管理職体験談:男ばかりのバス会社で、女性管理職になって。
[最終更新日]2022/12/15
現在私は、大手貸切バス会社で、主任を務めています。
shimichiyoさん(女性 39歳)
- 職業
- バス会社主任
- 職種
- 営業
- 年収
- 550万円
- 従業員規模
- 30人
- 地域
- 東京都
Index
目次
管理職としての私の仕事。
主な業務は営業活動で、具体的には来年の東京オリンピックを視野に入れ、活動しています。
恐らく旅行者が急増することが見込まれますので、外国の方向けのバスの提供であったり、
日本の旅行会社に向けた貸切バスの営業を行っています。
また、営業活動以外にも新入社員や運転手に対する研修も行っています。
私は「人から指示されて」仕事をすることがあまり得意ではありません。
その点、今の主任の業務は、自分から進んでプロジェクトを立ち上げたりが可能なので、性に合っていると感じます。
仕事はあくまで結果重視。
そう思って業務に臨んでいます。
「現場を知らない」と言われた日。
主任になってから印象的だったのは、ある社員から言われた一言です。
ある時、バスをご利用いただいたお客様が車酔いをしてしまい、吐いてしまったことがありました。
その際にシートが汚れてしまったのですが、なんと運転手がそのお客様に「シートを汚してしまった」ことを注意したと言うのです。
後日、そのお客様から
- お客様
-
「客に向かって説教とはどういうつもりだ!」
とのクレームが入りました。
当然のことだと思います。
私はすぐにその運転手を呼び出し、注意をしました。
その時に、運転手から
- 運転手
-
「あんたは現場のこと何も知らないだろ? 信用できないよ」
と言われてしまいました。
その言葉はかなり大きなショックでした。
確かに当時の私は、営業活動に勤しむあまり、現場の方にあまり目を向けられていなかったかもしれません。
私が見ていなかっただけで、現場は現場でたくさんの苦労があるということを、その時になってようやく実感することができました。
同時に、お客様は第一ですが、共に働く社員たちのことも、しっかり大事にしていかなければならないと、強く胸に刻んだ出来事でした。
現場を知ることの重要性。
その後は、同じ問題が起こった際にすぐに対処ができるよう、
私も時間がある時はバスに同乗し、「世話係」として働くよう努めました。
何よりも現場に出て、現場の苦労を知っておきたいという思いがありました。
そして正直に言うと「部下に舐められたくない」という思いもありました。
そのクレームがあってから半年間は、そのような働き方をしていたため、
休日などはほとんど無いに等しい状態でした。
しかしその結果、現場の知識が得られましたし、運転手とのコミュニケーションも進んだと思います。
最近では、長距離移動のやや辛いような案件でも
- 運転手
-
「〇〇さんの頼みなら頑張るよ」
と言っていただけるようにもなりました。
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「女性」というハンデを乗り越えて。
私は前職はまったく違う業界でした。
未経験で転職した今の職場で主任になったため、少し肩に力が入りすぎていた面もあったかと思います。
- 私
-
(とにかくたくさん仕事を取ってこなくちゃ)
そんな思いで、いつしか視野が狭くなり、現場の部下のことをないがしろにしてしまいました。
また、男性ばかりの今の職場で、女性の私が上に立つことを快く思わない者もいる、ということも痛感しました。
そんな中でも部下を引っ張っていくためには、
知識ばかりでなく、現場に出て、自分で経験を積んでいくことが何よりも大切なのだと学びました。
今でも、女性としての偏見を感じることはあります。
営業に向かった先で
- 先方
-
「あれ? (バス会社の営業なのに)女の人なの? 大丈夫?」
- 私
-
「近頃はこの業界も、どんどん女性進出が目立ってきているんですよ。安心してくださって大丈夫です」
そんな会話を交わしたこともありました。
こうしたハンデを乗り越えるには、やはり現場で場数をこなしていき、周囲の信頼を勝ち得ていくほかないと感じています。
今後、私が目指したいこと。
管理職の仕事と言うと「社員教育」を思い浮かべる方もいると思います。
ただ、この業界での社員教育は少し違います。
やはり接客が命の仕事ですから、対お客様への接客法やトラブル対処法にかなりの力を入れています。
運転手には、安全運行のための座学セミナーを定期的に開催しています。
今後も与えられたポストの名に恥じぬように、社員を導いていきたいです。
また私自身は、大型2種免許の取得を目指したいと思います。
運転ができるようになれば、座学だけでなく技術的な指導もできるようになるからです。
あとは将来的(直近で言えば東京オリンピック)に英語のスキルも磨いていきたいです。
海外のお客様に「日本はいい国だ」と思っていただけるような、心からの接客を目指していきたいです。
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