「うっかりミス」をなくしたい。「勘違い」の原因と、改善策について

[最終更新日]2020/03/19

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「うっかりミス」「勘違い」を防ぐには。

仕事中のうっかりミスを無くすのは難しく、どれだけ慎重に立ち回っても失敗を繰り返すことはあります。

「あれだけ気をつけていたのに……」と落ち込んでしまう経験は、多くの人に覚えのあるものではないでしょうか。

実はこのうっかりミスには、私たちが無意識のうちに行ってしまう「勘違い」が関係しています。

そのためこの勘違いの特徴を知って、うっかりミスにつながる思考への対策を行えれば、改善を目指すすことが可能なのです。

この記事ではうっかりミスを誘発する勘違いについて解説し、具体的な改善方法をチェックします。
なかなかミスを減らせなくて悩んでいる人は、この機会に勘違いのメカニズムを理解して改善を進めてみてください。

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Index

目次

人は「思い込み」をするから「勘違い」する

そもそも、なぜ人間は勘違いをしてしまうのでしょうか?

人間の勘違いには、その前の段階にある「思い込み」が関係しています。
「思い込みと勘違いは同じ意味なのでは?」と疑問に思うかもしれませんが、この2つには明確な違いがあるのです。

まずは思い込みと勘違いそれぞれの意味を、改めて確認し直してみましょう。




「思い込み」と「勘違い」のちがいについて

【思い込み】:深く信じ込むこと。固く心に決めること。【勘違い】:事実を間違って認識する。また、信じてしまう。

【思い込み】:深く信じ込むこと。また、固く心に決めること。

【勘違い】:事実を間違って認識する、または信じてしまうこと。

思い込みと勘違いは、それぞれ上記のような意味を持つと定義されています。

思い込みとは、「信じ込むこと」「心に決めること」といった自発的な要素が強い言葉です。
一方で勘違いとは、「間違えたまま認識すること、信じてしまうこと」という意味があります。

どちらも「信じる」という行為そのものは同じですが、勘違いには「間違っている」という要素がプラスされているのがわかります。

つまり勘違いとは「間違った思い込み」であり、2つには因果関係があると考えることができます。

そして基本的に人間の思考は、「思い込み」→「勘違い」という流れで構築されます。
そのため思い込みの段階で思考内容・方法を間違えてしまうと、それが勘違いにつながり、最終的にはうっかりミスにまで発展してしまうのです。

「思い込みがあるために勘違いをしてしまう」
それが勘違いの基本的な構成になります。




「勘違い」が起こりやすい人の特徴

常に余裕がない急いで物事を済ませようとする仕事に慣れ、自分の力を「過信」してしまっている

常に余裕がない

常に余裕のない人ほど、間違った思い込みからの勘違いが起こりやすいです。

余裕のない人の多くが相手の話をきちんと聞くことができなかったり、物事の観察が足りなかったりするため、自分でも気づかないうちに勘違いを引き起こしてしまいます。

余裕のない人は自分で解釈することをしないで、「たぶんこうだろう」といった曖昧な理解で止まってしまうために、間違った情報を掴みやすくなってしまうのも原因です。

また、余裕のない人は「改めて確認する」といった行動を起こすことが少ないのも、勘違いを助長する原因になります。
間違った思い込みを正す機会がなかなか得られないことから、ずっと勘違いを続けやすいのです。



急いで物事を済ませようとする

すぐに答えを欲しがる、行動には早さを重視してしまう、そんな急いで物事を済ませようとするせっかちな性格の人も勘違いしやすいと言えます。

せっかちな性格な人は勢いで話を進めやすいので、物事の真偽を確かめなかったり、細かな点を無視したりしてしまいがちです。

それは勘違いのきっかけになり、ミスを増やす結果につながります。

急いで物事を済ませようとすると、自分の都合の良いように思い込みやすくなります。
自分主体の思い込みは視野を狭くし、仕事の効率化を妨げることにもなるでしょう。



仕事に慣れ、自分の力を「過信」してしまっている

仕事に慣れてくると、つい自分の力を過信してしまいがちなものです。
それは判断を誤ったまま思い込む原因になり、そこから勘違いを引き起こします。
スキルとは関係なく「奢り」が生まれてしまうことも、勘違いからのミスにつながるのです。

仕事への自信はスキルアップにつながり、さらなる成果を引き出す原動力になります。
しかし、根拠のない自信や分不相応な自信を意味する「過信」は、勘違いからの逆効果となるのです。

「また同じミス…」勘違いが起きる原因は?

勘違いがミスの原因であり、上記のような特徴を持つ人ほど勘違いを起こしやすいことを理解しても、同じミスを繰り返してしまうことはあります。

それは「選択的認知」「利用可能性ヒューリスティック」という2つの思考が原因となっていて、私たちは知らず知らずのうちに自分で思考の幅を狭めているのです。

勘違いの原因になるもの 説明
選択的認知 自分が何かを判断するときに、自分に都合の良い情報や「そう思いたい」内容を優先して参考にしてしまう現象のこと
利用可能性ヒューリスティック 自分の習慣や思い出しやすい記憶を、他の事象や可能性よりも優先的または高く見積もってしまうこと。
「人間はよく聞くものや見るものに影響されやすい」「イメージしやすいものを優先して選びやすい」など。

続いては選択的認知と利用可能性ヒューリスティックそれぞれについて確認し、勘違いを繰り返してしまう根本的な理由をチェックしてみましょう。




「勘違い」の多くは「選択的認知」が原因

人間が勘違いをするとき、多くの場合「選択的認知」によって無意識の中で思考が偏っています。

選択的認知とは、自分が何かを判断するときに、自分に都合の良い情報や「そう思いたい」内容を優先して参考にしてしまう現象のことです。

たとえば以下のような内容が、選択的認知のパターンとなります。

仕事がうまくいかないとき、「嫌いな同僚の悪いところ」ばかり気になるダイエットする時、自分が興味ある方法こそ効果的であるように感じる「野菜嫌いな人」が健康を考えるときに、「野菜は体に良い」という情報を無視する
  • 仕事が上手くいかないとき、「嫌いな同僚の悪い点」ばかりが目に付く
  • ダイエットをするとき、自分が興味のある方法ほど効果が高いように感じる
  • 「野菜嫌いの人」が健康について考えるとき、「野菜は体に良い」という情報を無視してしまう

このように自分の趣味嗜好や経験をもとにして、取得する情報にバイアスをかけてしまうのが選択的認知です。
目の前に明確な解決方法があっても、選択的認知によって正しい評価が下せなくなれば、間違った内容を真実だと勘違いしてしまうのです。

選択的認知は誰の心にも現れるものであり、偏った考えや自分の意見を優先することが必ずしも悪いことであるとはいえません。

しかし、勘違いによるミスが多発しているのなら、意識して選択的認知を取り除き、間違った思い込みを正すことが必要となるでしょう。




「利用可能性ヒューリスティック」に注意する

利用可能性ヒューリスティック(例)コンビニと美容院、多いのはどっちか、という時多くの人が「コンビニ」と判断する(実際は美容院の方が多い)

「利用可能性ヒューリスティック」とは、ノーベル賞を受賞したダニエル・カーネマンが提唱した理論で、「人間はよく聞くものや見るものに影響されやすい」「イメージしやすいものを優先して選びやすい」などといったことを意味します。

この利用可能性ヒューリスティックによって、私たちは普段から親しみのある内容を無意識のうちに優先し、その結果勘違いを起こしてしまうとされているのです。

これには「単純接触効果」というものも影響しています。単純接触効果とは、私たちは普段目にしている回数や触れる頻度が多いものに対して、信頼が高まり、選択をしやすくなることです。

たとえばコンビニと美容院、どちらのお店が世の中にあるのかという質問に対して、多くの人はコンビニだと考えるのではないでしょうか。

しかし、実際には美容院の方が店舗数は多く、そこに勘違いが発生していることがわかります。
これはたいていの人が美容院よりもコンビニと接触する機会が多いため、根拠がなくても「コンビニの方が多いのでは」と想像してしまうことが要因だと考えられます。

このように直感的に事実と異なる勘違いを起こしてしまうことが、利用可能性ヒューリスティックです。

また、信頼できる人や場所の意見に影響されてしまうことも、利用可能性ヒューリスティックの一種になります。

会ったことのない専門家の意見よりも、身近な友達の体験の方が信憑性があるように感じたことはありませんでしょうか。
これも考え方にバイアスがかかっていて、思い込みからの勘違いにつながるきっかけになっているのです。

利用可能性ヒューリスティックを避けるためには、主観だけでなく「客観的」なデータや評価を確認することがポイントになります。

最初に頭に浮かんだ先行イメージだけで判断するのではなく、信用できる情報源から正しい事実を入手してから選択するようにしましょう。

「勘違い」を改善するための3つの方法

勘違いの原因を理解できても、いきなり自分の感覚や考え方を変えることは難しいでしょう。
そこでスムーズに勘違いを改善するために、以下の3つの方法を実践することがおすすめされます。

それぞれの方法は誰にでも簡単に実践できるものなので、今日からでも始めることが可能です。

適度なリフレッシュTO DOリスト失敗を振り返る
  • 適度なリフレッシュタイムを含みつつ、作業を行う
  • 「TO DOリスト」を作って、“うっかり”を防ぐ
  • 失敗をきちんと振り返り、改善に向ける



適度なリフレッシュタイムを含みつつ、作業を行う

作業を行う際には適度にリフレッシュタイムを導入し、集中力を持続できるように工夫することで勘違いを防ぎやすくなります。

一般的に人間の集中力の限界は、連続で90分程度だと言われています。
それ以上作業を続けてもだんだんと集中力が落ち、いずれは勘違いによるケアレスミスを引き起こす結果になるでしょう。

そういった事態を避けるためにも、集中力が切れる前に休憩を挟んでリラックスすることが大切です。

たとえば90分ごとに20〜30分リフレッシュする時間を確保することで、集中力を高いままでキープしやすくなるでしょう。

リフレッシュタイムを適度に取って集中力を継続できれば、ミスの確率を0.0001%まで下げられるという話もあります。

休憩する時間がもったいなく感じられるかもしれませんが、長期的に見れば勘違いを防ぐことによる多くのメリットが得られるので、積極的にリフレッシュタイムは取るようにしましょう。

リフレッシュタイムの理想は仮眠ですが、「静かに目をつぶる」「これまでとは違う簡単な作業を行う」といったものでも、休憩の効果を得ることができます。

職場で上司の目が気になる場合などは、その場でやりやすい休憩方法を考えるのがコツです。

もちろんその日の体調や心理状況によっては、90分も集中力が持たないこともあります。
リフレッシュタイムはきっちりと時間で決めるのではなく、集中力が切れそうになったタイミングで臨機応変に導入するのがポイントです。




「TO DOリスト」を作って、“うっかり”を防ぐ

勘違いからのうっかりミスを防ぐなら、やるべきことを記録した「TO DOリスト」の作成も対策になります。

自分のやるべき作業内容を記録したリストがあれば、いつでも必要なタイミングで詳細を確認することが可能です。

「〇〇日までだと思っていた」「〇〇さんの仕事だと勘違いしていた」といった思い込みを修正できるので、うっかりミスが多いと感じるときには自分だけのTO DOリストを作ってみましょう。

TO DOリストはメモとは違い、終わったタスクにチェックを入れて「完了した」ことを自分で把握する作業も必要になります。

「うっかりミスをしないで行動できた」という事実を確認して、自分に自信を付けていくことも大切です。

また、TO DOリストに書く内容は、できるかぎり一眼でわかるようにするのも重要です。
たとえば「〇〇さんに仕事の資料を確認してもらってから修正する」といった内容は、「仕事資料の確認」と書くようにします。

あまり長々とやるべきことを書くと、TO DOリストを作ることがひとつの作業になってしまい、余計なミスを産む原因になってしまうでしょう。あくまでTO DOリストは勘違いを防ぐためのサポートツールなので、TO DOリストを書くことが目的にならないように注意しましょう。




失敗をきちんと振り返り、改善に向ける

勘違いを防ぐためには、失敗した事実を振り返ってその後の改善を意識することも大切です。
自分が勘違いをした理由を把握し、その原因を探り出し、必要な対策を考える。

勘違いによるミスが起きた際にはこの流れを実践して、次回以降に再び繰り返さないようにしましょう。

特に選択的認知と利用可能性ヒューリスティックへの対策が必要となる場合には、この振り返り作業が役立ちます。

繰り返しやすい選択的認知と利用可能性ヒューリスティックを原因とした勘違いは、自分がどんな思考に偏ってしまったのか、何が自分の考えに影響したのかを明確にすることで対策が立てやすくなります。

「なぜミスを繰り返してしまうのか」と悩むときには、失敗を振り返ることを習慣化して、根本的な問題点を探り出すようにしましょう。

まとめ)勘違いは予防できる!ミスをなくすための対策を練ろう!

あらゆるうっかりミスは、私たちが無意識に行ってしまう勘違いが原因になっています。

まずは勘違いの特徴や繰り返しミスをする理由を確認し、自分のミスを生み出しているものの正体を把握してみてください。

勘違いは誰にでもあるものだからこそ、見過ごされてしまうことが多くなっています。

しかし、本気でうっかりミスをなくすことを目指すのなら、この機会に身近になってしまっている勘違いにスポットを当てて、対応できるように備えていきましょう。

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