味を持って過ごしていると、それが思わぬひらめきや思いつきにつながるかもしれません。
アイデアをアウトプットするためには、自分の引き出しを満たしておくことも大事なので、日ごとからインプットを心掛けてみるのもよさそうです。
この記事をアイデア出しの参考にしてくれたらうれしいです。
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